震度だけが全てじゃない理由
震度5弱で安心してはいけない。
懸念されている南海トラフ地震や首都直下型地震など近いうちに起こるとされる地震。
シミュレーション動画などでこの地域はだいたいこれくらいの震度だろうと推定されているのを一度は見たことがあるだろうが、○○は震度5弱だから良かったなどの声を聞くが、安堵してはいけない。
東日本大震災
時は遡り平成23年(2011年)。3月11日に東北地方太平洋沖地震が発生。これは1978年の宮城県沖地震(M7.5)の後に懸念されていた地震であり、三陸沖から関東の南北400kmにわたる広い範囲で割れ国内観測史上最大のM9.0を記録した超巨大地震だ。
宮城県北部で震度7を観測し、関東圏でも震度5強、5弱を広い範囲で観測した。なんと言ってもビル群の多い関東圏は長周期地震動の影響で高層ビルはユラユラ船のように揺れた。ある程度規模が大きく、震源が浅いとこの長周期地震動が発生しやすい。長く揺れるかつ建物にもダメージが入り非常に危険だ。震度5弱(或いは5強)の地域でもこの長周期地震動による危険がある。
※東北地方太平洋沖地震は深さ24km
阪神・淡路大震災
1995年1月17日に発生した兵庫県南部地震(M7.3)は最大震度7の直下型地震だ。深さは16km。
熊本地震や大阪北部地震も同じ直下型地震に分類されるのだが、直下型は下から突き上げるような揺れと表され、東日本大震災のような海溝型と異なり震源付近が非常に強く揺れる。直下型の倒壊が多かったのはキラーパルスと呼ばれる1〜2秒周期の地震動である短周期地震動が発生して被害が大きくなったとされている。このキラーパルスは木造の家屋などがダメージを受けやすい。
福島県沖地震(2016) 宮城県沖地震(2011)明治三陸地震(1896)
2016年11月22日に発生した福島県沖地震(M7.4)は最大震度5弱ながら、津波警報が発表された。
宮城県の仙台港で1.44mの津波を観測。
震源は25kmと津波が発生してもおかしくは無い条件だった。
2011年3月9日に発生した宮城県沖地震(M7.3)は東北地方太平洋沖地震の前震とされている地震で最大震度5弱ながら津波注意報が発表された。岩手県で最大60の津波を観測した。
1896年6月15日に発生した明治三陸地震はM8.2〜8.5とされている巨大地震だ。最大震度は4程度(震度2〜3程度がほとんど)とされているものの、最大約38.2m程の大津波が押し寄せてきた。
最大震度は関係なく条件さえ合えば津波は発生することを覚えていてほしい。