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世界を沸かせた若きダンサーと正式契約した経緯。HIRO10がValuence INFINITIESにレギュラーダンサーとして加入します

さきほど正式発表させていただきましたが、10月13日に新シーズンが開幕する第一生命 D.LEAGUEに挑むValuence INFINITIES(バリュエンス インフィニティーズ)に世界を感動の渦に巻き込んだHIRO10(大能寛飛)が加入することになりました。

今回は、HIRO10加入の経緯について私からお話しさせていただきたいと思います。


世界を沸かせたB-BOY、HIRO10

インフィニティーズがブレイキンとヒップホップの融合を掲げているダンスチームであること、HIRO10が3月のD.LEAGUE 23-24シーズンのROUND.10にSPダンサーとして出場してくれたことなど、彼の動向は個人的に注目してきました。

しかし、以前noteでも触れたようにHIRO10が世界を沸かせたパフォーマンスは、私の想像を超えて世界中の人々を興奮の渦に巻き込み、何より多くの人の記憶に強烈なインパクトを残してくれました。

HIRO10をインフィニティーズへ

「HIRO10のパフォーマンスをもっと間近で見たい」
HIRO10をバリュエンス インフィニティーズのレギュラーメンバーに迎え入れようというプロジェクトは、このとき加速をつけて実現に向けて動き出していました。

これまでの多くの決断がそうだったように、直感をもとに「決めたらすぐ動く」と同時に、決断の正当性、実現のための準備もぬかりなくが私の信条です。

もともとSPダンサー出場のきっかけをつくってくれたインフィニティーズのプロデューサーつながりでHIRO10 とはコミュニケーションを取れる状態にありました。

決断から2週間後には面談へ

HIRO10のパフォーマンスを見たのが8月10日。そこから具体的に動き、HIRO10本人とのオンライン面談にこぎつけたのが8月23日というスピード感でした。

面談までの間接的なやり取りから、HIRO10が今後の自身のキャリアに並々ならぬ思いを持っていること、SPダンサーとして参加した経験からインフィニティ―ズにかなりの好感を持ってくれていることはわかっていました。

新シーズンからの加入だけなら、かなり前向きに検討してくれているという状態で面談に臨みました。

面談での密かな目標

この面談に、実は私は”もう一つの目標”を設定して臨んでいました。
その目標とはインフィニティ―ズへの正式加入はもちろんですが、「10月13日に行われるD.LEAGUE24-25の開幕戦に出場してもらうこと」でした。

このときすでに、日本が世界に誇るB-BOYであるShigekixが『KOSÉ 8ROCKS(コーセーエイトロックス)』にレギュラーダンサーとして加わることが発表されていました。HIRO10がインフィニティーズ加入となれば、盛り上がりをそのままD.LEAGUEにつなげることができます。

そしてその効果を最大限に発揮できるのが、D.LEAGUEがもっとも注目を集めるであろう開幕戦だと考えたのです。

メディアでの報道量、ファンの注目度ともにやはりシーズンの開始を告げる開幕戦はD.LEAGUEにとっても多くの人に知ってもらう大きなチャンスです。

その開幕戦でHIRO10のあのパワームーブが見られるとなれば、かなりのニュースバリューになります。

二つのハードル

加入したら開幕戦に出るもんじゃないの?

そう考える人も多いかもしれませんが、D.LEAGUEでは一つのショーケースに参加するダンサーは8人と定められていて、チームとして登録したダンサーの中から作品によってメンバーを選抜していく形を取ります。

ショーケースの完成度を高めるためにも1ヵ月から1ヵ月半程度の準備期間が必要です。特にシーズンの趨勢を決めかねない開幕戦は各チーム念入りな準備を重ねてくるため、すぐに契約が決まったとしても「時間がない」というハードルがまずありました。

もう一つのハードルは、HIRO10のある決断にありました。HIRO10は、今後の本拠地を国内から世界のコンテストに参加しやすいヨーロッパに移しました。彼の心境を直接聞いたわけではありませんが、よりダイレクトに世界に身を置ける環境を求めたのかもしれません。

本拠を欧州にということになると、スケジュールの問題はどうしても発生します。出場するROUNDを決めてというのはもちろん契約でも調整可能ですが、開幕戦に出場となるとやはり準備期間、インフィニティーズのメンバーとダンスを合わせる時間も考えるとなかなか難しい問題になってきます。

理屈で言えばなかなか難しい、でもバリュエンス インフィニティーズ、D.LEAGUE全体のことを考えてもHIRO10には開幕戦にぜひ出場してほしい。

オンライン面談に臨む私はこんなことを考えていました。

大切なことにフォーカスして生きる人を増やす

当日、面談に参加したのは、私の他バリュエンスから担当者1人、インフィニティーズからプロデューサー含む2人とHIRO10。

主に私が、なぜバリュエンスがインフィニティーズを運営しているのか、そのアイデンティティやダンスを通じて伝えたいこと、叶えたいことなどをプレゼンする形で進みました。

このnoteでは何回かお話ししていますが、バリュエンスにとってのインフィニティーズ、D.LEAGUEは単にクラブを所有するとか、スポンサードするという以上の意味を持っています。

企業ミッションである「大切なことにフォーカスして生きる人を増やす」を実現するために、インフィニティーズが「大切なことにフォーカスする」象徴として存在し、インフィニティーズのダンスを通じて生み出された感動が、人々の共感を呼びそれが行動につながる。

私がHIRO10のパフォーマンスに感動し、自分自身はダンスもやっていないのにも関わらずなんだかよくわからない“共感”を強く持ち、その瞬間から行動に変化を与えてもらったのと同じメカニズムで、インフィニティーズのダンサー、バリュエンスのメンバー、インフィニティーズ、D.LEAGUEのファンだけでなくもっと多くの人を巻き込みたい。

なぜダンスをしているのか? という問い

この話をしたときHIRO10の表情が画面越しにパッと明るくなった感覚がありました。

「ちょうど3日前くらいに考えていたことがあるんですよ」
HIRO10は、この面談の少し前に自分が何のためにダンスをしているのか? 何のためにダンスをやっていくか? についてふと考える時間があったというのです。

私のプレゼンがどれくらいHIRO10の心に届いたかはわかりませんが、少なくとも誰もが経験できるわけではない大きな舞台に立ち、大きなインパクトを残したからこそ、次のステップとして何のためにダンスをするのか? 彼の言葉を借りればどう人生を「おもしれぇ」と思って過ごしていくのかという課題感があったのかもしれません。

ここで私が、インフィニティーズの勝利、D.LEAGUEでの優勝や契約面も含めたお金の話で説得しようとしていたら、結果は違ったものになっていたはずです。

快諾、参戦決定(予定)

「なんのために?」

という問いに対する一つの答え、バリュエンスとインフィニティーズのチャレンジが、彼の表情を変えたのかもしれません。

私はそのタイミングでHIRO10に開幕戦出場のリクエストをしました。

2、3秒間はありましたが、HIRO10の答えは「やりましょう!」の一言。

同席したプロデュサーも「契約は間違いないと思っていたけど、まさか今回の面談で開幕戦出場のオファーをするとは思っていなかった」と驚かれましたし、それにHIRO10が即答で快諾したことにはもっと驚いていたくらいですから、スケジュール含めて現状で開幕戦出場のオファーを通すことがどれほど難しいことだったのかがわかります。

というわけで、第一生命 D.LEAGUE 24-25、10月13日の開幕戦にHIRO10(Valuence INFINITIES)参戦決定(予定)です。

HIRO10にはダンスの技術だけでなく、生き方、生き様を存分に表現してもらって、多くの人に共感と感動を与えてほしいと思っています。

HIRO10との面談は、実はどんな投資面談よりも緊張した

この面談は、正直、どんな投資家面談よりも緊張して臨んだ面談でした。自分の中で近年まれにみるくらい準備したし、事前情報もたくさん入れました。普段のビジネスならある程度想像できるのですが、最大級に世界を沸かせた、まだ10代のダンサーにはどんなことが刺さるのか? まったくの手探りだったわけですが、なんとかミッションコンプリート!

昨シーズン飛躍を遂げたインフィニティーズのメンバーも盛り上がっています。新シーズンの開幕をお楽しみに。

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