6.5. ワークショップで集団の力を引き出す - 第6章 ファシリテーションの基本原則と実践方法 - 絵と文字でビジネスを加速する方法〜ビジュアル・ファシリテーションのすべて〜(抜粋)
ビジュアル・ファシリテーションは、個人の思考やコミュニケーションに役立つだけでなく、集団の力を引き出すためのツールとしても有効です。とくに、ワークショップという形式でビジュアル・ファシリテーションを活用すると、参加者の関心やモチベーションを高める/多様な意見やアイデアを引き出す/共通の理解や合意を形成できます。
ビジュアル・ファシリテーションとは、会話や議論の内容をビジュアル(図やイラストなど)にすることで、コミュニケーションや問題解決を促進する手法です。この本では、ビジュアル・ファシリテーションの基礎知識と実践方法を紹介します。
目次
第1章 ビジュアル・ファシリテーションの学び方と心構え
本書の背景と目的
ビジュアル・ファシリテーションとは
本書の対象読者と構成
学びとは双発で認知を変えること
楽に楽しくかくコツ
予測する
脳科学やヒトの特性を理解する
第2章 ビジュアル・ファシリテーションの基礎知識
種類と分類
定義とメリット
歴史と背景
第3章 図解の基本スキル
絵心の正しい意味を知る
見えるモノをかく
似顔絵をかく
見た目をよくする
第4章 図解の応用スキル
関係性をかく
時間をかく
ビジョンをかく
第5章 理解することとわかりやすく伝えること
シンプルにする
対象を理解する
抽象度を上げ下げする
ロジカルシンキングで納得してもらう
第6章 ファシリテーションの基本原則と実践方法
ファシリテーションとは
ファシリテーションの学び方
ファシリテーションの基本原則
ファシリテーションの実践方法
ワークショップで集団の力を引き出す
第7章 ビジュアル・ファシリテーションの活用事例
ビジュアル・ファシリテーションの活用事例
教育
コミュニティ
ビジネス
その他
本文
以下は、書籍「ビジュアル・ファシリテーションのすべて:図解で考える・伝える・共創するスキルを身につける」の一部です。この書籍は、ビジュアル・ファシリテーションの基礎から応用までを学ぶことができる内容になっています。この書籍を読むことで、ビジネスにおいて利害関係者の卓越した能力を引き出し、ライブドローイングなどをカンタンに学ぶ方法があることを知ることができます。
ワークショップで話し合うテーマを武勇伝もしくは自慢話にする場合は、以下のように出力します。
第6章 ファシリテーションの基本原則と実践方法
6.5. ワークショップで集団の力を引き出す
ワークショップで集団の力を引き出す方法を学びましょう。
ビジュアル・ファシリテーションは、個人の思考やコミュニケーションに役立つだけでなく、集団の力を引き出すためのツールとしても有効です。とくに、ワークショップという形式でビジュアル・ファシリテーションを活用すると、参加者の関心やモチベーションを高める/多様な意見やアイデアを引き出す/共通の理解や合意を形成できます。
ワークショップとは、参加者が主体的に学びや問題解決を行うための集まりです。ファシリテーターは、参加者の学びや問題解決を促進するために、目的や目標、プロセスや手順、ツールや資料、役割やルールなどを設計し、適切に進行します。ビジュアル・ファシリテーションは、ワークショップの設計や進行において、以下のような効果をもたらします。
参加者の注意や集中を引きつける
参加者の記憶や理解を促進する
参加者の表現や発想を豊かにする
参加者の関係や協働を強化する
参加者の成果やアウトプットを可視化する
この節では、ビジュアル・ファシリテーションを活用したワークショップの具体的な方法を紹介します。以下の2つのワークショップを実際にやってみましょう。
「グラレコでインタビュー」
「なぞかけでアイデア出し」
6.5.1. 「グラレコでインタビュー」をやってみる
「グラレコでインタビュー」とは、参加者がペアになって互いにインタビューを行い、その内容をグラフィックレコーディング(グラレコ)で記録するワークショップです。グラレコとは、会話や議論の内容を図解や文字でリアルタイムに記録する技法です。このワークショップでは、グラレコの基本的なスキルを身につけるとともに、参加者同士のコミュニケーションや信頼関係を深めることができます。
このワークショップを行うには、以下の手順に従います。
参加者を2人ずつのペアに分けます。ペアの中で、インタビュアーとインタビュイーの役割を決めます。
インタビュアーは、インタビュイーに対して、以下のような質問をします。
あなたの名前は何ですか?
あなたの仕事や役割は何ですか?
あなたの武勇伝や自慢話は何ですか?
インタビュアーは、インタビュイーの回答を聞きながら、グラレコで記録します。グラレコの方法は、以下のようにします。
回答のキーワードや要点を書き出す
回答の関係性や順序を線や矢印でつなぐ
回答の重要度や感情を色や大きさで表現する
余裕があるときは回答の内容に合ったシンボルやアイコンを描く
インタビュアーとインタビュイーの役割を交代して、同じ質問を繰り返します。
ペアごとに、グラレコの内容を発表します。発表の際には、以下の点に注意します。
グラレコの内容を説明するだけでなく、インタビュイーの印象や感想も伝える
グラレコの内容に対して、他の参加者から質問やコメントがあれば受け入れる
グラレコの内容に対して、インタビュイーから補足や訂正があれば受け入れる
すべてのペアが発表した後、参加者全員で以下のような振り返りを行います。
グラレコでインタビューを行うことで:
どのようなメリットや効果があったか
どのような課題や改善点があったか
どのような学びや気づきがあったか
このワークショップを行う際には、以下の点に注意してください。
インタビューの時間は、1人あたり1~2分程度に設定します。時間が長すぎると、グラレコが難しくなります。
グラレコは以下の点に注意して行います
A4サイズの紙にペンで行います。紙やペンは、参加者に事前に用意してもらうか、ファシリテーターが用意します。
あとで全体発表の時にみやすいように太めのペンを使用するように促します
かいたものをインタビュイーに見えるようにします。インタビュイーがグラレコの内容に納得しているか確認します。
発表の際に全員に見えるようにします。
会場の広さによっては、グラレコを写真に撮ってプロジェクターに映して見せます。
6.5.2. 「なぞかけでアイデア出し」をやってみる
「なぞかけでアイデア出し」とは、参加者がなぞかけを使ってアイデアを発想し、それをグラフィックレコーディング(グラレコ)で記録するワークショップです。なぞかけとは、あるものを別のものに例えて表現する言葉遊びです。たとえば、「花のような女性」というのは、なぞかけの一種です。このワークショップでは、なぞかけの技法を使って、創造性や発想力を鍛えるとともに、参加者同士のコミュニケーションや楽しさを高めることができます。
このワークショップを行うには、以下の手順に従います。
参加者を4~6人ずつのグループに分けます。以下の内容を説明します。
このワークの目的はチームで協力しあうことで新しいアイデアを思いつけるということを実感することです。
また、良いアイデアはできるだけ異なったものの掛け合わせであることです。
個人ワーク1:武器を準備する
他の人に負けない得意なことを3つ思いつく
3枚の付箋紙にそれぞれにかきとめる
個人ワーク2:世の中を良くするアイデアを1枚にまとめる
世界を良くするために自分がやりたいことを考えます
1枚の紙にそのアイデアをかきます
グループワーク1:みんなでプレゼン
それぞれが1分の持ち時間でA4の紙を見せながらプレゼン
全員のプレゼンが終わったら投票
シールの枚数で決める
それぞれに3枚のシールをもたせる
自分のアイデア以外のアイデアにシールを貼る
シールの数が一番多いものが優勝
拍手の大きさで決める
グループワーク2:なぞかけでアイデア出し
優勝したアイデアの発案者に問題や課題を話してもらう
それ以外のメンバーはその解決するためのアイデアを考える
アイデアは思いついた人から以下のなぞかけフォーマットで語る。
●●(優勝したアイデアの問題や課題)とかけまして
■■(武器を準備するで書いた付箋の1枚)と解きます
アイデアを思いついた人以外は「そのこころは?」と問いかける
「●●を■■の▲▲を活かして解決します」と自分の得意なことのある要素の▲▲を問題解決の糸口にすると説明します
出たアイデアを、問題とその解決方法、ととして別の紙にかいていきます
チーム戦:チームでプレゼン
それぞれのチームのアイデア+問題と解決方法を1分でプレゼン
投票で優勝チームを決める
このワークショップを行う際には、以下の点に注意してください。
なぞかけの時間は、1人あたり1~2分程度に設定します。時間が長すぎると、グラレコが難しくなります。
グラレコの記録は、A4サイズの紙にペンで行います。紙やペンは、参加者に事前に用意してもらうか、ファシリテーターが用意します。
グラレコの記録は、なぞかけをする人に見えるようにします。なぞかけをする人がグラレコの内容に納得しているか確認します。
グラレコの記録は、発表の際に全員に見えるようにします。発表の際には、グラレコの内容を写真に撮って共有するか、プロジェクターに映して見せます。
以上が、ビジュアル・ファシリテーションを活用したワークショップの具体的な方法の一例です。このように、ビジュアル・ファシリテーションは、ワークショップの目的や目標に応じて、さまざまな方法で活用できます。ビジュアル・ファシリテーションを使って、参加者の力を最大限に引き出しましょう。