VR is Now → メルカリXRチーム縮小 〜XR倒産経験者がXRビジネスを振り返る〜
Volumetric Video/ホログラム専門家の小池です。
9月〜10月はGAFAMを筆頭にXR関連のアップデートが沢山あるので、まとめてブログに書く予定だったのですが、メルカリのXRチーム縮小という残念なニュースと共に、
・XRって儲かってないよね?
・本当に"今"やる意味あるの?
みたいなザワつきをチラホラと目にしたので、この辺りをXR起業2回目に挑戦中の僕の個人的な意見を書いていきます。(※いつものように"分かりやすさ重視"で書いていきますのであしからず。笑)
VR is NOW
安心して下さい、VR来てますよ!!
マークザッカーバーグのスピーチより
①Oculus Questは生産するのと同じペースで売れる(ハード)
②Oculus Storeでは総額100億円以上売り上げたとの事。その内20%がQuestとの事で、過去4ヶ月で約20億円が課金された計算になります(コンテンツ)
との事ので、VRのハードとコンテンツは完全に綺麗な成長曲線を描いているようです!!(※ガートナーのハイプ・サイクルでVRは2018年に姿を消し、安定成長期入りしています。)
まさに"VR is NOW"="VRは遂に来た"って宣言に繋がったんだと思います!!
そうです。
2020年、人類は初めて”VR2年”に突入する事が判明したのです(^^)/
もう↑は通用しません↑笑
2020年になってもまだVR元年なんてつぶやいたら、きっと#VR2年警察 がやって来ると思って下さいね(笑)
VRの種類
実はVRには大きく分けて現状2つのカテゴリーがあります。
業界では3DoFと6DoFと呼ばれていて、簡単に言うとVR映像を見渡す=3DoFと、VR空間を移動できる=6DoFです。
上段が3DoF(360video)、下段が6DoF(Virtual Reality)です。
Oculusでいくと下記です。
3DoFの世界のトレンド
近年、大手や大型資金調達をしていた360°カメラ/ソフト/サービスの相次ぐ撤退と大規模レイオフが続出しています。
OZO(ノキア), Lytro($215M調達), Jaunt($100M調達), Kolor(Go Proに買収), NextVR($115M調達)など。
そして、カメラ(ハード)は中国メーカーが台頭しました。Insta360, Kandao
ポイントは
①360°動画がtoCに普及しなかった。
②ハードは後発の中国が圧倒的に有利。
③専用ツールは技術が無料に近くのでキツい。
そして黎明期にローンチし、世界一普及していたGear VRの撤退。
中国でOculusGoをライセンス販売していたXiamiがチームを解散(※噂です)
GoogleのDaydream内の動画アプリを撤退。(YoutubeでVR動画は見れるので、360°動画の販売を辞めたって感じですかね?)
結果、3DoF(360°動画)は"売れない"が世界の常識になっています。
3DoFの時代が終わり、6DoFにバトンタッチされ、VR到来(toCに普及)のイメージです。
THE TIME IS NOW- New Games Coming to Oculus Quest-
3DoFの日本のトレンド
続いて日本の3DoFを見てみましょう。
toCでは、DMM絶好調です!エロは強い(^^;
そして、toBでは、
ジョリーグッドが6.5億円(累計11.5億)資金調達(2019年7月25日)
アルファコードが4億円調達(2019年9月27日)
ナーブが累計16億円調達(2019年9月30日)
直近3ヶ月で3DoFのサービスを展開するスタートアップ3社が大型資金調達をしています。
ジョリーグッド :医療/介護向け360°動画サービス
アルファコード :イベントの360°動画配信サービス
ナーブ :不動産、旅行の360°サービス
360°動画は売れないが、必要とされる領域/業界に特化したスタートアップが成長をしている印象です。
360°動画を作る事に価値はないが、どう活かすか?って所のユースケースを見出したのでビジネスとして価値が出たんだと思います。
360°動画制作の How to 講座やイベントなどありますが、ビジネスに大事なのはクオリティやテクニックではなく、そのニーズをつかむ事なのかなと。
それXRの必要あるんだっけ?って思った事、言われた事ある人多いと思います。僕は起業してから常に言われ続けています(>_<)
このブログは、一度会社を潰した自分への戒めを込めて書きました。
・XRの技術、目新しさではお金になりません。
・ニーズに対してのソリューション(XR)が合致してビジネスが成立します。
なので、XRまだ早いとか、お金になってない。ってのは論点がズレているのかなと(^^;
僕も資金調達が完了し、会社が動き出しました。(←これは、またの機会にブログに書きますね。笑)
一緒にXR盛り上げていきましょう!!
宜しくお願い致します。
P.S
メルカリXRチームの場合は、toC向けのMRやARグラスが一切日本で市販されていない段階で結論付けられているので、可哀想な気がしています。
メンバーの方々は不完全燃焼な気持ちでしょうが、是非次のステップでのご活躍を応援しております。
また、メルカリ社のサポートがあり、今のXRコミュニティが形成されてたとも思っております。メルカリ社を心から尊敬&応援しております!!
2019.10.3 Hiroki Koike