nreal 全解説 & nreal Light 実機体験 @ARISE: Spatial Experience Summit #1
VV=Volumetric Video/ホログラム専門家の小池です。
8月3日に新しいARのコミュニティイベントARISEが開催されました。
ARISE: Spatial Experience Summit とは
ARISEは「日本発のグローバルARコミュニティを創る」こと、そして「業界業種を超えて、より多くの人々がAR技術で価値を創造する」ことを実現するために発足した日本発のARコミュニティイベントです。 Connpass より引用
僕はブログ枠での参加でしたので、今回はスペシャルセッション1 "nreal" のプレゼン解説と、実機体験の感想を書いていきます。
しかし、令和に入ってから東京でのXR関連イベント急増していますね(笑)
「競争」より「共創」を意識しながらスタートアップ同士で市場を成長させている最中 by Endroll 前元 The Bridge より引用
らしいので、本当に最高だと思います(^^)/
僕自身も、FBやブログを介してXRの起業相談をよく受けるので、XR業界をみんなで盛り上げて行ければなと思っています!!
nrealの前説
nrealのnreal Lightは世界最大のARエクスポ"AWE2019"にて値段と開発計画が発表され、話題を集めたMRグラスです。
と同時に、KDDIとのパートナーシップが発表され、日本で公式販売される初の消費者向けMRグラスになるのでは?と注目を集めています!!(ODGに非常によく似たプロダクトなので、KDDIにとっては悲願のMRデバイスですね!!)
そして、早速Magic Leapから技術盗用と
フォントの盗用で訴えられていたり、
Epic Gamesから商標権でも訴えられています(笑)
Unreal Engineとnrealの発音が似ていて、誤認混同の可能性があるとの事です…確かに英語だと超〜似てます(^^; 笑
そんなこんなで、ローンチ前に何かと話題(?)続きのnrealですが、この全力でア◯リカが潰しにきてる感じ(技術/ロゴ/名前←全否定w)が最高ですね!?
"共創"の時代なので、無事にアメリカでも販売して欲しいです(^^)/笑
そして、創業直後のエンジェルラウンドからXiamiの創業者Jun Lei(雷軍)が創業したVC:Shunwei Capitalから調達している点も注目ですね!!
nrealのJOSHUAさんのプレゼン
nrealのプレゼンはこちらのリンクから全編見れます。
nrealの目指すエコシステム (by JOSHUAさん)
え?あれ?マジ?
ってなった人、するどいですね!!
現在"交渉中"の企業も含めているようですが、
ソフトバンク入ってます!!ソフトバンクからも出るんですね!?
Niantic入ってます!!ポケモンGOが対応するんですね😍!?(でも中国はポケモンGO出来ないよね??)
NianticはAR用ディスプレイ開発のスタートアップに出資していたり、
"世界をゲームボードに変換"する為に、現実空間にポケモンをシームレスに映し出す方法を求めている。
そうなので、相性は最高ですよね!?
iQIYIはシリーズAからnrealに出資しているので資料に入っているのは分かるんです。(iQIYIは、中国でトップの動画ストリーミングサイトです。Netflixとライセンス契約してオリジナル作品を配信していたりします。)
でも、超大手ハリウッド映画スタジオと組むって、nreal lightで映画観て欲しいんですかね!?MRグラスで映画観るイメージはあまり無かったのですが、nreal Lightだと、200インチのHDTVを見るのと同じだそうですよ!!
さすが、SONYのFHD 0.7" OLED (ECX335AF-7←噂です。※製品版は異なる可能性があります)超綺麗ですよね!!実はこれ、Varjo XR-1(=人間の眼レベルの超解像度VR)でも採用されているディスプレイなんです!!
XR業界では有名(?)なKarlさんのtechブログでは、(←Magic Leap Oneを酷評して、社長のRonyさんをブチギレさせた人です。笑)
Magic Leap Oneと比較して、水平解像度が約3倍、垂直解像度が約2倍ある。
しかし、ディスプレイの工学デザインに特別な点はなく、多くの競合他社も非常に近いbirdbath (beam splitter and spherical mirror)設計を採用している。
との事なので、似たような軽くて、おしゃれで、高解像度のMRグラスが、近く、いくつか登場する可能性もありますね(^^)/??
今回のプレゼンでは具体的な説明はありませんでしたが、LG(5G)との提携/互換性は興味深いポイントです。
(↑の記事でCEOのChi Xuさんは、パートナーシップにHTCとSprintの名前を挙げているのですが、上記の資料には記載がなかったですね。)
5Gを活用した、Volumetric コンテンツや、holographic video calls(ホログラム通信)処理が可能との事なので、完全に僕のフィールド(ホログラム専門家の出番!!)なので、本当に一般販売を心待ちにしています!!!!!!!!!!
nrealのWeiさんのプレゼン
Weiさんが一番最初に語ったのは、nrealの"快適さ"です。
※MRグラスがポケットにインしてます!!
ハードとしての特徴は、使い心地、快適さ、日常使いにこだわったそうでうす。
1.軽くて持ち運びに便利
2.軽いので快適に使用できる
3.デザイン性が高く公共の場で使用するのに違和感がない
そして新情報ぞくぞく!!
USBタイプCでAndroid、Windows、コンピューティングユニットに接続出来るそうです!ぱ、パソコンッ!?
そして、コンピューティングユニットはSnapdragon 845だそうです!!
(※AndroidスマホだとSnapdragon 855搭載機種が対象です)
そして、SDKは下記の3つのアプリに対応しているようです。
モバイルARアプリ
MRアプリ
アンドロイドアプリ
ネイティブのアンドロイドアプリにも対応するようです。ユースケースは、動画視聴、SNS、ゲーム、教育分野のようです。
でも、自分が見ている映像が、レンズに反射して他人にもうっすら見えちゃうので、注意が必要ですね(^^; 笑 (※製品版は異なる可能性があります。あくまでも、今回体験した端末の場合です。)
そして、MRアプリにも対応とあります!! toBでの利用も想定しるようですね。PC接続だと、一体型のMRグラス(Hololens2)よりは使い勝手が悪そうですが、スペックを上げる事が出来るのはかなりのメリットかもしれませんね!!
そして、今回nrealが繰り返し伝えていた事は、
nrealSDKはオープンなプラットフォーム
だと言う事です。ここだけ押さえておけば、後は発売されてからの楽しみで良いか気がしています(笑)そして、nrealのオープンに対する姿勢には、会場の好感度が高かった印象です!!
SDKの5つのコンセプト
nrealが提供するSDKには、
1.Spatial Computing:SLAM、オブジェクトの認識/トラッキング、平面と垂直の検出
2.自動でのレンダリング最適化(ヘッドポーズの一番最後の位置を予測しイメージをワープレンダリングして投影する事で遅延を無くし、酔いやめまいの原因を解消するそうです。
3.コントローラーやスマホを利用した操作系統の処理(スマホでキーボド表示して、文字入力も快適!!)
4.デベロッパーツール(nrealが無くても開発できるエミュレーターとObserver Viewでスマホで第三者がnreal内の映像を共有)
5.サードパーティーとの連携
があるそうです。
nrealの特徴として、Artificial Intelligenceも活用できるそうなので、結構ポテンシャル高いかもしれませんね!?
nreal lightで出来る事って=snapdragon855で出来る事なんですよね。
当然チップにAIエンジン搭載してるので、スマホ自体がAIに対応しているんですよね。なので、nrealSDKでサードパーティ製のCVなどと連携して、顔認識、物体認識、文字認識、ハンドトラッキングや、ボイスコマンドなどなど、やれるっちゃやれるみたいです。
ただやはり話を聞いていても、ARkit(Apple)、ARCore(Google)、MRTK(Microsoft)とLuminSDK(Magic Leap)との差はかなり大きいとは感じました。
Human OcclusionをARkit3で提供したAppleの神懸かり的な技術力、MRTKでハンドトラッキングのUI系の機能を提供/提唱し、Hololens2を"オープン"にしたマイクロソフトとも、当たり前ですが、技術レベルもオープンの意味合いも全然違うのかなと。
ARkit3のHuman occlusionのデモ(Apple)
Hololens2の空間UIとハンドトラッキング(Microsoft)
おしゃれなMRグラスを発売する!!
は、紛れもなく世界初ですが、そのワンアイディア/ワンチャンスに賭けていて、肝心の技術に物足りなさを感じたのは少し残念でした。
しかし、中国のスタートアップの凄いところは、スピード感持って突き進んで、必要なタイミングで必要以上の資本を調達出来る土壌であり、2023年には中国がXRの世界最大の市場になると言われているので、大化けするor早いタイミングでXiamiが買収する可能性はあるのかなと思いました(笑)
なので、僕はnreal買います(笑)
nreal light実機体験
お待ちかねの実機体験です。
はい。もう本当に小さくて感動しました!!僕の顔というハンデがあっても、nreal lightはおしゃれですよね!?笑
赤、青、白の3色展開だそうです。
そして、映像、マジで綺麗でした!!
と、ここまでは皆さんも知っている事なので、僕の本音をシェアします。
nreal lightの実機体験は大人気で抽選でした。僕は最後の方に体験させて頂いたのですが、実は端末がかなり熱を持っていて、正直、掛けた瞬間気持ち悪かったです。(FのR◯GZAフォン=通称ホッカイロみたいで、個人的には懐かしさもありましたが・・・(^^;笑)
実際、発熱問題はAWEでも多くのクレームがあったようで、ある程度は仕方ない事かもしれませんね。
AWEでの展示ブースの様子です。
実際に装着しない↑覗き込む形式↑で体験した人が多く、これだと肌に触れないので、すごく頭良いなと感心しました(笑)
nreal lightの場合、バッテリー非搭載ですし、端末で演算処理もしていないので、仮に一体型の小型なMRグラスが登場すると、発熱はかなり問題になるなと感じました。
発熱が影響したのか、1分程度の体験中に、2回もフリーズか落ちたか何かで映像が見えなくなりました(^^;
そして、肝心のSLAMが完全に狂っていて、映像が小刻みにブレながら表示されてしまい、速攻で酔いました。(僕は体質的に酔いやすいのですが、MRで酔うのは初めてでした(>_<)
AWEでもSLAMの精度の低さを指摘する人が多かったようですが、2基のカメラの映像をスマホで常時解析し続けるのもかなりの高負荷ですし、andridの場合、端末によってかなり差があるので、開発者はけっこう苦労すると思います(^^;
SLAMの精度は
Hololens1 > Magic Leap one >>> nreal light
なイメージです。
液晶の解像度はダントツで綺麗でしたが、視野角の割に縦の画面が狭かった印象があります。nreal lightの視野角は横に広いのが特徴なんですが、デモに首を降ったり、Spatialを意識させるコンテンツが無かったので、残念ながら視野角の売りの横幅を意識する事は出来ませんでした。
解像度
nreal light >> Magic Leap One >> Hololens1
視野角(主に"縦"の印象ですが)
Magic Leap One> Hololens1=nreal light
こんなイメージです。
(僕はHololens2未体験者なので、Hololens1と比較しました)
こうなると、本当にアップルのARグラスがどうなるのか気になりますよね。
噂では、iPhoneとワイヤレス接続するようですが、SLAMの精度、発熱、解像度、そしてデザインなど、色々と気になって仕方ないです(^^;
ユースケース
プレゼンを聞いていると、"映像を見る"のを推しているのですが、他のMRグラスに比べ映像が綺麗とはいえ、動画を見るなら個人的にはOculus Questの方が断然おすすめです。その方が100%安い&綺麗です。
消費者向けMRグラスの事例が少ない事もあり、何が刺さるのか分からないなりに、やっぱゲームしたいよな〜とは思いました(笑)そう考えると、Magic Leapのクリエーターをサポートする姿勢は素晴らしいなと。
正直、おしゃれなMRグラスは業界待望のコンセプトですが、消費者にはそれで何が出来るの?が重要だと思います。
映像が綺麗。だけでは、普通の人は買いませんからね(^^;
なので、業界全体でユースケースを探っていくのが良いのではと思います。
nreal SDKはすでにダウンロード可能なので、是非開発者の方々は是非触ってみて下さい!!
個人的には、マジで遊戯王カードとコラボして欲しいです!!
そして、上記でも述べたように、5G通信を利用した、Volumetric コンテンツ/ホログラム通信がユースケースの最適解だと思うので、僕のチーム:Holotchではホログラムを全力で開発していきます!!
↑こんな感じ↑
P.S
映像の綺麗さでいくと、やっぱりテレパシーさんの技術は凄いな〜と改めて思いました。ディスプレイ技術は、度肝を抜かれるくらい超綺麗ですよ!!
そして、アップルは本命だな〜とも改めて思いました。
そしてそして、XR盛り上がるぞ〜とも確信しました!!!!
そしてそしてそして、ARISE#2は11月30日に開催予定だそうです!!
楽しみ〜(^^)/
2019.8.14 Hiroki Koike
P.S P.S イベントのブログってこんなので良いのかな?w