Ex-3:拡張ルール:祓魔術の制約強化

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この記事は、「タクティカル祓魔師TRPG」の拡張ルールについて記載したものです。

このTRPGのルールは、フィリップ・N・モーゼズ氏がメインルールデザイナーを務め、ニンジャスレイヤー公式/ダイハードテイルズによって提供された「ソウルワイヤードTRPGフレームワーク」を採用しています。
「ソウルワイヤードTRPGフレームワーク」の著作権は、メインルールデザイナーであるフィリップ・N・モーゼズ氏と、ダイハードテイルズ・ゲームズが有しています。

はじめに
本項では、祓魔術に関する特殊なルール「制約強化」について解説する。
「制約強化」とは一定の決まりに基づいて祓魔術を改造し、様々な恩恵を得るものである。同一の祓魔術でも、施す「制約強化」の内容によって使用感が変わり、キャラクターの戦い方に変化を付けることが可能となる。
ゲームマスターは本記事に掲載のルール・データの使用を制限しても良い。


Ex-3-1:制約強化とは

祓魔術の制約強化とは、祓魔術を修得した際に選択可能なオプションとして設定されたデータである。
それは祓魔術に対する深い理解があって可能となる特殊な拡張であり、術者はこの技術を用いて祓魔術を自身の戦いに最適化する。

祓魔術の制約強化は「制約」と「強化」のセットを自身の祓魔術に適用することで行われる。

「制約」は術の行使に伴う制限要素であり、術者の行動や術の行使コスト、術の内容に対するデメリットとして設計されている。
「強化」は術の行使に伴う強化的要素であり、術の出力や効果を強化するデータとして設計されている。

祓魔術の制約強化を行うキャラクターは、自身の戦闘スタイルや許容するコストに応じた「制約」を自身に課し、それによって自身の祓魔術を「強化」することができる。

Ex-3-2:制約強化に必要なもの

【体】【霊】【巧】いずれかの値が7以上に到達しており、且つ【術】の値が1以上であるキャラクターは、本項のルールに則って「祓魔術の制約強化」を行うことができる。
上記条件を満たさないキャラクターは、制約強化を行うことはできない。

祓魔術の制約強化は特殊な成長メニューとして取り扱い、「1スロット分の余暇」を独占する。一方、【予算】の消費は必要ない

Ex-3-3:祓魔術の制約強化手順

祓魔術の制約強化は、下記の手順にて行われる。

①「制約」のリストを参照し、まだ自身の術に適用しておらず、且つ自身の祓魔術に適用できる「制約」を1つ決める
②「強化」のリストを参照し、まだ自身の術に適用しておらず、且つ自身の祓魔術に適用できる「強化」を1つ決める

原則として、「制約」と「強化」は常にセットとして扱われる
一人のキャラクターが自身の術に対して施すことのできる「制約」と「強化」のセット数は、キャラクターの【霊】の値によって異なる。

キャラクターの【霊】の値が1~3の時、組み込むことのできる「制約」と「強化」のセット数は「1」セットが上限となる。
キャラクターの【霊】の値が4~6の時、組み込むことのできる「制約」と「強化」のセット数は「2」セットが上限となる。
キャラクターの【霊】の値が7以上の時、組み込むことのできる「制約」と「強化」のセット数は「3」セットが上限となる。

勿論、上限より少ないセット数に留めても構わないものとする。

Ex-3-4:制約強化の制限について

祓魔術の制約強化に際する「制約」と「強化」は祓魔術に組み込む仕様のようなデータであり、組み込まれていない「制約」と「強化」はキャラクターシートから削除される。
即ち、仮に何らかの手段で「制約」や「強化」を手放した場合、「記憶している特技」や「記憶している奥義」のような扱いにはならない。

キャラクターの【霊】の値による総数の範囲であれば、キャラクターは一つの余暇スロットを費やして自身の術に施した制約強化をリセットしたり、まったく別の制約強化内容に書き換えることができる

Ex-3-5:セッション中の挙動について

祓魔術の制約強化を組み込んだ場合、そのキャラクターは常に「制約」を受ける代わりに、「強化」の恩恵を受けることができる。

ただし、キャラクターは敢えて「制約」を無視して祓魔術を行使することを宣言しても良い
そうした場合、セッションが終了するまで無視した「制約」とそれに紐づいた「強化」の内容は破棄され、効果を発揮しなくなる

Ex-3-6:【術】値の上限突破

本ルールを用いるにあたり、【術】の値を「【術】のレベル」と表現することがある。
また、本ルールの「強化」には「キャラクターの修得している【術】が1レベル高いものとして扱う」というものが存在する。

「既に【術】のレベルが3であるキャラクターが、"【術】のレベルを1つ高いものとして扱う"効果を受けた場合、そのキャラクターの【術】の値は「4」として扱われる。

【術】の値が4である時、各種の術の効果は下記のようになる。

【加護防壁】
→【術】値が1~3の時と同じく、【術】値に等しい数だけ【強度】3の「防壁」を設置できる

【反閇歩法】
→【術】値が1~3の時と同じく、術の効果時間が延長される(発動してから【術】値ターン後の術者の手番を迎えるまでの間)

【霊力放出】
→「中心」にいる対象が受けるダメ―ジが「2d6+2」点となる
 また、【霊力放出・凝】の効果時間が+1ターンされる

【霊弾発射】
→【術】値が1~3の時と同じく、一度に放てる「霊弾」の数が増える(【術】値+1個)

【呪祝詛詞】
→【術】値3の効果に加え、対象が行う【霊】判定の難易度が『難易度:ULTRA-HARD』になる

【式神使役】
→【術】値が1~3の時と同じく、式神の能力値が上昇する(【術】値+1)

Ex-3-7:制約のリスト

「制約」には、適用可能な祓魔術の種類が指定されているものがある。
詳細は、それぞれの制約の内容を確認すること。

不動うごかず
全ての術に適用できる。
この制約を術に組み込んだ術者は、祓魔術を使用する手番において「第一移動」と「第二移動」を行うことができない。

両足を地に付け、不動とすることで術の効果を底上げする制約。
遠距離戦の可能な祓魔術と、特に相性が良い。

【複雑儀術】
全ての術に適用できる。
この制約を術に組み込んだ術者は、術の発動判定難易度が一段階上昇する。

祓魔術を発動する際の掌印や詠唱などの儀式手順を複雑化させ、以て術の効果を底上げする制約。熟達の術師でもなければ、安定して扱いにくい。

【動作制限】
全ての術に適用できる。
この制約を術に組み込んだ術者は、術を発動した時即座に回避ダイス2個を失う。既に回避ダイスが1個以下である場合、術を発動できない。術の発動後にこの制約を破棄する宣言を行った際は、回避ダイスを失わない。

祓魔術を行使するにあたり、身のこなしや体捌きに制限を負う制約。
熟練者は戦局を見極めてこの制約を破棄し、詰めに入ることがある。

隙刻インターバル
【反閇歩法】【式神使役】以外の術に適用できる。
この制約を術に組み込んだ術者は、連続した手番に術を行使することができなくなる(=2ターンに1回しか術を使用できなくなる)。

祓魔術を行使した後、次に術を行使するまでに一定の間隔を設ける制約。
術の発動に"溜め"を作ることで効果を高める仕掛け。

過剰投与オーバーロード
【式神使役】を除く祓魔術に適用できる。
この制約を術に組み込んだ術者は、術を発動した時にコストとして追加で1点の【霊力】を消費する。

祓魔術の行使に際し、通常以上の霊力を消費する制約。
容量キャパシティに余裕のある術師が、短期決戦時に組み込むことがある。

過剰負荷オーバーヒート
全ての術に適用できる。
この制約を術に組み込んだ術者は、術を発動した時にコストとして追加で1点の【体力】を失う。

祓魔術の行使に際し、自身の身体を傷つける制約。
或いは、強力な効果を持つ代わりに術者の身体が耐えきれない状況を指す。

【削り】
【術】値が2以上の【加護防壁】【霊弾発射】に適用できる。
この制約を術に組み込んだ術者は、術によって作り出すオブジェクトや弾の数が1つ減る。

自身の加護で防壁や弾丸を象る術者が、造形物の数を削ることで術の効果を底上げする制約。一発当たりの効果や、燃費性能を組み込むことが多い。

【縮め】
【術】値が2以上の【反閇歩法】に適用できる。
この制約を術に組み込んだ術者は、術の効果時間が1ターン短くなる。

術による身体強化の効果時間を短くする制約。
短時間のみの強化とすることで、その効果を底上げする。

覗き窓ファインダー
【呪祝詛詞】に適用できる。
この制約を術に組み込んだ術者は、術を行使する際、【霊力】1点を消費して発動判定の代わりに『難易度:NORMAL』で【霊】+【術】を参照する遠隔攻撃判定を行う(=術が回避されうる)。この攻撃ではあらゆるダメージが発生しない。この攻撃が成功した場合、術が発動したものとする。

呪祝詛詞の行使に際し、指や祭具で作った「窓」で対象を捉えることで術の効果を底上げする制約。術を回避されるリスクが術の効果を高める。

血償けっしょう
全ての術に適用できる。
この制約を術に組み込んだ術者は、【体力】が1/3以上(端数切捨て)減少している状態で術を発動しなければならない。

術の発動に自身の負傷を条件として組み込み、効果を底上げする制約。
前線で激しく切り結ぶ術者が好んで用いる傾向にある。

【時間内】
全ての術に適用できる。
この制約を術に組み込んだ術者は、戦闘開始後第6ターン目の自分の手番を迎えるまで「強化」の内容を受けることができない。 この脆弱性を組み込んだ場合、セットとなる「強化」は必ず【時間外】となる。

戦闘が始まってからの一定時間、あらゆる強化効果を断つ制約。
制約を維持し続けることで、【時間外】となった時強力な効果を発揮する。

Ex-3-8:強化のリスト

「強化」には、適用可能な祓魔術の種類が指定されているものがある。
詳細は、それぞれの制約の内容を確認すること。

【出力向上】
全ての術に適用できる。
この強化を術に組み込んだ術者は、制約が有効な間、【術】の値が1レベル高いものとして効果を発動する。

祓魔術の出力を向上させる、シンプルにして強力な強化効果。
特に、成長に伴って効果時間を延ばす形の祓魔術と相性が良い。

【疑似拡張】
全ての術に適用できる。
この強化を組み込んだ際、自身が修得している祓魔術に属する拡張スキルを1つ選択する。
この強化を術に組み込んだ術者は、制約が有効な間、修得していなくてもその拡張スキルを使用できる。

制約による底上げ効果で祓魔術を拡張する強化効果。
多彩な選択肢による柔軟な戦術を好む祓魔師が好んで用いる。

【略式発動】
全ての術に適用できる。
この強化を術に組み込んだ術者は、制約が有効な間、術の発動判定難易度が一段階低下する。

祓魔術の発動手順を省略し、小さな所作や簡易的な儀式で発動を可能とする強化効果。機動戦を行いつつ術を用いる祓魔師が採用する傾向にある。

【安全装置】
全ての術に適用できる。
この強化を術に組み込んだ術者は、祓魔術の発動判定に失敗した時、コストを消費しなかったものとする。

祓魔術の発動に際し、術が不成立になる前に実行を中止する機構を組み込む強化効果。万一の不発事故を回避することが可能になる。

【回避困難】
【加護防壁・鉾】【霊力放出】【霊弾発射】に適用できる。
この強化を術に組み込んだ術者は、制約が有効な間、その術による攻撃に対する回避判定難易度が1段階上昇する効果を得る。

直接攻撃能力を持つ祓魔術に、回避の困難な攻撃を行わせる強化効果。
積極的な攻撃を可能とする他、回避を強いる術と相性が良い。

【邪視】
【呪祝詛詞】に適用できる。
この強化を術に組み込んだ術者は、制約が有効な間、術の対象が抵抗のために行う【霊】判定のダイスを1/2(端数切り上げ)にする効果を得る。

呪祝詛詞の行使に際し、強力な抵抗貫通効果を持たせる強化効果。
強敵相手に対しても一定の効果を期待することが可能となる。

【時間外】
全ての術に適用できる。
この強化を術に組み込んだ術者は、戦闘開始後第6ターン目の自分の手番を迎えた時、戦闘終了まで自身の術に組み込んだ全ての制限を無視する。

条件を満たし、あらゆる強化効果を断つ強力な制約を解放した状態。
断たれていた強化の恩恵を受けつつ、受けていたあらゆる制約を無視する。

編集履歴
◆2024/08/15◆
Ex-3-2:制約強化に必要なもの
【霊】の値が7以上で~ → 【体】【霊】【巧】いずれかの能力値が7以上で~ に緩和
Ex-3-2:祓魔術の制約強化手順
組み込み可能な制約強化のセット数について、【霊】の値の1/3(端数切捨て) → 具体的な数値として対応した表記に変更

【動作制限】の制約内容を術の発動時のみに緩和
制約【過剰負荷】【隙刻】【縮め】
強化【安全装置】
を追加

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