カンボジア語と声道モデル
カンボジア語を勉強してると発音で悩むことが多い。カンボジア人に発音を習っていても、何か具体的な指摘をしてくれることはほとんどない。「違う」とか「合ってる」とか、言われるだけで自分で考えるしかないから、音声学の本を買うようになった。
さらに勉強してると「そもそも声とは何か?」の疑問が出てきて、音声学は初心者ながら追求したくなったりする。អとអ៊の本当の違いも知りたくなる。
អとអ៊の音素の獲得は、ずっとカンボジア人の前で発音していれば獲得はできると思っているんだけど、正解の方向は自分で探すしかない。この記事に書いたけど、日本語圏で語られているA子音とO子音の説明はよく分かんない。
手探りで声道モデルの基本的なことを知って理解していった。僕はメカニズムが理解できないと気がすまないという病気なんだけど、普通はただカンボジア人の前で発音練習すればいいんだと思う。音声学なんて体系的に勉強したことの無い技術者なので、その前提で読んでほしい。
まず声のメカニズムを知ってびっくりしたのは、声帯はビープ音みたいな声の元をつくっているということ。それが、メガホンみたいな声道と呼ばれる筒の中を通ると「声」になって出るという声が生成されるメカニズム自体にびっくりする。
カンボジア語を勉強してると、喉を緩める感じで発音するという表現を聞いたことがある。気持ちは分かるけどメカニズムとしては不適切な表現であることがわかる。喉なんて緩められない。動かせる場所はせいぜい口の形と舌の位置が大きく影響してして、ここら辺の理解も大事だ。そもそも何を意識するべきかは、構造を知ると分かってきたりもする。
説明が分かりやすい動画のリンク
メカニズムを知り、少しずつអとអ៊の違いについて掴めてくると、母音全体なんかにも目がいく。自分なりにリストをつくり、一つ一つ苦手な音素を潰していく。全部、ハナマルをもらう小学生になって気持ちになって潰していった。
https://gist.github.com/vulture0902/0605cc55e42bd8d8899155575d3ad59d
こういった過程にも、声道モデルの理解は助けてくれる。
さらに、3Dの声道モデルがあったので、許可をいただき、プノンペンの3Dプリンタ屋で印刷して、さらに「声」の理解を深めたり、物理モデルも種類があるようでpythonでの声道モデルのシュミレーションから「あいうえお」をプリミティブに合成した音を出力するプログラムを理解したりもした。
メカニズムを理解しつつ、もう少し具体的に何が正解なのか、根拠をもって探求していきたい。
[参考サイト]
声道模型(Arai Laboratory)
https://splab.net/vocal_tract_model/ja/
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