#173 まだ早いシリコンバレー以外のVC市場
先週末、家族と一緒にサンフランシスコのプレシディオでハイキングをしました。プレシディオはサンフランシスコ内に位置する小さな国立公園です。ダウンタウンから車で15~20分の近い距離ですが、サンフランシスコの他の所とは景色や雰囲気がとても違います。海もありますし、森もあります。私が初めてサンフランシスコにきて7年目に突入しています。最初はあまり好きではありませんでしたが、今ではこの街の多くの魅力を楽しんでいます。もちろんアメリカで一番好きな都市として挙げられます。ソウル、東京に次ぐ第3の故郷としてしっかりと位置付けをしたようです。
アメリカの沿岸都市は経済の重要な役割を果たしています。アメリカの州別GDPを示す下のチャートから分かるように、東海岸および西海岸の州のGDPが高いことが分かります。
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ベンチャー市場も状況は似ています。西海岸のカリフォルニア州(シリコンバレーとロサンゼルス)、東海岸にあるバイオ系のスタートアップが多いボストンが位置するマサチューセッツ州、そしてニューヨーク州、この沿岸地域の3つの州が米国のVC生態系の成長を主導しています。
しかし、米国でもVC市場がさらに成熟するにつれ、他の都市でもスタートアップを発掘して投資することを投資戦略とするVCファンドも増えてきています。これらの地域でより多くのスタートアップが生まれ、また、より多くの人材と資本が集まってきているのを見ると自然な流れです。
しかし、私のピッチブックのデータ分析によると、上記の3つの州を除いた地域は、まだ思ったほど魅力的ではないことがわかります。過去5年間にVCから資金を調達したスタートアップの50%が、カリフォルニア、ニューマサチューセッツ、ニューヨークの3つの州に集中しています。 また、ほとんどのユニコーンもこの3つの州に集中しています。
さらに重要なことは、この3つの州を除く他の州では、全体のスタートアップに対するユニコーンの割合が高くないということです。 つまり、この3つの州は、ほとんどのスタートアップとユニコーンが位置しているだけでなく、そのクオリティーも他の州に比べて高いということになります。これは、これら地域は依然として重要であり、私たちがこの地域に焦点を当て続ける必要がある理由を明確に示しています。実際、意図したわけではありませんが、私たちのポートフォリオファンドはこの3つの州以外にはまだありません。
他の地域経済がベンチャー・エコシステムに注力すべきではないと主張しているわけではありません。 しかし、ベンチャー・キャピタル市場が最も発展している米国でも、市場全体を牽引しているのは主要都市であることを認識するのは重要だと思います。地域経済に加え、これらコア地域も育成し続けることで、全体的なエコシステムの育成ににもつながると思います。
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References:
List of U.S. states and territories by GDP - https://en.wikipedia.org/wiki/List_of_U.S._states_and_territories_by_GDP