🇺🇸アメリカ文化の光と影を読む：ブラッド博士通信「アーティストの暗い一面：行いが作品にどう影響を与えるのか？」　

The Brad Berens Weekly Dispatch | Substack

※作者の了解済みで日本語で配信しています。

今週のメインテーマに入る前に、いくつかの注目すべきトピックやお知らせをお伝えします。

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先週、ロサンゼルスの山火事で避難を余儀なくされた家族や友人について、メッセージやコメント、電話をくださった皆様に感謝いたします。
両親と娘は無事に家に戻ることができ、心から安堵しています。しかし、他の家族や友人は未だ家を追われたり、全てを失ったりしています。この危機はまだ終わっていません。「パリセーズ火災」の現状を示すCal Fireの地図を見れば、その深刻さが一目で分かるでしょう。気候変動は現実です。

読者の1人であるペリヴァルさんは、1991年のバークレー・オークランド火災に言及してくださいました。私もその火災を経験しましたが、どうして忘れていたのだろうと思います。当時の大家であるハンスとシグリッドは丘の上にあった家を失い、空いていた部屋に引っ越してきました。私の教授の1人も自宅を失いました。その時は確かに恐ろしい経験でしたが、個人的なつながりが少なかったため、今のような強い影響は受けなかったのかもしれません。

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おすすめの読書

• デレク・トンプソンによる「The Anti-Social Century」（The Atlantic誌最新号、有料記事）は、孤独と孤立の違い、そしてテクノロジーがどのようにして私たちが一人の時間を増やすのを可能にしたかを探ります。

• 明日がマーティン・ルーサー・キング・ジュニア記念日であり、またドナルド・トランプ大統領の2期目の就任式（仮定）とも重なっているのは、偶然以上のものを感じます。トランプ大統領がキング牧師の抗議運動と2021年1月6日の出来事を思慮深く比較するとは思いませんが、そうであってほしいと願っています。

• ニューヨークタイムズマガジンの「ドローンがウクライナとロシアの戦争をどう変えたか」という記事（有料）は、寒々しくも興味深い内容でした。

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悪い行いをする偉大なアーティスト

では、2つの思考実験から始めましょう。

1. ウィリアム・シェイクスピアが実は少年俳優たちに性的暴行を加えたペドフィリアであったという証拠が新たに見つかったとしたら、現代の私たちのシェイクスピア観はどう変わるでしょうか？作品を学校で教えることは続けられるのでしょうか？シェイクスピア祭がその名前を変えるでしょうか？それとも一部の伝統的な支持者たちが「エドワード・ド・ヴィアが実際の作者だった」という陰謀論を信じ始めるでしょうか？

2. パブロ・ピカソが実はただの遊び人であり、その絵画の本当の作者がアドルフ・ヒトラーだったとしたら？この事実が判明したら、絵画の評価はどう変わるでしょうか？ヒトラーへの見方も変わるでしょうか？（そうでないことを願います。）

これらの思考実験を提起したのは、最近の2つの記事が、偉大な作家が「悪い人間」であることが分かった場合、それが彼らの作品にどう影響を与えるのかという類似の問いを浮き彫りにしたからです。

1月13日のニューヨークマガジンの表紙記事「There Is No Safe Word」では、Lila Shapiroが、ファンタジー作家ニール・ゲイマンが多くの若い女性に性的暴行を加えたとする告発について探っています。この告発は昨夏、イギリスのポッドキャスト「Master」（これはゲイマンが女性たちに自分をそう呼ぶように好んでいたという告発でもあります）が最初に報じました。ゲイマン本人はすべて否定していますが、シャピロの記事はこの件をさらに掘り下げ、例えば『Calliope』（『サンドマン』第17話）を読み直して、作中の作家で悪役のリチャード・マドックがギリシャ神話の女神カリオペをレイプして作家のスランプを克服するという描写を再考しています。マドックはゲイマンのアナロジーであり、主人公のサンドマンではないことが示唆されています。

また、12月30日/1月6日号のニューヨーカーには、Rachel Avivの「You Won't Get Free of It」が掲載されており、ノーベル文学賞受賞作家アリス・マンローが、彼女の2度目の夫が最初の結婚で生まれた娘を性的虐待したことを黙認していた事実を掘り下げています。その恐怖をさらに広げるかのように、マンローはその虐待を自らの短編小説の素材として使用しました。マンローのもう一人の娘は、「母の執筆は私たちの生活よりも現実的で、私たちの存在よりも大切だったと思います」と述べています。シャピロの記事と同様、この話も新しいものではありませんが、Avivはさらに深く掘り下げています。

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私はアリス・マンローの作品を読んだことはありませんが、ニール・ゲイマンの作品はたくさん読んできました。大学院時代には、ゲイマンの講演を見に行ったこともあります。『サンドマン』シリーズは私の大好きな作品で、すべての個別号とペーパーバック版を持っています。この告発を信じるとすれば、私はゲイマンの作品を読むのをやめるべきでしょうか？起訴され有罪判決を受けるまで待つべきでしょうか？手元にあるものは保持しつつ、彼の新しい作品にはお金を使わないべきでしょうか？彼の作品を原作としたテレビ番組や映画を見ないべきでしょうか？後者2つの行動は、単なるゲイマンへの抗議ではなく、彼の作品を生み出す編集者や出版社、製作陣や俳優にも影響を与えるでしょう。

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