GTAⅤで学ぶ建築〜柱の座屈編〜
皆さんお久しぶりです、バーチャル建築コンサルタントの住場みやこです!
2年半ぶりにnoteに投稿するのですが、今回は『GTAVで学ぶ建築~柱の座屈編~』です。
なんと2024年になってようやくGTA5を初プレイしました。その中のミッションで「主人公の奥さんの不倫相手の家をぶっ壊す」というものがありまして、これを題材に柱の座屈を解説してみたいと思います。
建物について
まずは建物の概要を見ていきましょう。正確には建物全体をぶっ壊すわけではなく、崖に張り出したテラスをぶっ壊すというミッションです。建物は丘陵地に建っていて、テラスが崖の下から柱によって支えられている、という構造です。
この柱に、ワイヤーを括り付けて車で引っ張ることで、テラスをぶっ壊します。
柱は鉄骨の鋼管ですね。中が空洞になっていて、ストローのようなものをイメージしてもらえれば大丈夫です。
これが3本1セットになって梁を支えていて、2セットの柱でテラスを支えている建物となっています。
柱の根元を柱脚といいますが、この柱脚はボルトが6本、基礎に固定されていて、柱と柱脚のプレートが一体になっているので、溶接されていることが分かります。
この柱脚部分にワイヤーが巻かれています。柱3本まとめて巻いていますね。これを車で引っ張っていきます。
まずはどう壊れるか見ていきましょう。
最初に壊れるのは・・・
最初に、ワイヤーを巻いた柱の、一番車に近い側の柱がぐにゃりと曲がっているのがわかりますね。これが座屈です。
そしてその後すぐに3本とも座屈していきます。
さらにアクセルを踏んで…
次に奥の柱も座屈していきますが、これには少し疑問でした。
一見、手前の柱はもう完全にテラスを支えられなくなっています。ですが、車で引っ張っているのは手前の柱だけなので、この柱とつながっている梁が壊れるか、柱が梁を支えている部分が壊れて、先に手前側のテラスから崩れていくと考えられるためです。
そうして手前側のテラスが傾くにつれて、テラスを支えている梁と奥の柱が一緒に倒れていく、というのが通常想定される壊れ方です。
しかし、柱があまりにも細長い、または厚さが薄い場合、梁や柱の接合部が壊れるより先に柱が座屈する、ということももちろんありえるので、ここは要検証ポイントですね。
さて、まだまだ車で引っ張っていくと…
なんと次は柱で梁を支えていた部分が脱落し、柱と梁が完全に分離してしまいました。通常は座屈した柱の耐力が著しく落ちるので、どんどん柱が傾いてテラスを支えられなくなり最終的に崩壊すると考えられますが、先に接合部が壊れるとなると、よほど接合部が弱かったか、錆びたり腐ったりしていた可能性もありますね。
というわけで無事テラスをぶっ壊しました
柱が全て座屈して構造体が崩壊するという、建物にとって一番やばい壊れ方である「柱崩壊型」で最後は崩壊していきましたね!
柱が先に壊れてしまうと、このように建物全体が崩壊してしまうので、先に梁が壊れる「梁崩壊型」の設計とするのが一般的です。
まあ車で引っ張って壊すやつがいるとは想定してなかったと思いますが・・・
柱の座屈についてもう少し解説しますと、ストローをイメージしてもらうと分かりやすいですが、まっすぐなストローを上から押しつぶそうとしても、かなりの力が必要です。しかし、一度折り目を付けた(座屈した)ストローを上から押すと、小さい力でも折り目のところで折れてしまいますね。これと同じ現象が柱でも起こったというわけです。
こうならないように、テラスを崖に張り出して設計する際には「柱を太くし座屈しにくい柱にする」「柱と梁の接合部を強力にする」「柱の本数を増やす」など、余裕を持たせた設計にすることが重要です。
今回は大丈夫でしたが、柱脚部のボルトが壊れないようにするのも大事なポイントですね。
皆さんもテラス付きの豪邸を建てるときには、くれぐれも気を付けてくださいね!
そして・・・不倫は絶対にやめましょう。
今後もGTA5配信やっていきますので、興味ある方は是非遊びに来てください!
最後まで読んでいただきありがとうございました!!!
元配信:【#GTA5】完全初見!GTA5ストーリーをプレイ!【steam版】
https://www.youtube.com/live/Bo_1CSzqe0k?si=lUcYravxzLg2rCuQ
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