【アーカイブ】Sannyのおすすめバーチャルワールドニュース : 2021年10月 Sanny Reports For Virtual Japan
Sanny Yoshikawa が、New World Notesのなかから、毎月おすすめのバーチャルワールドニュースを日本語で紹介します。Sanny Yoshikawa covers the monthly virtual world highlights from New World Notes for virtual Japan.
☆noteには1か月遅れてアーカイブを掲載しています。最新版はこちら。
SLに登場したパスポートゲームに、2500人+のプレイヤーが奮闘中!遊び方を紹介
マーケットプレイスでパスポートHUDを入手するか、インワールドのこの場所を訪れることで Forever Tourist を始めることができます。
Forever Tourist は、Second Life内の指定された場所を探索し、それぞれの場所にあるキオスクを見つけ、HUDとして表示される旅のパスポートにスタンプを集めるというシンプルで楽しい冒険ができるゲームです。
考案者のFeorie Frimonさんは、参加SIMのオーナーから集めた資金を使ってSecond Lifeのメインランドを修復しています(基本的にはSLの自然保護団体です)。
「私はSecondLifeのすべての住人のためになるものを作りたかったのです」と彼女は話してくれました。「新しいSLビジネスのためのトラフィックを生成するのに役立ちますし、人々が戻ってきてメインランドやリンデンモール(リンデンもぐら:リンデンのビルダーチーム)が作った古いランドマークを探索してくれることを期待しています。そして、有料のキオスク(無料と有料があります)からの収益は、放棄された土地を購入して整備し、住民に安価で再販売することに使われます。このプロジェクトは、放棄されたメインランドを再生するための資金となるように設計されています。」
公開されて以来、参加者はどんどん増えているようです。また機能についても随時アップデートされていくとのこと。詳細は公式サイトをご覧ください。
SLで訪問しよう:森に飲み込まれたサイバーパンク都市、Rosemont
ここをクリックすると、Second Lifeにある Rosemont District - Nirvanic Dystopia を訪れることができます。マスタービルダーのKaiden Trayさんが制作したこの作品は、通常のディストピア都市に楽しいひねりが加えられています。基本となるのは、人々がいなくなり戻ってきた自然が、都市を覆いつくした後の姿です。Trayさんによると、このビジュアルはゲームの「Horizon Zero Dawn」にインスパイアされたもので、サイバーパンクの盆栽のような場所を目指して作業に取り掛かったそうです。
詳しくは…
Visit In SL: Rosemont, A Cyberpunk City Swallowed By The Forest
ROBLOXが新ルールを公開:政治、ロマンス、仮想通貨のクロスプラットフォームプロモーションは禁止
ROBLOXが、顧客向けの利用規約を更新しました。新しい規約では、現実の政治や恋愛をバーチャルで表現することを禁じています。例えば、公職に就いている現在の候補者のスローガンやキャンペーン資料を掲示したり、候補者と接触するための集会やイベントはできません。また、キスや手を握るなどロマンチックな仕草のアニメーションや、結婚式、デート、ハネムーンなどのイベントを描写する体験型コンテンツが禁止となりました。
非常に厳しいルールが定められたROBLOXは本当にメタバースを作っているのでしょうか。それともまだ子供向けのゲームを作っているのでしょうか。
そのほかにも「Robux、ゲームコード、体験型デジタルグッズを、Roblox以外の場所で、販売、取引、プレゼントすること」が禁止されました。実況中継をするストリーマーたちは、今までのようにフォロワーを集めるためにRobuxやトイコード(アイテム交換コード)を配ることができなくなり頭を悩ませています。そもそも、これはバーチャルワールドの経済が現実の世界に溶け込むという、メタバースの概念に反しています(IMVUは最近、この目的のためにVCOINを立ち上げました)。
動画配信者のKreekCraftさんは、このような状況をどう考えればいいのか、また、コミュニティ全体にどのような影響をどれくらい与えるのか、はっきりと分からないと話しています。
Facebook社内調査:4人に1人が内部告発に対するザッカーバーグの弁明に納得せず、約半数が政府による規制を希望
最近のFacebookに対する内部告発疑惑についての意見を聞く、このアンケート結果は、従業員向けの匿名メッセージ/バーチャルコミュニティアプリ「Blind」により、10月12日に発表されました。複数のソーシャルメディア企業から約5000人の回答があり、そのうち約10%(482人)がFacebookのスタッフでした。以下の結果は、そのなかからFacebook社員の回答だけを抜き出したものです。
「内部告発に対するFacebookの弁明に納得できない」や「Facebookは安全よりも利益を優先している」など、会社に否定的な回答をした社員は4人に1人と少数派でした。
一方、連邦政府がFacebookに規制をかけるべきかどうかについては、意見が半分に分かれており、社内の混乱がうかがえます。
このアンケート結果では、リーダーの信頼性に自信を失ったFacebook社員は少数派です。
しかし、別の見方をしてみましょう。ある大手自動車会社の社員に「乗客の安全よりも利益を優先することはないというCEOの言葉を信じますか?」と質問したとします。そこで「信じない」と答えた社員が4人に1人だけだったら、あなたはその会社の車に乗りたいですか?
アンケート画像提供:Team Blind
Second Lifeの同時接続数が常に4万である謎
Linden Lab以外の誰よりもSLのデータに詳しいTycheさんから、Second Lifeの同時接続数の統計が届きました。Tycheさんは長くSecond Life Grid SurveyというWEBサイトを運営し、SLに関するデータを公開しています。もしかしたらLindenよりSLのデータに詳しいかもしれません。
Tycheさんによれば「1日の最大同時接続数の傾向は、過去3ヶ月ほどはかなり横ばいです。また1日の中央値と平均値も同様です。春よりは減少していますが、COVID以前のレベルをまだ上回っています。」
しかし、COVIDの「急上昇」は、アクティブユーザーが数千人増えただけで、ほとんどはステイホーム中に戻ってきた既存のSLアカウントでした。それがSecond Lifeの同時接続数の謎の横ばいにつながっているようです。
「過去3ヶ月間の1日の平均同時接続数の推移を見ると、平均値は、およそ39,819でした。」
「2020年と2019年の同じ3カ月間の値は、それぞれ約39,865と約36,850でした。つまり、昨年から実質的な落ち込みはなく、現在の最大同時接続数は2019年の同時期よりもまだ高いということです。これは、週単位の季節性効果(3年とも期間中はほぼ一定で、曜日ごとに約±1100になる)を除去した後の基本的な傾向です。」
同時接続数の中央値は、曜日によって平均で約1,100の差があり、週末は一般的に同時接続数が最も高くなります。
つまり、過去3年間、Second Lifeの同時接続数は、数千の差はあるものの約40,000の範囲内にとどまっています。そして少なくともTycheが追跡を開始した2009年以降は、ほぼこの範囲内です。(グラフを拡大して見てください。)
それにもかかわらずーー。
技術系では今まで見たことのない不思議な統計で、なぜこのような結果になるのか、納得のいく答えはありません。しかし、Tycheさんは、この謎を解明するためのプロジェクトに取り組んでいます。
詳しくは…
The Mysterious 40,000 People Plateau Of Second Life User Concurrency
Second Life同時接続数が常に4万である謎、続報--どれだけの新規「ユーザー」が実際にインワールドに来ているのか?
読者のlkosovさんが、Second Lifeの同時接続数が約4万に留まっている謎を解明するための手がかりを送ってくれました。
Wagnerも同じようにラーニング・アイランドを地図上で確認してみましたが、新規ユーザー(ダイナミックマップ上の緑の点)は6人しか数えられませんでした。しかし、Grid SurveyのTyche Shepherdさんが報告している、昨年10月から今までの新規登録数データでは、毎日6,000~18,000件のSecond Lifeアカウントが作成されています。
この不一致の原因は何でしょうか?
一つ重要な要因があります。登録ユーザーとは、Second LifeのWEBサイトにアカウントを作成した人のことです。実際にSLをダウンロードして実行しログインした人ではないのです。
Wagnerが10年ほど前にLindenの関係者から聞いた話では、新しい「ユーザー」のうち実際にログインまで到達するのは10%以下だといいます。WEB広告から入ってくる多くの人は、バーチャルワールドに入る前に脱落してしまうのです。
とはいえ、根本的な謎は残っています。月間30万人の新規アカウントのうち1%だけが、すべての困難を乗り越えて正規ユーザーになったとしても、毎月3,000人、年間36,000人の新規ユーザーが誕生していることになります。 しかし、なぜか平均的な同時接続数は変わらないのです。
Facebookが社名を変える前に考えるべき5つのこと
Facebookが10月28日に社名を「Meta」に変更しました。この記事は、その1週間前の10月20日に投稿されたものです。Wagnerは、社名を変更する前にFacebookが考えるべきことを5つ指摘します。
企業文化の中核が、メタバースの理想とは相反するリアルなアイデンティティに焦点を当てているのに、Facebookは「メタバース」企業になれるのか?
Facebookの企業文化は、実生活のアイデンティティ(および実生活のアイデンティティの収益化)に根ざしています。一方で、成功したメタバース・プラットフォームの中核となる魅力は、批判されない安全な仮想空間の中で、自分のアイデンティティを一から作り直す力です。特に若い世代にはそれが当てはまります。
Oculus社は、社名変更を正当化できるだけのVRヘッドセットを販売したか?
ザッカーバーグは、VRをメタバースのビジョンの中心に据えてきました(Wagnerの考えでは、これも大きな間違いです)。しかし、「Quest 2」のヘッドセットの販売数はおよそ500万台。主力HMDの販売数には届かず(今のところPSVRの方が、ずっと多く売れています)、コアゲーム市場の中でもニッチな存在にとどまっています。
Facebookが初めて試みたメタバースが流行らなかったからといって、今さら名前を変えても何の役にも立たないのではないか?
OculusのVR製品やOculus Storeの購入、ローンチ、プロモーションなどに何十億ドルも費やしたにもかかわらず、Facebook社のHorizonはどう見てもユーザー数が少なく、あまり関心を持たれていません。Quest 2を使っている人の多くは、Facebook 独自のメタバースではなく Rec Room や VRChat といったプラットフォームで遊んでいます。
ソーシャルメディア・プラットフォームにまつわる論争で、すでにFacebookブランドは損なわれているため、社名を変えたところで無駄ではないか?
すでに内部では、今回のメタバースへの移行が、会社の経営やポリシーに関する問題から話題をそらすための PR 策であると言われています。今回の社名変更はその推測をさらに強めることになるでしょう。
メタバースの方向に進む経営陣についていくほど、スタッフはFacebookを信頼しているだろうか?
Facebook社員の4人に1人は、会社の方向性や方針がしっかりしていて擁護できるものであると確信していないと言われており、このような大きな動きにスタッフがついていけるか、かなり不透明です。
詳しくは…
Five Things For Facebook To Consider Before Making Its Name More Metaverse-Y
Second Lifeの公式モバイルビューワが開発を一時停止
期待されていたSecond Lifeの公式モバイルビューワの開発は、一旦中止になってしまったようです。テストグループのメンバーだったSL関係者が、NWNに受け取ったメッセージ
を送ってくれました。そのメッセージでは、プロジェクトは現状と住民からのフィードバックを検討した結果、2021年10月29日にTestFlightとモバイルリージョンが終了することが発表されています。
情報提供者によると、開発は何か月も停滞し、プッシュ通知もなく、最近のアップデートまで画面上でアプリを開いているときにしか使えないという状態で、限定的な機能しかなかったようです。3Dグラフィックも表示されませんでしたが、アプリユーザーのために特別なチャットゾーンが用意されていました。
「モバイルユーザー専用の特別なリージョンにログインし、アプリが起動している間そこに留まるだけです。テレポートやマップ上での確認、装着などはできませんでした。IMメッセージはうまくいきましたが、それだけです。」と情報提供者は話しています。
このプロジェクトは、昨年の7月にAppleから公開を承認する知らせを受けたばかりです。このまま中止になってしまえばコミュニティを失望させる可能性が高くなりますが、特定のアプリの開発を一時停止しているだけで、異なる機能を持つ「新しい方向性」のSLアプリをリリースする可能性も十分にあります。LindenLabへの問い合わせで詳しいことが分かったら、お知らせします。
詳しくは…
Source: Second Life's Official Mobile Viewer Pauses Development
FacebookのメタバースがMetaになることについての解説
メタバースという言葉が、主要なメディアの一面を飾るニュースになっています。なぜなら、ザッカーバーグがFacebookの企業サイトに次のような投稿をしたからです。
もしザッカ―バーグが本気なら、OculusがFacebook アカウントを必要としなくなる可能性を示唆しています。そして彼はVergeのインタビューでもそのことに触れています。
MetaのMetaverseに入るのにFacebookアカウントは必要ないかもしれませんが、個人データを追跡されることは覚悟しておいてください。というのも、ザッカーバーグが言うように、Metaの Metaverseは広告を中心に展開されるからです。
それならいいですよね? Metaがメタバースで私たちの体や実際の目から得られる個人データを活用するわけはないですよね?
ちょっと待って。VRの先駆者の一人で、Microsoft HoloLensの共同開発者であり、過去数十年にわたり、Apple、Amazon、MS/HoloLens、Linden Lab、Google Earth、DisneyなどのVR/仮想世界プロジェクトの開発責任者を務めてきたAvi Bar-Zeevさんの言葉があります。
そしてOculusはOculusのブランドを失いました。2022年初頭から、Facebook の Oculus Quest から Meta Quest へ、Oculus App から Meta Quest App へと移行します。
Oculus社の創業者であるパルマ―・ラッキーとジョン・カーマックは、Oculusのオリジナルビジョンの一部として、貧しい人々が決して手に入れることのできない生活をバーチャルに楽しむことが可能になるオンライン世界の創造を掲げていました。
しかし、Metaが自社のブランドとして大文字のMを持つMetaverseを作ったらどうなるのだろうと心配している人は、この話がまだ全然完結しそうにないことを知って安心してください。実際、Facebookが10億ドルを稼いでいても、いくつかの小さな(というか巨大な)課題が立ちはだかっています。
・ROBLOXは2億人のアクティブユーザーを抱えています。
・Epic の Fortnite と Epic が支援する Core のアクティブユーザー数は 8,000~8,500 万人です。
・Quest 2 (Metaの HMD) のインストールベースは500万人と比較的少なめです。
詳しくは…
Meta Commentary On Facebook's Metaverse Move To Becoming Meta
VRChatのUdon Tycoonで遊ぼう! コミュニティで制作されたマルチプレイヤーのジェットコースター建設・共有シム
UdonTycoonは、VRChatに生まれた新しい体験です。(VRChatで「Udon Tycoon」と検索すればプレイできます)。
基本的にはRoller Coaster Tycoonをマッシュアップしたものですが、VRで、しかもマルチユーザーのバーチャルワールドで、ユーザーが操作できるツールキットまで含まれています。このツールでは、プレイヤーが自分でジェットコースターのトラックを作成して保存したり、同じ空間にいる他のプレイヤーと同時に共有したりすることができます。
リード・クリエーターのReimajo Chanさんは「そう、すべてが完全にネットワーク化されています」と話してくれました。「プレイヤーは、ほかのユーザーが配置しようとしているパーツをプレビューすることもできます。」
Reimajoと彼のコラボレーターたちは、1年以上前から空いた時間にコツコツと制作を続けてきました。コーディングには(名前が示すように)VRChatの開発者たちに人気のあるC#からUdonへのユーザーメイドのコンパイラであるUdonSharpを使っています。
UdonTycoonをはじめとするVRChatの優れた体験は、プロが作ったVRゲームとは一線を画しています。
「普通のゲームスタジオでは『ギミック 』にかける開発時間を正当化することはできません。そのため、現在のほとんどのVRゲームは、例えばレーザーポインターを使ったUIや、トリガーボタンでクリックするだけで、手では押せないようなシンプルなボタンを使った没入感の低いものになっています。」
先週発売されたこの作品は、すでに4万件近いアクセスを集めており、スタジオ制作のVRタイトルの中では高いプレイ率を誇っています。(この記事を書いている時点で、SteamのBeat Saberをプレイしているのは約1500人です。)
来月のおすすめバーチャルワールドニュースもお楽しみに!
Snap Shot Location: Cyberpunk Neo Tokyo Japan (A)