2:コアルール:ゲームの進行、アクションと判定
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1:キャラクター作成ルール
2:コアルール
3:成長ルール
4:ワールドパート
このTRPGのルールは、フィリップ・N・モーゼズ氏がメインルールデザイナーを務め、ニンジャスレイヤー公式/ダイハードテイルズによって提供された「ソウルワイヤードTRPGフレームワーク」を採用しています。
「ソウルワイヤードTRPGフレームワーク」の著作権は、メインルールデザイナーであるフィリップ・N・モーゼズ氏と、ダイハードテイルズ・ゲームズが有しています。
2-1:ゲームの進行について
本ゲームのセッションは、以下のサイクルの繰り返しで進行する。
①の「ブリーフィング」フェイズは、シナリオ導入部となる。
プレイヤーキャラクター(以下、PC)達は組織上位からの指令や各自の判断によって、"境界異常"との戦いに身を投じる。
その際、これから挑むミッションについての説明が行われるのが「ブリーフィング」パートという訳である。
この際行われる説明は、ゲームのフレーバー的な要素とゲームルール的な要素の両方を含む。
③の「査定」フェイズでは、ミッション内容の評価を行う。
PC達はフレーバー的/ゲーム的な目標の達成度合いに行って付与される「予算」を獲得し、同時に与えられる「余暇」を使って傷を癒したり新たな技を修得することになる。
②の「ミッション」フェイズはシナリオの中核を担う部分であり、本システムのゲーム的な処理はほぼすべてがこのパートに集約される。
本項目では、主にこの「ミッション」中に起こる出来事と処理について解説する。
更に、「ミッション」フェイズは下記のサイクルの繰り返しで進行する。
「非戦闘状態」とは、PC達がマップに配置されて行動している状態を指す。PC達はオブジェクトの調査やマップ内の移動など、ミッションに設定された内容に沿ってマップ内での行動を決定する。
「イベントの発生」とは、PC達の何らかの行動やシナリオ側に定められた条件を満たし、ゲーム的なイベントが発生・進行している状態にある。この「イベントの発生」は随時起こる。
「戦闘」は「イベントの発生」や各種効果、GMの判断によってマップ上に登場したエネミーキャラクターとの戦闘を行う。
「非戦闘状態」と「戦闘」はターン制で進行し、PCやエネミー含めた各キャラクターの行動を手番で管理する。
ターン内の手番の順序は「イニシアチブ」の順に従うものとする。
「イニシアチブ」については後述。
即ち、本システムは下記のゲーム進行単位から構成されることになる。
以下、ゲーム操作の殆どが行われる「ターン」と「手番」について解説する
2-2:ターンとイニシアチブについて
ターンとは、「マップ上でアクティブな状態であるキャラクター達が、全員未行動の状態からイニシアチブの順にそれぞれの手番を行い、全員が行動済になるまで」の期間を指す時間単位である。
ゲーム進行がターン単位で管理されるのは「ミッション」フェイズである。
広げられたマップにキャラクターを配置し、各キャラクターは自身の手番で移動やその他の活動を行い、ゲームを進展させる。
また、「ミッション」フェイズで「戦闘」が発生した場合、ゲームマスターはそのターンを「第1ターン」として数え、以降のターンを第2、第3ターンと数えていくこと。
戦闘が終了すれば、ターンのカウントはリセットされるものとする。
イニシアチブとは、「ターン内におけるキャラクターの行動順」を指す。
戦闘時、非戦闘時を問わず、各ターンにおいてキャラクターは【巧】の値の高いものから順に手番を行う。
キャラクター間で【巧】が同じものが存在する場合は、ダイスの出目(オンラインセッションであれば1d100の高い方から)などで事前に決定し、それをミッション終了まで維持すること。
敵性のキャラクターとプレイヤーキャラクターで【巧】の値が同じものが存在する場合は、プレイヤーキャラクター側が先に行動できるものとする。
また、複数の敵性キャラクターの【巧】の値が同じ場合は、ゲームマスターが毎回自由に順番を決定することができる。
また、ミッション中にプレイヤーキャラクターの【巧】の値が増減し、同じ値のプレイヤーキャラクターが居ることになった場合、増減によってその値となったプレイヤーキャラクターは、常に同値のプレイヤーキャラクター達よりも後に行動すること。
行動の遅延や割り込みは無い:
RPGの中には、イニシアチブの反射神経的優位性を再現するために「敢えて自分の手番で行動を行わずに様子を見て、後手番の行動に割り込める」ようなルールを持つものも存在するが、ルール簡略化のために本システムにはそのようなルールを持たせないこととする。
手番をパスしたり見送った場合、そのキャラクターは次の自分の手番が回ってくるまで、自発的な行動は行えない(一部の術の発動など、そのルールの使用タイミングが割り込みであるものや、回避など受動的な行動は可)。
2-3:手番と判定、行動について
ターンにおいて回って来る手番では、自分のキャラクターに下記の行動を行わせることができる。
また、キャラクターは自分の手番でマップ上のオブジェクトを調査したり、攻撃を繰り出したりすることができる。これらの行動が成功するか失敗するかをダイスで決めるのが「判定」である。
「判定」はゲームマスターからプレイヤーキャラクターに要求する形で、ゲーム中に頻出するルールとなる。
それぞれの判定にはその行動の難しさに応じた難易度が「出目の目標値」という形で定められている。
ゲーム中の「判定」は、下記の2つの要素から構成される。
判定を行う際は、①で指定された「判定に用いる能力値」の値に等しい数の6面ダイスを振る。出目が大きければ大きい程良く、振った6面ダイスの中に1個でも難易度以上の出目があれば、その判定は成功となる。
祭具やアイテムなどの効果テキスト中でダイスの数と能力値を現す際、「~の値を参照する」という表現を用いることもある。
2-4:移動と【戦術機動】について
自分の手番を迎えたキャラクターは、手番中行動の「第一移動」「第二移動」において、マップ上を自由に移動できる。
「第二移動」時に移動できる最大の距離は、そのキャラクターが手番中に移動できる移動距離の内、第一移動で使わなかった距離となる。
移動を行う際には、下記の制約や例外が適用される。
また、「第一移動」で移動を行う際、キャラクターは特技【戦術機動】の使用を宣言できる。
【戦術機動】は「回避リソースとキャラクターの移動可能距離を増やすが、手番中に行う能動的な行動(攻撃や術の発動など)が一段階難しくなる」効果を持つ、と認識しておくと良い。
また、【戦術機動】を宣言し、判定を行った上で、その場から動かずに攻撃へと移ることも可能である(第二移動で大きく動きたい場合など)。
戦闘中は通常の移動と【戦術機動】を適切に使い分け、位置取りと回避の有利を得るように心がけると良い。
一方、キャラクターは手番開始時に「第一移動の放棄」を宣言しても良い。
そうした場合、キャラクターは「攻撃集中」状態に入る。
詳細は次項目2-5-1:攻撃集中を参照すること。
2-5:祭具と攻撃について
通常、キャラクターは複数の攻性祭具を所持している。
戦闘開始時、キャラクターは「装備する攻性祭具」を宣言すること。
以降、キャラクターが戦闘における最初の手番を迎えるまで、宣言した祭具を「装備状態」とみなし、「装備している」とも表現する。
キャラクターは、「第一移動」の後に、攻撃を行うことができる。
この時、装備している祭具を所持している祭具と入れ替えても良い。
攻撃祭具を用いて攻撃を行った場合、次のターンに手番を迎えるまで、そのキャラクターは攻撃に使用した祭具を装備した状態であるとみなされる。
「祓串」を用いて攻撃を行った場合、装備/所持している祭具の入れ替えは発生しない(=祓串は装備状態にならない)。
2-5-1:攻撃集中
キャラクターは手番開始時に「第一移動の放棄」を宣言しても良い。
そうした場合、キャラクターは【攻撃集中】状態に入る。
この挙動は、「第一移動を放棄する=攻撃集中する」とセットで扱われる。
【戦術機動】は「第一移動」で移動を行う際に宣言するスキルであるため、「攻撃集中」と【戦術機動】は両立できない。
【攻撃集中】時は、手番中に行う「攻撃判定」の難易度が一段階低下する。
2-5-2:近接攻撃と遠隔攻撃について
攻撃には、「近接攻撃」と「遠隔攻撃」の2種類が存在する。
基本的に、1ターン中に1人のキャラクターが行える攻撃は一度(一種類)だけである。
2-5-3:攻撃処理の順序について
「近接攻撃」および「遠隔攻撃」は、下記の順序によって処理される。
2-5-4:ダメージの種別について
「攻撃」によって発生するダメージには「物理ダメージ」と「霊的ダメージ」の二種類が存在する。
それぞれのダメージの特徴は下記の通り。
大雑把に纏めると、
①攻撃方法は「近接攻撃」と「遠隔攻撃」に分かれる
②ダメージは「物理ダメージ」と「霊的ダメージ」に分かれる
③物理ダメージは発生手段が多いが、軽減される可能性がある
④霊的ダメージは発生手段が限られるが、軽減されにくい
と理解しておくと良い。
2-5-5:祓串による攻撃について
基本的に祓魔師は自身が所持・装備している攻撃祭具を用いて攻撃を行うが、支給装備の「祓串」を用いて攻撃を行うことも可能である。
「祓串」を用いた攻撃の参照能力値とダメージは下記の通り。
2-5-6:連続した攻撃について
『追加スタイル:両手利き』のように、本システムには「キャラクターが行う攻撃を分割し、キャラクターが判定に用いることのできるダイスをそれぞれの攻撃に割り振る」処理を行う効果が幾つか存在する。
成長環境やルールに慣れたプレイヤー向けに、このような処理を【連続攻撃】というキーワードで一括処理する。
『戦闘スタイル:連撃』『戦闘スタイル:2回射撃』『追加スタイル:両手利き』は、それぞれ【連続攻撃】1を付与する効果とみなすことができる。
キーワード処理【連続攻撃】の内容は下記の通り。
2-6:その他の行動について
話す、叫ぶ、通信を行うなどの演出的な行動は特に判定を必要としない。
また、攻撃の有無に関わらずいつでも自由に行って良い。
以下に記載するような行動は「その他の行動」とみなされ、判定を伴う。
基本的には、ゲーム中に判定が必要な「その他の行動」はゲームマスターからプレイヤーに対して要求される。
ここに書かれていない行動時に参照する能力については、ゲームマスターと話し合って判断すること。
2-7:祓串と結界の設置について
結界とは、祓魔師が設置する特殊な効果を付与した領域を指す。
結界には「界異の侵入を防ぐ」「界異の動きを鈍らせる」「界異の穢装を弱める」などの効果を付与することができる。
祓魔師達は作戦領域にこれを展開することで、界異との戦闘を有利に進めることができる。
結界は「結界の設置範囲」「結界への付与効果」「結界の解除難易度」の要素から構成される。
「結界の設置範囲」は、マップ上に設置された結界の効果範囲を指す。
範囲は最小で1マス、最大で3*3マスとなる。
「結界への付与効果」は、設置された結界が「界異」キャラクターに及ぼす効果を指す。
付与できる効果の詳細は後述する。
「結界の解除難易度」は、設置された結界がどれだけ解除されにくいかの強度を指す。
解除難易度は、結界を設置したキャラクターの【霊】の値に依存する。
2-7-1:結界の設置手順
結界の設置作業は
1)祓串の設置(判定不要、位置指定の必要あり)
2)注連鋼縄の設置(攻撃の代わりに行い、【巧】で判定)
3)結界の設置判定(判定不要)
から成る、3つの手順を踏む必要がある。
この内「2)注連鋼縄の設置」は判定を要し、攻撃の代わりとして行わなくてはならない。
キャラクターが上記それぞれの手順に定められた条件を満たしているなら、1度の手番内で祓串の設置から結界の設置までを完遂することができる。
2-7-2:「祓串の設置」について
キャラクターは自分の手番に、「祓串の設置」を行うことができる。
この行動は、手番中であればいつでも行うことができる。
自分から7*7マスの範囲のいずれかのマスを1つ選び、自身の「祓串」を1つ消費して設置する。この時、既にキャラクターのいるマスを選んでも良い。プレイヤーは祓串を設置したマスがわかるよう、目印を付けておくこと。
2-7-3:「注連鋼縄の設置」について
キャラクターは自分の手番に、攻撃の代わりに「注連鋼縄の設置」を行うことができる。
マップに設置された「祓串」と同じマスにいる、または「祓串」に隣接した状態で、自身の「注連鋼縄」を3消費して『難易度:NORMAL』の【巧】判定を行う。
判定の成功数に応じて、下記の範囲に「注連鋼縄」を配置できる。
2-7-4:「結界の設置」について
キャラクターは自分の手番に、「結界の設置」を行うことができる。
マップに設置された「注連鋼縄」の内側にいる、または隣接している状態で、キャラクターは「結界の設置」を宣言する。
また、この時キャラクターは後述のリストから「結界への付与効果」を選んで宣言を行うこと。
この宣言は、手番中であればいつでも行うことができる。
結界の設置にあたり判定の必要はなく、宣言と同時に自動的に、選ばれた効果を持つ結界が設置される。
結界の設置を宣言したキャラクターの【霊】の値によって、結界の解除難易度が決定される。
補足1:【障壁結界】で界異を足止めする
【障壁結界】の効果を付与した結界を設置すると、「【回避種別】:なし」の界異キャラクターは結界が設置されたマスを通過できなくなる。
効果欄に記載の通り、「【回避種別】:なし」の界異キャラクターは【障壁結界】が設置されたマスで手番を迎えると【機動力】が1となるため、「既に界異キャラクターが存在するマスを対象とするように結界を設置する」ことで、低位の界異を足止めすることができる。
補足2:祓串と結界の設置上限について
1つのマスに設置することのできる祓串は1本までである。
したがって、1つのマスを中心とする結界は1つしかマップに存在できない。
ただし、2つの結界が同一のマスに効果を及ぼすことは可能である。
2-7-5:結界の解除について
キャラクターは、マップに設置された結界の解除を試みることができる。
結界の解除を試みる場合、キャラクターは自分の手番に攻撃の代わりとして「結界の解除」を宣言し、【霊】の値を参照して判定を行う。
この判定を「結界の解除判定」、或いは「解除判定」と呼ぶ。
結界の解除判定を行うには、「解除を試みる結界の内側に自身が存在する」か「解除を試みる結界と接する外周部分に自身が存在する」必要がある。
判定の難易度は、解除を試みる結界の解除難易度が参照される。
なお、自身が設置した結界は自分の手番中、好きなタイミングで解除することができる。
結界が解除された場合、その結界の設置に使われていた「祓串」と「注連鋼縄」はマップから取り除かれる。
2-8:受動的行動と回避行動について
キャラクターが自分以外の手番でできることは、基本的に「受動的なタイミングで使用可能」と書かれたアイテムや術の使用、または自身に対して判定が成功した「回避」である。
本項目では、「回避」について詳しく解説する。
「回避判定」は下記の順番で処理される。
上述の「◆攻撃の順序」と合わせて参照されたい。
本システムにおいて重要なのは、上述の通り「回避ダイス」と呼ばれるリソースをキャラクターが所持している点である。
キャラクターは攻撃を回避しようと試みる度に「回避ダイス」を消費するし、更なる攻撃が飛んでくればもっと「回避ダイス」を消費する。
これは即ち、
①キャラクターは回避の度に回避リソースを消耗する
②強力な敵であっても、回避ダイスを吐かせてしまえば隙が作れる
③回避ダイスを、どの攻撃に幾つ使うかの判断が重要となる
という特徴となって表れている。
たとえ相手にダメージを与えられなかったとしても、回避ダイスを削った段階で攻撃には価値が発生していると言える。
2-8-1:「まとめて回避」
低位の界異や武装した下級戦闘員など、「モブ敵」に分類されるキャラクターの攻撃の攻撃を行う時、ゲームマスターは以下の原則に基づいて「攻撃をまとめる」ことを宣言しても良い。
「攻撃をまとめる」を宣言した場合、ゲームマスターは攻撃を行うキャラクターの数に等しい回数だけ「攻撃判定」を行う。
この攻撃に対し、攻撃対象になったキャラクターは「まとめて回避」を試みることができる。
また、上記原則に合致する場合、キャラクターはモブ敵から向けられた攻撃を「攻撃をまとめる」が宣言されたものとして「まとめて回避」を試みることができる。
「まとめて回避」を試みる場合、複数のモブ敵からの攻撃を1つの攻撃と看做し、1度の回避判定で回避することができる。
2-9:ダメージの発生と死亡について
「2-5:祭具と攻撃について」でも言及される通り、このゲームには「物理ダメージ」と「霊的ダメージ」の二種類のダメージが存在する。
これらのダメージは敵に与えるだけでなく、プレイヤーキャラクターとなる祓魔師達が受けることも想定される。
物理ダメージを受けると、PCの【体力】はそれに等しい点数だけ減少する。
狩衣やその他PCが【装甲】+nの効果を受けている場合、受ける物理ダメージをnに等しい数だけ軽減し、軽減後の値だけ【体力】を減少させる。
仮にキャラクターが複数の【装甲】効果を受けている場合、それらの値は合算される。
霊的ダメージを受けると、PCの【霊力】はそれに等しい点数だけ減少する。
また、タクティカル祓魔師の戦闘は危険と隣り合わせであり、一瞬の判断ミスが死に繋がる。
【体力】または【霊力】のどちらかが0以下となったPCは「死亡」する。
ただし、「死亡」したタイミングでアイテム【形代】を1つ消費して、下記の効果のいずれかを選択する。
更に、その時点でのPCの【体力】の2倍を超える値の物理ダメージがPCに与えられた場合、「死亡の回避」や「リスポーン地点に転移」するために必要な形代の消費数は「2」枚になる。
【形代】残数が0の状態で「死亡」した場合、そのキャラクターは完全に死亡し、マップから取り除かれる。キャラクターの冥福を祈り、新しいキャラクターシートを作成しよう。
2-10:非戦闘時と戦闘時の判定の違いについて
ゲームの状態は「非戦闘時」と「戦闘時」に分けられる。状態の変化についてはゲームマスターがコールし、決定する。
「非戦闘時」においては【戦術機動】を含む殆どの判定は自動的に成功するとし、ゲーム的に重要な意味を持つ判定のみをゲームマスターから要求する形で処理して良い。
また、ゲームマスターが許可するならば「非戦闘時」においてはキャラクターの【機動力】を無視し、移動距離を無制限にしても構わない。
その場合、ゲームマスターは戦闘が発生するエリアに移動する時のみキャラクターの配置や隊列をプレイヤーに対して厳密に要求すると良い。
2-11:界異キャラクターについて
本項目では、祓魔師達の敵となる界異キャラクターの構成要素について説明する。
界異キャラクターは、【体】【霊】【巧】の能力値に加え、【強度】【穢装】【機動力】のパラメータを有している。
更に、界異キャラクターは【攻撃能力】と【特殊能力】を持ち、種類ごとに【回避種別】が定められている。
界異キャラクターの【体】【霊】【巧】【機動力】については、祓魔師キャラクターと同様に判定時に参照したり移動マスの算出に用いる。
【強度】は界異がどれほどの攻撃に耐え得るのかの値であり、祓魔師キャラクターにとっての【体力】や【霊力】に等しい。
界異キャラクターは、物理ダメージまたは霊的ダメージを受けた時、【強度】をそのダメージに等しい値だけ減少させる。
【強度】が0になると界異キャラクターはマップから取り除かれ、祓滅または退散する。
【穢装】は界異がどれほどの加護に抗えるのかを表す値であり、祓魔師が行う攻撃に対して装甲のような役割を果たす。
界異キャラクターが物理ダメージを受けるとき、【強度】の減る値を【穢装】の値と同じだけ減衰させる。
また、【穢装】は祓魔術や結界、界異の特殊能力の効果によって増減することがある。
【攻撃能力】は攻撃に使用する能力を指し、近接/遠隔の両方が含まれる。
【特殊能力】は移動や妨害など、特殊な能力を指す。祓魔師にとっての祓魔術や祭具などの効果に相当すると考えて良い。
【回避種別】は、その界異が回避判定を行うかどうかを示す。
【回避種別】なし と記載されている界異は、回避判定を行わない。
したがって、この種別が設定された界異は攻撃判定が成功した時点で攻撃成功と看做され、ダメージが適用される。
また、この種別の界異は祓魔術「呪祝詛詞」の対象になった際の判定も行わない。
【回避種別】あり と記載されている界異は回避判定を行う。
この種別の界異キャラクターは【体】【霊】【巧】いずれかのうち最も高い能力値を基準とする回避ダイスを持ち、祓魔師キャラクターと同様に回避判定を行う。
また、回避ダイスは界異の特殊能力によって増えることがある。
下記に、「界異」キャラクターの構成要素例を示す。
エネミーデータ:鬱黒揚羽(うっこくあげは)
【体】2 【霊】2 【巧】2
【強度】2【穢装】0【機動力】6
【回避種別】なし
・攻撃能力
【近接攻撃】:【体】の値を参照して攻撃を行い、攻撃成功時に1d4点の物理ダメージを与える。
【浸蝕鱗粉】:自身から5マス先までの範囲にいるキャラクター2体を対象に
【巧】の値を参照して射撃攻撃を行い、攻撃成功時に対象に1d2点の物理ダメージを与える。
・特殊能力
【結界破り】:「結界」を解除する【霊】判定を行う時、ダイス数が+2される。
解説
一号級に分類される、低級界異の一種。
体長20~30cm程の黒い蝶のような姿をしており、境界異常が発生した場所に、どこからともなく沸く。
鋭い口吻を突き刺して攻撃する他、穢れによる汚染を伴う鱗粉を飛ばして攻撃を行う。
穢れが形を持ったものに過ぎないため、攻撃に対しては脆弱。
これを祓えるのが祓魔師の最低ライン。
「界異」キャラクターの移動や攻撃、回避についてのルールは、本記事2-4や2-5の内容に準ずる。
2-12:オブジェクトについて
オブジェクトとは、マップ上に配置される「破壊されうる物体や存在」を表現するためのルールである。
オブジェクトはマップ上にキャラクターと同じように配置され、【強度】【装甲】の二つのデータを持つ。
キャラクターと同様に、オブジェクトも攻撃の対象となりうる。
また、キャラクターは移動する際、その移動経路にオブジェクトの配置されているマスを含めることができない。
【強度】は、そのオブジェクトがどれほどのダメージに耐え得るかという指標である。
キャラクターの「体力」などと同じく、【強度】はダメージを受ける度に減っていき、【強度】が0になったオブジェクトは破壊されてマップから取り除かれる。
【装甲】はそのオブジェクトが物理ダメージを受けるとき、どれほどのダメージを軽減するかという指標である。
オブジェクトが物理ダメージを受けるとき、【装甲】に等しい値だけそのダメージを軽減する。【装甲】は特殊な効果で指定されない限り、変動することはない。
2-13:ハードモードについて
タクティカル祓魔師達の戦闘は劇的で苛烈である。
一進一退の攻防、回避に次ぐ回避によって戦闘区域を仕切る結界内の圧力は高まり、祓魔師と界異の戦いに干渉し始める。
本ルールは、双方ノーダメージの戦闘が何十分にも続くことによるゲームの停滞とそれに伴う退屈疲労を回避するための強硬的進展措置である。
ゲームマスターは、『ボス級の敵』との戦闘が始まった時、各ターンにどれだけのダメージが敵味方双方に入ったかを把握しておくこと。そして、『ボス級の敵』との戦闘が始まり、且つ攻撃が起こっているにも関わらず双方ノーダメージのターンが2ターン以上発生した時、ゲームマスターはターン開始時に「【戦闘区域内圧力】が上昇した」のアナウンスを行っても良い。以後、この状態を「ハードモード」と呼称する。
ハードモード環境下では、敵味方のあらゆる「近接攻撃」の回避難易度が1段階上昇する。また、「ハードモード」でも双方ノーダメージが2ターン以上続いた場合、【戦闘区域内圧力】は「ウルトラハードモード」となる。
ウルトラハードモード環境下では、敵味方のあらゆる「近接攻撃」の回避難易度が通常より2段階上昇する(ただし、どんな場合でも回避判定に必要な出目が7以上になることはない)。
その『ボス級の敵』との戦闘が終了した時点で、【戦闘区域内圧力】は完全にリセットされ、次の新たな『ボス級の敵』との戦闘が始まるまでハードモード化は発生しない。
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1:キャラクター作成ルール
2:コアルール
3:成長ルール
編集履歴
◆2024/2/29◆
2-7:結界の設置についてのルールを改訂
「祓串と結界の設置」に変更し、設置内容を一新した。
2-11:界異キャラクターについて を改訂
ゲームのテンポを促進する目的で【回避種別】のパラメータを追加し、回避を行うものと回避を行わないものに分けた。
◆2024/3/5◆
2-7:祓串と結界の設置についてのルールに追記
ルールのシンプル化のため、【障壁結界】の効果を「界異キャラクターが通過できない」ものとした
補足1と補足2を追加
◆2024/3/10◆
2-9:ダメージの発生と死亡について のルールを改訂
「死亡を回復」→「死亡を回避」に変更。
「リスポーン地点に復活」を選択した際、【体力】【霊力】回避ダイス等のリソースを「最大値の半分まで回復」とした。
ボスキャラの脅威度演出・ゲーム難易度調整の観点から、「現在【体力】の2倍を超えるダメージを受けた場合」の処理とプレイ例を追加。
◆2024/3/20◆
2-5:近接攻撃と遠隔攻撃について のルールを改訂
「祓串」を用いた近接攻撃について、【体】または【巧】の能力値を参照できるようにした
2-8-1:「まとめて回避」 のルールを追加
モブ敵の攻撃を「まとめる」ことでゲームのテンポを向上させる意図。
◆2024/3/24◆
2-5-1:攻撃集中について ルールに追記
【攻撃集中】についての記述を厳格化し、【戦術機動】と両立不可である点を強調した。
◆2024/3/25◆
2-7:祓串と結界の設置について のルールを改訂
「注連鋼縄」の設置における【巧】の判定難易度を緩和し、判定に失敗しても最低保証として1マス分の注連縄が設置できるようにした。
◆2024/4/26◆
2-7:祓串と結界の設置について のルールを改訂
1)「障壁結界」の効果が、界異の持つ【回避種別】の有無で変化
回避を行わない雑魚敵は通過・進入不可
回避を行う中ボス以上の敵は通常の3倍の移動距離を費やして通過・進入可能となった。
2)解除判定の要件を明確化
結界の中にいるか、外周に触れていないと解除判定を行えない仕様に
3)結界解除後の祓串と注連鋼縄の扱いについて変更
結界解除後の祓串と注連鋼縄はマップから取り除かれ、再利用不可となる