ソードワールド2.5リプレイ 《空の麓》キャンペーン 第七話「デュランディルの遺産」前編
はじめに
この記事は2021/10/6~9に行われた「ソードワールド2.5(グループSNEのTRPG)」のセッションログを再編集したリプレイです。
読みやすくするため、実際のセッションログを少しだけ脚色したり、発言順序を整理したりしています。
本作は、「グループSNE」及び「株式会社KADOKAWA」が権利を有する『ソード・ワールド2.0/2.5』の、二次創作です。
(C)GroupSNE
(C)KADOKAWA
リビルドについて
第七話に入る前、GMから一部リビルド許可が発令された。
内容は「Bテーブル技能レベルが1で止まっている技能に限り、未修得状態に戻して経験点を500点還元して良い」というもの。
カナリカはレンジャー技能、キアはスカウト技能を未修得にした。
0. これまでのあらすじ
アルフレイム大陸北西部、ドーデン地方。
《元ヒスドゥール大裂穴》の奥、蛮族達の遺跡発掘場から小さな空色の首飾りを発見したPC達。
ただの翡翠や瑪瑙とは異なる素材でできたその首飾りの正体は、魔動機の専門家であるギルドマスター・ジムレドにも解析不能な古代のアーティファクトであった。
かくして、《空の麓》亭のある田舎町《ヒスイドラ》にまで開通した魔動機鉄道を使ってPCは鉄鋼共和国首都《キングスフォール》を目指す。
目的は同国家各地の冒険者ギルドの支部長を集め、アーティファクトの手がかりを求めるためだ。
謎の遺産、そしてそれを狙う蛮族達。 PC達の冒険は、新たな局面を迎えようとしていた……!
◆GMのメモ◆
セッションが第六話を終えた際、GMはプレイヤーに「レベル1で止まっている技能1つを0に戻し、経験点500に換算して良い」というリビルド許可を出した。
1. 導入
GM:◆描写◆
ガタガタと揺れる車内、並ぶボックス席、車窓の外を流れる景色。
《空の麓》に所属する冒険者であるPC達は現在《ヒスイドラ》の町を離れ、《キングスフォール》へと向かう魔動列車に乗り込んでいた。
PC達の向かいの席に座るジムレドが足を組み直し、手元の本を閉じる。
ジムレド:「グランティン-ヒスダリア分岐を越え、さっき川を越えたところだから……《キングスフォール》まであと30分、ってところかね」*懐中時計を見ながら
ジムレド:「出発前に確認した通り、《キングスフォール》にある冒険者ギルド《鋼鉄の車輪》で各地のギルド支部長会議が開かれる」
ジムレド:「アンタ達が見つけた魔剣の正体も、手がかりを知るやつが居るはずさ」
絵:シロクニさん
◆NPC解説◆
“智を編む者”ジムレド=オールスリーヴ/ドワーフ/女性/200歳(?)
冒険者ギルド《空の麓》亭の支部長。ちっちゃい。
冬場は薪ストーブに限界まで近づきながら本を読むのが好きらしい。
実は魔動機文明時代の技術や知識に詳しく、物品の解析や鑑定などを得意とする。
キア:「ギルド合同会議……大きな話になってきましたね」
絵:幽月こん@kon_yus様
キャラクター:“冒険家(パスファインダー)”キア・コレット/女性/15歳
プレイヤー:侘助
種族:リカント(アライグマ)
技能:シューターLv5/マギテックLv4/セージLv3
戦闘特技:ターゲッティング、武器習熟A:ガン、魔力撃
装備:ロングバレル(銃)、ハードレザー(革鎧)
サーペンタインガン(拳銃)
称号:《ブロードソード》級
概要
礼儀正しいアライグマのリカント。
冒険者としての通り名は”冒険家(パスファインダー)”であり、これは彼女の両親のものを引き継いでいる。
前文明の技術である”魔動機術”の技師であり、戦闘時は《ガン》を使った強力な銃撃で戦う。
「バヨネット(銃剣)」を購入し、特技《魔力撃》を修得するなど近接戦闘の準備を進めつつあるようだ。
カナリカ:「なぁに、いつも通りにしていれば大丈夫さ」
絵:滑郎さん
キャラクター:カナリカ/女性/20歳
プレイヤー:滑郎
種族:ルーンフォーク
技能:フェンサーLv5/ライダーLv4/コンジャラーLv3
戦闘特技:防具習熟A/非金属鎧、魔力擊、マルチアクション
装備:サーベル(片手剣)、ショートスピア(手槍)アラミドコート(布)
称号:《ブロードソード》級
概要
剣と槍、魔動バイクを操るルーンフォークの女性。
魔動バイクと武器を併用したコンビネーション攻撃は抜群で、パーティの切り込み隊長を自負している。
近接攻撃と魔法を織り交ぜた対応力が持ち味で、支援や回復もある程度はこなせるオールラウンダー。
ジムレド:「今回出席するのは、《鋼鉄の車輪》のイスヴァル=ジルイスター……エルフの妖精使い。キングスフォール最大のギルドを仕切る男」
ジムレド:「それに、《大地の見張り》のシタン=ケランジィ。食えない魔法使いだが知識は確かさ」
カナリカ:「イスヴァル….…以前に会ったきりだな」
キア:「すぐに《空の麓》亭に移されちゃいましたけどね」*はは……
キア:「せっかくですし、他のギルド長に顔を覚えていただかないとです」
ジムレド:「あとは《海峡の巡礼者》のロイド、《鉄橋の守衛》のバルドロイ、あたりかね。魔法文明時代の遺物の知識にゃ期待してないが、蛮族の動向には詳しい連中さ」
イズール:「名前の通った有名どころが一堂に会する、ってヤツか。緊張するな……」
絵:シロクニさん
キャラクター:イズール・ローランド/男性/19歳
プレイヤー:シロクニ
種族:リカント(イタチ)
技能:フェンサーLv5/スカウトLv4/エンハンサーLv3/アルケミストLv1
戦闘特技:囮攻撃、武器習熟A/スピア、必殺攻撃
装備:ピラー(槍)、ショートスピア(槍/投槍)、
ハンドアックス(斧/投斧)
バックラー(回避用盾)、ソフトレザー(革鎧)
称号:《レイピア》級
概要
身軽なリカントの斥候。 リカントの男性としては小柄な体格を補うため、リーチに優れた槍を得物としている。
この一ヶ月で錬金術を学び、近接攻撃を瞬間強化する賦術を身につけた。
遺跡での探索を始め、敵との遭遇時は先制攻撃を担当するパーティのメインスカウト。
ルクス:「我々は緊張などせず、いつも通りにしていればいいのです」
絵:やづやさん
キャラクター:ルクス・マルガメス/女性/50歳
プレイヤー:やづや
種族:リルドラケン
技能:ファイターLv5/エンハンサーLv3/レンジャーLv4
戦闘特技:かばう、武器習熟A:盾、ガーディアン
装備:グレートパリィ(大盾)、プレートアーマー(金属鎧)
称号:《レイピア》級
概要
大盾を武器とするリルドラケンの女戦士。
重厚な金属鎧に大盾、更に自身の鱗の皮膚で鉄壁の防御を誇り、更に呼吸法で自身を強化して凄まじい防御性能を持つ。
更に大盾を打撃武器として使い、強力なアタッカーとしても立ち回る。
冷静沈着な性格も相まって戦闘の要とも呼べる存在。
クロウリー:「《キングスフォール》に行くのは久しぶりだぜ。暫くは都会を満喫したいところだな」
絵:のっち
キャラクター:チャールズ・C・クロウリー/男性/28歳
プレイヤー:のっち(GMと兼任の半NPC)
種族:人間
技能:コンジャラーLv5/アルケミストLv4/セージLv3
戦闘特技:魔法拡大/数、ターゲッティング、魔法収束
装備:メイジスタッフ(杖)、クロースアーマー(布服)
称号:《ブロードソード》級
概要
錬金術と操霊魔法を修める人間の男。
二つの技術を組み合わせ、パーティの強化・回復から敵の妨害までこなす。
単独での戦闘は苦手だが、魔法文明・魔動機文明をはじめとする文明全般と魔物に関する広範な知識を持ち、それを以てパーティをサポートする。
GM:PC達が話している間に、列車はどんどん城塞都市の中へと入っていきます。向かう先は《キングスレイ鉄鋼共和国》の第一都市《キングスフォール》…………その中心に位置する巨大な石造りの駅塔、グランドターミナル・ステーションだ。
PC達はジムレドに同行し、プラットフォームから冒険者ギルド《鋼鉄の車輪》へと向かう。
◆GMのメモ◆
Inkernate World様で作成したドーデン地方マップ。
第一話から実に約半年と少しを経て、PC達は第一都市キングスフォールに戻ってきたのである。
カナリカ:「久しぶりに見ると…………なんというか、文化的だよね」
クロウリー:「あぁ懐かしき大都会、人ごみとデカい建物が目に眩しいぜ」
キア:「ですねぇ…………人の量もですが、物流は本当に凄いものです」
カナリカ:「もはや農村と荒地の景色の方が慣れちゃったもんね」
イズール:「街並みは変わりないようだな。道を覚えなおす必要はなさそうで何よりだ」
ルクス:「私も、キングスフォールを訪れるのは久しぶりです」
ジムレド:「アンタ達、フラフラ流されるんじゃないよ。《鋼鉄の車輪》は駅塔の中にあるが、表示が分かりにくい。慣れてないと迷子になるよ」
クロウリー:「支部長が既に流されそうになってんぞ!」
ルクス:「私が目印になりましょう」*ずずい
カナリカ:「集合場所はルクスだね、了解」*あはは
イズール:「ルクスさんに付いてれば、逸れることもなさそうだな」
2. 鉄鋼共和国ギルド支部長合同会議
GM:◆描写◆
グランドターミナル・ステーション内に拠点を構える冒険者ギルド《鋼の車輪》亭、その一室にPC達は通されていた。
大きな会議室には長机と椅子が運び込まれており、種族、年齢バラバラに幾人もの人物が座っている。
彼らはジムレドの呼びかけに応じた共和国内の冒険者ギルド支部の支部長達であり、それぞれが何らかの分野に通じたエキスパート達なのだ。
◆NPC解説◆
《鋼の記憶装置“フルメタル・レジスター”》イスヴァル=ジルイスター (エルフ/男性/220歳)
解説
キングスフォール最大手のギルド《鋼の車輪》亭支部長を務めるエルフ。
また、ドーデン冒険者連盟理事長も兼任しており、実質的にドーデン地方の冒険者ギルドの頂点に立つ男。
妖精魔法の使い手であり、鋭い観察眼と広範な知識を兼ね備える実力者。
その一方で実績のない者には依頼を回さないシビアな一面も持つ。
◆NPC解説◆
《智を編むもの“ウィズダムウィーバー”》ジムレド=オールスリーヴ(ドワーフ/女性/200歳(?))
解説
《元ヒスドゥール大烈穴》のすぐそばの町、《ヒスイドラ》に拠点を構える冒険者ギルド《空の麓》の支部長を務めるドワーフ。
ギルドには魔動機文明時代の書物や魔動解析装置の類が大量に置かれており、魔動機文明時代への造詣の深さを思わせる。
60年程前はマギテック協会キングスフォール支部の支部長を努めていた経歴を持ち、イスヴァルとはその頃からの知り合い。
シタン:◆NPC解説◆
《指踊りの杖》シタン=ケランジィ(メリア長命種/男性/140歳)
解説
第二都市《ヒスダリア》に拠点を置く冒険者ギルド《大地の見張り》亭の支部長を務めるメリア。
卓越した魔術師であるものの飄々とした軽薄な性格をしており、若者をからかう悪癖がある。
その一方、魔法文明時代の物品や文献に関する知識は相当なものであり、来歴不明のアーティファクトの鑑定を依頼されることも多い。
バルドロイ:◆NPC解説◆
《両断番頭》バルドロイ=レドルリック(人間/男性/45歳)
解説
第三都市《グランティン》に拠点を置く冒険者ギルド《鉄橋の守衛》の支部長を務める人間の男。
大柄な体格に金属鎧を着込み、身の丈ほどの大剣を携えた勇者であり、並みの蛮族なら一撃のもとに切り倒す。
好戦派であるものの勝てる見込みのない戦いはしない主義であり、しっかりと情報を集めることの重要性を理解している。
ロイド:◆NPC解説◆
《ガンマイスター》ロイド・リー・スタンリー (人間/男性/42歳)
解説
冒険者ギルド《海峡の巡礼者》亭を束ねる支部長。
幾多の場数を踏んだ冒険者であり、《ガン》の整備や運用に熟達した魔動機術師。
同ギルド支部三代目の支部長であり、妥協や油断のない性格から先代に推薦された経緯を持つ。
イスヴァル:「さて、まずは…………」
イスヴァル:「遠路はるばるご苦労でした。《空の麓》亭の皆さん」*椅子から立ち上がって軽く礼
イスヴァル:「皆さんには……お久しぶりと言っておくべきですね」*PC達に向かって軽く手を振る
キア:「お久しぶりです、イスヴァルさん」*神妙な面持ち
カナリカ:「こんにちは、今回はよろしくお願いしますね」
イズール:「また会えて光栄です」*緊張気味
ルクス:「初めまして」
イスヴァル:「順調にキャリアを積んでいるようで何より。大裂穴でのディアボロ討伐の報せについては、会報を編集していて驚いた程ですよ」
カナリカ:「チームワークには自信ありますからね。私たちは素晴らしいパーティだと自負してますよ」*自信満々に
ロイド:「見たところ、幾つか修羅場は潜ってそうだな。ここに来る途中でギルドの実績に目を通したが、まぁ悪くねぇ」
シタン:「ふふぅん、近頃随分繁盛してるそうじゃないか。《グランティン》まで通る街道が整備されたからかな?」
バルドロイ:「ううむ、ここまでの成長株が大裂穴のすぐ近くのギルドに回るとはな。若者の成長ってのは、今も昔もわからんものよ」
カナリカ:「マスターの的確なマネジメントがあってこそですよ」*にこ
ジムレド:「そこッ! 引き抜こうとしたら承知しないよ」*ジト目
バルドロイ:「まさか。ジムレド老相手にそんなことはせんよ」
カナリカ:「マスターから離れるなんて、嫌……かな」
キア:「(イズールくん! 私たち、すごい好感触ですよ!)」
イズール:「(キアさん、偉い人にほめられた時はどうしたらいいんだ!?)」*小声
キア:「(とりあえず、笑顔で……!)」
イスヴァル:「おほん、旧交を温めたり現況の共有もよろしいのですが……そろそろ本題に移りましょうか」*ジムレドとPC達に椅子を勧め
イスヴァル:「それではジムレド支部長。改めて概要を説明していただけますか?」
イスヴァル:「我々を招集した理由……貴方の話が真実であれば、魔法文明時代の遺物にまつわるものであるとか?」
シタン:「本物なのかねぇ、その“空色の剣”とやらは……」
ジムレド:「実物からお見せしたほうが早いかね」
ジムレド:「カナリカ、見せておやり」*首飾りを見せるように指示
カナリカ:「了解」*ライダースーツのジッパー開けて首飾り見せる
ジムレド:「こいつは書簡で記した通り、《元ヒスドゥール大裂穴》奥部にあった遺跡から発見されたものだ」
ジムレド:「ルクス、蛮族達の警備状況がどんな状況だったか簡単に報告してくれるかい?」
ルクス:「承知しました」*立ち上がる
ルクス:「遺跡を警備していたのは主にレッサーオーガとボルグでした」
ルクス:「発掘作業に従事していたのはゴブリン、フッド、そしてコボルド……まぁコボルドぐらいしかマトモに働いてはいませんでしたが」
ルクス:「発掘現場を指揮していたのはトロールで、そのトロールの上官はディアボロの幹部候補(カデット)でした」
バルドロイ:「ううむ、トロールにディアボロカデットか。只事でないな」
ジムレド:「この遺産について、一ヶ月かけて我が《空の麓》亭の設備による解析を行ったが……」
ジムレド:「結論から言うと、詳細はわからなかった」
ロイド:「らしくねぇな、知恵者で知られるあのジムレドを以て「わからない」とは……」
ロイド:「アンタの専門は解析だろ。それでわからないんなら、ソイツは魔動機文明の技術力ですら作れない代物という話にならねぇか?」
クロウリー:「(ってことは、あの首飾りは魔法文明時代の物品の中でも相当に高度な魔法で造られたモノ……ってことか)」
ジムレド:「はっきりしたのは次の2点だけ」
ジムレド:「一つ、この首飾りは間違いなく魔法文明時代に作られたこと」
ジムレド:「材質の年代測定から、大凡分かることではあるがね」
ジムレド:「そしてもう一つ。私が各種解析試験の過程で得たこの首飾りの材質特徴が、魔動機文明時代の書物に記録されているある物質に酷似していたこと」
GM:ではキアさん、マギテック+知力Bで難易度13の判定をどうぞ
キア:は~い!
キア:2d6+4+4 マギテック+知力
<BCDice:キア>:SwordWorld2.5 : (2D6+4+4) → 7[4,3]+4+4 → 15
→成功!
GM:ではキアさんはジムレドの言及する物質に思い当たります
キアさんも魔動機術師として彼女の解析を手伝っていたのかも
GM:ジムレドの言及する「ある物質」とは「超高密度マナ構造体」です。
◆GMのメモ◆
【超高密度マナ構造体】
解説
魔晶石に代表されるマナの結晶体のうち、更に高密度にマナが凝縮されている構造体を指す魔動機術の専門用語。
魔動機文明時代には既に遺失技術とされており、魔晶石やマナチャージクリスタルと比べると発見例は存在しない。
魔動機技術による理論上、存在しうるのだが遂に魔動機文明の技術では作成できなかった幻の物質とされている。
魔法文明時代、ごく限られた知識を持つ魔法王だけが作ることのできたものと考えられている。
ジムレド:「解析結果や各種の刺激に対する反応性などから推測するに……キア、アレが何だと思われるか説明してやりな」
キア:「はい。あの首飾りは、超高密度マナ構造体……”理論上可能”とされたために魔動機文明時代に”仮説構造体”と呼ばれた、非常に複雑なマナ結晶の一種だと考えられます」
ジムレド:「よくできました」
キア:「これが本物でありマナを取り出せたなら、小指サイズのクリスタル片で飛行艇すら半永久稼働させられるものと思われます」
ジムレド:「およそあらゆる魔動機式解析機では、こいつの組成を判明させられなかった。加えて、並大抵の力では傷一つ付きやしない」
ジムレド:「魔動機式拡大顕微鏡で構造を目視確認したところ、この剣型首飾りはマナの結晶が極めて規則正しく、高密度で並んだものであることがわかった。よって先の仮説を打ち立てた次第さ」
イスヴァル:「ふむ……専門ではありませんが、それがどの程度学術的に価値のあるものなのかは理解できます」
イスヴァル:「いや、しかし……」
シタン:「本物が存在しないんじゃ、比べようがないね。あくまで推測なんだろ?」*やや挑戦的に
ジムレド:「彼らが半年ほど前に、魔動機文明時代の遺跡に潜ってきたことがあってね」
カナリカ:「たしか、《ダオロ村》の遺跡騒ぎかな? 懐かしいね」
◆GMのメモ◆
第二話を参照されたし
ジムレド:「この“剣”があった場所も、その遺跡に落ちてた記録用マギスフィアに記されていたんだが……それ以外にも、幾つかの研究データが入っていた」
ジムレド:「その遺跡こそ、模倣魔剣の製造と超高密度マナ構造体の研究を行っていた場所だったのさ」
イスヴァル:「マナの漏出、また何らかの魔法的反応は?」
イスヴァル:「マナチャージクリスタルや魔晶石でさえ、長期的な保存の間に不安定化することもあるようですが」
カナリカ:「うーん……私が鈍いだけかもしれないけど、マナの流れは感じないかな。ずっとただの首飾りだと思ってたくらいだし」
クロウリー:「同感だ。コイツからは欠片もマナが放出される気配は無いぜ。……おそらく、結晶構造が安定し過ぎているんだ」
イズール:「(……全然わからん)」*( ‘ᾥ’ )
ジムレド:「さて、こいつが真に超高密度マナ結晶体であるなら、という前提が付くが……」
ジムレド:「形状からも明らかなように、これは人工的に作られたものだ」
ジムレド:「では、何のためにこいつが存在するのか?」
ジムレド:「何故、蛮族達は手がかりも無いはずなのにこいつの在り処を掘っていたのか?」
ジムレド:「こいつに封じ込められた膨大なマナを使って、何が起きようとしているのか?」
ジムレド:「それに関する意見を聞くため、こうしてアンタ達に集まってもらったというわけさ」
ロイド:「ううむ……そうは言われてもな」
バルドロイ:「そういうのは、シタンやイスヴァル殿の担当じゃないか。何か知らんか?」
イスヴァル:「魔法文明時代の産物については、シタンの方が適任ですね」
シタン:「手がかりを知ってそうな人物なら、一人心当たりがあるよ」
イスヴァル:「手がかりを知っていそうな人物……とは?」
シタン:「その人物は、真語・操霊魔法の大家で魔法文明時代の知識を多く継承する……まぁ所謂大魔法使いってやつなんだが」
シタン:「ちょっと性格に難があってね。迷惑被っても、僕を恨むなよ」
イズール:「……それって、どんな人なんだ?」
シタン:「魔法については紛う事なき天才なんだが、それ以外については破天荒の一言。知識を乞いに行ってもまともに相手されるかどうか……」
カナリカ:「う~ん、典型的な魔法の研究家タイプってことかな?」
シタン:「そいつは《オルフィード湖国》に住んでるエルフでね。《大破局》前から生きてる古株さ」
クロウリー:「……ん?」
カナリカ:「どうしたんだい? クロウリー」
クロウリー:「オルフィードに住む、《大破局》前から生きてるエルフで魔法の達人、おまけに性格は破天荒……心当たりがある」*小声でカナリカに
カナリカ:「彼の言ったとおりの人が本当に居るんだ?」
クロウリー:「……まだわからねぇよ。人違いかも」
シタン:「《オルフィード湖国》に向かい、《湖面の魔女》“ユーラウゼン=ローハイムメイレン”を訪ねたまえよ」
ジムレド:「ふぅん……魔法文明時代の知識を継承する魔術師か。たしかに、あの遺物の出処を探るには悪くない人選だね」
ジムレド:「アンタもたまには役に立つじゃないか」
シタン:「ははっ、そりゃどうも」*へらへら
クロウリー:「……は~ッ。 そんなことだと思ったぜ」
シタン:「ほう? 面識があるのかい?」
クロウリー:「……あぁ、話を聞いてて途中から絶対あの人のことだと思ったが」*シタンに軽く一礼して立ち上がる
ルクス:「面識があるなら助かります。魔法使いを探し出して会いにいくのは、中々難しいでしょうから」
イズール:「……会った途端に、魔法で襲い掛かられたりはしないよな?」*あまりに散々な人物像を聞いて
クロウリー:「ユーラウゼンへの渡りは俺が付ける。道中の道案内も俺が担当しよう」
カナリカ:「流石クロウリー、助かるよ」
カナリカ:「けど、どういう知り合いなんだい? 商会の伝手なのかな?」
クロウリー:「いや、あの人は…………」
クロウリー:「俺の操霊魔法の師匠だ。もう十年程、会っていないがな」
キア:「へぇ~! そういうことだったんですね」
カナリカ:「なるほどね……」*納得
イズール:「クロウリーさんのお師匠か……」*どんな人なんだろう
ルクス:「比較的、会いに行きやすい関係ですね」
キア:「(気難しい人なのかと思いきや、お弟子さんを取るんですね……なら、話は通じそうですね)」
カナリカ:「(魔法使いの師か……。偏見だけど、あまり良い感じはしないな)」*自分の元師匠を思い出し
イスヴァル:「……幻の超高密度マナ構造体に、それを追う蛮族達。キングスレイの冒険者ギルドを総括する立場にある者としては、捨て置けません」
イスヴァル:「彼らには、是非その魔女を訪ねて手がかりを掴んで欲しい」
ジムレド:「しかし、《オルフィード湖国》は遠すぎやしないかね」
イスヴァル:「私の方から鉄道協会に話を通し、通行手形(パス)を発行しましょう。《キングスフォール》-《オルフィード》間のね」
クロウリー:「ほう、流石ドーデン冒険者連盟の理事殿。顔が効くな」
イズール:「助かる……いや、助かります! ありがとうございます」*勢いよく頭を下げ
バルドロイ:「ううむ、しかし何ゆえ蛮族どもはその遺物を探していたのだろうな? ジムレド老が魔動機文明時代の発掘品から座標を取得して場所が知れたものなのに、連中は先んじてその辺りを掘っていたのだろう?」
ロイド:「俺たちの知らない、何らかの情報アドバンテージがあると見るべきだろうな。そしてその何かは、魔動機文明時代の記録より早かったということだ」
バルドロイ:「ふむ。ま、俺たちにできることは《グランティン》周りの蛮族の動向を見張ることだな。連絡頻度を上げて、マメに報告するよ」
ジムレド:「あぁ、助かるよ。 奴等、何を企んでいることやら」
キア:「それで、出発はいつになるのでしょう?」*気が早い
カナリカ:「遠征かぁ。楽しみだね」
ルクス:「私はいつでも構いませんよ」*荷物全部持ってきたし
イスヴァル:「《オルフィード湖国》に向かうには、《ドーデン横断鉄道》路線を使い、急行列車を乗り継ぎながら東を目指してもらいます」
イスヴァル:「次の列車は…………明日の朝ですね」
キア:「明日!」
イスヴァル:「《空の麓》亭の皆さんは、今日の午後の間にここ《キングスフォール》で装備を整え、英気を養ってください」
イスヴァル:「そして明朝、グランドターミナル駅発の都市間急行に乗り、東に向かうこと」
イスヴァル:「最終的な目標は《オルフィード湖国》を目指し、魔女ユーラウゼンと接触。その首飾りについて、更に詳しい話を引き出すことです」
イズール:「おぉ……長い旅になりそうだ」
ジムレド:「それじゃウチの仕事はどうするんだい。大裂穴の守りが薄くなるじゃないか」
イスヴァル:「そちらに関しては、立地的に《空の麓》亭に最も近い《大地の見張り》亭に協力してもらいます」
シタン:「やれやれ、そう来たか」
イスヴァル:「ジムレド、シタンの両名は《元ヒスドゥール大裂穴》内の蛮族情勢を探るため、臨時で調査にあたること」
イスヴァル:「人員は《大地の見張り》亭から選出し、《空の麓》亭の設備を使用して調査基盤を整えてください」
シタン:「ふぅむ……ま、仕方ないね」
シタン:「戦の指揮はあまり得意じゃないし、他の仕事もあるから……指示はジムレド老に頼むかな」
ジムレド:「ふん、頼まれなくなってアンタに指図を受ける覚えはないよ」
ジムレド:「アンタの所の冒険者、暫く預けてみな」
GM:と、いうわけで。
GM:PC達の今後の目標が定まりました。
依頼じゃないけど、まとめておきましょう。
◆目標◆
《オルフィード湖国》に向かい、魔女ユーラウゼンを尋ねること
備考
・《鋼鉄の車輪》から支度金として15000G(一人あたり3000G)を支給する
・出発は2日後の朝、《キングスフォール》から東へ向かう特急列車に搭乗すること
クロウリー:「明日の朝《キングスフォール》を出るとすると……《ドーデン横断鉄道》と《マグノア線》の分岐点にある町で降りることになるな」
カナリカ:「乗り換えってこと?」
クロウリー:「いや、単純に遠すぎて一日で列車が移動できるのがそこまでなんだ。着くのは夕方頃になるはずだぜ」
キア:「と、遠いですね……」
イズール:「ほぼ一日中列車に揺られるのか……」
ルクス:「大きめのクッションを買っておいた方が良さそうですね」
GM:それでは、お買い物に移行しましょう!
3. 《ガレージ・フェルトマン》
GM:それでは、支度金3000Gの使い道を共有してください
カナリカ:私は買うものなかったから、一端保留かな
イズール:自分も装備品揃えるために保留!
ルクス:私も、特に装備の拡充などないですね……
GM:3000Gじゃ派手な武器を買うにはちょっと厳しかったですね……
クロウリーも、特に買うものはないですね
キア:ここで……アビスカースを付け替えておきたい……けど、少しだけお金が足りない。“死に近い”は流石に今後危ない気がするけど
カナリカ:じゃあ、私から2000G貸そうか? GM、いいかな?
GM:いいよ~!
キア:カナリカさんありがとうございます……!
GM:それでは、キアさんは「ロングバレル」に付与しているアビス強化の代償、アビスカースの決定ロールをお願いします!
キア:はーい
キア:2b6
<BCDice:キア>:SwordWorld2.5 : (2B6) →2,1
キア:アビスカース、2-1は……「重い」ですね。装備時の必要筋力増加
GM:ありゃ……幾らプラスだったかな
キア:必要筋力を+2するので……まだ私の筋力で持てる範疇です!
カナリカ:アタリだね
ルクス:実質的にデメリットなしの強化に変更されたということですね
イズール:やったぁ!
GM:では、ゲーム内での描写を進めます。
GM:◆描写◆
支部長合同会議が終わったあと、PC達はジムレドに連れられて《鋼鉄の車輪》を後にする。
ジムレドは旧知の魔動機工房に用があるらしく、少なくともカナリカに同行するように告げた。
ジムレド:「カナリカ、ちょっと付いて来な。アンタの用事さね」
カナリカ:「へ? まぁマスターが言うなら、どこにでもお供するけど」
ルクス:「私は武具屋を見て回りたいので、宿で合流させてもらいます」
イズール:「俺もそうしようかな」
クロウリー:「俺は別に見るものもないし、付いていくぜ」
キア:「私も魔動機工房には興味があるので、お供させてください」
GM:◆描写◆
ジムレドが足を止めたのは、グランドターミナル駅から歩いて暫くの魔動機工房だった。
《ガレージ・フェルトマン》の看板が掛けられた石造りの工房の扉を叩くと、体格の良い初老の男性が彼女を出迎える。
◆NPC解説◆
ハーグ・フェルトマン(人間/男性/57歳)
《キングスフォール》にある魔動機工房《ガレージ・フェルトマン》の経営者。工房の主な業務内容は発掘された魔動機の修理・調整で、必要であれば部品の製造も行っている。
自身もベテランの技術者であったが、数年前に病で視力が低下してからは第一線を退き、長女と次女に職長の座を譲っている。
ハーグ:「やぁ、ジムレドさん。お久しぶりです」*ジムレドに握手
ジムレド:「久しいね、ハーグ。急な依頼に対応してくれて感謝するよ」
ハーグ:「中々珍しい機体を見られて娘たちが喜んでましたよ」
ハーグ:「ようこそ、我が一族の工房へ。私はハーグ・フェルトマン。この工房《ガレージ・フェルトマン》の代表を務めている」
ハーグ:「そちらのお嬢さんが、騎手なのかな?」*カナリカに握手を求め
カナリカ:「はい。カナリカです。彼女はキア、凄腕の狙撃手さ」*握手
キア:「こんにちは……ご一緒させてもらってます」
キア:「(名前を聞いてもしかして、って思ったけど……やっぱり“フェルトマン工房”だったんだ。やった~!)」*心の中でガッツポーズ
ハーグ:「例のものなら既に仕上がっているよ。さ、早く上がってくれ」
カナリカ:「……?」
ジムレド:「見ればわかるさ。さ、行くよ」*PC達を中に促す
GM:ハーグの工房は石造りの二階建てで、一階には大型の魔動バイクやスカイバイク、フロートボード等の魔動機式の乗り物が所狭しと並んでいる。
クロウリー:「魔動バイクって一口に言っても、結構種類があるんだな」
カナリカ:「発掘品を修理・調整して使ってるからね。全く同じものの方が少ないかも」
クロウリー:「おい、アレなんて車輪がないぞ」
カナリカ:「バイク乗りの浪漫、スカイバイクまで置いてあるとは……!」
キア:「見てくださいカナリカさん、フロートボードやカルキノスまで置いてありますよ!」
GM:ハーグは工房奥で足を止める。そこは個人専用のカスタマイズやオーダーメイドの機体組み上げを行うスペースのようで、黒いボディを持つ一台の魔動バイクが止められていた。
ハーグ:「まず、こいつを見て欲しい」
カナリカ:「クールなカラーリングだね……これは?」
ジムレド:「ずいぶん前になるが、《ダオロ村》での遺跡騒ぎを解決した時に村で発掘された魔動機を貰って来ただろう?」
カナリカ:「あぁ、あれ。動かないジャンクだったようだけど……まさか」
キア:「もしかして……!」
ジムレド:「あぁ、そのまさかさ」
ハーグ:「二週間前、ジムレドさんから列車便で一台の魔動機の残骸が送られてきた。そう、君たちが《ダオロ村》で貰い受けたものだ」
ハーグ:「それ自体は実際動くことのない、ジャンクと呼んで差し支えないものだったわけだが……」
ジムレド:「マナの動力変換機構は生きてたんだ。大雑把に言えば、ホイールとボディを調達して来れば動くようになると思ってね」
カナリカ:「それってつまり……!」
ジムレド:「アンタ専用の魔動バイクさ」
カナリカ:「ありがとうマスター!すごいサプライズだ!」*感極まってジムレドを抱きしめる
ジムレド:「むぎぎぎ! 抱き着くな!」*じたばた
ハーグ:「オーバーホールしてみて驚いたよ。ライダーズギルドで主に扱われている魔動バイクとは、かなり異なる設計思想だったからな」
キア:「異なる……とは、どういうことでしょうか?」
ハーグ:「具体的に言うと、動力変換機構が一般的なモデルと比べてかなりピーキーな特性を有している」
ハーグ:「加速性に優れ、機構自体も軽量だ。これは車体の挙動が極めて素早いことを意味している」
ハーグ:「反面、造りが繊細で衝撃に弱い。一般的なモデルと比べると、耐久性は低いと言わざるを得ないな」
クロウリー:「さしずめ、軽量高機動型モデルってとこか」
カナリカ:「ふむふむ……私にはむしろ好都合、かな」*笑みを浮かべる
ハーグ:「動力特性を踏まえ、長所を殺さぬようパーツを吟味して組み上げたのがこいつというわけさ。もっとも、方針を決定したのが私なだけで組み上げたのは長女だがね」
カナリカ:「ミスターハーグ、試しに乗ってみてもいいかな?」
ハーグ:「あぁ。工房外の敷地でブン回してみるといい。振り落とされるなよ!」*親指を立てる
カナリカ:「ありがとう! よーし……」*おばあちゃん離して、乗ってみよう
GM:では、魔動バイクの回避判定でも試しにどうぞ
カナリカ:2d6+9
<BCDice:カナリカ>:SwordWorld2.5 : (2D6+9) → 12[6,6]+9 → 21
→自動成功!
カナリカ:!?
GM:強すぎる
GM:ちなみにカナリカさんは騎獣強化の騎芸持ってるので、騎獣の命中回避が+1ですね 固定値10 つよい
キア:「凄い加速力! ハンドリング性能も高い……かなり“尖って”ますね」
ハーグ:「あぁ、だが驚くべきは初見でそれを乗りこなす彼女のセンスだ」
クロウリー:「車体そのものが軽いから、乗り手の重心移動で更に機敏に動くわけだな」
カナリカ:「かる~い!」*ウィリー
カナリカ:「っと……」*ブレーキ
カナリカ:「キアも乗ってごらんよ。凄いバイクだよ、これは!」
カナリカ:*後部座席ぽんぽん
キア:「どれどれ……失礼します」*カナリカの腰に手を回し
カナリカ:「行くよっ!」*アクセル握り
キア:「きゃっ、すっごい……すごいですよコレ!」
カナリカ:*工房周りを軽く流して停止!
クロウリー:「すげぇなぁ。しかも一般的な魔動バイクの追加パーツと互換してんだろ?」
ハーグ:「もちろん。必要に応じて追加パーツで性能を調整し、騎手の要望に応えてこその冒険者用魔動バイクだろう」
カナリカ:「素晴らしい乗り心地だ。この先の戦いでも全く見劣りしない」
カナリカ:「その上私好みにカスタムできるなんて……」*降りる
ハーグ:「ハンドル根元のユニットに触れてみたまえ。《魔動バイク収納スフィア》としての機能を持たせている」
カナリカ:「……!」
GM:ハンドル根元(現実のバイクでいう燃料タンクあたり)にカナリカの手首より少し大きいくらいのリングが付いており、これに手を突っ込むことでリングが閉まる→バイクが格納されてバイク自体がカナリカの腕輪として変形する という設定です
カナリカ:「まったく負荷がない……これでいつでも一緒かぁ」
カナリカ:「ありがとう、ミスターハーグ! 貴方は恩人だ!」
カナリカ:*感極まっておじいちゃんを抱きしめます
ハーグ:「止すんだカナリカ! 娘の目があるから!」
カナリカ:「おっと、つい……ね」
カナリカ:「感謝の気持ちを伝えるのも難しいね……」*しゅん
カナリカ:「ミスターハーグ、この工房では《ガン》の調整も?」
ハーグ:「あぁ。2階が《ガン》と魔動機搭載武器の工房になっているよ」
カナリカ:「この腕前なら、キアの《ガン》のカスタマイズも楽しみだ」
ハーグ:「そうか、君は魔動機術師なのだな」*キアに
ハーグ:「君も興味があれば、二階を訪ねてみるといい。《ガン》のカスタマイズができるのはキングスフォールくらいだからね」
キア:「ありがとうございます! ……といっても、今回はアビスカースの付け直しだけでお願いします」
ハーグ:「ふむ? 勿論、それくらいすぐに承るが……」
キア:「明朝この街を発つので、なるべく武器の感覚をずらさずにいたいのです」
ハーグ:「そういうことか。たしかに手入れの行き届いた上質の《ガン》だ。下手に弄るより手に馴染んだままの方が良さそうだな」*目を細めてキアのロングバレルを注視
ハーグ:「今回の旅は長くなるかもしれないが……またキングスフォールに帰ってきたら工房に立ち寄ってくれたまえ」
ハーグ:「魔動機の整備や《ガン》の調整なら、いつでも歓迎するぞ」
キア:「はい、その時は是非ともお願いします! 新しい魔動機の情報とか知りたいので」
GM:では、そんな感じでPC達は工房を後にします
GM:各自、街をぶらついたり宿で休んだりして……
GM:次チャプターは出発の日の朝になります。
GM:冒険の続きは後半にて……!
前半のまとめ
《キングスレイ鉄鋼共和国》第一都市《キングスフォール》で開催された、ギルド支部長合同会議に出席したPC達。
《空の麓》亭支部長のジムレドは、PC達が見つけた剣型の首飾りが「超高密度マナ構造体」で作られていることを告げた。
《大地の見張り》亭支部長のシタンの助言を元に、PC達は遺物の手がかりを得るため《オルフィード湖国》を目指すことになる。
訪ねる先はパーティの一員である操霊術師、クロウリーの師であるエルフの魔女、ユーラウゼン=ローハイムメイレンである。
カナリカとキアは一部装備を更新し、PC達の冒険は《キングスレイ鉄鋼共和国》の外へと広がっていく……!
第二シーズンの旅の始まりにご期待ください。