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本野/物書き教員
2023年12月6日 21:44
「僕は不幸ではありません。ただ、人と違うだけなんです。」そう仰ったのは、生まれつき上半身不随の男性だった。どきりとした。心のどこかで『可哀想に。』と思っている自分がいたから。そんな私の心を見透かすように、男性はにっこり微笑んだ。「僕にしかできないことがありますから。」足で握手を求められた。恐る恐る手を差し出す。ぎゅっと足を握ったら温かくて、『あぁ、違うけど同じなんだな』って思った