【cEDH百合子】種クリーチャーの考察
Q1「種クリーチャーは何枚採用すると良いか?」
Q2「どの種クリーチャーを採用するのか?」
百合子を組んだ、もしくは組もうとしたことがある人なら誰もが考えたことがあるはずだ。
「他の人はどうなのか?」と様々なリストを漁ってみても数枚の共通カードを除けば枚数も中身もバラバラ。
つい最近Q2について再び考える機会があったため、今後、また同じような状況になったときのためにもnoteに記録しておく。
種クリーチャーの採用枚数
よく見かける種クリーチャーの枚数は10〜16枚、振れ幅が大き過ぎる。
私は「種クリーチャーは所詮種。カードパワーはたかが知れているため、最低限の枚数に抑えたい」という考えのもとでどこまで削れるか計算することにした。
Excelで計算するには予想以上に複雑だったため友人に相談してみたところ、「プログラムで計算した方が早い」と下記リンクが送られてきた。
Allen Wu 「マナベースとモンテカルロ法」 晴れる屋、2018/10/25更新(最終閲覧2020/08/27)
https://article.hareruyamtg.com/article/article_5462/
この記事はAllen Wuというプロプレイヤーの方が書いた記事を和訳したもので、内容は「確率計算で答えを出すのは難しいからモンテカルロ法を使おう」というものだ。
簡単に説明すると「何回もマリガン(記事では10万回)して条件を満たした回数を数えよう」という中身になっている。
実際にこの記事を参考にプログラムを書いてみた。
その結果、私のリストでは種クリーチャーを12, 13枚採用し、ダブルマリガンまですれば約80%の確率でTurn2百合子を達成できるそうだ。
ダブルマリガンまで計算した理由は初手7枚でTurn2百合子をするとエンド時にディスカードが発生するため、初手6枚でも問題ないと判断したためだ。
トリプルマリガンまですると約90%となる。
初手7枚 + 1枚ドロー(Turn1) + 1枚ドロー(Turn2) + 百合子誘発1枚 = 10枚
となり1枚余る図
「私のリストでは種クリーチャーを12, 13枚」と書いたが、種クリーチャー以外の枚数でも確率は上下するため、実際の枚数はリストに合わせて調整する必要がある。
Turn2百合子の確率に寄与するカード
・種クリーチャー
・土地
・マナ加速(Turn1マナ総量2以上クリーチャーキャストを可能にするもの)
・マナ総量2以上のクリーチャー
「これら全てをExcelで計算するのは面倒くさそうだ」と感じたのが友人に相談した理由だ。
このようにして種クリーチャーの枚数は絞れたので、次にどの種クリーチャーを採用するのか決める。
種クリーチャーに求める性能
種クリーチャーの枚数は絞ったが、その種類は数百枚にも及ぶため、何を求めるのかを考える必要がある。
私が種クリーチャーを選ぶ際に考慮する項目を挙げる。
1. ブロック耐性の有無
忍術には攻撃を通す必要があるため重要。
ただ、全ての種クリーチャーが持っている必要はない。
Turn2上忍術時に攻撃がどこも通らないことはほぼない。
その後の忍術についても妨害呪文やブロック耐性持ちクリーチャーが手札に加われば通るようにできるためだ。
……とは言えブロック耐性はあるに超したことはない。
理由がない限りはブロック耐性持ちの種クリーチャーを採用するのが良いだろう。
2. おまけ能力
ブロック耐性持ちの種クリーチャーも増えているため、このおまけの差で採用の有無が決まると言っても過言ではない。
3. クリーチャータイプ
忍者(多相)が理想的。
《呪文づまりのスプライト》等の部族シナジーカードもあるが、強く意識するほどのものではない。
4. カードタイプ
クリーチャーのみが理想的。
他のタイプが含まれていると除去からの的が大きくなる。
《波止場の恐喝者》カウントが増える点も個人的には気になる。
5. 色
ピッチスペルの糧にする機会が多いため青が好ましい。
必須ではない。
6. マナ総量
0マナであれば忍術した直後の再キャストが容易。
固定枠の種クリーチャー
最後に実際に採用、もしくは採用する価値があると考えている種クリーチャーを挙げる。
種クリーチャーは固定枠と環境に合わせて選ぶ枠の2種類があると考えているため、それぞれに分けて紹介する。
まずは固定枠から。
《羽ばたき飛行機械》
上忍術直後に後続の忍術用に唱えておける。
他にもマナ総量0のクリーチャーは存在するが、私は採用していない。
まず、最初の上忍術をした翌ターンに種クリーチャーが必要な場面はほとんどない。
事前に置いておくにしてもブロック耐性がないため、攻撃が通らなくなることもある。
すると潤滑な動きをするためのマナ総量0採用なのに意図通りの働きができなくなってしまう。
このため、私はブロック耐性持ちの《羽ばたき飛行機械》のみを採用としている。
《フェアリーの予見者》
ライブラリー操作で後続の動きを円滑にすることが可能。
もちろん百合子のダメージ能力とのシナジーも狙える。
《変わり身ののけ者》
飛行持ちにもブロックされない最強の種クリーチャー兼忍者。
《鱗粉の変わり身》
ブロック耐性が怪しいが種クリーチャー兼忍者。
《翼作り》
百合子に飛行を付与することが出来るクリーチャー。
ゲーム序盤から終盤まで百合子のサポートが可能。
攻撃宣言後に除去されると地上に落ちるため、除去のケアは重要。
《霊廟の放浪者》
インスタント、ソーサリー限定ではあるが1マナ要求で動きを鈍らせることが可能。
コンボを通すための空中戦でこの地味な能力が活きる。
海外鯖では相変わらず《むかつき》が流行っているため、そこに繋ぐまでの動きを鈍らせる役割がある。
《幽体の船乗り》
瞬速があるので《宝石の洞窟》から0ターン目キャストが可能。
……というのは余談で、種クリーチャーながら構えられる点が強い。
長期戦になった場合は自身の能力でアドバンテージを稼ぐことも出来る。
環境に合わせて選ぶ種クリーチャー
環境に合わせて〜と書いたが、《むかつき》環境か否かだけで判断していいだろう。
《むかつき》環境なら妨害を多めに、そうでないなら自分の動き優先のカードを選択する。
《セイレーンの嵐鎮め》
マナを構えることが多い今の構築になってから採用。
百合子以外にも《尖閣破り》や《敵対工作員》を守ることが出来る。
《エピティアの賢者》
初手のマナ源が《島》1枚でもキープを可能にしてくれる。
今のリストには入っていないが、近々種クリーチャーの枚数を1枚減らして再度採用しようと計画している。
《ギラプールの希望》
コンボを通す時に使うこともあるが、百合子よりも速度の早いプレイヤーに突っ込ませて時間を稼ぐために使うことが多い。
最近は《ロフガフフの息子、ログラクフ》&《求道の達人、サイラス・レン》の知名度も上がり、皆のガードも上がっているためそろそろ抜いても良いと考えている。
《ジンジャーブルート》
百合子で採用できる唯一の速攻持ちの種クリーチャー。
最後のひと押しが必要な場面では《悪魔の教示者》等のサーチカードを使ってでも手札に持ってくることがある。
《呪い捕らえ》
採用理由は《霊廟の放浪者》と同じ。
ブロック耐性がないので採用する場合はブロック耐性持ちクリーチャーの枚数や除去の枚数を調整する必要がある。
《シディシの信者》
攻撃が通らなくなった百合子の通り道を作るために使える。
濫用能力を百合子と合わせて何度も使えはするがやや悠長。
《盗賊ギルドの処罰者》
瞬速と切削2の組み合わせにより、各種Tutorの妨害が可能。
種として使ったあとは黒マナを立てて各種Tutorの牽制に使える点が強い。
《菌類感染》
トークンなので種としては使い捨てになる。
百合子の攻撃に合わせて出てきた《尖閣破り》や《敵対工作員》に負けないようにしたり、意気揚々と突っ込んできた《刃を咲かせる者、ナジーラ》を返り討ちに合わせたりと何かと役に立つ。
《自在自動機械》
忍者。
ただ、百合子以外の忍者は除去されると戻ってこられないことからただでさえ狙われる現状で余計なカードタイプが付いてしまっている。
環境的に除去も増えているので候補に挙げてはいるが、オススメはしない。
最後に
いずれも他のリストではほとんど見かけない影の薄いカードだが、百合子においては重要な役割を担う。
これらのカードが「影の立役者」として忍者のように活躍できる点が百合子に合っており、「百合子のカードデザインは素晴らしいな」と実感させられる。
ぶりん