コラム:構造ではなく習慣を変える ― リベレイティングストラクチャー(LS)とは - 絵と文字でビジネスを加速する方法〜ビジュアル・ファシリテーションのすべて〜(抜粋)
中央集権から自立分散へ。従来の打合せや会議が現代にそぐわないのはパラダイムが異なるのが原因なのかもしれません。リベレイティングストラクチャーは自律分散時代の情報共有や意思決定のやり方です。
LSとは何か?
リベレイティングストラクチャー(LS)は、組織内のコミュニケーションと協働を変革するための一連の方法論です。これは、単に会議を効率的に進めるためのテクニックではなく、組織文化そのものを形成する習慣や信念を変えることを目指しています。
LSの適用例
LSは、多様な業界や状況で適用されています。たとえば、スクラムチームがLSの原則を取り入れることで、より効果的なスプリント計画とレトロスペクティブを実施しています。
LSの10原則
LSには、参加者全員が等しく貢献し、全員の知恵を引き出すことを目的とした10の原則があります。これらの原則は、会議やワークショップを通じて、より創造的で生産的な対話を促進します。LSの10原則を以下に示します。
含蓄ある無知を受け入れる: 自分たちが知らないことを認め、新しい知識を求める。
関係性を重視する: 個人間の関係性を大切にし、信頼を築く。
多様性を尊重する: 異なる意見やアイデアを価値あるものとして受け入れる。
自己組織化を促進する: メンバーが自らの責任で行動する環境を作る。
複雑さを抱え込む: 単純な解決策だけでなく、複雑な問題にも取り組む。
中断を歓迎する: 新しいアイデアや方向性のために、現状を中断することを恐れない。
実験を重視する: 試行錯誤を通じて学び、成長する。
集団の知恵を活用する: 全員の知識と経験を生かす。
オープンな対話を奨励する: 自由な意見交換を通じて、深い理解を目指す。
目的を明確にする: 共通の目標に向かって努力する。
コントロールと構造の違い
LSは、自立分散型のアプローチを取り、集中管理型のコントロールから離れることを推奨します。これにより、個々の参加者が自らの意見を自由に表現し、集団の知恵を最大限に活用できます。
コミュニケーション手法の比較
LSは、一方的な報告会(Status Report)や講義形式のプレゼンテーション(Presentation)、無作為の会議(Open Discussion)、結論が決まっているが打合せた体裁を取り繕う会議(Managed Discussion)、ブレーンストーミング(Brain Storming)などの従来のコミュニケーション手法と比較して、より参加者のエンゲージメントを高め、有意義な成果を生み出すことができます。
まとめ
LSを学ぶことで、あなたは組織内のコミュニケーションの質を高め、より良い協働を実現するための具体的なステップを踏むことができます。このコラムが、あなたの組織やチームでの実践への一歩となることを願っています。
最後に
このコラムは、読者がLSの基本的な概念を理解し、実践することで得られるメリットを簡潔に示しています。読者は、このコラムを読むことで、組織内のコミュニケーションと協働を改善するための具体的な方法を学ぶことができます。また、以下のリンクから楽描人カエルンのSNSをフォローし、noteのメンバーシップに参加して、ビジュアル・ファシリテーションに関するさらなる情報を得ることができます。
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