サイバーパンクRED リプレイ《Burn this city》キャンペーン 第一話「Firestarter」後編
はじめに
この記事は2023/10/8に行われた「サイバーパンクRED(日本語版の出版:ホビージャパン)」のセッションログを再編集したリプレイです。
読みやすくするため、実際のセッションログを少しだけ脚色したり、発言順序を整理したりしています。
前編はこちら。
本作は、「Talsorian Games,Inc」及び「株式会社ホビージャパン」が権利を有する『サイバーパンクRED』の、二次創作です。
(C)Talsorian Games,Inc
(C)Hobby JAPAN
0.これまでのあらすじ
2045年――度重なる大災害と企業間戦争が国家を疲弊させ、国家よりも企業が力を振るうようになった時代。
カリフォルニア州、旧コロナド市に築かれた「ナイトシティ」は企業戦争の傷跡から急速な復興を遂げ、自由経済圏として著しい成長を始めている。
しかし、人口の流入と治安の崩壊は街の至る所に危険を蔓延らせた。
戦術核が炸裂した街の中心部は今もなお人が住める環境ではなく、その外縁に広がる戦闘区域では毎日のようにギャングと犯罪者とサイバーサイコが銃撃戦を繰り広げている。
ナイトシティは、そんな危険と可能性に満ちた夢と悪徳の都だ。
ルーマニア出身のリクレイマー、ジャックは故郷を離れてナイトシティにやって来た。彼女の武器は相棒の火炎放射器と脳神経に埋め込んだニューラルウェアによるハッキングだ。
街を訪れたジャックは、様子のおかしな放火犯と遭遇する。
常識外れの身体能力に火炎放射器搭載サイバーアームを仕込んだ放火犯はジャックを意に介さず、その場を立ち去ってしまう。
その時、偶然にもジャックは彼(?)が身に着けていたタグを手に入れる。
同じく火事を目撃して集まってきた技術屋のハリシャ、外科医のカグラザカ、警官のヌエ、そしてロッカーガールのクラーラの4人はジャックと協力し、連続放火犯捕獲作戦に身を投じる。
仲介屋・サンドロの事務所に集まったPC達は、情報収集の末《バイオテクニカ》社の動向に注目する。
"CHOOH2"の製造ライセンス料を巡り険悪な関係である《ペトロケム》と《バイオテクニカ》の企業間抗争を仮定したPC達は、ファイアスターターの手がかりを求めて隠しオフィスへと潜入するのであった。
ジャックがNET構造体へと侵入する中、現実世界のPC達の元にも武装した警備員達が迫る。
ジャックは防衛プログラムと、残るPC達は警備員達と。
戦いの火蓋が切って落とされようとしていた。
5. VS! 警備部隊
ヌエ:「己はここで待とうかな」*カタナを手に
クラーラ:「いつでもいけるよ」*ライフル準備
ハリシャ:「迎撃になる。最初が肝心だよ」
カグラザカ:「僕はジャックさんの護衛とサポートに回りましょう」
ジャック:「それじゃ……始めるぞ」
GM:PC達の配置も済んだところで……イニシアティブ判定の時間だ!
GM:まずはクラーラさんから
クラーラ:はーい! GM、警備員達はこちらに気付いているのかな?
GM:ノー。たまたま戻っただけですし、室内は暗いのでPC達の存在に気付いていないことにします。
クラーラ:OK! では遠慮なく部屋の出口付近にいる警備員へフルオートで射撃を行います。十分距離が離れていて、フルオート射撃難易度は17
クラーラ:「来るのは知ってる。不運を恨んで、祈って眠りなよ!」
クラーラ:*銃座代わりのギターケースにライフルを載せ、フルオート!
企業警備員D:「ぬおおおッ!?」
企業警備員D:「て、敵襲! 前方から撃たれました!」
企業警備員A:「……! 既に内部に侵入されていたか」
企業警備員A:「構造体のデータを抜かれるとまずい。制圧しろ!」
企業警備員E:「了解!」
クラーラ:そのまま右方向にずれ、遮蔽を得つつヌエの隣に滑り込みます
ハリシャ:「ヒュー! 派手に決めるじゃないか、ロッカーガール!」
クラーラ:「もちろん。こういう時こそラムネが一番弾けてくれるって訳」*銃を一撫で
ヌエ:「良いスタッカートだったね」
GM:それじゃ続いて、ハリシャさん!
ハリシャ:はーい! さっきクラーラに撃たれた警備員Dにライフルで単発攻撃ですね
ハリシャ:距離は18m……難易度は15か。悪くない。
ハリシャ:「入口から最奥まで抜けてるとは、いい間取りじゃないか」
ハリシャ:「撃ちやすくて助かるよ!」*BANG!
企業警備員D:「ぐ、ぐうう……」*がくり
企業警備員A:「間髪入れず支援射撃とは……そこらのゴロツキじゃないな」
企業警備員A:「応援を要請しろ。奴らを外に出しさえしなければ、最悪対処できる」
ハリシャ:「よーし、仕留めたね!」
ハリシャ:「あたしの腕も、まだ捨てたもんじゃないってこった」
ヌエ:「アトリエを空けて来た甲斐があったじゃないか」
ハリシャ:「あたしの発明品は芸術品じゃなくて実用品だ!」
GM:ではカグラさんとジャックさんの手番!
カグラザカ:もしヘルハウンドの攻撃でジャックさんに火がついたら対処しなきゃいけない。今回の戦闘ではジャックさんに先に動いてもらいましょう
ジャック:はーい!
GM:では第三ラウンド ジャックのNETアクション
GM:彼女は呼吸を整えると、バーチャル空間の床を蹴って下へと跳躍する
GM:さっきまで立っていたワイヤーフレームの床が水面のように波打ち、彼女の仮想身体を受け入れた
ジャック:階層移動してヘルハウンドをぶっつぶすぜえ!!!
GM:どちらが先手を取るか決めましょう。遭遇時の速度対抗だ!
ブラックICE:ヘルハウンド:1d10+6 //遭遇時速度対抗判定
CyberpunkRed : ブラックICE:ヘルハウンド:(1D10+6) > 2[2]+6 > 8
ignitER:1d10+4 //インターフェイス能力
CyberpunkRed : ジャック:(1D10+4) > 6[6]+4 > 10
▼ ignitERが 先手を 取った!
ジャック:1回目は「ソード」を起動して攻撃します!
ジャック:コソ泥は得意だけど、逃げ回るには周りがうるさすぎるんでね!
▼ ignitERの 1st NETアクション!
ignitER:Start Sword.exe_
ignitER:1d10+4+2 //インターフェイス能力
CyberpunkRed : ジャック:(1D10+4+2) > 7[7]+4+2 > 13
ブラックICE:ヘルハウンド:1d10+2 //防御判定
CyberpunkRed : ブラックICE:ヘルハウンド:(1D10+2) > 7[7]+2 > 9→失敗……
ignitER:3d6
CyberpunkRed : ジャック:(3D6) > 14[6,6,2] > 14
GM:素晴らしい! 対ブラックICE攻撃用プログラム「ソード」で見事14点のダメージだ!
ジャック:*素早く攻撃プログラムを起動!
GM:ジャックの手に、銀色に輝くダガー状のプログラムが3本出現した!
ジャック:「切り刻んでやるッ」*コマンド実行!
GM:ジャックは出現した3本のダガーを高速で操る。一瞬でヘルハウンドの頭上を取り、投げ放った! ヘルハウンドの残り耐久、6点!
ジャック:同じプログラムは1ラウンドに1回しか使えない……。こんなことなら、ソードを2本挿して来るんだったか。
GM:攻撃力は平凡で攻撃に補正も得られませんが、素のインターフェイス能力で殴る【ZAP】コマンドもありますからね!
ジャック:そいつで落とし切るしかないですね!
▼ ignitERの 2nd NETアクション!
ignitER:ZAP ZAP ZAP……
ignitER:1d10+4 //インターフェイス能力
CyberpunkRed : ジャック:(1D10+4) > 9[9]+4 > 13
ブラックICE:ヘルハウンド:1d10+2 //防御判定
CyberpunkRed : ブラックICE:ヘルハウンド:(1D10+2) > 10[10]+2 > 12
ブラックICE:ヘルハウンド:1d10 //振り足し
CyberpunkRed : ブラックICE:ヘルハウンド:(1D10) > 8
→成功!
ジャック:「十分な痛手は与えた。ここで仕留める!」
GM:ジャックは己の指を銃に見立て、指先から青い閃光を放つ!
しかし、ヘルハウンドは煙状の残像を残して閃光を回避!
ジャック:「■■■!」
ジャック:運のいい奴め!
GM:どうします? "スライド"コマンドで別階層に逃げて仕切り直すって手もあるけど
ジャック:コイツは猟犬。逃げ切るにはちと骨が折れる相手ですね……
ジャック:被弾覚悟で、もう一回ZAPを仕掛けます!
▼ ignitERの 3rd NETアクション!
ignitER:ZAP ZAP ZAP……
ignitER:1d10+4 //インターフェイス能力
CyberpunkRed : ジャック:(1D10+4) > 3[3]+4 > 7
ブラックICE:ヘルハウンド:1d10+2 //防御判定
CyberpunkRed : ブラックICE:ヘルハウンド:(1D10+2) > 6[6]+2 > 8
→成功!
ジャック:「このぉ!!」
GM:凌ぎ切った! こんどはこっちの番だ!
▼ HELLHOUNDの 1st NETアクション!
ブラックICE:ヘルハウンド:1d10+6 //攻撃判定
CyberpunkRed : ブラックICE:ヘルハウンド:(1D10+6) > 1[1]+6 > 7
ブラックICE:ヘルハウンド:1d10 //振り引き
CyberpunkRed : ブラックICE:ヘルハウンド:(1D10) > 1→達成値6
ignitER:1d10+4 //インターフェイス能力
CyberpunkRed : ジャック:(1D10+4) > 3[3]+4 > 7
→成功!
GM:攻撃を逃れたヘルハウンドが飛びあがり、その巨大な牙と顎でジャックを噛み砕こうと迫る!
ジャック:「……ッ!」*冷や汗
GM:ジャックの仮想体は素早く防御コマンドを入力、合計3体の囮が仮想空間に出現する! ヘルハウンドの爪と牙に捉われ、瞬く間に囮が01ノイズとなって砕け散った!
ジャック:「危ないだろうが、このクソ犬!」*辛くも本体は回避!
GM:ジャックさんの脳を焼く良いチャンスだったんですがねェ~!
ジャック:服とデッキも焼くチャンスだったんですけどねぇ!!
GM:それではジャックさんの手番終了 カグラ先生のターン!
カグラザカ:了解! とは言いつつ、あんまりやることがないな
カグラザカ:ジャックさんのサポートができるようここは離れず、手番を終了します
GM:OK!
カグラザカ:「っと、僕の出る幕は無さそうかな?」
カグラザカ:*ドンパチやってる前線組を伺いながら
カグラザカ:「セーフティ役として待機が最善だな」
カグラザカ:「”ユキ”、念のため対熱傷用オペレーションを準備しておいてくれ」*サイバーアームに搭載されたAIを起動
ユキ:『はい、先生』
ジャック:「クソ犬をぶっ叩くのにもうちょいかかる。アイツさえ倒せば、データは近い」*ヘルハウンドの出方を伺いながら傍のドクに
GM:では警備員CとE
GM:まずはC、警備員Aの隣の壁際に移動! Eも同じく、PC達の待つ部屋の入口近くに移動して手番を終了!
クラーラ:部屋の出入り口が狭いから、お互いに遮蔽を取りつつ距離を詰めた感じになったわね……。
ハリシャ:部屋ん中だとライフルの取り回しが悪くて仕方ないよ
GM:それではヌエさんのターンです!
ヌエ:斬りかかろうにも壁が邪魔……なので、ここは己も待機する
ヌエ:相手を誘い込んで一網打尽にした方が良いかと思ってね
GM:耐久に任せて出るかと冷や冷やしていたが……クレバーな判断だ。
ヌエ:ここは他の面子の射程に入れたいですしね
ヌエ:「増援が来るかも……と焦って飛び出すのは素人の発想だ」
ヌエ:「我慢比べといこうじゃないか」
GM:それでは第四ラウンドを開始します!
GM:クラーラさんのターンだよ!
クラーラ:はーい! ふむ……まず、警備員Eに対し入口を挟んで斜め向かいに移動して射線を確保する。通るかな?
GM:うむ! それなら撃てるとします。
クラーラ:距離が8~10m程度なので、ショットガン・アンダーバレルで攻撃します。スラッグ弾を装填していた……ということにします。
GM:良いでしょう!
クラーラ:難易度は15……いくぞ!
GM:クラーラは狙いを付け、アンダーバレルの引き金を引く! しかし弾丸は不発! クラーラは慌てて不発弾を排除した!
クラーラ:「っ、整備しとけばよかったかな……!」
ヌエ:「少しマズいことになったな」
ハリシャ:「ショットガンで一人倒せればマシだったんだが……!」
クラーラ:「(この部屋は柱くらいしか遮蔽になるものがない……シンプルな撃ち合いになるね)」*アドレナリンを感じながら
GM:それではサブマシンガン持ち警備員A、クラーラの2m前方まで移動!
GM:次、Bが動く! クラーラさんから8mの距離を保ち、単発射撃だ!
GM:二人の警備員が同時に部屋に突入し、射撃後のクラーラに向かって警備員の一人がサブマシンガン連射! クラーラの体捌きが射線を躱す!
クラーラ:「手が震えてるよ。新入り? それとも仕事前に一杯やってきた?」*警備員を挑発するように
GM:その直後、二人目の放った大型拳銃弾が防具越しにクラーラの肩を殴りつける!
クラーラ:「……ッ!」
ハリシャ:「おいおい、狙い撃ちか!? クラーラ、まだ生きてるだろうね!?」
クラーラ:「大丈夫、全然平気……。ごろつきに絡まれた時の殴られ方は覚えてる」*痛みに顔をしかめ
ヌエ:「あまり悠長にもしていられないな」
カグラザカ:「クラーラさん! お怪我は!?」
クラーラ:「ドクターに頼むほどの事態にはなってないよ!」
GM:それじゃあジャックさんの手番だ!
ジャック:ソードのリキャストも終わってる。トドメを刺してやる!
ジャック:1回目のNETアクション、【ソード】で攻撃!
▼ ignitERの 1st NETアクション!
ignitER:Start Sword.exe_
ignitER:1d10+4+2 //インターフェイス能力
CyberpunkRed : ジャック:(1D10+4+2) > 4[4]+4+2 > 10
ブラックICE:ヘルハウンド:1d10+2 //防御判定
CyberpunkRed : ブラックICE:ヘルハウンド:(1D10+2) > 5[5]+2 > 7
ignitER:3d6
CyberpunkRed : ジャック:(3D6) > 14[4,4,6] > 14
▼ HELLHOUND was Derezzed !
GM:01のノイズに分解されつつあるヘルハウンドにジャックは高速接近し、その脚の間へと滑り込む!
GM:3本のダガーが輝きと共に長槍へと変わり、ヘルハウンドのアバターを胴体から刺し貫いた!
GM:崩れたテクスチャから黒煙のような細かい01ノイズが霧散し、ブラックICEプログラムは機能を停止する。ジャックの勝利だ!
GM:残りNETアクションは2回!
ジャック:邪魔な番犬が消えたところで、構造体にあるファイルをどちらも自分のサイバーデッキにコピーします!
GM:OK! ファイルコピーはアクションを消費しないね。
ジャック:更に構造体最奥部に移動し、【クローク】を実行してからジャックアウトします。
ジャック:ファイルの中身も気になるけど、ファイルを確保した今優先すべきは次ラウンドから戦闘に加勢することなので!
▼ ignitERの 2nd NETアクション!
ignitER:Cloak_
ignitER:1d10+4 //インターフェイス能力
CyberpunkRed : ジャック:(1D10+4) > 10[10]+4 > 14
ignitER:1d10 //振り足し用
CyberpunkRed : ジャック:(1D10) > 2→達成値16
GM:素晴らしい。これで、少なくとも達成値16以上の「パスファインダ」に成功しないと敵はジャックがこの構造体内で何を行ったのか掴めないことになりますね。
ハリシャ:完璧な仕事だ……
クラーラ:構造体の把握に始まり防壁破りに防衛プログラムを破壊、そして自身の痕跡を消して脱出とは……お手本のようなハッキングですね
GM:構造体最下層まで降り立ったジャックは、そこにあったファイルを自身のデッキにコピーして放り込みながら「クローク」のコマンドを実行する
ヘルハウンドとの戦闘や突破したパスワードなど、彼女の侵入痕跡がノイズと共に覆われ、一見して構造体の内部は元通りになっていた。
パスワード防壁の表面に、僅かにハッキング痕跡が残る。
しかし、これはジャックの仕込んだ偽装痕跡だ。通常レベルの解析であれば「侵入者は防壁の突破を試みたが、パスワードが解けず以降の深度には侵入できなかった」ように見えるだろう。
ジャックは足元の床を爪先でダブルクリックする。
その瞬間、彼女の周囲に輝くサークルが出現した。
Jack OUT @"ignitER"
ジャック:「────っ、はあ……OK」
ジャック:「ゴミか宝かは知らないが、サルベージできた」*小声で
GM:現実世界のジャックは壁から背を離し、ゴーグルを一瞬額に上げて目元の汗を拭いとる。脳こそ焼かれなかったが、ヘルハウンドとの一騎打ちは彼女をアドレナリンで酔わせるのに十分すぎるほどのリスクがあった。
カグラザカ:「お疲れ様。無事みたいだね?」
ジャック:「そうだ。……残念か?」*ドクをからかうように
カグラザカ:「いやいや、死んでしまっては患者になることも無くなるからね。健康で何よりさ」*肩をすくめて笑う
GM:では続いて、カグラ先生のターン!
カグラザカ:ジャックの無事も確認出来たので前線に向かおうと思います
カグラザカ:が、地形が微妙だな……。ヒットアンドアウェイをやるには移動距離が足りない。ヌエの隣まで移動して手番終了にします。位置取り!
GM:OK~!
カグラザカ:「ジャックくんの仕事は終わったみたいだ。あとはこちらを片付けるだけだね」*ヌエの隣にやってくる
ヌエ:「それは僥倖。増援が来る前に手早く片付けるとしようか」
GM:それではサブマシンガン持ちとショットガン持ちが動く!
GM:サブマシンガン持ちも部屋に入ってきて……クラーラを狙うぜ!
ハリシャ:集中砲火だ……!
ヌエ:いかん……!
GM:難易度は15! いくぞ!!
GM:続いてショットガン持ち! クラーラさんとの距離2mまで詰めてスラッグ弾を発射!
GM:部屋に突入してきた警備員達がサブマシンガンとショットガンでクラーラを狙う! ブレイクダンスめいた動きでサブマシンガンの単発射撃を躱したクラーラは、その勢いを利用して近づいてきたショットガン警備員に回し蹴りを放つ!
企業警備員E:「……ッ!!」*発砲!
GM:突き出された銃身を、クラーラの厚底シューズが踵で蹴り飛ばす! 弾かれた銃口から放たれたスラッグ弾が天井に穴を開けた!
クラーラ:「は、笑わせないで! のこのこ出てきて銃向けるって?」
クラーラ:「図体がデカいだけじゃ、ストリートでは生き残れないって知ってるでしょ!」
ヌエ:「さすが、心配する必要はないみたいだ」
ハリシャ:「おいおい、あれでデバイス入れてないって本気かい? ロッカーってのは人間やめて無いとなれないってことなのかね」
企業警備員E:「な、なんてエッジランナーだ……神経加速ウェア使いか!?」
クラーラ:「お生憎様、ウェアなんて何も入れてないっての……ヌエ!」
ヌエ:「応とも!」
ヌエ:警備員達がこの部屋に入ってきてくれたことですしね。暴れます!
ヌエ:企業警備員Bに《武術》で攻撃!
GM:汎用攻撃ブレードユニット「ファンジン」を構えたヌエが室内に躍り出る! 一気に部屋の奥まで突撃したヌエは、警備員のケブラー防具の隙間を狙い刀を閃かせた!
ヌエ:「ケブラー装備か。十分斬れるな」*すれ違いざまに二撃!
GM:刃の通った個所から血が噴き出し、屈強な警備員が悲鳴を上げる!
ヌエ:「さて、これで挟撃の格好だけど……撤退してはくれないかな?」
企業警備員B:「抜かせ! データを渡してなるものか!」
企業警備員A:「怯むな! 制圧しろ!」
ヌエ:「残念」
クラーラ:では次は私! 狭い部屋の中に何人も来てくれたから……ショットガン・アンダーバレルで『散弾』を撃つ! 警備員が3人巻き込めて目標値13だ!
クラーラ:「そんな目立たれると妬いちゃうな……ほら、はいチーズ?」
GM:クラーラのアサルトライフルに取り付けられたショットガン・アンダーバレルが咆哮を上げる!
ハリシャ:「おいおい、とんでもない暴れっぷりだね、ありゃ」
ヌエ:「もっとファンが付いていいと思うんだけどね」
ハリシャ:それじゃ次はあたしだ。警備員Eにフルオート射撃!
ハリシャ:この距離なら難易度は17か。いくよ!
ハリシャ:「おらおらぁ!あたしも派手にやったろうかねぇ!」
ハリシャ:*牽制気味にフルオート!
GM:ハリシャのフルオート射撃がショットガンを持った警備員の防具を削っていく!
GM:では次! AとB動きます
GM:警備員A、そのまま部屋の奥に移動! ハリシャとの距離8m!
ハリシャ:うげ、こっち来たか!
GM:そのまま単発射撃だ!
GM:警備員の放った大型拳銃弾がハリシャの右肩に命中! しかし、彼女の不敵な笑みが崩れることはない。
ハリシャ:「っとぉ! 危ないじゃないのさ、か弱い技術屋を撃つなんて」
ハリシャ*服を払って弾丸を叩き落そう
企業警備員A:「クソッ、しっかり着込んでいやがる!」
GM:では警備員B! ここはクラーラの至近距離まで移動し、近接攻撃に賭ける!
GM:警備員はサブマシンガンを持ちながら、もう片方の手で警棒を引き抜いた。連続で繰り出される攻撃を、クラーラは身軽な動きで捌いていく!
クラーラ:「落ち着いた方がいいんじゃない? 深呼吸か、両手を挙げて膝を床に着くとかさ」*ダンスに近いステップと動きで回避する
企業警備員B:「く……このぉ!」
GM:OK! ではカグラザカ先生!
カグラザカ:はい! 物陰から飛び出して、3人に纏めて散弾を撃ち込む!
カグラザカ:「そろそろお暇しないとマズそうだからね、なるべく早く片付けておきたい所だ」
カグラザカ:「(……とはいえ、リスクある立ち回りをしてしまったな? 自分を治療するのも乙だろうか)」
GM:それではさっき撃たれたCとEの手番!
警備員Cはカグラザカに大型サブマシンガンで単発射撃!
GM:もう一人の警備員Eは重傷を負いながらも警棒を引き抜き、カグラザカに突撃!
GM:警備員、もはや破れかぶれで警棒をカグラザカに叩きつけるが、カグラザカのクローム義肢が先んじて動き、相手の警棒の初動を封じる!
カグラザカ:「やれやれありがとう、"ユキ"。そのまま捌いてくれ」
ユキ:『はい先生』
カグラザカ:*一旦AIにクロームの制御を任せ、自分は位置取りに専念!
GM:ではヌエさんのターン!
ヌエ:警備員Cを狙いにいきましょう。武術攻撃だ!
ヌエ:「好機、逸すべからず!!」
ヌエ:*平青眼に構え、急所を一気に突き……
ヌエ:*さらに斬り上げ、頸動脈に畳み掛ける!
GM:ヌエの2連撃が、警備員をまた一人戦闘不能に至らしめる!
GM:最後に忘れてたジャックさんの手番いきましょう!
ジャック:手番いただきます! まずは遮蔽から飛び出して警備員Aに接近! 距離6mまで詰める。
ジャック:遮蔽に隠れられる距離より確実に当てる方を選ぼう
ジャック:そのまま大型拳銃でAを撃ちます!
ジャック:「携行しといて正解だったか」*大型拳銃を引き抜き
GM:遮蔽から飛び出したジャックは、素早く大型拳銃を2連射! 警備員の防具を凹ませながら押し込んでいく!
企業警備員A:「ぐあああっ!!」
ジャック:「モブ上がりか? ゴーグル選びが甘いな」
ジャック:*慣れた手つきで射撃!
GM:それじゃあ第七ラウンドだ!
GM:そろそろ増援が来ちゃうかも……ですよ!!
クラーラ:はーい! では手番貰って……警備員Eにスラッグ弾射撃!
クラーラ:単発高ダメージで確実に落とす!
GM:それではハリシャさん!
ハリシャ:いきます! ここから警備員Aをライフル単発射撃だ
ハリシャ:相手の残りSPは4で、HPは14……落とせるか?
ハリシャ:「さて、うちのフィクサー様もやきもきしていることだし……これで終いだよ!」*アサルトライフルで狙い撃ち!
GM:残るは警備員Eのみ! ジャックとカグラはどうする?
カグラザカ:どっちでもOKですけど、せっかくですしジャックちゃんがキメますか?
ジャック:ドクがやってくれていいよ
カグラザカ:お、了解です
ジャック:もともと戦闘は回避以外そんなに重点置いてないからな
カグラザカ:じゃあEを対象にショットガンで攻撃!
カグラザカ:「これで終わりかな」
カグラザカ:「せっかくの機会なのに治してあげられないのが残念だが」*くるりと回してショットガンをホルダーに戻す
GM:それでは警備員達は全員HP0以下にて戦闘不能!
GM:戦闘終了~~!
ハリシャ:「ふぅ……終わったね。じゃ、撤収だ!」
ジャック:「増援とやらが来る前に引き上げるぞ」
ヌエ:ドミーに迎えに来てもらうことはできますか?
GM:OK!
GM:PC達がモールの外に脱出すると、タイミングよくサンドロがヴィークルを(雑な運転で)回してきている
サンドロ:「もうすぐ増援が来る。ずらかろうぜ」*車両ドアを開ける
ヌエ:「パーフェクトタイミングだね、ドミー」
サンドロ:「お前達の会話内容を聞いてる限り、余裕そうだったんでな。脚を手配してた」
クラーラ:「それで途中から会話に入って来なくなったのね」
ハリシャ:「流石、痒い所に手が届くフィクサーだ」
ヌエ:「モトの扱いは荒っぽいんだね」
サンドロ:「普段は専属のドライバーが居るんだが……今は別の仕事で街を離れてる。少し揺れるが我慢してくれ」
カグラザカ:「……」*つまらなそうに外の風景を眺めている
クラーラ:「車と女は大切にした方がいいんじゃない? ま、傷つけないだけ上等とも言えるんだろうけど」
サンドロ:「……善処はしているつもりだ」
サンドロ:*どっちについての言い訳かはわからない
サンドロ:「それより、データの方は大丈夫だろうな?」
ジャック:「あぁ、今んところはな」
ジャック:「中身は見てない。もしかしたらウィルスかもな」
サンドロ:「事務所に戻ったら確認用の環境を立てる」*発進!
GM:"ドミノテイカー"の事務所に戻ったらチャプター移行とします
6. 白いウサギを追え
GM:◆描写◆
ナイトシティ中心部付近、リトル・チャイナの一角。
警備員達との戦闘を切り抜け、ラザロ・ルカ―ニアの隠しオフィスを脱出したPC達は再び"ドミノテイカー"の事務所に戻ってきていた。
時刻は夜明け前で、既に空の端が赤色に染まり始めている。
サンドロは帰りの道すがら馴染みのレストランに電話をかけ、PC達と自分の食事を手配していた。
程なくして、事務所に合計6つの紙製デリバリーボックスが届けられる。
GM:感覚的には「焼きそば」と「酢豚」です
ハリシャ:「お、準備がいいね、フィクサー」
ハリシャ:「どんぱち撃ち合った後は飯と酒とシャワーに限るからね」
カグラザカ:「幾らだったんです? 少なくともキブルのパックよりは値が張るでしょう」
サンドロ:「代金については気にするな。お前達が金になりそうなものを拾った時、俺を通して取引してくれれば良いのさ」*ゲーム内で物品を売ったり買ったりしてくれ
ヌエ:「へえ、気が利くじゃないか」
ジャック:「気前がいいな。助かる」*珍しく険のない表情で
カグラザカ:「いつかタダで手術しますよ」*糖醋排骨を齧りながら
ヌエ:「ろくたーらいふはははんるるれ」*ドクターはいつか破産するね
クラーラ:「金になりそうなもの……あぁ、銃に斧があったよね。要らないならそのまま金にしてもらえば?」
サンドロ:「隠しオフィスに放置してた護身用拳銃とか、火災対応用の設備って感じか」
サンドロ:「まだ使えるなら、どんなものでも幾らでも欲しがる奴はいる。捌いといてやるよ」
カグラザカ:「......何か手を拭くものありません? この手だとメスが握れないんですが」
ヌエ:*事務所に積まれたガラクタから適当な布切れを渡す
カグラザカ:「んぁ、ありがとうヌエ君」*ふきふき
ハリシャ:「そうだフィクサー、折角だ。その捌いた金で改造用の素材でも仕入れておいてくれよ」
サンドロ:「いいだろう。後で俺のエージェントに要りそうな素材のリストをドロップしとけ」*ハリシャに
サンドロ:「もし事務所に在庫があるなら使っても構わん。経費はあとで捌いた金から清算する」
ハリシャ:「良いのかい? あんた、誰にでもこんな甘い真似してるんじゃないだろうね」
サンドロ:「バカ言えよ。お前達を"信用"してるからこその措置だ」
ジャック:「なあ、フィクサー。ひとついいか?」
ジャック:*下品にならない程度に口に物を入れつつ
サンドロ:「?」
ジャック:「必要経費だ、不便でかなわん。」
ジャック:「エージェントをひとつ手配してくれ。……もちろん、アンタが使い捨てる用じゃないヤツをな」
サンドロ:「あぁ、そういやエージェントを持ってないんだったか」
ジャック:「今は端末の持ち合わせがないが、必要なアセットは暗号化して情報断片形式でバックアップを用意してある」
サンドロ:「俺としても、エージェント抜きのランナーは不便で適わん。最新モデルとはいかんが、普及品グレードを用意しよう」
サンドロ:「代金は後々差し引いておく。言っておくが一つ"貸し"だぞ」
ジャック:「……フン、利子付けて返してやるよ」*減らず口
サンドロ:「良い心がけだ。投資の甲斐がある」
カグラザカ:「んん。これは中々」*いつの間にか糖醋排骨がほぼ無くなり、炒麺にも手を出し始める
クラーラ:「大食い用のサイバーウェアでも入れてるの?」
クラーラ:「はぁ、私はこの辺りで十分かな」*炒麺を食べ終え、満足そう
ハリシャ:「さて、腹も膨れたところでだ」
ハリシャ:「肝心のデータの中身を覗いてみようじゃないか」
サンドロ:「中身は確認して無いんだろ? ダミーじゃねぇだろうな」
クラーラ:「アレだけ苦労してダミーだったら、1発殴っても許されると思わない?」
ジャック:「さあな……階層の見落としはないし、データは全部コピーしてきたから両方ダミーなら前提が違ったってことになるが」
ジャック:「フィクサー、何か投影できるモニタかプロジェクタを貸してくれ。私のサイバーデッキ内でファイルにEye-Deeを行う。データの中身はそっちに表示させる」
サンドロ:「おんぼろのモニタで良けりゃ勝手に繋ぎな」
ジャック:拾ってきた二つのファイルに、タイトルなんかは付けられているのでしょうか?
GM:はい。それぞれのデータにはファイル名とEye-Dee難易度が設定されています。それぞれ下記の通りです!
GM:どちらでもお好きな方からどーぞ!
ジャック:取引資料から見ましょう
ignitER:Pathfinder_
ignitER:1d10+4 //インターフェイス能力
CyberpunkRed : ジャック:(1D10+4) > 10[10]+4 > 14
ignitER:1d10 //振り足し用
CyberpunkRed : ジャック:(1D10) > 10
ignitER:1d10 //振り足し用
CyberpunkRed : ジャック:(1D10) > 7
GM:合計達成値は……31!
GM:では二つのファイルを同時にプロテクト解除できたことにします ワザマエ!
※本来振り足しの出目が10でも更なる追加の判定は発生しないのだが、GMが失念していた。
GM:閉鎖環境に移ったジャックは、ニューラルウェアを介してコマンドを入力する。
ファイルに仕掛けられた複雑なプロテクトの隙間を電子の指先でなぞり、脆弱性のある個所に触れた瞬間勢いよく引き裂くのだ。
GM:サンドロが様子を伺う間もなく、二つのファイルが丸裸にされた。
サンドロ:「よし、こっちの準備は済んだぞ。始めてくれ」
ジャック:「もう終わった」
ヌエ:「嘘だろう?」
サンドロ:「え、早……」*グラスがずり落ちる
ハリシャ:「はぁ~、凄いね。ネットランナーってのは皆こうなのかい?」
クラーラ:「わお、声を掛けたのは正解だったね」
ジャック:「時は金なり、だろ?」*にぃっと悪そうに笑い
カグラザカ:「ふむ、素晴らしい手際......私もこうありたいものだね」
サンドロ:「……ふむ、見込んだのは正解だったな」
サンドロ:*ジャックを拾ってきたのはクラーラなんだけど
GM:それじゃあファイルの中身を出していくよ!
ジャック:「日記は用語が散らばってるね」
ジャック:「取引資料はすぐ役に立ちそうだが、どうだ?」*ローカル環境内にデータをコピー・展開し
サンドロ:「ノートは本当に雑多な忘備録って感じだな。専門用語が多すぎてイライラするぜ」
ヌエ:「はは、人が読むものじゃないねえ」
クラーラ:「同感、私はパスかな」
サンドロ:「カグラ、ハリシャ、お前らでなんとかならんか」*専門用語部分に2種色でマーカーを引きながら
ハリシャ:「そうだね、この辺の解読はあたしに任せな」
カグラザカ:「サイバーウェアやその接続処置に関するテキストであれば、僕の勉強にもなりますしね。拝読させてもらいましょうか」
ジャック:「OK、じゃあ交代だ」*二人がすぐ読み解けそうな気配を察し
ハリシャ:では早速解読の判定といきましょうか。GM、難易度は?
GM:OK! それぞれのファイルを読む時の処理について説明するよ
ハリシャ:先に生物学か 先生、よろしく頼むよ
カグラザカ:承知しました。では……
カグラザカ:「なるほど、そういうアプローチか。であれば次は……いや?そうなると……」
カグラザカ:*なんかずっとブツブツ言い始める
ハリシャ:「フィクサー、こりゃ少し時間がかかりそうだね」
サンドロ:「貰ってきた茶でも淹れよう」
クラーラ:「リトル・チャイナの人達はそういうの好きだよね」
ヌエ:「化学茶だろう? どんなフレーバーなのかな」
サンドロ:「……強いて言うなら、焦げた床板だな」
GM:数分後……
カグラザカ:「概ね理解した。ある程度はまとめておいたので、そちらの専門の分は頼むよ」*ノートと同じくらい汚いメモ付きで資料をパス
ハリシャ:では次、《サイバー技術》でやりましょうか
ハリシャ:ロール特技【メイカー】使用を宣言し、現場エンジニアの効果で判定にプラスの修正を加える
ハリシャ:「こんくらいなら朝飯前だね。ほらよ」
ハリシャ:*ちゃちゃっと受け取ったメモと資料に加筆
ハリシャ:「あと適当に要約を頼むよ、フィクサー」
サンドロ:「用語に注釈が入ってれば、文章の要約自体はそう難しくない」
サンドロ:「早速取り掛かろう」
GM:それでは「実験アイデアノート」の内容を貼ります!
サンドロ:「……ってところだな」
サンドロ:「語訳が適切かはわからんが、この”バイオニクスウェア”……要するに生身の部品を使ったサイバーウェアみたいなもんか」
サンドロ:「ラザロ・ルカ―ニアの専門はその分野らしいな」
カグラザカ:「非常に……興味深い技術です」*にっこり
クラーラ:「へぇ。また別ベクトルで弄り始めるわけだ、これもまた流行りの最先端?」
サンドロ:「普及したって話は聞いてねぇな」
サンドロ:「このアイデアノートの内容から察するに、まだ臨床試験も済んで無いんじゃないか?」
カグラザカ:「医療技師の目から見ても、この技術は今日的なサイバーウェアの範疇を大きく逸脱していると思いますね」
ハリシャ:「生体部品なんぞ、アラサカ辺りが弄繰り回してるっていう都市伝説の類だと思ってたけど……」
ハリシャ:「企業の考えることはわからんもんだねぇ」
サンドロ:「アラサカやミリテクの推し進める生体部品構想は……言ってみれば人間を機械の制御パーツとして使う考え方だろ」
サンドロ:「おそらくこちらは、サイバーアームだのボーグウェアだのを、生体部品で組み上げて人体に積み込むようなものだ」
ヌエ:「こりゃそのうち人はヒトとしての形を失うね」
クラーラ:「この分野の知識がないってのは自覚してるけど、まるで企業の会議に参加してるみたい。要するに……ヤバい技術ってことでいい?」
ジャック:「合ってると思う。相当やばいぞ」
ハリシャ:「ま、少なくとも金のかかる技術ってこったね。あたしらには到底手の届かないもんさ」
サンドロ:「しかし……気になるのは1か月前の部分だな」
サンドロ:「運び込まれた重傷者に、こいつはオーグメンティクスとやらを施してやがる」
サンドロ:「ここで言及されてる"検体"ってのは、要するにその手術を受けた実験台ってことだろ? "ファイアスターター"の活動時期と一致するぜ」
ハリシャ:「ふむ……つまりその"ラザロ・ルカ―ニア"って科学者が飼ってるイカれたモルモットが、ファイアスターターの正体って事かい?」
サンドロ:「可能性はゼロじゃないが、断定はできんな」
ヌエ:「むしろ、検体がファイアスターターの被害者って線はないのかな」
ヌエ:「火傷を負っていたんだろう?」
クラーラ:「『火傷』『呼吸器への損傷』ね」
サンドロ:「ノートには、あくまで"重傷者に手術を施して検体にした"以上のことは書かれていない」
サンドロ:「そういう可能性も勿論考えられるな」*ヌエに
ヌエ:「どうも、まだ雲を掴んでるような感覚だね」*ピースが足りない
ハリシャ:「うーむ……まだ決定的な証拠ってのがないね」
ジャック:「この"トゥールビヨン"とかいう奴が気になるな」
GM:ではここで判定を行います。
GM:難易度14 技能は《裏社会》で、成功すると"トゥールビヨン"という人物を知っていることになります。
GM:では、"トゥールビヨン"についての情報を開示します~!
ヌエ:「ふむ……彼か」
クラーラ:「ま、こういうことをやりそうではある相手だね」
ヌエ:「この感じじゃ、実際相当カネになるんだろうね」
クラーラ:「いけ好かないフィクサーだ、好き勝手出来るって意味では気楽でいいけど……」
ヌエ:「ドミーとは真逆のタイプだからねえ」
サンドロ:「手前の利益しか考えられない男になるなんて御免だね」
サンドロ:*サンドロが儲からない理由は他にもあると思うが
サンドロ:「そうだな。奴ならブロンズプランのトラウマ・チームを買収して重傷者を客のところに運ばせるくらいのことは、やる」
サンドロ:「さて、ここで気になるのは」
サンドロ:「検体の監視は"トゥールビヨン"の子飼いのハッカーが担当する……って下りだな」
クラーラ:「ま、ともかくその線から当たってみるってのは? "トゥールビヨン"が関わってるのは間違いないでしょ」
ジャック:「こっちのファイルには、そのトゥールビヨンとの取引情報が残ってる」*もう一つのメモを差し出し
クラーラ:「ふぅん……"スノウラビット"ねぇ?」
クラーラ:「名前の割には"トゥールビヨン"の番犬みたいだけど」
サンドロ:「文面からはそんな感じだな」
GM:ではここで……ジャック以外のPCをランダム選択します
カグラザカ:!?
GM:選ばれたPCは、"スノウラビット"を知っている……というか旧知の仲ということになります。過去のライバル、プライベートの友人、何でも良い。
サンドロ:「当面は、そのトゥールビヨンと……子飼いのネットランナー”スノウラビット”が手がかりか」
ヌエ:「……ふむ」*苦虫を噛み潰したような顔
クラーラ:「ヌエ」*表情から察する
クラーラ:「知り合い? 仕事仲間か友人、それとも深い仲?」
ハリシャ:「ハンッ! その顔を見るにどうせ昔の女だろう?」
サンドロ:「ハリシャ、その言い草は流石に無神経だぞ」
ヌエ:「そうだそうだ。もっと言ってくれ、ドミー」
カグラザカ:「いや、ハリシャくんが正しいだろうな」*断言
ヌエ:「……」*真っ赤な顔を右手で隠しながら
サンドロ:「え、マジでそうなのか?」*サイバーグラスを掛け直す
ハリシャ:「お堅い顔してるけど、案外そういうところがあるからね」
ヌエ:*静かに窓の外を見る
カグラザカ:「元恋人に手酷く刺された君を治療するのが楽しみだよ」
ヌエ:「おい!」
カグラザカ:「前例に近いことがあったじゃないか......」*小声
ヌエ:「ぐぬぅ……」
ジャック:「ハハッ、面白い女だな!」*ヌエの百面相を見ながらケラケラ
ヌエ:「お嬢さんまで容赦がなくて、立つ瀬がないとはこのことだね」
サンドロ:「まぁ、別に非難するようなことでもねぇだろ。どういう経緯で別れたのか知らんが……お互い大人なら、そういうこともある」
クラーラ:「しっかし、よりによってフィクサーの子飼いと深い仲とはね」
ハリシャ:「ほらほら、ふてくされてないでさっさと女の居場所を吐きな」
ハリシャ:「行きつけの心当たりぐらいあるだろう?」
ジャック:「わざわざハンドルに“ラビット”なんて付けるんだ、トガったやつなんだろ?」*さっさと吐けよ、とからかい
ヌエ:「まあ、わかった、わかったよ……」両手を上げて
ヌエ:はあと息を吐き、
サンドロ:「」*煙草に火を点ける
ヌエ:「クロック・ガーデンで張ってれば、じき姿を現すだろうね」
クラーラ:「クロック・ガーデン? アッパーマリーナのクラブだっけ」
ハリシャ:「知ってるのかい?」
クラーラ:「ちょうど、件のフィクサーに声を掛けられたのがあの店でギグやった時だったからね」
サンドロ:「たしか、結構古い店だな。客も多い」
ヌエ:「己も気に入ってたんだけどね……」
サンドロ:「この"スノウラビット"が《ペトロケム》への妨害工作に関わってることは確かだぜ」
サンドロ:「こいつが施設のセキュリティをこじ開け、"ファイアスターター"はその実行役って所だろう」
サンドロ:「"ファイアスターター"の犯行は、常にセキュリティへの妨害とセットで行われてるからな。ランナーが協力してるのはほぼ確実なんだ」
ジャック:「つまり……ヌエを介してそのランナーに近づくしか道はないってことだな」*意地悪そうにヌエを肘で軽くつつく
サンドロ:「そういうことだ。奴から情報を引き出す必要がある」
サンドロ:「素直に俺たちに従うならそれで良し。抵抗するなら無理やりここに引っ張って来る」
ハリシャ:「そうと決まれば、準備が出来次第そのクラブに出掛けようじゃないか」
ジャック:「まぁ、食事も摂ったし仮眠を挟んだ方が良いか」
クラーラ:「賛成。せっかくクロック・ガーデンに行くなら、頭はスッキリさせておきたいしね」
クラーラ:「仮眠する前に準備……だけど、カグラザカ」
カグラザカ:「?」
クラーラ:「今回は興奮剤を作っておいてよ。相手は知らない技術を使ってくる指名手配犯だからね」
ヌエ:「用心し過ぎても損はしない、か」
サンドロ:「そうだな。さっき手に入れた原料もある。取り掛かってくれ」
カグラザカ:「……やれやれ」*ため息をつく
カグラザカ:「……あのなぁ、君達」
カグラザカ:「わかっていないようだから言っておくが、僕は医者なんだ」
カグラザカ:「薬品だのなんだのをちまちま作るのは医者の仕事じゃない」
ハリシャ:「何言ってんだい」
サンドロ:「薬品の投与管理も医者の仕事だろうが」
クラーラ:「じゃあ戦いながら手術する?」
カグラザカ:「……作っておけばいいんだろう。なんて嫌味な患者なんだ、全く」*文句をいいつつ取り掛かります!
クラーラ:「分かってるじゃん。それだけアンタを頼りにしてるってこと」
カグラザカ:ヌエさんが元カノに刺される……かどうかはともかく、戦闘の流れになった時のために"興奮剤"を作っておきます。
カグラザカ:「この量だと、2人分だな」*医療鞄を開けて道具を取り出す
カグラザカ:「も~~~~」*手際は割と良い
サンドロ:「おい、頼むから零すなよ。変な薬品が事務所に染み付くのはマジで嫌だからな」*ケミ茶を啜りながら
カグラザカ:「……わかってますよ」*不自然に器具の置き方を変える
ジャック:「(……零したな)」
ハリシャ:「(……零したね)」
ヌエ:「(……目立つ場所ではないから良いか)」
クラーラ:「(……誤魔化した)」
カグラザカ:クラブに向かう前に自分とヌエさんに投与しておきたいな
ジャック:ふむ?
クラーラ:一番荒事の矢面に立つヌエに重傷対策いれて、次点は応急手当か手術担当の先生か……良い判断だね
カグラザカ:そういう魂胆です
GM:OK! ではそのようにしておこう
GM:続いてはハリシャさんの整備かな
ハリシャ:「ついでだ、武器を寄越しな。ヌエ」
ヌエ:「あぁ、整備してくれるのか?」
ハリシャ:「どうもアンタは武器を雑に扱うようだから、今のうちに調整しておかないとね」
ヌエ:「なんて技術屋だ。近頃は説明書代わりに嫌味が付属するらしい」
ハリシャ:「一振りで合金製の刃を歪めるような客が相手じゃなきゃ、あたしもこんなにグチグチ言ったりしないよ、まったく……」
ハリシャ:「改造エンジニア」の特技を使い、ヌエさんの近接武器である「打刀・ヤンデレ」を高品質なものに改造します。
カグラザカ:何回聞いても銘で笑う
ヌエ:インターネット崩壊から時間が経っているから、言葉の意味は伝わっていない可能性もある
ハリシャ:「フィクサー、汎用部品と消耗品を1セット使わせてもらうよ」
サンドロ:「好きにしろ。後で請求する」
ハリシャ:《武器技術》判定で、"上等"の品だから難易度は17か
ハリシャ:「ほら、こんなもんで良いだろう。これならあんたの馬鹿力にも多少は耐えてくれる筈さ」
ヌエ:「愛してるよ」
ハリシャ:「はいはい、あたしもだよ」
カグラザカ:「(普段からこういう言動をしているな、ヌエくんは)」
クラーラ:「(やっぱり元恋人に刺されるんじゃない? これ)」
ジャック:「……」
ジャック:*表情に僅かな嫌悪感が滲む
GM:ではでは、武器のアップグレードと頼れるお薬も作れたところで……
GM:PC達は仮眠を取り、クラブへと出発することにします
クラーラ:「あそこはセッションするなら良い場所だけど……覚悟はしておきなよ? 元恋人と荒事になってもいいように、ね」
ヌエ:「覚悟の必要なんてないさ」*窓の外を見ながら
ヌエ:「エッジを走っていれば、いつか限界は来る」
ヌエ:「それが誰の手によるものだろうが、大した意味はないもの」
クラーラ:「ソレ、もっといい場面で言い直してもらっていい?」
カグラザカ:「しかし……ようやく腕を振るえるタイミングがやってきそうだな。ヌエ君、メスは何番がいい?」*恋人に刺される前提でウキウキ
ヌエ:「ドクター、アンタは地獄に落ちろ」
7. エグゼク、"Cavalier"
GM:◆描写◆
PC達がクラブ「クロック・ガーデン」に出発する二時間ほど前。
《ペトロケム》ナイトシティ支部は、リトル・ヨーロッパ区画にオフィスを構えている。
オフィス前面は、警備会社や軍事企業たるアラサカやミリテクにも匹敵する堅牢な拵えが施されていた。
警備部門の責任者、アルフォンス・テイラーは自身に割り当てられた部屋のデスクで陰鬱な表情を湛えている。
その眉間には深い皺が刻まれ、真一文字に結んだ唇は苛立ちを隠せない様子を表していた。
アルフォンス:「……えぇ、勿論わかっています」
アルフォンス:「身柄は調査中ですが……情報は揃いつつあり……」
アルフォンス:「いえ、その……まだ完全には。しかし、まだ確定は……」
アルフォンス:「……はい。……えぇ。……仰る通りです」
アルフォンス:「はい、わかっています。必ず」*通信を切る
アルフォンス:「……」*静かに目を閉じる
GM:次の瞬間、磨き上げられたイミテイトシタンの机に置かれていた人工クリスタルの灰皿が粉々に砕け散る
GM:アルフォンスがインストールしている、最新式のサイバーレッグで壁に蹴り叩きつけられたためだ
アルフォンス:「クソが! 本部のモヤシ共が俺のことを舐めやがって!」*卓上に拳を叩きつける
アルフォンス「それもこれも、この街のゴミ共が役立たずなせいだ」
アルフォンス:「あのクソ放火魔の息の根を止めて、死骸を持ってくるだけのことが何故できねぇ。出来損ないのエッジランナー共が」
アルフォンス:「要するに火炎放射器を担いでて、ネットランができる奴の死体があればいいんだろうが……何を手こずってやがる」
GM:アルフォンスは自身のエージェントを操作し、一人のフィクサーに連絡を取る。
連絡先のハンドルは"トゥールビヨン"だ。
トゥールビヨン:『ご連絡ありがとうございます、アルフォンス様』
トゥールビヨン:『今回は何のご用命でしょうか? 武器? 弾薬? それとも足の付かないヒットマン?』
アルフォンス:「御託はいい。先月からペトロケムが受けてる攻撃についてだ」
トゥールビヨン:『えぇ、"ファイアスターター"捕獲のジョブは貴方の指示通り、ナイトシティ中のエッジランナーに公示していますよ』
トゥールビヨン:『尤も、成果は上がっていないようですが。もうすこし報酬を吊り上げますか? 手数料も増額いただく必要が……』
アルフォンス:「違う。その前から行われていたサイバー攻撃の方だ」
アルフォンス:*威圧的に低い声で唸る
トゥールビヨン:『……』
トゥールビヨン:『御社の電子セキュリティへの干渉、および監視カメラ等のデータ改竄……でしたか』
アルフォンス:「焼けた設備の残骸をサルベージさせた結果、監視カメラのログの復元に成功した」
アルフォンス:「俺のことを、サイバーデッキ一つ触れない肉体馬鹿だと思ってたのか?」
アルフォンス:「監視カメラに映っていたのは、手前の子飼いの女ランナーだ。言い訳を聞いてやろうか?」
アルフォンス:*証拠とばかりに、画面上に"スノウラビット"の復元画像を表示させる
トゥールビヨン:『……それはそれは』
トゥールビヨン:『彼女もとうとう、私以外から仕事を請けるようになったようですね』*笑って誤魔化そうとする
アルフォンス:「惚けるつもりか? 俺をどこまで舐めるつもりだ?」
アルフォンス:「手前の仕事場に"CHOOH2"密輸対策の調査部隊を2ダース差し向けたって構わねぇんだぜ」
アルフォンス:「随分と儲かってるみたいじゃないか。なぁ?」
トゥールビヨン:『……』
アルフォンス:「手前が吐こうが吐くまいが、この復元データがあれば俺はランナーを探せる」
アルフォンス:「俺に協力したいってフィクサーは、手前以外にも掃いて捨てる程この街にいるぜ」
アルフォンス:「どうせ《バイオテクニカ》のクズ共からの依頼だろう? どっちに着くのが賢明か、3秒で判断しろ」
トゥールビヨン:『……』
トゥールビヨン:*座標データをアルフォンスに送信する
トゥールビヨン:『これは手厳しい。大切なビジネスパートナーの居所を"誤送信"してしまいそうです』
トゥールビヨン:『彼女とは、2時間後にそのクラブで仕事の話をする予定だったのですが……』
トゥールビヨン:『急用ができてしまいましてね。私は居合わせられないかも。彼女と上手く連絡が取れると良いのですが……』*にやけた声で
アルフォンス:「ふん。情報料はいつもの口座に"誤入金"しておいてやる」
アルフォンス:「女を引っ張ってこられたら、お前も"尋問"に立ち会え。ランナーの頭をこじ開けられる人間を捜しておけよ」
GM:◆描写◆
座標を確認したアルフォンスは、エージェントを介して子飼いの部下達に命令を下す。
名目上は"CHOOH2"の密造・密輸取り締まり部隊の出動。
しかし、こういう時に彼が動かすのは正規の部隊ではない。
表向き《ペトロケム》警備部門に属するその部隊が、アルフォンスの実質的な私兵であることは社内公然の秘密である。
傭兵である彼らは、自分達のことを"従者"と称している。
"キャバリアー"のハンドルで知られる、武闘派エッジランナーの手足となって戦う者達の意味を込めて。
8. クラブ "クロック・ガーデン"
GM:◆描写◆
クラブ「クロック・ガーデン」はアッパー・マリーナの南部、コンバット・ゾーンとの境界近くに店を構えている。
PC達は入口で要件を告げ、ヌエの口添えでフロアに足を踏み入れた。
店名の通り、フロアには"赤の時代"と旧世紀に作られた大量の時計が雑多にインテリアとして並べられている。
フロア奥に進むと、半個室ブースに暗い表情の少女が座っている。
《バイオテクニカ》から"トゥールビヨン"を仲介して《ペトロケム》への妨害攻撃を依頼されたネットランナーの"スノウラビット"だ。
スノウラビット:「……」*エージェントを無心で操作している
ヌエ:「……」*クラーラやジャック達と交互にスノウラビットを見る
カグラザカ:「あまりこういう所は好きじゃないな」
クラーラ:「……なに、行かないの?」
ハリシャ:「……」*ヌエの背中を肘で押してせかす
ヌエ:「ぐ……」
ジャック:「"昔の知り合い"なんだろ?」
クラーラ:「先にこじれておいた方が話が楽でしょ」
ヌエ:「わかった、わかったよ……」*頭痛を抑えるような手付きで
ヌエ:*渋々ブースへGO!
カグラザカ:「さて、と……」*応急処置キットを取り出す
スノウラビット:「……ちょっと、このブース私が貸し切ってるんだけど」
スノウラビット:*エージェントから顔を上げずに
ヌエ:「まあ、そう言わずに」*彼女の真横に座る
スノウラビット:「何、アンタ常識無……」
スノウラビット:「……ッ!」*嫌な顔
ヌエ:「なんだい、まるで親にハイスクール時代のノートでも見られたような顔して」
スノウラビット:「変わってないね。そのサムい喩え挟む癖」
スノウラビット:「……私はまだ嫌いじゃないよ」
ヌエ:「……」
ヌエ:「飴と鞭を同時に行使してくるのも変わらないね、兎子」
サンドロ:「(思ったより会話はできるが……協力的じゃなさそうだな)」
カグラザカ:「(意外と刺されそうな雰囲気はないか……?)」
スノウラビット:「……後ろにいるのは職場の同僚? とうとう私をクラッカーとして逮捕するのかな」
ヌエ:「なに、彼らはちょっとしたビジネスパートナーさ」
クラーラ:「それとも今のインプットかもね」
クラーラ:*ヌエの左手に自分の両腕を絡める
ヌエ:「お、ちょっ、おい!」
スノウラビット:「ふーん。今はそういうのが好みなんだ」
ヌエ:「違……いや、好みであるのは否定しないけども!」
クラーラ:「何が違うの? ヌ~エ♡ ……なんて、冗談だよ」
スノウラビット:「……別に気にしてないって」*口を尖らせる
スノウラビット:「ま、立ち話もなんだし……座りなよ」*席を勧める
クラーラ:「どうも、失礼するね」
ヌエ:「もう己はどういう心境でいるのが正解かわからないよ」
ハリシャ:「ククク……いやぁ、すまんねお嬢ちゃん。せっかくだしありがたく邪魔させてもらうよ」
スノウラビット:「言っておくけど」
スノウラビット:「私はそこまで気にしてないよ」
ヌエ:*本当!? の顔になってる
カグラザカ:*治療チャンスが無さそうで残念顔
ノウラビット:「ただ、ヌエのパートナーがどうこうとかでふざけるのは気に障るかな」*クラーラにすこし険のある視線を飛ばす
クラーラ:「あは、気に障ったところでハッキングは受けない体なんだ」
スノウラビット:「は? うそ、本当にウェア無しなの?」
クラーラ:「そう。完全に自然体ってワケ」
スノウラビット:「そこの古臭い男とは別の意味で古いわ。それとも何か宗教的な制約?」
サンドロ:「今俺の悪口言ったか?」*眉間に皺を寄せながら
ハリシャ:「ただの事実だろうに」
クラーラ:「体を弄るなら一度だけって決めててね」
クラーラ:「企業を嫌ってるくせに、企業の製品に世話になり続けるなんてダサいでしょ?」
スノウラビット:「あー、そういうスタイル。……キマッてんじゃん」
スノウラビット:「それで、今日は何の用?」
スノウラビット:「見たところ、そっちの田舎者っぽいのが今組んでるランナーなんだろうけど」
スノウラビット:「人手不足? それとも私に何か訊きたいとか?」
ジャック:「そうさ、箱入りのオジョウサマ。アンタにご用事だ」
ジャック:*見世物で機嫌がいいので怒鳴らない
スノウラビット:「聞きたいことがあるなら、早くしてくれると助かるな」
スノウラビット:「あと20分もしたら、ここにフィクサーが来る。仕事の邪魔はしないでほしい」
クラーラ:「ちょうどいい、アンタがそのフィクサーに貰った仕事について話がしたいってわけ」
スノウラビット:「……トゥールビヨン絡みか。私の身に危険が及ばない範囲に限定させてもらうよ」
ハリシャ:じゃあ雑に調査資料をテーブルの上に放りましょうか
GM:OK!
サンドロ:「単刀直入すぎんだろ」
ハリシャ:「良いじゃないか。こういうのは、単刀直入に手っ取り早い方が気が楽ってもんだ」
クラーラ:「ま、諸々見せた方が"わかりやすい"」
カグラザカ:「ええ、そろそろ本題に入りましょう」
スノウラビット:「……これは?」
サンドロ:「悪いが、お前を紹介したフィクサーと《バイオテクニカ》の主任研究者との取引ログを押さえてる」
サンドロ:「"ファイアスターター"は《バイオテクニカ》がペトロケムに攻撃するために雇った実行犯、だろ?」
サンドロ:「知ってることを話してもらおう。小娘相手に手荒な真似はしたくねぇ」*精一杯の凄みを出す
スノウラビット:*視線を伏せる
スノウラビット:「取引ログ抜かれるって、何やってんのよあの男……」
スノウラビット:「まぁいいや。本題、ね」
スノウラビット:「貴方たち、要するに"ファイアスターター"を捕まえようとしてるエッジランナーでしょ?」
スノウラビット:「言っておくけど、アレは《バイオテクニカ》の雇った傭兵とかじゃないよ」
サンドロ:「……なんだと?」*サイバーグラスがずり落ちる
クラーラ:「じゃあやっぱり……」*実験の話に触れようとする
スノウラビット:*時刻表示を見る
スノウラビット:「……10分前にあいつが来ないなんて珍しい」
スノウラビット:「連絡もないし」
ジャック:「"トゥールビヨン"、か」
スノウラビット:「何かに巻き込まれた……?」
クラーラ:「"何か"……ね。巻き込まれてる側ならいいんだけど、巻き込みに来てるなら勘弁してほしいね」
ハリシャ:外の様子を伺っておきたいな
GM:おっと! PC共通で判定とさせていただこう
ハリシャ:お、判定か
GM:難易度15の《知覚》判定をどうぞ
カグラザカ:「おっと、これは……?」
ハリシャ:「なんだい、騒がしいね」
ヌエ:*それまでが嘘のようにさっと立ち上がる
ジャック:*舌打ちして入り口に出る
クラーラ:*ギターケースの留め金を弾く
サンドロ:*ブース外に出る
GM:PC達がクラブのフロア、半個室ブースの外に目を向けると……
GM:《ペトロケム》の徽章を身に着けた警備部隊が銃を構えてPC達のブースを包囲しようとしております。
クラーラ:「《ペトロケム》のタグ付けてるけど……明らかにカタギじゃないよね」
スクワイアC:「そこにいるのはトコ・イナバだな?」
スクワイアC:「貴様にはCHOOH2の密造・密輸容疑がかかっている。我々にご同行願おう」
スノウラビット:「はぁ? CHOOH2の密造?」
スノウラビット:「もうちょっとマシな口実で来てよ。付いていったら私が間抜けみたいじゃない」
スノウラビット:「……っていうか、なんで私の本名知ってるの」
ヌエ:「見るも鮮やかな尻尾切りというわけだ」
カグラザカ:「彼らにとって"そう"なっている以上、対話は不可能だな」
スノウラビット:「……! そういうこと?」*尻尾切り
スノウラビット:「約束の時間になっても来ないからおかしいな、とは思ってたんだけど」
クラーラ:「ここへ来て売られるなんて、判断の早いフィクサーだこと」
ヌエ:「だから男はやめておけって言ってるのさ」
ハリシャ:「どの口が言うんだい、どの口が」
ヌエ:*耳を塞ぐジェスチャー
スクワイアC:「抵抗する場合は拘束も辞さない」
スクワイアC:「大人しく来てもらおう。《ペトロケム》社は公平な調査を約束するぞ」*半笑いで
スノウラビット:「……ねぇ、ヌエ。昔みたいに私のこと守ってよ」
スノウラビット:「6000ebで貴方たちを雇う。私の護衛として」
ハリシャ:「異論ないね。乗った!」
カグラザカ:「腕を試すチャンスにも恵まれ、予想外の収入とは……今日は良い日だ!」
クラーラ:「いいね……ノろうか、ウサギちゃん」
ヌエ:「おいおい、それじゃあまるで……己がカネに釣られる奴みたいじゃないか」
ジャック:「そもそもカネにつられてここまで来たんだろ?」
ヌエ:「お嬢さんは皮肉がお上手で困るね!」
スノウラビット:「クルー達はこう言ってるみたいだけど、引き受けてくれる? フィクサーさん」
サンドロ:「決める前に一つ、確認しておきたいことがある」
サンドロ:*ペトロケムの警備隊に向き直る
ジャック:「……?」
サンドロ:「おい! このガキを手前らに引き渡したら、即金で7000eb以上払うか!?」*警備隊に向かって
ジャック:「……」
クラーラ:*ため息
カグラザカ:*呆れたような目線
ハリシャ:「あんたはそういうところさえ改めれば、手放しに良い奴だって言えるんだけどねぇ」
スノウラビット:「最低」
ヌエ:「彼には貸しも借りもある。己を敵に回すような真似はしないさ」
スクワイアC:「思い上がるなよ、木っ端共が」
スクワイアC:「痛い思いをしたくなければ引っ込んでいろ」
スクワイアC:「貴様らに払うリソースはCHOOH2の一滴たりとも無い。逃げなかったことを後悔させてやる」*大型サブマシンガンを構える
クラーラ:「あぁ……私、未来が見えるようになったかな」
クラーラ:「30秒後にはその言葉、後悔してるよ」
ジャック:*警備隊の発言に口角を上げ
ジャック:「いいね、分かりやすいじゃないか……この■■■どもが!」
8-1. VS! 警備部隊"スクワイア"
GM:それでは戦闘を開始しましょう! 敵戦力について解説します!
GM:まずは部隊長の「スクワイアA」
GM:続いて副部隊長のスクワイアB
GM:そして雑兵……平隊員のスクワイアC~F!
GM:スクワイアA、戦闘前の【コンバット・アウェアネス】を発動します
GM:「イニシアチブ強化」を使い、イニシアティブ判定に+4する!
GM:それじゃあイニシアティブ判定の時間だ!
GM:ではスクワイアE! 行くぞー!
スクワイアE:まずは前に2マス動いて……
スクワイアE:8m先にいるジャックにフルオート射撃だ!!
GM:スクワイアが大型サブマシンガンを連射! ジャックは手直なテーブルを蹴り倒し、小柄な身体をその陰へと滑り込ませる!
スクワイアE:残る2マスで柱の陰に移動!
クラーラ:先に手番貰っても?
ハリシャ:どうぞ~!
クラーラ:移動で距離調整して……固まってる警備隊員にショットガンで攻撃! 散弾でE,F,Bを狙う!
クラーラ:「あっは、私が一番イカしてると思わない!?」
クラーラ:*飛び出し、ダン!ダン!ダン! 3発の散弾を浴びせかける!
ハリシャ:「やっぱりノリに乗ってるね、ロッカーガール、流石だ」
ヌエ:「弾丸の雨もステージ演出みたいだ」
クラーラ:残り移動で遮蔽まで動く!
スクワイアB:「ヒューッ! イイ弾撃つじゃねぇの、お嬢ちゃん!」*被弾箇所をパタパタ叩きながら
スクワイアB:「たまに腕の立つヤツと出会えるから、この仕事は面白い」
スクワイアA:「遊びで死ぬのは許さんぞ」
スクワイアB:「わかってますって、隊長」
ハリシャ:次は私か。位置はそのままで、Cにフルオート射撃だ
ハリシャ:「じゃ、あたしも派手にぶちかまそうかねぇ!」*アサルトライフルを振り回してスクワイアCにフルオート射撃
GM:ハリシャは狙いを絞り、まだ行動していない警備員に向かってフルオート射撃を見舞う!
皮下編織を突き破り、弾丸が警備員の腹部を貫いた!
ヌエ:「音がいいじゃないか、そっちも弄ってる暇があったとはね」
ハリシャ:「腕がいいのさ、あたしのね!」
GM:お次はスクワイアAの手番!
スクワイアA:斜め後ろに移動! これでヌエとの距離は14m
ヌエ:アサルトライフルの間合いか……!
スクワイアA:アサルトライフルでフルオート射撃!
ヌエ:目を合わせ、口角を上げる
GM:ヌエは半歩踏み出し、放たれた弾幕の隙間に身体を滑り込ませた!
スクワイアA:「あの女、只者じゃないな。俺の射撃の隙を軽々と見抜きやがった」
スクワイアA:更に後方に移動する 雑兵たちを盾にする形になるな
ジャック:では手番いただきます! クラーラに続こう
ジャック:右上に移動して、固まってるB,E,Fをフレイムスロワーで焼く!
GM:範囲攻撃だ~~!!
GM:テーブルの陰に隠れていたジャックが野良猫めいた素早い動きで飛び出し、密集した警備隊員達に無骨な火炎放射器のノズルを向ける!
ジャックは素早く引き金を絞るが、点火プラグの調子が悪いのか上手く炎が出ない!
ジャック:「ちっ、このタイミングで動作不良か……!」*舌打ち
ジャック:「こっちも"暖めて"ときゃ良かったな!」
ジャック:マップ左方に引いて手番終了!
GM:では次、副隊長のスクワイアBが動く!
GM:柱を回り込み、クラーラに接近! ハンドガンの間合いだ
クラーラ:接近戦!
スクワイアB:超大型拳銃でクラーラに攻撃!
GM:副隊長のスクワイアBが、左手の超大型拳銃でクラーラに狙いを付ける! 拳銃のグリップからは直結ケーブルが伸びており、そのケーブルは彼の首筋に開いたインターフェイス・プラグへと接続されていた。
銃と脳を繋ぐスマートガン・リンクにより、彼は指よりも圧倒的に素早く正確な射撃を可能としている!
銃口がクラーラの動きを捉え、精密なタイミングで銃弾が吐き出される!
クラーラ:*柱時計の陰に飛び込み、アーマー以外への被弾を抑える!
クラーラ:「……っ!」
クラーラ:「(戦闘には支障なし……まだ余裕で踊れるな)」
スクワイアB:「おっと、こっちの弾も受け取ってくれなきゃ悲しいぜ」
スクワイアB:*肩をすくめる
クラーラ:「女神は大体抱いててね。運命と勝利には縁しかない」
スクワイアB:残りの移動、再度柱の陰に隠れて終わり!
GM:続いて雑兵のスクワイアD!
スクワイアD:ヌエとの距離を調整して……単発射撃!
ヌエ:「おっと!」*身躱し
GM:それでは、カグラさんかヌエさんのターンだ!
カグラザカ:ここは……先にヌエさんに手番回そうか
ヌエ:合点!
ヌエ:では、早めに布石を打つとしようか
GM:一体何をするつもりだ……!?
ヌエ:部隊長のスクワイアAの眼前まで移動!
ヌエ:《武術》攻撃を行いますが……更に奥義を発動!
ヌエ:スクワイアAに【骨砕き】!
ヌエ:「参る!」*部隊長に接近!
スクワイアA:「……!」
GM:ヌエは愛用の複合武器ユニット"ファンジン"を手にする。
それはハリシャが大型サブマシンガンと近接攻撃用のカタナ・ブレードを組み合わせて作った、ヌエ専用の武装である。
GM:一瞬で距離を詰めたヌエが、手にしたカタナを居合の如く閃かせる。
部隊長のスクワイアAが、咄嗟に繰り出された刃をライフルで防ぐ!
スクワイアA:「くっ……!」
ヌエ:「(ここだ……!)」
GM:カタナを押し込んだヌエは、相手の抵抗に併せて両手を一気に内側へと引き込む! 格闘戦における緻密な重心操作が、スクワイアAの体勢を大きく崩す!
その瞬間、ヌエの強化移植筋肉とリニアフレームが強烈な横蹴りを放った!
突き込まれた爪先が、強固な防具で護られた警備員の肋骨を割り砕く!
スクワイアA:「がふっ……!?」
ヌエ:「己の武装のラインナップは、精々警邏レベルだ」
ヌエ:「だからこそ、一番頼れる武器は"常に"手元に置くことにしている」
スクワイアA:「(今の蹴り、重すぎる! ……ボーグウェアか!)」
ヌエ:「さて、アンタはどう足掻く?」
スクワイアA:「上等ォ!」*銃身の歪んだアサルトライフルを投げ捨てる
ヌエ:4m後方に跳躍して距離を取る。手番〆だ!
GM:それじゃあカグラのターン!
カグラザカ:雑魚狙いで散弾ですね!!
カグラザカ:スクワイアD,E,Fを対象に散弾攻撃!
GM:それではサンドロの手番!
ハリシャ:サンドロの武装は大型サブマシンガンに大型拳銃か……
サンドロ:右方向に3マス移動、スクワイアDとの距離を6mに調整してハンドガンの最適射程に捉える!
サンドロ:大型拳銃で攻撃だ!
サンドロ:「お前らの防具は皮膚編織か。嵩張らなくて便利だが、連続した衝撃には弱い商品だな」*大型拳銃で狙いを付け
サンドロ:「穴が開くまで撃ち込んでやるよ!」*素早く拳銃を2連射!
カグラザカ:「驚いた、戦闘も出来たのか」
ハリシャ:「ほんと、なんでもそつなく熟すねぇ……」
ヌエ:「型に拘る割に、あれで堅実な男なんだよね」*柱に背を預けながら
サンドロ:「お前らみたいな鉄火場潜りと一緒にすんな! オマケだと思っといてくれ!」
スクワイアF:では動きます!
スクワイアF:移動してクラーラさんと距離調整! 大型サブマシンガンのフルオートで難易度17だ!
GM:放たれた銃弾の雨の中に、クラーラの身体が踊る!
銃弾に対して投影面積を少なくする舞踏めいた挙動が、その被害を最小限に抑えている!
クラーラ:「は、周りを見てよく使うこと、これが女神の抱き方だよ」
スクワイアF:素早く遮蔽に隠れて〆!
スクワイアC:既に重傷のスクワイアC! 移動して距離8mからサンドロに単発射撃!
サンドロ:「ア"ーーッ!!!!」*悲鳴
クラーラ:「うるさい」
ヌエ:「(あれだけ大声が出せるなら無事だね)」
ハリシャ:「大げさだねぇ! ちゃんと着込んできてるんだろう!」
ジャック:「それだけ騒げりゃ元気だろ」*呆れ顔
サンドロ:「当たり所が悪かったら死ぬだろうが!!」
カグラザカ:「はい!はい!僕の出番だね!!」
サンドロ:「これくらいなんともないぜ」*キリッ
GM:第一ラウンド、脱落者はなし。
GM:良い感じに敵側にダメージが入ってて、PC有利の戦況だ!
GM:それでは第二ラウンド!
GM:再びスクワイアEの手番!
スクワイアE:3マス動いて、カグラ先生にフルオート射撃!
GM:警備兵の放った銃弾がカグラザカの白衣に穴を開け、内側から赤い血が染み出してくる!
無数の銃弾がアーマージャックを貫通し、カグラザカの身体を貫く!
カグラザカ:「おっと、これは結構まずい当たり方だ」
カグラザカ:「(さて、どう直そうか……)」*たまらず柱に寄り掛かる
ハリシャ:「うお、先生マジかい……何も自分が怪我人になる事はないだろうに」
ヌエ:「あれは酷いな、クリーニングじゃ済まないぞ」*白衣
カグラザカ:「き、君達......患者と医者の関係にしては冷たいなあ」
カグラザカ:「特にヌエ君」
ジャック:「くたばらないように下がってろ、ドク」
クラーラ:では手番貰って! 2マス移動してスクワイアBの目の前に移動!
クラーラ:ショットガンで攻撃!
クラーラ:「ぁ……っはっ! そろそろソイツも綻んできてるね」
スクワイアB:「……ッ! 勝負はまだまだこれから、だろ?」
スクワイアB*拳銃をクラーラに向けながら
ハリシャ:では次いきます!
ハリシャ:スクワイアCに対し、アサルトライフルの最適射程となるよう移動……そして単発射撃だ!
GM:重傷を負った警備員にハリシャがライフル射撃!
ハリシャ:「さて……撃ち漏らしだ、とっととくたばりな!」
クラーラ:「いい腕してるじゃん!」
GM:それではスクワイアA!
スクワイアA:懐から出てきたのは超大型拳銃、そしてクロームの腕に握られる大型の折り畳みナイフだ
スクワイアA:更に……ヌエの眼前まで4m移動!
ヌエ:馬鹿な……拳銃なら動かず使えるのに!
GM:ヌエのHPとSPを考えれば、大したダメージにならないからな……
スクワイアA:近接武器で攻撃だ!
GM:大型ナイフを展開した部隊長はヌエに接敵! 折れた肋骨に肺を抉られながら部隊長が連続攻撃を繰り出すが、ヌエは的確にカタナと体捌きで攻撃を凌いでいく!
スクワイアA:「うおおおッ!」*ナイフ刺突!
ヌエ:「度胸は買うけれど、それは無謀というやつだ……ね!」
ヌエ:*受け止めを挟みつつ、するりと躱す!
スクワイアA:「ゴホッ!」*吐血!
ヌエ:「そうら、無茶が響いてきただろう」
スクワイアA:「けっ、そういう台詞は相手の息の根を止めてから吐くもんだぜ!」*虚勢を張って見せる
GM:次はジャックの手番!
ジャック:スクワイアCはサンドロに任せていい?
GM:いいよ!
ジャック:OK! ではスクワイアEとFにフレイムスロワーで攻撃!
GM:ジャックが再び火炎放射器を構える。放たれた横薙ぎの炎が、警備員達の装備を焦がす!
ジャック:「(ダメだ、掛かりが浅い……!)」
ヌエ:「どうも、お嬢さんの調理器具が温まってきたらしい」
GM:ではスクワイアB! これはいよいよクラーラさんとタイマンだな
スクワイアB:クラーラの眼前まで移動し、超大型拳銃でクラーラに攻撃!
スクワイアB:「受け方が巧いな、お嬢ちゃん……。正面からちゃんと当ててれば、余裕で抜けるはずなんだけどな?」*冷や汗
クラーラ:「どう避けるか、どう受けるか……そんなもの、その場で考えれば簡単だよ」
クラーラ:「さ、一緒に踊ってもらおうか?」
スクワイアB:「良いね。どっちかが倒れるまで踊ろうか!」
スクワイアB:一歩下がり、ステージへと飛び乗る!
スクワイアB:クラーラへと挑発的に拳銃を向け、手番〆!
GM:次、スクワイアB!
スクワイアD:ここは…… 部隊長の援護だ!
スクワイアD:ヌエにフルオート射撃!
スクワイアD:「うおおおおおッ!」
ヌエ:「そんな震えた手で持つ銃が当たるものか!」*跳躍回避!
ヌエ:では手番もらいます。ここはEを削りにいく!
ヌエ:1マス移動し、Eへ《武術》攻撃2回!
ヌエ:さっとスクワイアEの後ろに回り、連続攻撃!
GM:ヌエが一瞬で警備兵の背後を取る!
不意打ち気味に放った一撃が警備兵を突き飛ばすが、着地した瞬間警備兵は前方に転がり受け身を取ると同時に牽制射撃でヌエの攻撃を止めた!
ヌエ:「!」思わず笑顔を作る
スクワイアE:「……ッ!」*肩で息をしながら
ヌエ:残る移動でドクターの前まで動いて〆!
GM:次、ドクターの手番!
カグラザカ:CとEに散弾ブッパして逃げます!
カグラザカ:「やれやれ、医者には少々厳しい環境だ」
カグラザカ:「失礼する……よッ!」*散弾をぶっ放す!
ヌエ:「ドクター、無理はしない方がいい。下が──」
ハリシャ:「ハッ、無茶するねぇドク。だがやる男だ」
ヌエ:「ははっ、流石!」
サンドロ:「ったく、無茶しやがるぜ」
GM:カグラザカの放った散弾が回避の鈍った警備兵たちに襲い掛かる!
見えない大きな腕に薙ぎ払われたかのように、散弾を受けた警備兵達は倒れた!
カグラザカ:「(興奮剤を打っておいて助かった。普通なら動けなくなるところだ)」
カグラザカ:*射撃の反動に顔を歪ませながらサンドロの近くの遮蔽まで下がります
GM:では続いてサンドロ
サンドロ:3マス移動でスクワイアDをハンドガンの射程に収める!
サンドロ:大型拳銃で射撃!
サンドロ:「オラオラァ! そろそろ限界じゃねぇのか!?」
サンドロ:*拳銃を放つ!
ヌエ:「やるじゃないかドミー!」
サンドロ:「この調子なら無理やり押し通れそうだ!」
GM:ではスクワイアFとC!
スクワイアF:少し引いてクラーラにフルオート射撃!
GM:第二ラウンド終了! PCはカグラザカが重傷を負ったものの興奮剤の効果で判定には支障なし。それ以外の損害はない、ですね。
GM:クラーラ、結構撃たれてるんだけど全部SPの範疇なのがえらい。
クラーラ:真に強い奴は喰らい方もうまいのさ!
GM:それじゃあ第三ラウンド開始~!
クラーラ:スクワイアBにあんな挑発されちゃ、やらない訳にはいかないでしょ
クラーラ:スクワイアBが立ってるステージとは別のステージに飛びあがる。お互いの距離は14m……アサルトライフルの間合いだ!
クラーラ:フルオート射撃!
クラーラ:「ハ、いい勝負だけど……」
クラーラ:「そろそろ私のファンになってもらおうかな!」
クラーラ:飛び退く形でステージの上へ。アサルトライフルを構えニヤリと笑い、弾丸の雨を浴びせかける!
スクワイアB:「が、は……ッ!」
スクワイアB:「ニューラルリンクも繋がずに、その精度の射撃……!」
クラーラ:「そういうこと……悪いね」
クラーラ:「輝く流星とは私の事だよ!」
クラーラ:2マス移動して遮蔽を得る!
ハリシャ:では私だな。移動してスクワイアFに射線を通す。
ハリシャ:距離16mでフルオート射撃だ!
ハリシャ:「残りかすだが……食らいなっ!」*フルオート射撃!
ハリシャ:元の遮蔽に戻って〆で!
GM:OK! では部隊長のスクワイアA
GM:なりふり構わずヌエに切り込んでいく!
GM:ヌエの眼前まで移動し、近接武器攻撃だ!
スクワイアA:「うおおおッ!!」
ヌエ:「ぐっ!」
GM:部隊長のナイフが、ヌエの纏ったテックスーツを切り裂く!
裂けたスーツの隙間からヌエの白い肌が露出し、切り傷から僅かに血が滲み出てきた。
ヌエ:「いいね……戦士の意地、この身で受け取った!」
ヌエ:「勝負はこれからだ、もっとハイになろう!」
スクワイアA:「奇遇だな……俺も同じことを考えてたぜ」*ナイフを構える
GM:スクワイアA、重傷効果でHPに5点ダメージ!
GM:ではジャックの手番をどうぞ!
ジャック:右上に2マス移動して、Dを至近から撃ちます!
ジャック:一発で落とせたのはでかいな……。
ジャック:もう一発はスクワイアBを撃つ!
GM:続いてスクワイアB! ここまで来たらクラーラに行くしかねぇだろ!
クラーラ:来な……
スクワイアB:1マス移動して距離調整 超大型拳銃でクラーラに攻撃!
スクワイアB:「(……なん、だと?)」
スクワイアB:「(さっきの銃撃で、スマートガン・リンクのケーブルが切れた? この娘、まさか狙って……!?)」
クラーラ:「……もうまともに動けないでしょ、アンタ」
スクワイアB:*右膝を突き、拳銃から切れたケーブルを引き抜く
スクワイアB:「……ダンスバトルは俺の負けみたいだ。好きにしな」
スクワイアB:*拳銃を捨て、その場に胡坐をかく
GM:戦闘不能になったスクワイアDの手番はスキップ 次はヌエのターン!
ヌエ:部隊長に再び攻撃を仕掛けよう! 《武術》攻撃2連だ!
ヌエ:「はあっ!!」*ナイフによる防御を上回る攻撃!
スクワイアA:「ぐおおおおっ!!」
ヌエ:「ドクター!」*距離を取って叫ぶ!
カグラザカ:手番もらいます!
カグラザカ:「(乱戦を想定した2発は散弾、残りの2発は一粒弾……ここで叩き込む)」
カグラザカ:スクワイアAにショットガンで攻撃!
カグラザカ:「だから……こっちは胴に穴が開いているんだが!」
カグラザカ:*遮蔽から身を乗り出し、最後の一発を叩き込む!
ヌエ:「アンタは最初、前列の奴らを盾にしてたよね」
ヌエ:「アレはいただけなかったな!」
GM:カグラザカは呼吸を整え、ショットガンを構える。
序盤は複数人を相手取るために散弾カートリッジを装填していたが、残りの2発は単発火力用スラッグ弾だ。
部隊長の身体を大口径弾が揺らし、昏倒させる!
スクワイアA:「バカな……お前達、何者だ……!」*がくり
カグラザカ:「医者とその患者達、だ……」
カグラザカ:*遮蔽まで移動し、壁に背を預ける
ヌエ:「傷が開くから黙ってなって!」
サンドロ:最後はサンドロの手番!
サンドロ:フルオート射撃チャレンジして終わっとくか
サンドロ:大型サブマシンガンを構えスクワイアFにフルオート射撃!
クラーラ:「近い将来のスターだよ」
ヌエ:「さしずめヤブ医者とその患者かね」
カグラザカ:「名医だが!?」*遮蔽から叫ぶ
サンドロ:「そういうことだ」
サンドロ:「《ペトロケム》の責任者にしっかり伝えとけよォ!」
サンドロ:*大型サブマシンガンからフルオート射撃!
スクワイアF:「ぐ……!」*なんとか踏みとどまるが、ダメージを負う
GM:そろそろ時間だし、戦闘終了としましょう!
クラーラ:お疲れ様です~!
カグラザカ:お疲れ様です!
9. ネットランナー、"SnowRabbit"
GM:では、《ペトロケム》警備部門に所属する傭兵たち"スクワイア"を退けたPC達。何名かは意識がありますが、既に戦闘継続の意思はないようです。
スクワイアB:「……大勢は決した、か。やられたね」
スクワイアB:「こっからじゃ巻き返せねぇ。止めだ止め」*Fに
スクワイアB:「"キャバリアー"の旦那は怒るだろうけど、こりゃミッション失敗だ。死にたくなきゃ武器を捨てな」
クラーラ:「ハ……賢明な判断だね。助かるよ」
クラーラ:スクワイアBに【カリズマティック・インパクト】を試しても良いですか?
GM:そうだな……。では達成値8以上でスクワイアBはクラーラさんのことを好意的に覚えることとしましょう。
クラーラ:よーし!
スクワイアB:「お嬢ちゃん、俺この後クビになるかもしれないんだ。もしそうなったら、仕事でも紹介してくれよ」*エージェントのIDを送信する
クラーラ:「腕の立つガンスリンガーが必要な時は、声をかけるかもね」
スクワイアB:「もうじき、正規の《ペトロケム》警備部隊が来るぜ。人数だけは居るボンクラ共だ。アンタ達もさっさと退いた方が良い」
スクワイアB*PC達に呼びかけ、重傷のスクワイアAを担ぐ
ハリシャ:「ま、一難去ったってとこかね」
ジャック:「ドクター、腹に開いた穴は大丈夫か?」
カグラザカ:「興奮剤のおかげでまだ動けています」
カグラザカ:*難儀そうに止血処置を行う
ヌエ:「ドミー、車を回してきてくれ」
ヌエ:*カグラザカを担ぎ上げる
サンドロ:「俺を運転手代わりにするとは偉くなったもんだぜ」
サンドロ:*キーを取り出して向かう
GM:◆描写◆
リトル・チャイナにある"ドミノテイカー"の事務所。
古びた合成革張りのソファに、ボディウエイト・スーツを着た少女――ネットランナーの"スノウラビット"が座っている。
PC達はクラブ「クロック・ガーデン」での戦闘後、《ペトロケム》からの増援が来る前に路地裏に抜け出し事務所へと帰ってきた。
スノウラビットはエージェントを操作し、PC達の口座に素早く指定の金額を振り込む。
スノウラビット:「……はい、振込完了っと」*ポチ
ヌエ:「やあ、己は別になくたってよかったけどね? 報酬」
クラーラ:「ま、結んだ以上は貰っておくものでしょ、こういうのは」
クラーラ:「貸し借りにし続けるのもイヤじゃない?」
スノウラビット:「これで私たちの雇用関係は清算されたって訳。短い付き合いだったね」
スノウラビット:「じゃ、私帰って良いかな。信頼してたフィクサーに裏切られてるっぽくてすごく傷心中なんだ」
サンドロ:「良い訳ねぇだろアホ」
ハリシャ:「おっと、本題がまだ済んでないよ」
サンドロ:「喋ってもらうからな。手前と《バイオテクニカ》の関係を」
ジャック:「クソ野郎の尻尾を一から探すのは面倒だ」*睨み付ける
ジャック:「知ってることを吐け」
スノウラビット:「……」
スノウラビット:「聞いたら後戻りできなくなるよ……って遅いか」
スノウラビット:「もう売っちゃったもんね。喧嘩」
クラーラ:「それはもう、思いきり。中々刺激的なセッションだった」
ハリシャ:「そうさ、頭の先までどっぷり突っ込んじまってるんだ。今更何言われたって引けないよ」
カグラザカ:「少し刺激的過ぎた気もするけどね」*傷口を観察しながら
スノウラビット:「一応これって、《ペトロケム》社に放火して回ってる犯人を捕まえて一攫千金……みたいな話じゃないからさ」
スノウラビット:「報酬については、正直出るかどうか怪しいよ」
ジャック:「馬鹿正直に放火魔を突き出しても、最悪その場で一緒に口封じ……ってことか?」
スノウラビット:「そういうこと」
スノウラビット:「できれば、あいつらも内密に処理したいんだよ。あの放火犯を」
クラーラ:「はぁ……まったく、込み入って来たな」*ソファに背を預ける
ヌエ:「これをちゃんとした"仕事"にするには、上手く報酬を引っ張れるように立ち回る必要がある……ということだね」
ハリシャ:「犯人捕まえて金貰って終わり……とは思ってなかったけどさ」
カグラザカ:「まあ、そういう話は上手くやるだろう?」
カグラザカ:*サンドロを見ながら
サンドロ:「まぁ、状況次第ではあるが……ベストは尽くすさ」
スノウラビット:「OK。じゃあ私が出せる情報について簡単に話すね」
スノウラビット:「放火犯は《バイオテクニカ》が作ろうとしてる新しい生体義肢技術の被検体なんだけど、監視を抜け出して今行方不明なんだ」
ジャック:「確かにあの脚力は……異常だったな」
クラーラ:「監視してたのはアンタでしょ?」
スノウラビット:「まぁね。最初は《ペトロケム》のセキュリティにバックドア作れって仕事を請けてたんだけど……途中から追加で依頼されてね」
スノウラビット:「監視用のデバイス組み込む前に、結局逃げられちゃった」*肩をすくめる
スノウラビット:「元々、サイバーサイコ発症寸前みたいな感じだったし。首輪なんて最初から付けられてなかったんだよ」*責任転嫁
ヌエ:「ラザロ・ルカーニアの日記には"全身に火傷を負った重傷者"とあった。放火事件の被害者の一人かと思っていたのだが?」
スノウラビット:「彼は……"ファイアスターター"は、言うなれば一連の事件の"二件目以降の犯人"ってとこかな」
ハリシャ:「ん? 二件目以降?」
ジャック:「なら、一件目は誰の仕業なんだ」
スノウラビット:「さぁ。普通に《ペトロケム》の社屋で起きた事故火災なんじゃないかな」
ヌエ:「一件目から放火とは限らない……か」
スノウラビット:「そ。偶然そこに巻き込まれた人間が黒焦げになって、それを"トゥールビヨン"が拾って《バイオテクニカ》のラザロに実験台として安く売った……って私は認識してる」
カグラザカ:「ラザロにバイオニクスウェアとやらを移植された検体は一命を取り留めたが……義体化精神症を発症してスノウラビットくんの監視を抜け出し、目下逃亡中ということか」
ヌエ:「なるほどね」
カグラザカ:「(バイオニクスウェアとやらの技術……余計な身体拡張機能に拘らなければ、更に多くの人を救えるだろうに)」
カグラザカ:*珍しく不機嫌
ジャック:「ふむ……ミイラ取りがミイラに、か」*自分が火炎放射器を持ち歩いていることは棚に上げつつ
スノウラビット:「私としても困ってたんだ。今はあの放火犯を早く見つけないと殺されかねないなって……いや、同じくらいマズい状況だけどね」
ハリシャ:「……」*思案顔
サンドロ:「……?」
スノウラビット:「私も一枚噛ませてよ。”ファイアスターター捕獲作戦”に」
スノウラビット:「ラザロの研究内容とか、少しだけなら知ってるよ。尻尾切りされたんだから、今さら守秘義務も何もないでしょ」
サンドロ:「俺としては構わないが……」*お前らは良いのか? とPC達に
クラーラ:「良いって……ああ、報酬?」
クラーラ:「報酬だけにこだわってたら早死にするでしょ」
ジャック:「だとしても、金を引っ張ってくるアテはあるのか?」
ジャック:「最初の話からは大分状況が変わってきそうだが」
サンドロ:「スノウラビットの話から推定するに、これは《バイオテクニカ》の不祥事であり大きな弱みだ」
スノウラビット:「トコ、それかイナバでいいよ」*本名
サンドロ:「考えておく」
サンドロ:「連中としても、真正面から《ペトロケム》に喧嘩を売る格好になるのは嫌だろう。何としてでもファイアスターターと自社の繋がりを消したいと思ってるはずだ」
サンドロ:「その放火魔を捕まえて、《バイオテクニカ》に売るってのは金を引っ張ってくる手段として十分アリだろ」
サンドロ:「報酬なんて幾らでも"交渉"できるぜ」
ヌエ:「ひとつ条件をつけてもいいかな、兎子」
スノウラビット:「言っとくけど昔の関係には戻らないからね」*念押し
ヌエ:「う"っ」
ヌエ:「そ、そんな話じゃないとも」
スノウラビット:「ふうん。何?」
ヌエ:「この一件が片付くまでは身柄をウチに預けてほしい」
ヌエ:「己が上に口添えするから従業員待遇だし、危険も少なくできる」
ヌエ:「どうかな、悪い話じゃないと思うけど」
スノウラビット:「……なんだ、一時逮捕と"設備の不具合による一時抑留"処理で軟禁されるのかと思ってた」
スノウラビット:「そしたら"取り調べ室"に入れられちゃうし、"乱暴な尋問"も拒否できないからさ」
クラーラ:*揶揄うように口笛を吹く
ヌエ:「そんな意地の悪い関係でもない……だろう? なあ」
スノウラビット:「待遇はヌエに一任するよ。今のところ私にとって安全なのはそこしかなさそうだしね」
ヌエ:「そ、そうか、よし。じゃあ決まりだね」
スノウラビット:「とりあえず、暫くはよろしくね」
スノウラビット:*指を二本立てる
ヌエ:*思わず顔をほころばせる
ヌエ:なんだかんだ未練があるのは同じだ
クラーラ:「……初心な乙女じゃないんだからさ」
クラーラ:*呆れたように肩をすくめる
ヌエ:「では、ちょっと手続きに行ってくる。トコも同行して」
スノウラビット:「はーい。また進展があったら連絡するね」
スノウラビット:*ひらひらと手を振り、ヌエと事務所を後にする
サンドロ:「節操ねぇなぁ、アイツも」*煙草に火を点ける
カグラザカ:「刺される心配は当分なさそうですね。残念です」
ジャック:「しばらく自前の傷口で我慢するんだな、ドク」
ハリシャ:「なぁ、フィクサー」
サンドロ:「どうした、ハリシャ? 途中から考え込んでたが」
ハリシャ:「幾つか気になる点があってね。丁度ヌエも出ていったから、共有しておくが」
ジャック:「……?」
ハリシャ:「結論から言うと、トコは嘘をついている……気がする」
サンドロ:「どういうことだ……?」
ハリシャ:「今の話だと、トコと《バイオテクニカ》は"ファイアスターター"の居所も足取りも把握できていないって口ぶりだった」
カグラザカ:「まぁ、現にああしてトコくんの許に《ペトロケム》社の刺客が現れてるじゃないか」
カグラザカ:「彼女の言うように、監視対象を見失ったために懇意だったはずのフィクサーに見限られたのでは?」
ハリシャ:「その割には、"ファイアスターター"の動きには明らかに作為的なものを感じるね。裏に誰か付いてるっていうか……」
ハリシャ:「監視から外れたサイバーサイコが、律儀に《ペトロケム》に関連する施設だけ狙って燃やすかね?」
クラーラ:「……まぁ、言われてみると少し妙かも」
ハリシャ:「次に……何故"ファイアスターター"の足取りを《ペトロケム》やナイトシティ中のエッジランナーが掴めてないか、覚えてるかい?」
ジャック:「セキュリティシステムへのハッキングで、監視カメラや警備システムの類がダウンした状態で犯行を行うから、だな」
ハリシャ:「大火傷を負ってやっと一命を取り留めたサイバーサイコがそこまで周到に立ち回ってる……ってのも違和感があるね」
ジャック:「……たしかに、おかしいな」
ハリシャ:「要するに、だ。"ファイアスターター"がコントロール下に無いって話が疑わしい程度には、今の状況は《バイオテクニカ》に都合が良すぎると思うのさ」
ハリシャ:「少なくとも、スノウラビットとファイアスターターは証言以上に近い。何なら、一緒に行動してたんじゃないかと思ってる」
サンドロ:「なんだと?」
ハリシャ:「まぁ、流石にそこまでは勘の域を出ないけどね」
サンドロ:「……まぁ、話自体の筋は通ってるな。だが、何のためにその……スノウラビットが嘘をつく?」
ハリシャ:「さてね。それはアンタの仕事だろ」
クラーラ:「とりあえず、状況が動くまで少し様子見かなー」
ジャック:「《バイオテクニカ》から、何か動きがあるかもしれないしな」
サンドロ:「……わかった。関連する情報を集めておく」
サンドロ:「とりあえず、今日のところはこの辺で解散だ」
サンドロ:「目途が立ち次第、また連絡する。背中に気を付けて帰れよ」
第一話のまとめ
ナイトシティを騒がせる放火犯"ファイアスターター"。
その正体は、《ペトロケム》社で起きた火災に巻き込まれた人物だった。
詳細不明ながらも火災現場から回収されたその人物は、フィクサー"トゥールビヨン"の手によって《バイオテクニカ》の主任研究者ラザロ・ルカーニアの元へと運ばれ、彼の手によって"バイオニクスウェア"の移植被検体となった。
《ペトロケム》への破壊工作を依頼されたネットランナー"スノウラビット"は被検体の監視を依頼されるが、その甲斐なく検体を見失ってしまう。
かくして、街に解き放たれた被検体はその強靭な身体能力と壊れかけの精神で放火を続けているというのだ。
ハリシャは"スノウラビット"ことトコの発言に僅かな引っ掛かりを覚えるが、未だ確証はない。
《ペトロケム》と《バイオテクニカ》、二つの企業が追う放火犯に、PC達は辿り着けるのだろうか?