Vtuber業界地図 2023年総集編
VSTATSで集計したデータの公開記事として「Vtuber業界地図」を作っておりましたが、2022年8月を最後に更新をしていませんでした。大変申し訳ございません。
ですが、今回2023年のまとめとして復活し、今後四半期に1度のペースでやっていきたいと思いますので、またご愛顧いただけたらと思います。
なお、個人ブログ「VSTATS Blog」において毎月集計結果は公表しておりました。よろしかったらそちらもご覧ください。
なおこの記事はVtuber全体及び企業別の概要としての分析は無料で読めますが、もう少し踏み込んだブランド別の分析は有料とさせていただきます。VSTATSを2年以上運用して取得したデータの集大成です。収益はサーバーの運用に充てさせていただきますので、よろしくお願いします。
2023年概要
総視聴時間基準の業界シェア
2023年はホロライブプロダクションが前年比+13.7%と増加、にじさんじプロジェクトも+1.9%と微増となりました。
ぶいすぽっ!を主体とするBrave Groupは前年比+32.4%と、主要企業の中では最も高い伸びを示しました。
一方ななしいんくは前年比-29.9%、のりプロは前年比-48%と大きく減少しています。いずれもメンバーの卒業や引退が相次ぎました。
ただし、ブランド別・地域別でみると実態にはかなり差があります。詳しくは有料部分にて紹介します。
大みそかで見る2022年と2023年の比較
コロナ禍による巣ごもり需要がVtuber業界にとって追い風になったのは間違いありませんが、コロナ禍が明けても大きな悪影響はなかったと言えます。
その証拠として、もっとも在宅率が高いと言われる年末12月31日のVSTATS登録チャンネル全体の同接推移を、2022年・2023年と比較してみましょう。
登録チャンネル数の違いはありますが、VSTATS登録ch全体での最大視聴者数は63.7万人→90.4万人、ホロライブプロダクション全体で33.5万人→49.6万人、にじさんじプロジェクト全体で16.8万人→22.4万人、BraveGroupで2.3万人→5.7万人と、いずれも視聴者数を伸ばしています。
ホロライブ・にじさんじ・BraveGroupの地域別シェア(日本・海外)
次に、主要3大企業(ホロライブ・にじさんじ・BraveGroup)の月別シェア推移を、日本と日本以外の全世界を区分として見てみましょう。
国内シェアとしては、ホロライブ・にじさんじともにシェアを維持していると言えます。
にじさんじ甲子園がある7・8月はにじさんじがシェア優勢となりますが、その他の月は互角かややホロライブのシェア優勢です。
また、BraveGroup(ぶいすぽっ!が総視聴時間のほとんどを占めています)は、小森めと移籍加入後の2・3月、3Dお披露目を行った5・6月にシェア10%以上となっています。
海外シェアはBraveGroupはまだ立ち上げ段階なのでその他に区分しています。
こちらは2022年初頭からNIJISANJI ENが大きくシェアをのばし、ホロライブ(ホロライブEN・ホロライブインドネシア・ホロスターズEN)は徐々にシェアを落としている流れでしたが、2023年7月のホロライブEnglish -Advent-のデビューをきっかけに一変し、8月以降はホロライブはシェア50%を超える推移となっています。
一方にじさんじは、NIJISANJI ENのミスタ・リアスの卒業の影響が大きく、9月以降は明らかにシェアを失っていると言えるでしょう。
また、ホロにじ以外の海外企業(Phase-Connect、Idol等)がシェアを伸ばしており、第三極が形成されるかどうかが注目されます。
企業別分析
ホロライブプロダクション
ホロライブプロダクション全体の状況です。2022年はID3期生とホロスターズEnglishの立ち上げによる7名のデビューでしたが、2023年はホロスターズEnglishが8名、ホロライブEnglishがAdventの4組5名、そして新規ブランドとしてhololive DEV_ISから5名がデビューしました。
デビューの効果もあり配信時間が前年比+15%となりましたが、平均視聴者数を維持しています。
ホロライブプロダクションの中心はもちろんホロライブ(JP)であり、その傾向は変わっていませんが、ホロライブEnglishはAdventのデビューにより2023年Q3より視聴時間を大幅に伸ばしています。
一方男性ブランドのホロスターズ(JP・EN)はいまだに存在感を示せておらず、これからの伸びが必要な状況でしょう。
詳しいブランド別の分析は有料部分にてご紹介します。
にじさんじプロジェクト
にじさんじプロジェクトはJP18人、EN6人の計24人と、2022年の24人(JP8人・EN16人)、2021年の20人(JP5人・EN15人)と変わらないペースのデビューをさせていますが、卒業・休止が17人と2022年の12人よりも増加しています。2024年もすでに6人の卒業・活動終了が明らかになっております。
総配信時間は前年比+13%ですが、平均視聴者数は約10%減少しており、Vtuberの増加によって視聴者が分散しているとも言えます。
にじさんじについてはJPとENで大きく状況が異なりますので、有料部分で解説します。
ホロライブのグラフと比較すればわかるように、にじさんじの総視聴時間はQ3が突出しています。これはにじさんじ甲子園による影響が大きいのですが、Q3を考えなればにじさんじについては順調に推移していると言えるでしょう。
しかしNIJISANJI ENは2022年Q2~Q3をピークとして減少傾向が続いており、この傾向はNIJISANJI ENからの卒業が続いている事も相まって、引き続き続いていくものと思われます。
Brave Group
BraveGroupにはぶいすぽっ!、RIOT MUSIC、Palette Project、英語圏ブランドのV4Mirai等が含まれます。M&Aを積極的に行う企業グループで、23年4月にあおぎり高校をviviONへ譲渡し、23年11月に「HIMEHINA」運営のStudio LaRaを経営統合しています。
主要企業の中で今年最も伸び率が良かったのはBraveGroup(というかぶいすぽっ!)と言って良いでしょう。
ライブ配信の視聴者数から算出される総視聴時間については、そのほとんどをぶいすぽっ!が占めていると言ってよいでしょう。
もちろんRIOT MUSICは歌動画で、あおぎり高校はShortsでと、良いところがあると思いますが、以下のブランド別分析においてはぶいすぽっ!のみ取り扱わせていただきます。
BraveGroupは色々なVtuber企業を経営統合して大きくなっていますが、そのブランド間の繋がりが弱いことが欠点かと思います。資金調達も積極的なので、近い将来上場する計画もあるのかもしれません。中核となるぶいすぽっ!を軸に、どのようにグループを構成していくかが注目されます。
ブランド別分析
ここからはブランド別の分析となります。特にホロライブ・にじさんじについては地域別・男女別での細かい切り分けもしております。
また、VSTATSの同接記録を集計した「時間帯別平均総同接グラフ」というのも公開しています。これにより、何時にどれぐらいの視聴者をブランド全体で集めているのか、平均何枠ぐらいが配信しているのか、それが時系列ごとにどう変化しているのか等が視覚化できたと思います。
ここから先は有料となります。本来は1月中に公開したかったのですが、膨大な資料を集計しグラフ化したため、この時期までずれてしまいました。それでもここでしか見られない資料だと思いますので、ぜひご購入いただけたらと思います。
現在コメントが間に合わず画像のみとなっております。随時分析コメントを追加していきます。
ここから先は
¥ 900
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?