自己暗示
なぜ弟は、地獄のような不安と苦しみを抱えつつ、前を向くことができたのか?
考えることがあります。
答えははっきりとはわかりません。
難病だから治療薬はない。進行を止めることはできない。
そして、インターネットに出てくる情報の数々、どれ一つとして、希望につながることはなかったんです。
調べれば調べるほど、悪い情報ばかりが入ってきて
『ALSは治らない!』そう決めつけてしまっていました。
数々の情報を見たとき、それが当たり前、常識と思ってしまいます。
どんどん良くなるイメージなどできるわけがなく、たくさんの情報を信じ
『自分は健康になりたい!生きたい』という希望が消されてしまっていました。
治療法はまだないだけで、数年で新薬がでてくるかもしれないし、何かしらの発見がされるかもしれないのです。
医療の進歩は日進月歩だし、もしかしたら病気を克服することができる一番初めの人かもしれないのです。
でも自分がインプットしている情報というものは恐ろしいもので、イメージ通りの未来を引き寄せてしまいます。
『無理なんだ・・次はこうなってしまう・・寝たきりになってしまう・・いつ呼吸が止まるかわからない・・』
そのイメージに押しつぶされそうになって、頭の中で次から次と悪いイメージを引き寄せてしまいます。
イメージを書き換える必要がありました。
弟の中の常識を変える必要がありました。
生活習慣を変え、考え方を変えることで、自然治癒力を発動させる!
いいイメージで現実を引き寄せるのです。
自然治癒をさせるという考え方だと、可能性はある!!
そう思ったときに弟の心にほんのわずかな光が差したのです。
消えてしまいそうな光でしたので、周りのサポートが必要でした。
自然治癒力を高めるための一番の条件は考え方を変えることですが、第一歩は自分自身に暗示をかけることだったのかもしれません。
弟の一番初めの目標は、息子との『キャッチボール』
それだとイメージできると言いました。
本当の自分の気持ちに従って自己暗示をかけていくのです。
自分自身に『大丈夫!!』と声をかけていました。
私たちも『大丈夫だよ!』ずっと言い続けました。
どんな時でも『大丈夫!!』といつも自分に声をかけることは、健康な私たちもとても大切なことだと思うのです。