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ゲイである前に社会人なのです。

何度も書いてきたけれど、ゲイなのである。
そう自分で認めるのに時間がかかったし、24歳で上京するまでゲイライフらしいことはほぼなかったけど、やはりゲイなのである。

でも、ゲイである前に社会人なんですよね。
セクシャリティは僕という人間を構成する重要なパーツのひとつではあるけれど、それで僕自身のすべてが規定されているわけではなくて。

それはノンケ、ストレートの人も同じで、彼ら彼女らが別に四六時中恋の駆け引きや色恋沙汰、夫婦の家庭生活にかまけているわけではないのと同じように、ゲイだって別にいつも男のケツを追っているわけじゃないし、社会人として仕事もしている。税金だって払うし、マンション管理組合の理事会にも出る。

でも、一旦ゲイであるとカミングアウトしてしまうと、「あの人はゲイ」という色で塗り潰されてしまう気がするんですよね。そしてそれがさらに厄介なのは、「あの人は日本人」「あの人はキリスト教徒」とかいうのと違ってセクシャリティの話、秘め事とされる性の話だっていうことで。

会社で仕事をしているのに、「あの人はゲイ」っていうセクシャリティ、要は性が前面に出てきてしまう。仕事には関係ないのに、職場に性の気配が持ち込まれてしまう。いや、仕事中ですから。ゲイかどうかは関係ないので、放っておいてくれますか。

「LGBTQにとって働きやすい職場です」ってそれは結構ですけど、今それはどうでもよくて、売上とかカスタマーサービスとか、他にもっと考えなくちゃならんことがいっぱいあるでしょ?

そういう余計なことに気を使うのも面倒なので、カミングアウトなんかしなくていいやって思っちゃうんですよね。むしろ、ゲイバーでもないのにレインボーフラッグとか掲げられてると、ああまた面倒だなあって忌避感を覚える始末で。ゲイなのに。

ゲイである前に社会人なのです。もし何かあったら、パワハラ、セクハラへの対応プロトコールに則って相談しますので、とりあえず放っておいていただければ結構です。

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