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a16z ポートフォリオ紹介 Part.3

世界的にも有名なVCであるアンドリーセン・ホロウィッツ(通称「a16z」)が投資するクリプト企業(プロジェクト)について紹介する記事のPart.3です。本記事は、紹介した企業・クリプトへの投資勧誘、投資助言を行うものではありません。

Part.1の記事はこちらからお読みください。 
https://note.com/vvinyll/n/n4c3cc3f6c5ec

Part.2の記事はこちらからお読みください。
https://note.com/vvinyll/n/n16c515acf0d1


DFINITY

https://dfinity.org/

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DFINITYは、従来のクラウドサービスを分散型インターネットコンピューターに置き換えることを目指しているプロジェクトです。インターネットコンピュターは世界中にデータセンターを配置することで、分散性を確保しています。また、現在インターネット上などで新たなサービスやSNSをリリースする場合、GAFA(amazonのAWS、MicrosoftのAzureなど)がすでに展開しているサービスを利用する必要があるという独占状態の解決にもフォーカスしています。そして、これらのサーバーなどを導入している各社は、運用のために知識を持った担当者を充てる必要がありましたが、DFINITYはこれらの人員を削減することによるコスト削減も目指しています。

そしてDFINITYは、複数のデータセンターをまたいで動作し始めており、インターネットコンピュータ上でビルドされたアプリケーション「CanCan (TikTok)」「LinkedUp(LinkedIn)」も開発され、デモが披露されています。これらの開発を行うためのSDKも公開されています。ちなみにDFINITYを記述しているプログラミング言語は、「Motoko」と呼ばれるDFINITY財団が独自開発した言語です。名称の由来は、攻殻機動隊の草薙素子ではないかと噂されています。

また、2020年10月には2年越しのエアドロップとして、ICP(Internet Computer Protocol)が配布されて話題になりました。私は2年前の自分を恨んでいます。トークンが配布されたことにより、メインネットへの期待が高まっていますが、現状は2020年9月にSodium(テストネット)がローンチされている状態です。ロードマップでは、2020年の年末までにMercury(メインネット)となっているので、今年最後のビッグイベントになるかもしれません。


dY/dX

https://dydx.exchange/

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dY/dXは、Ethereumブロックチェーン上のDeFiプラットフォームです。プラットフォーム上では、現物取引、デリバティブ取引、暗号資産の貸出・借入を行うことができます。これらをEthereum上のスマートコントラクトで実行するため、中央管理者を介する必要がなく、透明性が保たれます。しかし、一方で自分自身のウォレットで資産を管理する必要があります。

dY/dXが、他のDeFiプラットフォームと差別化されている点は、Ethereum上にBTCのデリバティブ取引を実装していることです。これまで、Ethereum上でBTC取引を行う時は、BTCを預けてWBTCを発行して取引するのが主流でしたが、dY/dXではUSDCを清算に利用することでBTCの現物を用意する手間を省きました。Ethereum上で発行されているUSDCを利用することにより、ブロックチェーン上で監視することが可能になり、透明性も向上します。

またBTC価格は、Makerが提供している「Oracles V2」を利用して、トップ取引所から価格情報を参照してきます。


Filecoin

https://filecoin.io/

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Filecoinは、後日追記します(?)
それまで、こちらの先人の方々の記事をご覧ください。
Filecoinについて知っておくべき5つのこと(TOKEN ECONOMIST様)
ファイルコイン(Filecoin / FIL)の特徴・詳細とは?(NEXT MONEY様)


HandShake

https://handshake.org/

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HandShakeは、現在ICANNによって中央集権的に管理されているDNS(Domain Name System)にブロックチェーン技術を応用することで、ブロックチェーンベースのシステムに置き換えることを目指しているプロジェクトです。しかし、既存のDNSプロトコルと完全に取って代わることを目指しているのではなく、互換性を持たせることを目指しています。まず、現在のDNSプロトコル自体はインターネットが始まって以来、ほとんど変更が行われていないインターネットの構成要素です。つまり、インターネットのセキュリティやプライバシーの脅威に繋がる可能性が指摘されています。ICANNによる中央管理、セキュリティ上の脅威というこの2点からも、HandShakeがDNSの問題に取り組む重要性が考えられます。

しかし、簡単にDNSプロトコルを置き換えることができるわけではありません。現在、HandShake上のドメインの販売がnamebaseでオークション形式で始まっています。執筆時点では、絵文字ドメインがとても高値で取引されています。また、すべてのドメインが取引できるわけではなく、上位100,000位のドメインは取り置き(予約)されており、取引することができません。なぜかと言いますと、例えば私が「twitter/」というドメインを取得してしまったら、Twitter社がHandShake上のドメインに移行しようとした時にドメインが抑えられてしまっているという問題が発生します。HandShakeは、こういった大企業などが移行しない限りメインストリームになることはあり得ないので、この問題は双方にとって痛手となります。なので、予約制がとられています。また、オークションに参加するにはHNSが必要となり、落札者は2位落札価格を支払うことで、ドメインを購入することができます。

(ちなみにですが、a16zなどから調達した資金はオープンソース開発者達に寄付してしまったようです。)


HARBOR

https://harbor.com/

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HARBORは、あらゆる現実資産をトークン化することを目指すプラットフォームです。いわゆる、セキュリティトークン(証券)発行プロジェクトであり、不動産、アート作品などの現実世界の資産に裏付けされたものをトークン化し、取引可能にすることで投資の可能性を広げます。またこれにより、今まで暗号資産に興味の無かった投資家を引きつける可能性を秘めています。例えば世界的な名画は世界に1枚しか存在しないので、所有することができるのは1人だけです。しかし、この名画の所有権を10枚のトークンとして発行することができれば、10人が所有することができます。これがもし今後プレミアや歴史的価値が出てくるモノ(資産)であれば、すこしでも投資してみたいと思う人はいるのかもしれません。(一口馬主に近いですね)

HARBORは、上記のようなトークン化を支援するとともに、投資家の窓口かつ資産の保管を行うプラットフォームです。2019年11月には、SECから証券代行業者のライセンスの認可を受けていましたが、現在BitGoによって買収されており、BitGo Business WalletとBitGo Custodyのサービスに統合されるようです。


最後まで読んで頂きありがとうございました。Part.4に続きます。

執筆者:ビニール

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