ライフスタイルを変えると決めた時
ALSの原因は?誰に聞いても考えてもわかりませんでした。
原因不明だから防ぎようもないというのも現実です。
筋肉が萎縮していく病気で、ある日突然、体のどこかに異変を感じるのです。
弟の場合は、右手➡左手➡両脚➡呼吸(全身)でした。
遺伝でもないし、食生活ではお酒好きではありましたが、特別変わったところはなく、他の人よりは身体を鍛えていて、スポーツマンとしての体作りにはむしろ厳しい人でした。
なので、何が原因か?と言われたときに、弟自身もまったくわかりませんでしたし、ドクターもわかりませんでした。
ただ、弟は我慢強かったので口にしませんでしたが、ストレスは半端なかったように思います。
医療では治療法はない…どうやったら病気を治せるか?
考えていた時に弟の信頼するH先輩が、いろいろな文献から調べ上げた治療法のヒントが送られてきました
H先輩ありがとうございました
その文章が送られてきた時、弟は歓喜しました
『これだ!これで治せる』
治療法とは自然治癒力を発動させるという内容でした。
自然治癒力を発動させるために必要なことは『ライフスタイルを変える』
というものでした。
簡単にライフスタイルと書きましたが、ライフスタイルを変えるというのは
今までの考え方、生活習慣すべてを変えるということです。
わかりやすく箇条書きにしてくれていましたが
半端なものではありません。
食べ物や、生活の習慣は努力すればできる。家族が協力すればなんとかなる
ただ物事の考え方が一番重要なカギになると思いました。
それは弟自身が気づきを得て自分を変えるしかないのです。
これさえできれば弟の病気は治せる!
私はそう思いました。
弟は何日も何日も何度も何度もその文章を読み直し、
『姉ちゃん、俺がこの病気を克服するときは俺は別人になっているよ!よろしくな』
突然そう言いました。
覚悟ができたのでしょう。
弟が最後まで前向きでいられたのは唯一の希望をそこに見出したからだと思います。
半端な覚悟ではなかったと思いますが、私たち家族が支えたことは、そのライフスタイルを大きく変えるための手伝いだったのです。