a16z ポートフォリオ紹介 Part.4
世界的にも有名なVCであるアンドリーセン・ホロウィッツ(通称「a16z」)が投資するクリプト企業(プロジェクト)について紹介する記事のPart.4です。本記事は、紹介した企業・クリプトへの投資勧誘、投資助言を行うものではありません。
Part.1の記事はこちらからお読みください。
https://note.com/vvinyll/n/n4c3cc3f6c5ec
Part.2の記事はこちらからお読みください。
https://note.com/vvinyll/n/n16c515acf0d1
Part.3の記事はこちらからお読みください。
https://note.com/vvinyll/n/n62120341bd95
KEEP
Keepは、パブリックブロックチェーン、DApps、DAO上で利用されているスマートコントラクトの透明性を保ちつつ、プライベートデータをセキュアにしていくことを目指しています。ブロックチェーンが透明性と改ざんできないという特徴を持ってる一方で、プライベートデータに紐付いてしまうというプライバシーの問題に取り組んでいます。KEEPの最初のユースケースとしてEthereum上のBTCとしてtBTCをローンチしました。Ethereum上のBTCとして現在の主流はWBTCであり、WBTCはBitGoに担保となるBTCを担保として預けて発行するカストディアル型となっています。一方でtBTCは管理者を排除し、個人で管理することができるノンカストディアル型となっており、RenBTCと比較されることも多いです。
ネイティブトークンであるKEEPは、現在ステーキングやLPの提供を行うことができます。こちらもまだローンチして日が浅いので、報酬を上乗せするなどして、運営としても工夫しているようです。https://dashboard.keep.network/overview
diem(LIbra)
diemは、Facebookの子会社であるNovi(ex.calibra)が主導するdiem協会が運営するプロジェクトであり、ステーブルコインの発行を目指しています。diemは、2020年12月1日にLibraより名称変更が行われ、diemはラテン語で「日」を意味します。2021年中にドル連動型のステーブルコインの発行を掲げており、このタイミングでの名称変更なのでかなり終盤にさしかかっているのではないかと予想されます。
Libra協会発足時には、Paypal、VISA、MasterCard、ebayといった決済業者やECサイトが参加していましたが、規制当局からのLibra構想への反発および、規制上のリスクなどにより現在は脱退してしまいました。また、発足時点ではFacebookが主導しているというイメージがありましたが、規制当局からの指摘もあり一定の距離を保つようになっています。
プロジェクトとしては、ステーブルコインを発行し世界中の人々にとって、より良い決済手段を提供することを目指しています。世界中でお金を送金することは、メッセージの送受信と同じように簡単にする必要があります。また銀行口座を持たない人々でも金融ネットワークにアクセスすることができるように、スマートフォンなどを持っていれば簡単にアクセスすることができるようなネットワークの構築を掲げています。よく比較されるCeloと類似点も多いですが、Celoは2021年1月9日にBinanceに上場しました。
Celoについては、Part.2でも取り上げています。https://note.com/vvinyll/n/n16c515acf0d1
MakerDAO
MakerDAOは、Ethereum上の分散型金融(DeFi)プロジェクトであり、現在はMaker財団によって運営されています。しかし今後は、名前の通りDAO(自律分散型組織)として分散化を加速させ、財団も一定の距離をとっていくのではないかと予想されます。またすでにガバナンスは、ガバナンストークンであるMKRを用いての決定が行われています。例えばDaiを発行するための担保資産に新しい暗号通貨を追加するかどうかなどのガバナンス投票に使用されます。なお、a16zは総供給量の6%にあたるMKRを1500万ドルで購入し、保有しています。
また、MakerDAOでは、複数の種類の暗号資産を担保にしてステーブルコインDaiを発行することができ、反対にDaiを担保資産に戻すことも可能です。この仕組みのことをVaultといい、スマートコントラクトによって実行されます。Daiを担保資産に戻す時にはStability Feeという手数料がかかります。
MakerDAOは日本語での情報が豊富であり、Japan LeadであるKathleen Chu氏が活発に活動されているので、是非チェックしてみてください。TwitterでDaiを賞金にしたイベントなどが開催されています。また、やさしいDeFiとして日本でのDeFiリテラシーの向上にも貢献されています。
NEAR
NEARは、Dapps開発のためのオープンソースプラットフォームです。現在Dapps開発は主にEthereumで行われていますが、NEARはEthereumに比べてスケーラブルかつ低コストで開発を行うことができるとともに、Ethereumとの互換性も持っています。これらを可能にしているのは、シャーディングという技術です。シャーディングに特化したプロジェクトは他にもQKC、ZILなどがありますが、NEARがこれらのプロジェクトに比べるとチームの実績が突出しています。コアチームのメンバーに国際大学対抗プログラミングコンテスト(ICPC)の受賞者が多く在籍しています。またCEOであるAlexander氏は、プロジェクトを立ち上げる前に数多くの大企業に対してプラットフォームの提供を行い、シャーディングの実装を任されていたという実績があります。
オープンソースプラットフォームの開発を行うプロジェクトは多々ありますが、正直開発者がそこを使わないと普及しませんし、ユーザーを獲得することができません。NEARはメインネットを2020年に公開したばかりですが、主なDappsが3つあります。Zed Run、Flux、Mintbaseの3つですが、どれもトレンドを抑えているので、2021年にかけてユーザーを獲得することができるか注目したいところです。
Open Bazaar
OpenBazaarは、ピアツーピアネットワーク(P2P)を利用したオンラインマーケットです。OpenBazaarのソフトウェアを利用してモノの売買を行うことができます。なおソフトウェア自体はブロックチェーンを利用しておらず、代金の支払いにBTC、BCH、LTCなどの暗号通貨を利用することができます。
そして、残念なことに2021年1月15日にサービスが停止します。停止理由としては、サーバ設備の維持費用および電気代を支払うことが困難になったためです。OpenBazaarは寄付金などに基づいて運営されてましたが、そちらの寄付金も底を尽きてしまったようです。
最後まで読んで頂きありがとうございました。どんどん執筆速度が落ちてきましたが、本シリーズは次のPart.5で完結です。よろしくお願い致します。
執筆者:ビニール
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