2:コアルール:ゲームの進行、アクションと判定

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1:キャラクター作成ルール
2:コアルール
3:成長ルール
4:ワールドパート

このTRPGのルールは、フィリップ・N・モーゼズ氏がメインルールデザイナーを務め、ニンジャスレイヤー公式/ダイハードテイルズによって提供された「ソウルワイヤードTRPGフレームワーク」を採用しています。
「ソウルワイヤードTRPGフレームワーク」の著作権は、メインルールデザイナーであるフィリップ・N・モーゼズ氏と、ダイハードテイルズ・ゲームズが有しています。

はじめに
本項では、ゲームの中核となるコアルールについて解説する。
既にRPGに慣れている人を除き、コアルールは単体で読んでも挙動がわかりにくい場合が多いため、そのような場合は後程公開される例などを参考にされたい。


2-1:ゲームの進行について

さて、本件はワガハイが指揮を執る。お初の者はよろしくの。
此度の作戦は街区に侵入した仮想体長200m超えの黒蟲退治……常識外れの相手には、同じく常識外れをぶつけるが定石。
丁度良いことに、ここには常識から外れた使い手と祭具が山ほどある。
責任はもっと上位の者が取る。今宵は大盤振る舞いしてやるのじゃ!
            ――有閑開発部倶楽部 防火管理者 日吉フタキ

本ゲームのセッションは、以下のサイクルの繰り返しで進行する。

ゲームの流れ
1)ブリーフィングフェイズ
2)ミッションフェイズ
3)査定フェイズ

①の「ブリーフィング」フェイズは、シナリオ導入部となる。
プレイヤーキャラクター(以下、PC)達は組織上位からの指令や各自の判断によって、"境界異常"との戦いに身を投じる。
その際、これから挑むミッションについての説明が行われるのが「ブリーフィング」パートという訳である。
この際行われる説明は、ゲームのフレーバー的な要素とゲームルール的な要素の両方を含む。

③の「査定」フェイズでは、ミッション内容の評価を行う。
PC達はフレーバー的/ゲーム的な目標の達成度合いに行って付与される「予算」を獲得し、同時に与えられる「余暇」を使って傷を癒したり新たな技を修得することになる。

②の「ミッション」フェイズはシナリオの中核を担う部分であり、本システムのゲーム的な処理はほぼすべてがこのパートに集約される。
本項目では、主にこの「ミッション」中に起こる出来事と処理について解説する。

 更に、「ミッション」フェイズは下記のサイクルの繰り返しで進行する。

①「非戦闘状態」
②「イベントの発生」
③「戦闘」

「非戦闘状態」とは、PC達がマップに配置されて行動している状態を指す。PC達はオブジェクトの調査やマップ内の移動など、ミッションに設定された内容に沿ってマップ内での行動を決定する。

「イベントの発生」とは、PC達の何らかの行動やシナリオ側に定められた条件を満たし、ゲーム的なイベントが発生・進行している状態にある。この「イベントの発生」は随時起こる。

「戦闘」は「イベントの発生」や各種効果、GMの判断によってマップ上に登場したエネミーキャラクターとの戦闘を行う。

「非戦闘状態」と「戦闘」はターン制で進行し、PCやエネミー含めた各キャラクターの行動を手番で管理する。
ターン内の手番の順序は「イニシアチブ」の順に従うものとする。
「イニシアチブ」については後述。

即ち、本システムは下記のゲーム進行単位から構成されることになる。

大本:セッション
フェイズ:ブリーフィング→ミッション→査定
              ┗ターン→ターン→ターン
                ┗手番→手番→手番

以下、ゲーム操作の殆どが行われる「ターン」と「手番」について解説する

2-2:ターンとイニシアチブについて

ターンとは、「マップ上でアクティブな状態であるキャラクター達が、全員未行動の状態からイニシアチブの順にそれぞれの手番を行い、全員が行動済になるまで」の期間を指す時間単位である。

ゲーム進行がターン単位で管理されるのは「ミッション」フェイズである。
広げられたマップにキャラクターを配置し、各キャラクターは自身の手番で移動やその他の活動を行い、ゲームを進展させる。

また、「ミッション」フェイズで「戦闘」が発生した場合、ゲームマスターはそのターンを「第1ターン」として数え、以降のターンを第2、第3ターンと数えていくこと。
戦闘が終了すれば、ターンのカウントはリセットされるものとする。

イニシアチブとは、「ターン内におけるキャラクターの行動順」を指す。
戦闘時、非戦闘時を問わず、各ターンにおいてキャラクターは【巧】の値の高いものから順に手番を行う。

キャラクター間で【巧】が同じものが存在する場合は、ダイスの出目(オンラインセッションであれば1d100の高い方から)などで事前に決定し、それをミッション終了まで維持すること。

敵性のキャラクターとプレイヤーキャラクターで【巧】の値が同じものが存在する場合は、プレイヤーキャラクター側が先に行動できるものとする。
また、複数の敵性キャラクターの【巧】の値が同じ場合は、ゲームマスターが毎回自由に順番を決定することができる。

また、ミッション中にプレイヤーキャラクターの【巧】の値が増減し、同じ値のプレイヤーキャラクターが居ることになった場合、増減によってその値となったプレイヤーキャラクターは、常に同値のプレイヤーキャラクター達よりも後に行動すること。

行動の遅延や割り込みは無い:
RPGの中には、イニシアチブの反射神経的優位性を再現するために「敢えて自分の手番で行動を行わずに様子を見て、後手番の行動に割り込める」ようなルールを持つものも存在するが、ルール簡略化のために本システムにはそのようなルールを持たせないこととする。

手番をパスしたり見送った場合、そのキャラクターは次の自分の手番が回ってくるまで、自発的な行動は行えない(一部の術の発動など、そのルールの使用タイミングが割り込みであるものや、回避など受動的な行動は可)。

2-3:手番と判定、行動について

一撃で祓える相手ならば祓う、それ以上ならばできるだけ引き付ける。
その場にいる味方の数と質、周辺の状況、界異の数と質、残された手札。
あらゆる要素が、我々の法務の成否に掛かっておる。
最善を選べることは多くは無いが、それでも次善を見極め続けよ。
                ――境界対策課 祓穢係四班 釈一海

ターンにおいて回って来る手番では、自分のキャラクターに下記の行動を行わせることができる。

①第一移動:手番最初の移動および【戦術機動】を行うことができる
②攻撃またはその他の行動:攻撃か、準ずる行動を行うことができる
③第二移動:手番を終える前に、移動可能距離が残っていれば移動を行うことができる

※「自分の手番中に使用できる」と書かれた効果は、上記①~③のいずれのタイミングにでも使用できる。

また、キャラクターは自分の手番でマップ上のオブジェクトを調査したり、攻撃を繰り出したりすることができる。これらの行動が成功するか失敗するかをダイスで決めるのが「判定」である。
「判定」はゲームマスターからプレイヤーキャラクターに要求する形で、ゲーム中に頻出するルールとなる。

それぞれの判定にはその行動の難しさに応じた難易度が「出目の目標値」という形で定められている。
ゲーム中の「判定」は、下記の2つの要素から構成される。

①判定に用いる能力値
大抵が【体】か【霊】か【巧】のいずれか。【術】の値を参照するのは、祓魔術を修得しているキャラクターが自身の術を発動する場合のみ。

②判定の難易度
判定は、難易度に応じて「出目の目標値」が定められている。
難易度ごとの出目の目標値は下記の通り。

難易度:ULTRA-HARD :出目6
難易度:HARD     :出目5以上
難易度:NORMAL     :出目4以上 ※判定の大半はこれ
難易度:EASY      :出目3以上
難易度:KIDS       :出目2以上

祭具や特技、術などの効果で「難易度を1段階上昇」「難易度を1段階低下」などと記載されていた場合、上記に従ってそれぞれ判定難易度(目標値)を変更すること。
ただし、どれだけ大きな修正がかかっても最大の難易度は『難易度:ULTRA-HARD』であり出目7を要求するような判定は発生しない。
同様に、判定の目標値が『難易度:KIDS』より低くなることもない。

判定を行う際は、①で指定された「判定に用いる能力値」の値に等しい数の6面ダイスを振る。出目が大きければ大きい程良く、振った6面ダイスの中に1個でも難易度以上の出目があれば、その判定は成功となる
祭具やアイテムなどの効果テキスト中でダイスの数と能力値を現す際、「~の値を参照する」という表現を用いることもある。

プレイ例
タカシ君が新しくスクラッチビルド方式で作成したPCの【体】は4である。
タカシ君は境界異常現象に浸蝕された雑居ビル内でのミッション中、施錠された扉のドアノブをタクティカル筋力で捩じ切り、蹴破りたいと考えた。
扉の破壊がどのくらい難しそうかタカシ君がゲームマスターに聞いたところ、その行動は『難易度:HARD』であるとのことだった。

タカシ君は渋い顔をしたが、迅速なミッションの遂行のためには必要なリスクだと考え、【体】の値を参照して4個の6面ダイスを振った。

4B6>=5
(4B6>=5) > 1,2,2,6 > 成功数1

結果は出目【1,2,2,6】であり、出目5以上のダイスが1個あったので判定は成功となる。
タカシ君の祓魔師は施錠されたドアに勢いよく回し蹴りを繰り出し、蹴破ることに成功した。直後、大きな物音に反応した界異が3体出現した。

2-4:移動と【戦術機動タクティカルマニューバ】について

重要なのは……全身のバネとリズム感ですッ!。
"天駆Ⅱ型ギア"のグリップによるスプリントで最高速トップギアに乗ったら、あとはとにかく斬って蹴って叩き込みます!
留意点としては……相手が倒れるまで、絶対に立ち止まらないように!
      ――境界対策課 北日本駐留部隊 メイヴィス・ピーターソン

自分の手番を迎えたキャラクターは、手番中行動の「第一移動」「第二移動」において、マップ上を自由に移動できる。
「第二移動」時に移動できる最大の距離は、そのキャラクターが手番中に移動できる移動距離の内、第一移動で使わなかった距離となる。

移動を行う際には、下記の制約や例外が適用される。

移動の基本ルール
・自分の【機動力】に等しいマス数を移動できる。
・移動方向はタテ・ヨコ・ナナメで組み合わせ移動も可
・移動距離を全て使い切る必要はない
・「移動しない」ことも可能
・「ドア」や「窓」を通過する際に、追加の移動コストは不要
・オブジェクトや他キャラクターがいるマスで移動を終えることはできない
・オブジェクトが配置されているマスを通過することはできない

また、「第一移動」で移動を行う際、キャラクターは特技【戦術機動タクティカルマニューバ】の使用を宣言できる。

戦術機動タクティカルマニューバ
「第一移動」で移動を行う時に使用可能。『難易度:NORMAL』で【巧】判定を行う。
成功した場合、即座に回避ダイスを2つ獲得し、更にその手番中は最大で【機動力】の2倍のマスを移動できる。 ただし、手番中に行う能動的な行動の判定の難易度が1段階上昇する。
【巧】判定に失敗した場合、回避ダイスの獲得と移動距離の増加は行われず、判定の難易度上昇だけを被る。

【戦術機動】は「回避リソースとキャラクターの移動可能距離を増やすが、手番中に行う能動的な行動(攻撃や術の発動など)が一段階難しくなる」効果を持つ、と認識しておくと良い。
また、【戦術機動】を宣言し、判定を行った上で、その場から動かずに攻撃へと移ることも可能である(第二移動で大きく動きたい場合など)。

プレイ例
タカシ君が新しくスクラッチビルド方式で作成したPCの【巧】は3であり、【機動力】は2である。
今、タカシ君のPCの5マス前方には「界異」がおり、タカシ君はこれに「近接攻撃」を仕掛けるべく接近を試みている。

タカシ君は手番を迎え、【戦術機動】の使用を宣言し【巧】判定を行った。出目は【1,1,4】で辛くも成功。タカシ君の祓魔師はタクティカルな機動力を発揮し、回避ダイスを得つつ4マスを移動して迅速に接敵を果たした。
しかし、続く攻撃では判定の難易度が1段階上昇する。
タカシ君は額に汗を滲ませつつ、攻撃判定のためのダイスを握った。

戦闘中は通常の移動と【戦術機動】を適切に使い分け、位置取りと回避の有利を得るように心がけると良い。

一方、キャラクターは手番開始時に「第一移動の放棄」を宣言しても良い。
そうした場合、キャラクターは「攻撃集中」状態に入る。
詳細は次項目2-5-1:攻撃集中を参照すること。

2-5:祭具と攻撃について

祓魔師の得物は多種多様。ほら俺のなんて食器カトラリー型だし。
でもこれ、斬るも突くも受けるも流すも自由自在で中々良いんだぜ?
わはは、お喋りしてる間に祓滅対象メインディッシュのお出ましだ。
そんじゃ……いっちょ昼御飯にしようか!
              ――境界対策課 浄化係第一班 飯谷佐喰

通常、キャラクターは複数の攻性祭具を所持している。
戦闘開始時、キャラクターは「装備する攻性祭具」を宣言すること。
以降、キャラクターが戦闘における最初の手番を迎えるまで、宣言した祭具を「装備状態」とみなし、「装備している」とも表現する。

キャラクターは、「第一移動」の後に、攻撃を行うことができる。
この時、装備している祭具を所持している祭具と入れ替えても良い。
攻撃祭具を用いて攻撃を行った場合、次のターンに手番を迎えるまで、そのキャラクターは攻撃に使用した祭具を装備した状態であるとみなされる。

「祓串」を用いて攻撃を行った場合、装備/所持している祭具の入れ替えは発生しない(=祓串は装備状態にならない)。

◆注釈◆
初期作成ルールにおいては、祭具が装備された状態か単に所持している状態かを区別する意味は特にない。
ただし、成長ルールや拡張ルールによって追加される攻性祭具の中には、「装備している状態で特定の効果を得られる」ものが存在するため、本ルールを設けている。

2-5-1:攻撃集中

キャラクターは手番開始時に「第一移動の放棄」を宣言しても良い。
そうした場合、キャラクターは【攻撃集中】状態に入る。
この挙動は、「第一移動を放棄する=攻撃集中する」とセットで扱われる。

戦術機動タクティカルマニューバ】は「第一移動」で移動を行う際に宣言するスキルであるため、「攻撃集中」と【戦術機動】は両立できない

【攻撃集中】時は、手番中に行う「攻撃判定」の難易度が一段階低下する

2-5-2:近接攻撃と遠隔攻撃について

攻撃には、「近接攻撃」と「遠隔攻撃」の2種類が存在する。
基本的に、1ターン中に1人のキャラクターが行える攻撃は一度(一種類)だけである。

◆近接攻撃の原則
・省略のため、単に「近接」と呼ぶことがある
・近接攻撃は、「近接攻撃祭具」か「祓串ペグ」を使って行う
・近接攻撃は、自分を中心とした3*3マスの範囲にいるキャラクター1人を対象として行うことができる(即ち、自分と隣接している相手である)

・『戦闘スタイル』の効果による変更が無い限り、近接攻撃は【体】の値を参照して判定する

◆遠隔攻撃の原則
・省略のため、単に「遠隔」と呼ぶことがある
・遠隔攻撃は、「遠隔攻撃祭具」か「祓串ペグ」を使って行う
・遠隔攻撃は、自分と攻撃対象の射線が通っている必要がある(自分と対象の間を結んだ直線の間に他の敵性キャラクターまたはオブジェクトがあってはならない)

・祭具自体や『戦闘スタイル』の効果による変更が無い限り、遠隔攻撃は【巧】の値を参照して判定する

2-5-3:攻撃処理の順序について

「近接攻撃」および「遠隔攻撃」は、下記の順序によって処理される。

◆攻撃処理の処理
①手番キャラクターは攻撃の種類を宣言する:「近接」か「遠隔」を宣言
②宣言した攻撃の種類に則り、攻撃可能な対象を宣言する
③手番キャラクターは攻撃で定められたダイスを振り、成否を判定する
 この判定が失敗した場合、攻撃処理は終了する
④ ③の判定が成功した場合、攻撃対象となったキャラクターは回避を行うか、回避を放棄するかを宣言する
⑤  ④で回避判定を行うことを宣言した場合、回避判定(後述)を行う

2-5-4:ダメージの種別について

「攻撃」によって発生するダメージには「物理ダメージ」と「霊的ダメージ」の二種類が存在する。
それぞれのダメージの特徴は下記の通り。

◆物理ダメージ
・表記上、「物理ダメージ」とも呼ばれる場合がある
 これを受けた「祓魔師」キャラクターは【体力】が減る
・基本的な近接祭具や遠隔祭具で発生する、標準的なダメージ種別である
・狩衣によるダメージ軽減効果や、界異の【穢装】で軽減される

◆霊的ダメージ
・表記上、「霊ダメージ」とも呼ばれる場合がある
 これを受けた「祓魔師」キャラクターは【霊力】が減る
・祓魔術や特殊なアイテムで発生する、相対的に珍しいダメージである
・「霊的ダメージを軽減する」と明記されている効果以外で軽減されることがない

大雑把に纏めると、
①攻撃方法は「近接攻撃」と「遠隔攻撃」に分かれる
②ダメージは「物理ダメージ」と「霊的ダメージ」に分かれる
③物理ダメージは発生手段が多いが、軽減される可能性がある
④霊的ダメージは発生手段が限られるが、軽減されにくい
と理解しておくと良い。

2-5-5:祓串による攻撃について

基本的に祓魔師は自身が所持・装備している攻撃祭具を用いて攻撃を行うが、支給装備の「祓串」を用いて攻撃を行うことも可能である。
「祓串」を用いた攻撃の参照能力値とダメージは下記の通り。

◆祓串を用いた攻撃◆
・「祓串」を用いた近接攻撃を行う場合は、【体】または【巧】の値を参照して『難易度:NORMAL』の判定を行う
・攻撃成功時、「1d6」点の物理ダメージを与える

・「祓串」を用いた遠隔攻撃を行う場合は、【巧】の値を参照する
・自身のいるマスから5マスまでの対象を攻撃する際は『難易度:NORMAL』、6~8マスは『難易度:HARD』、9~11マスは『難易度:ULTRA-HARD』、それ以上は攻撃不可となる。
・攻撃成功時、「3」点の物理ダメージを与える

2-5-6:連続した攻撃について

『追加スタイル:両手利き』のように、本システムには「キャラクターが行う攻撃を分割し、キャラクターが判定に用いることのできるダイスをそれぞれの攻撃に割り振る」処理を行う効果が幾つか存在する。

成長環境やルールに慣れたプレイヤー向けに、このような処理を【連続攻撃】というキーワードで一括処理する。

『戦闘スタイル:連撃』『戦闘スタイル:2回射撃』『追加スタイル:両手利き』は、それぞれ【連続攻撃】1を付与する効果とみなすことができる。

キーワード処理【連続攻撃】の内容は下記の通り。

【連続攻撃】
キーワード処理【連続攻撃】は、下記の処理から構成される。

1. 攻撃時、攻撃を行うキャラクターが宣言した効果に含まれる【連続攻撃】の値を合計する
キャラクターが行う攻撃は「【連続攻撃】の合計値+1」回に分割される

2.  攻撃キャラクターは、その攻撃に用いることのできるダイスの総数を、分割したそれぞれの攻撃に対して好きに割り振る

3. 攻撃キャラクターは割り振りに応じてダイスを振り、分割した攻撃ごとの成否を判定する

【連続攻撃】によって分割された攻撃は、同一目標を対象としても良いし、別々の対象を目標としていても良い。

プレイ例
タカシ君のPCは【体】が4である。
タカシ君はこの手番で【戦術機動】を使用し、移動距離を伸ばして接敵を果たした。今、タカシ君は引き続いて攻撃を繰り出そうとする。

タカシ君は【中型近接祭具】を装備しているので、『スタイル:強攻撃』を繰り出すことにした。
本来であれば「攻撃判定」は『難易度:NORMAL』だが、【戦術機動】を使用した後の攻撃では能動的な行動判定の難易度が1段階上昇する。そして、『スタイル:強攻撃』は攻撃判定の難易度が1段階上昇する。
結果的に「攻撃判定」の難易度は2段階上昇し、『難易度:ULTRA-HARD』となった。

タカシ君は雄叫びを上げながらダイスを振り、出目は【2,2,4,5】であった。『難易度:ULTRA-HARD』の成功には出目【6】が必要なため、「攻撃判定」は失敗に終わった。

2-6:その他の行動について

祭具ぶきを振り回すだけが祓魔の儀ではないわい。
事前に周囲を観察し、手持ちの祭具どうぐを勘案し、部隊の人員の技量や得意分野等を総合して、その場で最適な戦術を組み立てる。
小手先の技も大事だがの、儀式にあたる前の仕掛けを凝らして損はないぞ。
                  ――神道部 部門長 天岩寺檜山

話す、叫ぶ、通信を行うなどの演出的な行動は特に判定を必要としない。
また、攻撃の有無に関わらずいつでも自由に行って良い。

以下に記載するような行動は「その他の行動」とみなされ、判定を伴う。
基本的には、ゲーム中に判定が必要な「その他の行動」はゲームマスターからプレイヤーに対して要求される。
ここに書かれていない行動時に参照する能力については、ゲームマスターと話し合って判断すること。

行動の例:判定で参照する能力

・祓魔術を発動する:【霊】+【術】
・界異の穢れを感知したり、周囲を霊的に探索する:【霊】
・バリケードなど重量物を排除する:【体】
・感知用式神などを無力化する:【霊】
・感知用センサーを物理的に除去する:【巧】
・結界を設置する:【霊】

2-7:祓串と結界の設置について

祓串ペグ打つ時ぁな、こうやって真っ直ぐ打つ。
んで次のクシをよ、等間隔に……違う違う、あと5mm右、よく見んか。
ったく、若造どもはまだまだ目が離せんわ。
                     ――祓串ペグ打ちの権三

結界とは、祓魔師が設置する特殊な効果を付与した領域を指す。
結界には「界異の侵入を防ぐ」「界異の動きを鈍らせる」「界異の穢装を弱める」などの効果を付与することができる。
 祓魔師達は作戦領域にこれを展開することで、界異との戦闘を有利に進めることができる。

結界は「結界の設置範囲」「結界への付与効果」「結界の解除難易度」の要素から構成される。
「結界の設置範囲」は、マップ上に設置された結界の効果範囲を指す。
範囲は最小で1マス、最大で3*3マスとなる。
「結界への付与効果」は、設置された結界が「界異」キャラクターに及ぼす効果を指す。
付与できる効果の詳細は後述する。
「結界の解除難易度」は、設置された結界がどれだけ解除されにくいかの強度を指す。
解除難易度は、結界を設置したキャラクターの【霊】の値に依存する。

2-7-1:結界の設置手順

結界の設置作業は
1)祓串の設置(判定不要、位置指定の必要あり)
2)注連鋼縄の設置(攻撃の代わりに行い、【巧】で判定)
3)結界の設置判定(判定不要)
から成る、3つの手順を踏む必要がある。

この内「2)注連鋼縄の設置」は判定を要し、攻撃の代わりとして行わなくてはならない。
キャラクターが上記それぞれの手順に定められた条件を満たしているなら、1度の手番内で祓串の設置から結界の設置までを完遂することができる。

2-7-2:「祓串の設置」について

キャラクターは自分の手番に、「祓串の設置」を行うことができる。
この行動は、手番中であればいつでも行うことができる。
自分から7*7マスの範囲のいずれかのマスを1つ選び、自身の「祓串」を1つ消費して設置する。この時、既にキャラクターのいるマスを選んでも良い。プレイヤーは祓串を設置したマスがわかるよう、目印を付けておくこと。

目印用の「祓串」アイコン

2-7-3:「注連鋼縄の設置」について

キャラクターは自分の手番に、攻撃の代わりに「注連鋼縄の設置」を行うことができる。
マップに設置された「祓串」と同じマスにいる、または「祓串」に隣接した状態で、自身の「注連鋼縄」を3消費して『難易度:NORMAL』の【巧】判定を行う。
判定の成功数に応じて、下記の範囲に「注連鋼縄」を配置できる。

成功数:設置範囲
  0:祓串が設置された1マス
  1:祓串が設置されたマス+タテ・ヨコに隣接する4マス(合計5マス)
2以上:祓串が設置されたマスを中心とした3*3マス(合計9マス)

結界設置マスの目印1
結界設置マスの目印2

2-7-4:「結界の設置」について

キャラクターは自分の手番に、「結界の設置」を行うことができる。
マップに設置された「注連鋼縄」の内側にいる、または隣接している状態で、キャラクターは「結界の設置」を宣言する。
また、この時キャラクターは後述のリストから「結界への付与効果」を選んで宣言を行うこと。

この宣言は、手番中であればいつでも行うことができる。
結界の設置にあたり判定の必要はなく、宣言と同時に自動的に、選ばれた効果を持つ結界が設置される。

結界の設置を宣言したキャラクターの【霊】の値によって、結界の解除難易度が決定される。

【霊】の値:解除難易度
4以下:『難易度:NORMAL』
  5:『難易度:HARD』
  6:『難易度:ULTRA-HARD』

◆結界への付与効果
①【障壁結界】
「【回避種別】:なし」の「界異」キャラクターは、この効果が付与されたマスを移動時に通過できず、効果が付与されたマスで移動を終えることもできなくなる。
また、「【回避種別】:なし」の「界異」キャラクターが結界内で手番を迎えた場合、その手番中はその「界異」キャラクターの【機動力】を1に上書きする。

「【回避種別】:あり」
の「界異」キャラクターは、この効果が付与されたマスを通過する際「1マスにつき3マス分」の移動として数える(=移動可能な距離が3分の1になる)。

②【穢装融解】
結界が設置されたマスの中にいる「界異」キャラクターの「穢装等級」を-2(最低0)する。

③【回避妨害】
結界が設置されたマスの中にいる「界異」キャラクターの行う「回避判定」の難易度を1段階上昇させる。

④【攻撃機会】
結界が設置されたマスの中にいる「界異」キャラクターに対する「攻撃判定」の難易度を1段階低下させる。

補足1:【障壁結界】で界異を足止めする
【障壁結界】の効果を付与した結界を設置すると、「【回避種別】:なし」の界異キャラクターは結界が設置されたマスを通過できなくなる。

効果欄に記載の通り、「【回避種別】:なし」の界異キャラクターは【障壁結界】が設置されたマスで手番を迎えると【機動力】が1となるため、「既に界異キャラクターが存在するマスを対象とするように結界を設置する」ことで、低位の界異を足止めすることができる。

補足2:祓串と結界の設置上限について
1つのマスに設置することのできる祓串は1本まで
である。
したがって、1つのマスを中心とする結界は1つしかマップに存在できない。
ただし、2つの結界が同一のマスに効果を及ぼすことは可能である。

2-7-5:結界の解除について

キャラクターは、マップに設置された結界の解除を試みることができる。

結界の解除を試みる場合、キャラクターは自分の手番に攻撃の代わりとして「結界の解除」を宣言し、【霊】の値を参照して判定を行う
この判定を「結界の解除判定」、或いは「解除判定」と呼ぶ。
結界の解除判定を行うには、「解除を試みる結界の内側に自身が存在する」か「解除を試みる結界と接する外周部分に自身が存在する」必要がある。

判定の難易度は、解除を試みる結界の解除難易度が参照される。
なお、自身が設置した結界は自分の手番中、好きなタイミングで解除することができる。

結界が解除された場合、その結界の設置に使われていた「祓串」と「注連鋼縄」はマップから取り除かれる。

2-8:受動的行動と回避行動について

キャラクターが自分以外の手番でできることは、基本的に「受動的なタイミングで使用可能」と書かれたアイテムや術の使用、または自身に対して判定が成功した「回避」である。

本項目では、「回避」について詳しく解説する。

◆回避の原則
・戦闘が始まったタイミングで、キャラクターは自分の【体】【霊】【巧】の中で最も高い値に等しい数のダイスを「回避ダイス」として獲得する

・「回避ダイス」は自身の手番を迎えたタイミングでリセットされ、使用しなかったダイスの持ち越しはできない

・キャラクターは「回避判定」を行う際、「回避ダイス」から好きな数のダイスを消費して判定を行う

・敢えて使用せず、ダメージを受けることを宣言しても良い
 その場合、攻撃側は「攻撃に成功した」扱いとなりダメージが発生する

「回避判定」は下記の順番で処理される。
上述の「◆攻撃の順序」と合わせて参照されたい。

◆回避処理の順序
①「自分が攻撃の対象となり」「攻撃側キャラクターが攻撃判定に成功した」場合、キャラクターは回避を強いられる
②キャラクターは自身の持っている(まだ残している)「回避ダイス」の中から、その攻撃を回避するために使いたい数を宣言する
 敢えて回避を行わず、ダメージを受けることもできる
③回避を行う場合、「回避判定」として宣言した数のダイスを振る
 「回避判定」に使用したダイスは、次の自分の手番が来るまで回復しない
 例外が明記されていない限り「回避判定」は『難易度:NORMAL』となる
④「回避判定」に成功した場合、ダメージは発生せず、その攻撃処理は終了する
 「回避判定」に失敗した場合、ダメージを処理すること

本システムにおいて重要なのは、上述の通り「回避ダイス」と呼ばれるリソースをキャラクターが所持している点である。
キャラクターは攻撃を回避しようと試みる度に「回避ダイス」を消費するし、更なる攻撃が飛んでくればもっと「回避ダイス」を消費する。

これは即ち、
①キャラクターは回避の度に回避リソースを消耗する
②強力な敵であっても、回避ダイスを吐かせてしまえば隙が作れる
③回避ダイスを、どの攻撃に幾つ使うかの判断が重要となる
という特徴となって表れている。

たとえ相手にダメージを与えられなかったとしても、回避ダイスを削った段階で攻撃には価値が発生していると言える。

プレイ例
タカシ君のPCは、現在「回避ダイス」を4個持っている。
今、タカシ君のPCと隣接している「界異」が近接攻撃を宣言し、判定に成功した。攻撃が成功すれば、1d2点の物理ダメージがタカシ君のPCを襲う。

タカシ君はダメージを受けたくなかったため、ここに3個の回避ダイスを投入することにした。回避判定の出目は【5,5,6】で絶好調。タカシ君のPCは難なく敵の攻撃を回避し、残りの回避ダイスが1個となる。

続く手番で、今度はタカシ君のPCから4マス離れた「界異」が行動する。
「界異」はタカシ君のPCを対象に「遠隔攻撃」の使用を宣言し、判定に成功した。攻撃が成功すれば、1d6点の物理ダメージがタカシ君のPCを襲う。
タカシ君は先ほど3個のダイスを使ったことを後悔しながら、残る1個のダイスを振る。回避判定の出目は【4】で回避に成功。タカシ君のPCは間一髪で強敵の攻撃を回避する。

更に続く手番で、タカシ君のPCから6マス離れた「界異」が行動する。
「界異」は強力な遠隔攻撃能力を宣言し、対象にタカシ君のPCを選んだ。
既に回避ダイスは残っておらず、回避判定を行うことはできない。
タカシ君は界異の攻撃判定が失敗することを祈り、固唾を呑んだ。

2-8-1:「まとめて回避」

低位の界異や武装した下級戦闘員など、「モブ敵」に分類されるキャラクターの攻撃の攻撃を行う時、ゲームマスターは以下の原則に基づいて「攻撃をまとめる」ことを宣言しても良い。

◆「攻撃をまとめる」の原則◆

・同じ名前とデータを持つ複数のキャラクターが同じイニシアチブで行動する際、「攻撃をまとめる」ことができる

・複数のキャラクターが、同一のキャラクターを目標として攻撃や特殊能力の行使を行う際に限り、「攻撃をまとめる」ことができる

・複数のキャラクターが同じ【攻撃能力】や【特殊能力】を使用する際に限り、「攻撃をまとめる」ことができる

「攻撃をまとめる」を宣言した場合、ゲームマスターは攻撃を行うキャラクターの数に等しい回数だけ「攻撃判定」を行う。
この攻撃に対し、攻撃対象になったキャラクターは「まとめて回避」を試みることができる。

また、上記原則に合致する場合、キャラクターはモブ敵から向けられた攻撃を「攻撃をまとめる」が宣言されたものとして「まとめて回避」を試みることができる。

「まとめて回避」を試みる場合、複数のモブ敵からの攻撃を1つの攻撃と看做し、1度の回避判定で回避することができる。

プレイ例
タカシ君のPCは、現在「回避ダイス」を2個持っている。
イニシアチブが進行し、マップ上にいる4体の「鬱黒揚羽」が動くタイミングとなった。
4体の「鬱黒揚羽」はタカシ君のPCを対象に、攻撃能力の【浸蝕鱗粉】を行使する。ゲームマスターは「攻撃をまとめる」ことを宣言した。

【浸蝕鱗粉】は【巧】の値を参照する攻撃で、1d2点の物理ダメージを発生させる。
「鬱黒揚羽」の【巧】は2であるため、ゲームマスターはダイス2個の判定を4回行う。
判定の結果は【1,6】【6,4】【3,5】【1,1】となり、3体の攻撃が成功した。

タカシ君は後に更なる攻撃が控えていることを意識し、この3体の攻撃に対して「まとめて回避」することを宣言した。
タカシ君が回避に使うダイスは1つのみ。
回避に失敗すれば、タカシ君のPCは3d2点の物理ダメージを受ける。

タカシ君はダイスをロールし、結果は【4】。
辛くも攻撃を避けたタカシ君は、次ターンの敵の行動に備えた。

2-9:ダメージの発生と死亡について

「2-5:祭具と攻撃について」でも言及される通り、このゲームには「物理ダメージ」と「霊的ダメージ」の二種類のダメージが存在する。
これらのダメージは敵に与えるだけでなく、プレイヤーキャラクターとなる祓魔師達が受けることも想定される。

物理ダメージを受けると、PCの【体力】はそれに等しい点数だけ減少する
狩衣やその他PCが【装甲】+nの効果を受けている場合、受ける物理ダメージをnに等しい数だけ軽減し、軽減後の値だけ【体力】を減少させる。
仮にキャラクターが複数の【装甲】効果を受けている場合、それらの値は合算される。

霊的ダメージを受けると、PCの【霊力】はそれに等しい点数だけ減少する

また、タクティカル祓魔師の戦闘は危険と隣り合わせであり、一瞬の判断ミスが死に繋がる。

【体力】または【霊力】のどちらかが0以下となったPCは「死亡」する。
ただし、「死亡」したタイミングでアイテム【形代かたしろ】を1つ消費して、下記の効果のいずれかを選択する。

①死亡の回避
自身が「死亡」に至るにあたったダメージを無効化する。

②リスポーン地点に転移
【体力】【霊力】と回避ダイスが最大値の半分まで回復する。
マップに定められた「リスポーン地点」にコマを配置し、手番を待つこと。

更に、その時点でのPCの【体力】の2倍を超える値の物理ダメージがPCに与えられた場合、「死亡の回避」や「リスポーン地点に転移」するために必要な形代の消費数は「2」枚になる

形代かたしろ】残数が0の状態で「死亡」した場合、そのキャラクターは完全に死亡し、マップから取り除かれる。キャラクターの冥福を祈り、新しいキャラクターシートを作成しよう。

プレイ例
今、タカシ君の祓魔師は【体力】が5で回避ダイスは1つも残っていない。
GMが操る界異がタカシ君の祓魔師を攻撃の対象に選び、攻撃判定を行う。
判定結果は成功。
この時点で、タカシ君の祓魔師は被ダメージを免れない。

界異の持つ攻撃手段は、攻撃成功時に「2d6+【巧】」点の物理ダメージを対象に与えるものだった。
界異の【巧】は5である。
GMが転がしたダメージロールの結果は
2d6+5→7+5=12 となった。

タカシ君の祓魔師は【重装狩衣】を装備しており、これにより【装甲】+3の効果を得ている。12点の物理ダメージは、【装甲】の効果で3点軽減され、9点となった。
タカシ君の祓魔師は「形代」1枚を消費して「死亡の回避」を宣言し、マップに留まる。

もしタカシ君の祓魔師が装備していたのが【装甲】+1の【中装狩衣】であれば、受けるダメージは11点となり、現在【体力】の2倍を超すために「死亡の回避」に必要な形代の数は2枚になっていた。
タカシ君は背筋に冷たいものを覚え、次のターンを迎えた。

2-10:非戦闘時と戦闘時の判定の違いについて

ゲームの状態は「非戦闘時」と「戦闘時」に分けられる。状態の変化についてはゲームマスターがコールし、決定する。

「非戦闘時」においては【戦術機動】を含む殆どの判定は自動的に成功するとし、ゲーム的に重要な意味を持つ判定のみをゲームマスターから要求する形で処理して良い。

また、ゲームマスターが許可するならば「非戦闘時」においてはキャラクターの【機動力】を無視し、移動距離を無制限にしても構わない。
その場合、ゲームマスターは戦闘が発生するエリアに移動する時のみキャラクターの配置や隊列をプレイヤーに対して厳密に要求すると良い。

2-11:界異キャラクターについて

本項目では、祓魔師達の敵となる界異キャラクターの構成要素について説明する。

界異キャラクターは、【体】【霊】【巧】の能力値に加え、【強度】【穢装】【機動力】のパラメータを有している。
更に、界異キャラクターは【攻撃能力】と【特殊能力】を持ち、種類ごとに【回避種別】が定められている。

界異キャラクターの【体】【霊】【巧】【機動力】については、祓魔師キャラクターと同様に判定時に参照したり移動マスの算出に用いる。

【強度】は界異がどれほどの攻撃に耐え得るのかの値であり、祓魔師キャラクターにとっての【体力】や【霊力】に等しい。
界異キャラクターは、物理ダメージまたは霊的ダメージを受けた時、【強度】をそのダメージに等しい値だけ減少させる。
【強度】が0になると界異キャラクターはマップから取り除かれ、祓滅または退散する。

【穢装】は界異がどれほどの加護に抗えるのかを表す値であり、祓魔師が行う攻撃に対して装甲のような役割を果たす。
界異キャラクターが物理ダメージを受けるとき、【強度】の減る値を【穢装】の値と同じだけ減衰させる
また、【穢装】は祓魔術や結界、界異の特殊能力の効果によって増減することがある。

【攻撃能力】攻撃に使用する能力を指し、近接/遠隔の両方が含まれる。
【特殊能力】移動や妨害など、特殊な能力を指す。祓魔師にとっての祓魔術や祭具などの効果に相当すると考えて良い。

【回避種別】は、その界異が回避判定を行うかどうかを示す。
【回避種別】なし と記載されている界異は、回避判定を行わない
したがって、この種別が設定された界異は攻撃判定が成功した時点で攻撃成功と看做され、ダメージが適用される。
また、この種別の界異は祓魔術「呪祝詛詞まじない」の対象になった際の判定も行わない。

【回避種別】あり と記載されている界異は回避判定を行う
この種別の界異キャラクターは【体】【霊】【巧】いずれかのうち最も高い能力値を基準とする回避ダイスを持ち、祓魔師キャラクターと同様に回避判定を行う。
また、回避ダイスは界異の特殊能力によって増えることがある。

下記に、「界異」キャラクターの構成要素例を示す。

エネミーデータ:鬱黒揚羽(うっこくあげは)

【体】2 【霊】2 【巧】2
【強度】2【穢装】0【機動力】6
【回避種別】なし

・攻撃能力
【近接攻撃】:【体】の値を参照して攻撃を行い、攻撃成功時に1d4点の物理ダメージを与える。
【浸蝕鱗粉】:自身から5マス先までの範囲にいるキャラクター2体を対象に
            【巧】の値を参照して射撃攻撃を行い、攻撃成功時に対象に1d2点の物理ダメージを与える。

・特殊能力
【結界破り】:「結界」を解除する【霊】判定を行う時、ダイス数が+2される。

解説
一号級に分類される、低級界異の一種。
体長20~30cm程の黒い蝶のような姿をしており、境界異常が発生した場所に、どこからともなく沸く。
鋭い口吻を突き刺して攻撃する他、穢れによる汚染を伴う鱗粉を飛ばして攻撃を行う。

穢れが形を持ったものに過ぎないため、攻撃に対しては脆弱。
これを祓えるのが祓魔師の最低ライン。

「界異」キャラクターの移動や攻撃、回避についてのルールは、本記事2-4や2-5の内容に準ずる。

2-12:オブジェクトについて

オブジェクトとは、マップ上に配置される「破壊されうる物体や存在」を表現するためのルールである。
オブジェクトはマップ上にキャラクターと同じように配置され、【強度】【装甲】の二つのデータを持つ。

キャラクターと同様に、オブジェクトも攻撃の対象となりうる。
また、キャラクターは移動する際、その移動経路にオブジェクトの配置されているマスを含めることができない

【強度】は、そのオブジェクトがどれほどのダメージに耐え得るかという指標である。
キャラクターの「体力」などと同じく、【強度】はダメージを受ける度に減っていき、【強度】が0になったオブジェクトは破壊されてマップから取り除かれる。

【装甲】はそのオブジェクトが物理ダメージを受けるとき、どれほどのダメージを軽減するかという指標である。
オブジェクトが物理ダメージを受けるとき、【装甲】に等しい値だけそのダメージを軽減する。【装甲】は特殊な効果で指定されない限り、変動することはない。

オブジェクトの例
オブジェクト:簡易バリケード
【強度】:2
【装甲】:1

2-13:ハードモードについて

これより我が部隊は最終殲滅に入る! 
勾津日乃以下第四班ッ! 総員突撃せよ!
敵前逃亡は死罪、界異も例外ではないッ! これより吶喊するッ!
                     ――祓魔第四班 勾津 日乃

タクティカル祓魔師達の戦闘は劇的で苛烈である。
一進一退の攻防、回避に次ぐ回避によって戦闘区域を仕切る結界内の圧力は高まり、祓魔師と界異の戦いに干渉し始める。
本ルールは、双方ノーダメージの戦闘が何十分にも続くことによるゲームの停滞とそれに伴う退屈疲労を回避するための強硬的進展措置である。

ゲームマスターは、『ボス級の敵』との戦闘が始まった時、各ターンにどれだけのダメージが敵味方双方に入ったかを把握しておくこと。そして、『ボス級の敵』との戦闘が始まり、且つ攻撃が起こっているにも関わらず双方ノーダメージのターンが2ターン以上発生した時、ゲームマスターはターン開始時に「【戦闘区域内圧力】が上昇したハードモードに突入した」のアナウンスを行っても良い。以後、この状態を「ハードモード」と呼称する。

ハードモード環境下では、敵味方のあらゆる「近接攻撃」の回避難易度が1段階上昇する。また、「ハードモード」でも双方ノーダメージが2ターン以上続いた場合、【戦闘区域内圧力】は「ウルトラハードモード」となる。
ウルトラハードモード環境下では、敵味方のあらゆる「近接攻撃」の回避難易度が通常より2段階上昇する(ただし、どんな場合でも回避判定に必要な出目が7以上になることはない)。

その『ボス級の敵』との戦闘が終了した時点で、【戦闘区域内圧力】は完全にリセットされ、次の新たな『ボス級の敵』との戦闘が始まるまでハードモード化は発生しない。

総合インデックスに戻る
1:キャラクター作成ルール
2:コアルール
3:成長ルール

編集履歴

◆2024/2/29◆
2-7:結界の設置についてのルールを改訂
「祓串と結界の設置」に変更し、設置内容を一新した。

2-11:界異キャラクターについて を改訂
ゲームのテンポを促進する目的で【回避種別】のパラメータを追加し、回避を行うものと回避を行わないものに分けた。

◆2024/3/5◆
2-7:祓串と結界の設置についてのルールに追記
ルールのシンプル化のため、【障壁結界】の効果を「界異キャラクターが通過できない」ものとした

補足1と補足2を追加

◆2024/3/10◆
2-9:ダメージの発生と死亡について のルールを改訂
「死亡を回復」→「死亡を回避」に変更。

「リスポーン地点に復活」を選択した際、【体力】【霊力】回避ダイス等のリソースを「最大値の半分まで回復」とした。

ボスキャラの脅威度演出・ゲーム難易度調整の観点から、「現在【体力】の2倍を超えるダメージを受けた場合」の処理とプレイ例を追加。

◆2024/3/20◆
2-5:近接攻撃と遠隔攻撃について のルールを改訂
「祓串」を用いた近接攻撃について、【体】または【巧】の能力値を参照できるようにした

2-8-1:「まとめて回避」 のルールを追加
モブ敵の攻撃を「まとめる」ことでゲームのテンポを向上させる意図。

◆2024/3/24◆
2-5-1:攻撃集中について ルールに追記
【攻撃集中】についての記述を厳格化し、【戦術機動】と両立不可である点を強調した。

◆2024/3/25◆
2-7:祓串と結界の設置について のルールを改訂
「注連鋼縄」の設置における【巧】の判定難易度を緩和し、判定に失敗しても最低保証として1マス分の注連縄が設置できるようにした。

◆2024/4/26◆
2-7:祓串と結界の設置について のルールを改訂
1)「障壁結界」の効果が、界異の持つ【回避種別】の有無で変化
回避を行わない雑魚敵は通過・進入不可
回避を行う中ボス以上の敵は通常の3倍の移動距離を費やして通過・進入可能となった。

2)解除判定の要件を明確化
結界の中にいるか、外周に触れていないと解除判定を行えない仕様に

3)結界解除後の祓串と注連鋼縄の扱いについて変更
結界解除後の祓串と注連鋼縄はマップから取り除かれ、再利用不可となる


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