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アメリカの洋上風力発電に暗雲?GE Vernovaのタービン不具合問題で問われる脱炭素の未来


アメリカ・マサチューセッツ州ナンタケット島沖の洋上風力発電プロジェクト「Vineyard Wind 1」で、GE Vernova社の風力タービンブレードが破損する事故が発生しました。この事故により、GE Vernovaは製造した複数のタービンブレードに同様の欠陥が見つかったことから、7億ドル(約1000億円)規模の損失を計上することになりました。タービンブレードは接着剤の不具合により破損し、一部のブレードはナンタケットのビーチにまで流れ着く事態に。この破損事故を受けてプロジェクト開発企業のVineyard Windは、ブレードの交換と補強作業を進めることが発表されました。

この事件は、脱炭素に向けた洋上風力発電の課題を浮き彫りにしています。タービンの製造や供給チェーンの問題に加え、コミュニティからの反発、インフレーションなどが発展の妨げとなっており、2030年までに再生可能エネルギーを3倍に増やすという気候目標の達成が難しい状況です。GE Vernovaは同様のブレード破損がイギリスでも発生しており、収益の悪化を受けて、約900人の人員削減を検討しているといいます。

Vineyard Windプロジェクトはスペインのエネルギー大手イベルドローラ傘下のAvangrid社とコペンハーゲン・インフラストラクチャー・パートナーズが共同で所有しており、アメリカの洋上風力発電の先駆け的な存在です。しかし、風力発電の成長には多くの障壁があり、環境問題を重視する投資家や企業にとってリスク要因も増しています。

脱炭素社会を目指す中で、このような洋上風力の技術的問題が、将来のクリーンエネルギー推進にどう影響するのか。再生可能エネルギー拡大の重要な一環として注目される洋上風力の進展には、今後も高い期待と共に多くの課題が伴いそうです。

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Tokyo⇄シリコンバレー AI,クライメートテック Web3 -武富正人
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