ソードワールド2.5リプレイ 《風の廻り道》キャンペーン 第三話「猛き国の辺境伯子」前編
はじめに
この記事は2022/2/20に行われた「ソードワールド2.5(グループSNEのTRPG)」のセッションログを再編集したリプレイです。
読みやすくするため、実際のセッションログを少しだけ脚色したり、発言順序を整理したりしています。
前回はこちら。
本作は、「グループSNE」及び「株式会社KADOKAWA」が権利を有する『ソード・ワールド2.0/2.5』の、二次創作です。
(C)GroupSNE
(C)KADOKAWA
絵:影山とらこさん
0. あらすじ
アルフレイム大陸北西部、ドーデン地方。
《キングスレイ鉄鋼共和国》の首都《キングスフォール》にて新たに旗揚げされた冒険者ギルド《風の廻り道》は、“鉄道路を活かした長距離移動を伴う依頼”にフォーカスして作られた珍しい支部である。
酒好きの神官リゼル、復讐を誓う女戦士パローロ、陽気なナイトメア娘のヒルデ、英雄を目指す少女剣士のリラ、偏屈な銃士の青年アレックスは偶然同じ日にギルドの門を叩き、《風の廻り道》最初の冒険者として登録された。
パーティを組んだ5人は幾つかの依頼をこなし、現在は共和国第三都市《ヒスダリア》の冒険者ギルド《大鉄橋の守衛》亭に滞在している。
1. 導入
GM:◆描写◆
12月10日、アルフレイム大陸北西部、ドーデン地方。
PC達が滞在しているのは地方西部に広がる《キングスレイ鉄鋼共和国》、《アルショニ島》との大鉄橋に面した第三都市《グランティン》。
《グランティン》は石造りの壁に囲まれた城塞都市で、街は中央部に向かって高台になっている。
現在PC達が滞在している《大鉄橋の守衛》亭は《アルショニ島》へと繋がる《グランティン大鉄橋》を一望できる街の北西側にあった。
GM:それでは、前話から半月後……PC達はそれぞれ日雇いの仕事をこなしながら日銭を稼いでいましたが、今日は珍しく揃っています。
アレックス:「んんー……」*マギスフィアを拭いてる
絵:影山とらこさん
パローロ:「……」
パローロ:*眉根に皺を寄せ、マテリアルカードを生成
絵:鍵狐さん
リゼル:「黙りこくって、どうかしたかい? パローロ」
リゼル:「嫌なことがあったなら相談に乗ろう」
リゼル:「……何、初回は無料だとも」
絵:HAMさん
パローロ:「そう言われて高い店に連れて行かれたこと、忘れてない」
リゼル:「楽しかっただろう?」
パローロ:「……それは、否定しない」*思い出し尻尾振り
リゼル:「君は口実でも用意しない限り、どうにも安酒で済ませるタイプに思えたからね」
リゼル:「何事も体験だ。良い切欠になったと自負しているよ」
パローロ:「むぅ……」
リラ:「ただいま戻りましたッ!」*ギルドの扉を開ける
絵:カシア様@Cassia_1fall5(SKIMAにて依頼)
リゼル:「次は君も来るといい、アレックス」
リゼル:「知らない世界を教えてあげよう」
アレックス:「お、そりゃありがたいや。最近はどうも刺激がなくてさ」
リゼル:「や、おかえり。リラ」
アレックス:「おうおう、早速やかましいのが入ってきやがった」
リラ:「聞こえてましたよ! 私! 私も行きたいです!」
アレックス:「英雄サマには縁のない話だよ、はは!」
リラ:「どういうことですか??」*首を傾げる
ヒルデ:「……」*メモを見ながらふら~と入ってくる
絵:松本えひめさん
ヒルデ:「で、これが……」*ぶつぶつ……
ヒルデ:「マナの制御が……うむむ……」*ぶつぶつ……
アレックス:「なんだコイツ、神妙な顔しやがって気味悪ィ」
リラ:「ヒルデさんにしては珍しいですね。どうしたのでしょうか?」
ヒルデ:「んでっ!」*壁に激突
アレックス:「本格的にやべえな、悪いもんでも食ったのか?」
リゼル:「そういえば、先日魔法の手解きを受けているのを見たが……」
リゼル:*とりあえず助け起こそう 必要ならフレーバー的に回復もするが
ヒルデ:そこまでの激突じゃないから大丈夫!
ヒルデ:「いたた……なんだ、みんな揃ってるじゃん」*気付く
アレックス:「どこ見て歩いてんだ」*壁に角の跡が付いてないか確認
リゼル:「上の空だったね。何か悩み事でも?」
ヒルデ:「あはは……いやね、これ」*羊皮紙の束を取り出す
リラ:「これは……操霊魔法の書籍ですか?」
ヒルデ:「ギルドに出入りしてる魔法使いから、初歩の部分だけ譲ってもらったんだ」
アレックス:「操霊魔術ゥ!? お前が!?」
ヒルデ:「勉強って楽しいね~!」
パローロ:「新しいことは、楽しい。勤勉だね」*腕組んで頷き
リラ:「魔法は良いですね。戦いにおける手札が増えますから」
ヒルデ:「ま、実戦では成功してないんだけどね」*苦笑
パローロ:「それは実践あるのみ。トライ&エラー」
リゼル:「そうだね。何、コツを掴めばすぐだとも」
ヒルデ:「まだしばらくは勉強と特訓だな~」*背筋を伸ばす
GM:ではでは、PC達が近況について話していると……
ギルドの職員がPC達宛の手紙を持ってきてくれます
GM:差出人は《風の廻り道》亭支部長のコディエナです。
ギルドの紋章が封蝋に押されています。
リゼル:「おや、我らが支部長から手紙とは」
リラ:「紋付の封蝋……只事ではありませんね」
パローロ:「……」*そそくさと後ろから覗きに行く
ヒルデ:「新しい仕事とか?」
アレックス:「美味い話か面倒な話か、もしくはその両方と見た」
リゼル:内容どんなのかしらね
GM:OK! 内容を記述しましょう
リゼル:「グランティンからマグノアか……これはまた、ちょっとした旅行ほどの距離だね」
パローロ:「依頼の詳細は?」*続きを促す
ヒルデ:「……おぉ~?」
パローロ:「護衛任務……?」
リゼル:「どうやらそのようだ」
アレックス:「ほ~ん。ただ付いてりゃ良いってなら楽なもんじゃねぇか」
リラ:「貴族の護衛! それは大役ですね」
リゼル:「ふむ……いいじゃないか。前人未到の遺跡に踏み込んで、あるかどうかもわからない宝物を持ち帰れ、なんて仕事より」
リゼル:「車窓を眺めて貴族様のご機嫌を伺えば4000G! ……なんて仕事の方が、性にあっているな」
リラ:「報酬が殆ど確約されていますからね。非常に良い仕事だと思います……少なくとも、書類上は」
パローロ:「……そんなに、簡単にいくかな?」*リゼルに目を向ける
リゼル:「まぁ、気になる点はあるとも。成人間際とはいえ、どうして若干14歳の少年が冒険者を雇ってまでマグノアに向かうのか……」
ヒルデ:「貴族サマの道楽旅……ってわけじゃなさそうだよね?」
リゼル:「宿屋ではなく領事館だ。私的な用とは考えにくい」
リゼル:「少なくとも、護衛させるだけの理由があるということだろう。その子自身にか、役目にかはわからないがね」
リゼル:「まぁ、楽であれと願うのは悪いことではないはずだ。わが神も平穏を好まれる」
ヒルデ:「あたしは戦いの方が好きだな。分かりやすいし、気持ちいい」
ヒルデ:「戦い甲斐のある護衛だといいけど」*仕事には乗る
アレックス:「貴族サマには貴族サマなりの考えってやつがあるんだろ?」
アレックス:「俺は乗ったぜ、この仕事!」
パローロ:「ふむ……まぁ、そうだね。簡単にいくなら、それに越したことはない」
パローロ:「当然私も乗る」
リラ:「無論、来た依頼は全て受けます!」
GM:OK~! それでは、PC達は出発の準備を済ませて世話になった人にお礼を告げますね。翌日のチャプターからスタートしましょう。
2. 依頼人、ルルセット=クライル
GM:それでは翌日、PC達は《グランティン》駅に移動、依頼人と合流するため待合室で待機する
GM:◆描写◆
12月11日、PC達は手紙に記されていた通り《グランティン》駅の待合室へと向かう。
《グランティン》駅は街の南方にある石造りの建物で、主に《キングスフォール》方面から来た列車の受け入れと車両のメンテナンスを行っている。
《グランティン大鉄橋》を渡る列車は同じ建物内にある別のホームに乗り入れる形になっており、待合室は幾つもの椅子とテーブルが並ぶ広い部屋になっていた。
PC達が暫く待っていると、数人のリカントが待合室に姿を現す。
腰に細剣を帯びた貴族の護衛らしき出で立ちの女性達に付き添われ、おずおずとPC達のテーブルに近づいてきたのはまだ成人前と思われる少年だった。
絵:シロクニさん
ルルセット:「うぅ……」*PC達を見て
ルルセット:「お、おほん……貴公らが、冒険者ギルド《風の廻り道》亭の者か?」*精一杯威厳を出そうとしている
リゼル:「いかにも、その通りです」
リゼル:「ではあなたが依頼書にあったクライル家の嫡男、ルルセット氏ですか?」
ルルセット:「あぁ。ぼ……私がルルセット=クライルだ」
リゼル:「貴族の方にお目通り願うのは初めての体験ですが……なるほど。威厳のある方だ」*微笑む
ルルセット:「嫡男ではあるが、私に家督を継ぐ権利はない。私に媚を売っても、貴公の得にはならないぞ」
リゼル:「二心などありませんとも。心からの言葉です」
ルルセット:「そう? あ、ありがとう」*ちょっと照れる
ヒルデ:「……ふふっ、わがまま放題のひよっこが来るかと思ってたら」*微笑む
パローロ:「ちゃんとしてるね……あとヒルデ、小声で言っても聞こえるよ」
ヒルデ:「まじか。……まぁ、俄然やる気が出るね」
リゼル:「それで、依頼書に曰く護衛任務ということでしたが」
ルルセット:「あ、あぁ! その……概要欄にも書いたとおり、《マグノア草原国》領事館までの道中を護衛して欲しいのだ」
ルルセット:「実は我が《アルショニア女王国》と《マグノア草原国》の間で、近く食料品の貿易に関する条約が締結されることになっている」
ルルセット:「その際の取り決めとして、《アルショニア女王国》から外交官を首都《マグノア》に置くことになっているのだ」
リラ:「その年で他領の調印を任されるとは凄いですね!」
ルルセット:「私は姉……クライル家の家長から代理として選出されたに過ぎない。姉さまは多忙だからな」
リゼル:「代理とはいえ代表なのです。卑下されることもないでしょう」
ルルセット:「そ、そうかな……そうかも……」
リゼル:「しかし外交官ですか。護衛をつけんとするのも納得ですが……」
リゼル:*何故、今連れている連中でやらないのか? と若干疑問
ルルセット:「言わんとすることはわかる。何故我が家の騎士を護衛にしないのか? ということだな」
ルルセット:「これは姉さまの計らいなのだ」
リゼル:「計らい、ですか?」
ルルセット:「私とて、ずっとクライル家の庇護下にあるわけではない」
ルルセット:「だから、自分の裁量内で自分の護衛を雇う……という経験を積んでおけということだそうだ」
リゼル:「なるほど、そういったことでしたか」
リゼル:「不躾な視線をお許しください」
ルルセット:「護衛に当たる者として当然の疑問だ。気にしないでくれ」
ヒルデ:「(リゼルはこういう時に頼りになるな……)」
リゼル:「(ふむ……差し迫った危機があるってわけでもない。少年貴族の社会見学……ってことか)」
アレックス:「(なーんだ、やっぱり楽な仕事じゃねーか)」
GM:まぁ、依頼人の認識としてはそんな感じですね
GM:「もしかしたら列車が強盗に遭うかもしれないし……」的なノリ
リゼル:評判が良いギルドの冒険者雇うあたり、割と過保護気味に育てられてる気がするな
GM:ルルセットの護衛の女騎士達は軽く一礼して待合室を去っていく
GM:ルルセットは女騎士達に軽く手を振り、改めてPC達に向き直った
GM:ほどなくして、駅のホームに一台の魔動列車が入ってくる。
蒸気を吐き出しながら汽笛を鳴らすのは、ストラスフォードⅡ型魔動モーター搭載の高速機関車だ。
ルルセット:「……!」*耳ぴこ
ルルセット:「……列車が来たな!」*うずうず
リラ:「列車を見るのは初めて?」
ルルセット:「み、見るのは初めてだ!」
アレックス:「やっぱ、Ⅱ型は馬力からして違うな」
ルルセット:「や、やっぱりそうなのか!?」
ルルセット:「書物では従来型機関車とは一線を画する高出力型モータによる加速力があると……んんっ」
ルルセット:「そ、その……そういう関連書籍を読むのが趣味なだけで……」
ルルセット:「……なんでもない」
パローロ:「好きなんだね、列車」
アレックス:「……」*察する
アレックス:「へっ、なんだよ。結構わかるクチか」
アレックス:「貴族なんていけ好かねぇ連中と思ってたが、気が変わった」
ヒルデ:「好きなものに夢中になれる、ってのは良いことさ。貴族も冒険者も一緒だね」
ルルセット:「好きなもの……」*表情が明るくなる
ルルセット:「そ、そんなことより! 早く乗らないと列車が出てしまうのではないか!?」
パローロ:「焦らなくても、点検とか車掌の交代があるから大丈夫」
ルルセット:「そ、そうか……!」
リラ:「もう少し外から眺めててもいいんだよ」
ルルセット:「いや、できれば早く乗りたい! 既に切符は買ってある」
リラ:「依頼人はキミだからね。要望に合わせるさ!」
パローロ:「じゃあ、早めに乗ろうか。席の確認はしなきゃだし」
ヒルデ:「楽しい旅になりそうじゃないか! 改めて、どうぞよろしく」
アレックス:「おっさん、依頼人の隣の席は俺が貰っていいよな?」
リゼル:「そうだね。気も合いそうだし、構わないよ」
アレックス:「へへっ、話がわかるな」
リゼル:「ただ一つだけ」
アレックス:「……ん?」
リゼル:「相手は貴族だ。今後の得意先になる可能性もある」
リゼル:「くれぐれも彼の機嫌を損ねないように」
アレックス:「わ、わかった……」
リゼル:*パンパン、と背中を叩いて列車に乗り込もう
アレックス:*やや緊張した面持ちで列車に
3. 第一都市《キングスフォール》へ
GM:◆描写◆
ひと月半前と同じように、PC達は都市間特別急行の座席に揺られていた。
車窓の外では《グランティン》周囲の草原や畑の風景が勢いよく後ろに流れていく。
依頼人であるルルセットは当初澄まし顔で座席に座っていたが、暫くすると口を開いた。
ルルセット:「貴公らは、よくこうして列車に乗っているのか? 旅に出るのは、人生で何度目になる?」
アレックス:「(んだこの質問、どう答えるのが正解なんだ……)」
リゼル:「頻繁に乗る、というほどでもありませんが、そうですね。慣れている方だとは思いますよ」
ヒルデ:「そりゃもう、冒険者なんて毎日が旅みたいなもんよ。特にあたし達はね」
リゼル:「わがギルドは列車での長距離移動を特色としていますからね」
ルルセット:「なるほど……いいなぁ」
アレックス:「(なるほどね……あんな感じでいいのか)」
パローロ:「(車内販売まだかな~……)」*周囲を警戒してる風に車内を見回す
ルルセット:「な、なぁリゼル」*リゼルの袖を引く
ルルセット:「あの……座席の窓を開けて外を眺めるのは、行儀が悪いだろうか……?」*ちょっと心配そうに
リゼル:「まさか。車窓の外を流れる景色を眺めるのは、列車旅の醍醐味ですからね」
ルルセット:「ふむ! じゃあ早速!」*ガララッ
ヒルデ:「落ちるなよ~」*ははは
リゼル:「(落ちそうになっても、アレックスがなんとかするだろう)」
パローロ:「風を感じて、景色を眺めるのも旅の醍醐味」
ルルセット:「すごい風だ~!」*びゅおお
アレックス:「危ないからあんま乗り出すなよ」*ベルト掴んどく
ルルセット:「わかって……うっ!」*勢いよく窓から首を引っ込める
アレックス:「どうした!?」
ルルセット:「羽虫が口に入った……」*ぺっぺっ
ヒルデ:「あはは、あるある!」*一回やった人
アレックス:「(これで笑うのはやばい……!)」*我慢
ルルセット:「うぇぇ……今度から顔出すのはやめよう」
ルルセット:*持ってきた水筒から水を飲む
ルルセット:「そういえば……貴公らは《アルショニア女王国》を訪れたことはあるか?」*話題そらし
ヒルデ:「ないなぁ。皆は?」
リラ:「えーっと……」
リラ:「佳いところだよね!」*体験としてはないけど、自分のものではない記憶が僅かに浮かんだ
リゼル:「こちらの地方に来たのは最近でしてね。ここ2ヶ月程はグランティンに腰を落ち着けていましたし」
ルルセット:「むぅ……来たことないのか」
ルルセット:「アルショニアは女王を頂点とした貴族が統治する君主制国家で、我がクライル家はグランティン大鉄橋近くの沿岸部を含めた一帯を治めているのだ」
ルルセット:「今後の依頼でアルショニアを訪れることがあったら、是非我が家の領地に来て欲しいものだ」
リゼル:「えぇ、ぜひとも」
アレックス:「(お、これ……上手く行ってるんじゃないか?)」
アレックス:*リゼルさんに「やったぜ!」的なアイコンタクトを送ろう
リゼル:よし、楽しく話せたな!
ヒルデ:P E R F E C T C O M M U N I C A T I O N
ルルセット:「大鉄橋で大陸と結ばれるまで、我が家の収めていた部分が最も首都から遠い“辺境”とされていたのだ」
ヒルデ:「……大鉄橋、ってあれ? あのどでかい橋」*地理よわよわ戦士
パローロ:「グランティンの街から見えたアレだね」
ルルセット:「もちろん、当時から海路による交易路はあったのだが……大鉄橋ができてからは、我が家は主に外からの人や物の管理を担うようになっているのだ」
ヒルデ:「へぇ~、すっごい変化だ」
ルルセット:「いつか貴公らが再び《グランティン》まで来ることがあったら、アルショニアまで足を伸ばして欲しいものだな」*ふふん
リゼル:「えぇ、ぜひとも」
GM:ルルセットとの会話を適当に弾ませながら、列車は走っていきます。程なくして鉄鋼共和国の首都《キングスフォール》に到着するね。
リゼル:もうだいたい中間地点か、楽な仕事だったぜ
アレックス:スムーズ!
GM:◆描写◆
正午過ぎに《グランティン》を出発してから6時間が経過する。
都市間特急は何事もなく線路を走り抜け、無事《キングスフォール》のグランドターミナル駅のホームに到着した。
ルルセットは窓枠に頭を預け、静かに寝息を立てている。
起こすと眠たげな声を上げ、目を擦りながら列車を降りていった。
GM:◆描写◆
《キングスフォール》到着後、ギルドに顔を出すよう指示されていた。
PC達はルルセットを伴い、久しぶりに《風の廻り道》亭を訪れる。
支部の入っている雑居館のフロアは相変わらず狭苦しいが、初めて訪れた頃と比べて違う点が一つだけある。
コディエナの座っているカウンターの隣に掛けられた掲示板に、依頼の記された羊皮紙が何枚か張り出されていた。
コディエナ:「久しぶりだな、冒険者諸君」*書類の束を机に置きながら
パローロ:「……おいっす」*片手を上げて挨拶
ヒルデ:「おひさ~」
リラ:「お久しぶりです!」
リゼル:「お変わりないようで、支部長」
アレックス:「くぁ……」*欠伸
コディエナ:「元気そうでなによりだよ」
コディエナ:「諸君、コレを見たまえよ」*依頼板を指差す
パローロ:「お~」*近寄って見上げよう
コディエナ:「既に何件か依頼が入ってる。君たちのあと、冒険者が数名入って来てね。《キングスフォール》近くで事足りる依頼は彼らに回したよ」
ヒルデ:「いいねぇ」
リラ:「ふむふむ……」
リゼル:「なるほど、それはつまり私たちのおかげですね?」
コディエナ:「ははっ、本当にその通りだ」
コディエナ:「君たちを我がギルド最初の冒険者にできたのは、まさにライフォスの導きだな」
パローロ:「頑張った」*ムフーッ
リラ:「そう言っていただけると、鼻が高いです」
ヒルデ:「冒険者冥利に尽きるってもんよ!」
コディエナ:「さて、そちらに居るのが今回の依頼人のルルセット辺境伯子かな?」
ルルセット:「い、如何にも」
コディエナ:「この度は、我が支部の冒険者をご指名頂き誠に感謝する」*恭しくお辞儀
ルルセット:「姉さまの話で評判は聞いている」
ルルセット:「僕はアルショニアの男だから、外に出る機会は殆どないと思うが……それでも自分の身を守るため外部の人間を雇うということがどういうものか、学ばせてもらう」
コディエナ:「勉強熱心な貴族様だ」
コディエナ:「宿まで彼らに送らせよう。キングスフォールは比較的安全な街だが、それでも夜に子供が出歩くのは危険だぞ」
コディエナ:「というか、どこの宿を取ったんだい? グランドターミナル駅のホテルかな」
アレックス:「あのクソ高いホテルかよ?」
パローロ:「安全を考えると、悪くないかもしれないけど……」
ルルセット:「姉さまからそういった高い宿は使うなとの指示が出ている」
ルルセット:「今まで領地を出たことのない私に、色々なものを見せようという意図だと解釈している」
ルルセット:「可能なら、アレックス達が泊まるのと同じ宿に部屋を取りたいと思うのだが……」
アレックス:*ひゅーう
ルルセット:「ダメか……?」
ヒルデ:「アル坊……」*頷き
リゼル:「いえいえ、安全を考えたら最上だと思いますよ」
リラ:「そうだね。アレックスはすごい奴だから、必ずキミを守り通してくれるはずだ」
リゼル:「このアレックスが必ずや閣下をお守りいたします」
ルルセット:「なんか、ちょっと僕のこと馬鹿にしてないか!?」
ルルセット:*口を尖らせる
アレックス:「ちょ、ちょちょちょっと待て!」
ヒルデ:*アレックスの肩に手を置く
アレックス:「こういうのは持ちつ持たれつ、一連託生だろぉ!?」
アレックス:「皆で同じ部屋取るとかよぉ!」
リラ:「寂しいの?」
パローロ:「夜に女を部屋に誘うなんて、大胆になったね……アル坊」
アレックス:「ちょ、ねーさん止めてくれって!」*否定
リゼル:「そう何人も同じ部屋にいたのではルルセット氏も気詰まりでしょうね」
ルルセット:「そ、そうだぞ! 別に同じ部屋に泊まる気はない!」*焦り
ヒルデ:「ごめんな~、こいついっつもこうなんだ。素直じゃなくってさ」*ルルセットに
リゼル:「では、部屋割りも決まったところで宿屋を決めようか」
パローロ:「早くいかないと、埋まっちゃうもんね」
コディエナ:「前はこのギルド近くの安宿にしたけど、今回は君たちが適当に選んでくれ」
コディエナ:「街灯の多い区画を通っていける宿屋にしてね」
パローロ:「宿はどうする?」
リゼル:「高すぎず、安すぎずの宿にしておくか」
リラ:「社会見学だもんね」
ヒルデ:「よし、行くか~!」
4. 《キングスフォール》市街地
GM:◆描写◆
PC達は雑居館近くの宿へと向かっていた。
グランドターミナル駅の近くとはいえ、この辺りは魔動灯の間隔がまばらで薄暗い。
治安の悪い区画に隣接していることもあり、通りを歩く人の姿は皆無だ。
PC達はなるべく街灯のある区画を通って宿に向かうため、小さな広場を経由することにした。
ルルセットは落ち着かない様子で周囲を見回している。
パローロ:「……」*薄暗さにちょっとだけ顔を顰め
ルルセット:「魔動灯って意外と暗いな……宿にはまだ着かないのか?」
ヒルデ:「心配ないよ、でも離れないようにね」*ルルセットのそばに
アレックス:「メンテが行き届かなきゃ、あんなもんだ」*周辺を警戒
GM:それでは本シナリオ最初の判定に参りましょう
GM:難易度11の異常感知判定をお願いします!
GM:アレックスとパローロの二人は、別々の方向からの気配に気付きます
GM:武器を手にした荒くれ者が数人、路地の隙間からPC達の様子を伺っている……!
ごろつき:「……」*ジッ
アレックス:「……ねーさん」*視線は動かさずに
パローロ:「うん、気付いてる」*尻尾の毛を逆立て
GM:◆描写◆
PC達は幾つかの路地が交差した広場を通って宿屋に向かおうとするが、その路地を塞ぐようにして数人の男たちが屯していた。
男たちは粗雑な武器を手にしており、見るからにごろつきといった印象だ。
数人が立ち上がり、拳を鳴らしながらPC達に向かって凄んだ。
ごろつき:「おいおい、こんな時間に急いでどこ行くんだァ?」
ごろつき:「ここらは俺たち“蜘蛛の巣団”の縄張りだぜ。荷物か通行料を置いていってもらおうか」
ごろつき:「あぁ、代わりにそこのガキでも構わねぇぜ?」
ごろつき:「貴族のガキを高く買いたい、って話が流れててよ。渡りに船ってやつじゃねぇか」
リゼル:「面白いことを言うね。ここは首都キングスフォールだよ?」
リゼル:「どう控えめに表現しても、君たちは貴族に見えないが……」
パローロ:「喧嘩を売る相手は選んだ方がいい」
リラ:「貴族の子供を狙っているって話、少し詳しく聞きたいな」
ごろつき:「けっ! 痛い目に遭いてぇようだな!」
ごろつき:「俺達ゃ盗賊の“蜘蛛の巣団”だッ! 貴族よりも、この路地裏じゃ偉ぇんだよ!」
ヒルデ:「力が強い方が偉いってんなら……あたし達の方が格上だねぇ!」
ヒルデ:*モールを地面に打ち付けて威嚇
GM:それでは……ごろつき達はそんなPC達に不敵な笑みを浮かべる
ごろつき:「お前ら、ちとお喋り過ぎたな……」
ごろつき:*顎でPC達の後方を示す
GM:◆描写◆
ごろつきが絡んできている間に、路地の後方からもごろつき達が姿を現す。
どうやら最初からPC達を狙って尾行してきていたようだ。
後ろから現れた方のごろつき:「ひひひ……!」
ごろつき:「手前らが何者かは知らねぇが……俺たちに逆らうなら痛い目みて貰うぜ!」
リゼル:なるほどね……
リゼル:とはいえ、我々がキングスフォールに到着してからそう時間は経ってない……偶然見つけたというよりは、決め打ちで狙われたっぽいね
パローロ:計画的な犯行。ルルセットの渡航の件が漏れてる?
GM:どうかなぁ~? とりあえず戦闘に移りますよ!
5. VS! ごろつき達
GM:それでは戦闘開始だ~!
GM:今回は上級戦闘ルールを使用!
GM:まずは陣営の説明からですね
GM:戦闘に参加するのは「ごろつき(剣)」*2と「ごろつき(ナイフ)」*3 彼らは分散してPC達の前後を挟んでおります
アレックス:挟み撃ち戦闘~!
GM:それでは戦闘準備。使用する武器を宣言願います!
アレックス:ジェザイルを!
ヒルデ:モールでーす
リラ:カッツバルゲル装備します!
パローロ:ライトフレイルを装備します~
リゼル:ヘビーメイスやで
GM:続いて魔物知識判定! 判定をどうぞ
GM:最後に先制判定! 難易度は11でお願いします!
GM:◆描写◆
囲まれたことを察知した瞬間、既にアレックスは銃帯を緩めていつでも構えられるようにしていた。
同時にパローロが腰からフレイルを引き抜き、戦闘態勢を作る。
リラとリゼル、ヒルデの準備の隙を狙わせないよう、二人が前後に構えを作ったことで戦場の流れはPC達に傾いた!
パローロ:手番もらいます
パローロ:通常移動で赤7のごろつき(剣)に接敵
GM:OK! 移動妨害なしで乱戦エリアを形成しよう
パローロ:アレックスになるべく近づけたくないから助かる
パローロ:そのままライトフレイルで攻撃!
GM:パローロは瞬時に距離を詰め、敵にライトフレイルを叩き込む!
ごろつきは粗雑な剣を構え、なんとか直撃を防いだ!
路地に金属音が響き、パローロは敵との間合いを取り直す!
ごろつき(剣):「……っと! コイツ速いな」
パローロ:「チッ……(暗くて狙いがズレたか)」
ヒルデ:魔法使おうか迷ったけど、ここは無難にパロ姐のフォローにいこう
ヒルデ:自分もパローロさんと同じ乱戦エリアに移動するよ!
GM:OK~! 主動作をどうぞ!
ヒルデ:斬り返しを宣言し、ナイフ持ちに攻撃!
GM:ヒルデの鉄槌が繰り出される! ナイフを持ったごろつきは的確な動きで軸をずらし、攻撃を躱していく!
リラ:じゃあ次私が行こうかな
リラ:パローロとヒルデがいるのとは逆方向に移動!
GM:ごろつきが3人居る方ですね!
リラ:そして《ディフェンススタンス》を宣言! 奴らに魔法の攻撃手段はないから、回避の型で!
リラ:そのままごろつき(ナイフ)に攻撃!
リラ:いつかの経験、押し寄せる蛮族達を命懸けで止めたしんがりの武芸を呼び起こす……!
リラ:「ここは……ボクが相手だッ!」*カッツバルゲルを構え
GM:防御の構えから、リラの剣が閃く!
ごろつきは寸前でナイフを構え、かろうじて剣を弾くことに成功した!
リラは素早く剣を戻し、再び防御の構えへと戻った。
バックラーを前方に突き出し、右手に握った剣を地面と並行に構えて左右の攻撃に備える!
リラ:「皆、この3人はボクが押さえる! 後ろは任せるよ」
リゼル:「なるほど……防御に徹して3人を引き付けるつもりか」
リゼル:では次に手番もらいます
リゼル:パローロ、ヒルデのいる乱戦エリアに入り、剣持ちに攻撃!
リゼル:《魔力撃》を宣言し、ダメージを底上げする
リゼル:「リラなら問題ないだろうが……この2人は手早く片付けたいな」
GM:リゼルはヘビーメイスを構え、ごろつきへと距離を詰める!
鉾頭にダリオンの加護を降ろし、パローロの攻撃で生まれた隙を逃さずごろつきの脇腹を殴りつけた!
鎚鉾がごろつきに命中すると同時に込められた魔力が炸裂し、打撃の威力を跳ね上げる!
ごろつき(剣):「ごふうっ……! な、なんだ今のは!?」
リゼル:「ちょっとした手品だ。タネは生きていたら教えよう」
ごろつき(剣):「舐めやがってェ!」
パローロ:「リゼル、ナイスヒット」
ヒルデ:「やるぅ!」
アレックス:よし! ではヒルデ達の戦ってるごろつきに射撃しよう
アレックス:【ターゲットサイト】【ソリッドバレット】を使用
アレックス:《牽制攻撃》を宣言して剣持ちのごろつきを狙います!
GM:アレックスは冷静に狙いを付け、リゼルの一撃でダメージを受けたごろつきの胴体に弾丸を食らわせる!
アレックス:「通行料の支払いは……弾丸でも構わねぇよなァ!」
GM:それでは第一ラウンド裏、エネミーターンだ!
ごろつき(ナイフ):《必殺の一撃》を宣言してパローロに近接戦闘!
パローロ:来いや~!
GM:ごろつきはパローロに向かってナイフを突き出す!
パローロはその切っ先を手にしたバックラーで弾き、同時にごろつきの横を通り抜けて背後へと回っていた!
GM:それでは、リラと相対している3人の行動に移ります
ごろつき(剣):リラに全力攻撃! 叩き潰すぞ~!
ごろつき(剣):「ぶっ潰れやがれェ!」*力任せに振り下ろす!
リラ:「よっ……と!」*左のバックラーでいなす!
リラ:*構えを継続、全員を視界に収められる位置取りを維持!
GM:それでは続いてナイフの攻撃!
ごろつき(ナイフ):「くそっ! 食らいやがれ!」*ナイフで突撃!
リラ:「甘いッ!」*右手の剣で受け止め、力を受け流す!
ごろつき(ナイフ):「うおっととっ!?」*勢い余って前のめりに!
GM:もう一人のナイフもリラさんに攻撃だ!
GM:なんとか隙を狙おうと攻撃してきたごろつきのナイフを、リラは足運びで躱してみせる! 3人がかりの連続攻撃を無傷で捌ききったのだ!
ごろつき(ナイフ):「こ、こいつ全然動きが崩れねぇぞ!」
リラ:「さっさとボクを倒さないと、後ろの仲間も合流しちゃうぜ!」
GM:PC達は見事無傷で第一ラウンドを乗り切りましたね……
GM:続いて第二ラウンド!
パローロ:さっき攻撃してきたナイフ持ちを攻撃します!
GM:必殺の一撃の効果で回避が下がってるね……どうぞ!
パローロ:「そこッ!」*ライトフレイルを叩き込む!
ごろつき(ナイフ):「いでぇーっ!」*肩にライトフレイルの棍が直撃!
リゼル:フォローに動こう
リゼル:パローロが攻撃したナイフ持ちに《魔力撃》で攻撃!
GM:先ほどと同じく、パローロが作った隙にリゼルが追撃!
樹神・ダリオンへの信仰心が魔力を生み出し、魔力の込められた鎚鉾がナイフ持ちのごろつきを吹き飛ばして壁に叩きつける!
アレックス:「これで退路は確保できた、ってわけだ」
パローロ:「ナイス」*サムズアップ
リゼル:「これは皆無傷で済みそうかな?」
ヒルデ:「リラの方に加勢しなきゃ!」
ヒルデ:補助動作で練技【キャッツアイ】を使用!
ヒルデ:さらに通常移動でリラの居る乱戦エリアに突入!
ヒルデ:《斬り返し》を宣言してナイフ持ちを攻撃!
GM:ヒルデは踵を返し、リラが食い止めているごろつき達の方へと向かう
勢いよくモールを振りかぶり、ごろつき達を威嚇してリラから引き剥がす!
ヒルデ:「あっちは片付いたよ、リラ!」
リラ:「粘った甲斐があったね……あとはこいつらだけだ!」
アレックス:それじゃ追撃させてもらおう
アレックス:さっきと同じく【ターゲットサイト】【ソリッド・バレット】を使用した上でナイフ持ちに牽制攻撃!
GM:アレックスは両手で長銃を構え、冷静に狙いを付けると短く息を吐いて引き金を引く! 放たれた弾丸は、ヒルデの威嚇に怯んだごろつきの肩を撃ち抜いた!
アレックス:「待ってました……ってな!」
リラ:「さぁ、どんどん行くよ!」
リラ:それでは……ここは手数を削りたいので手負いのナイフ使いを攻撃!
リラ:《必殺攻撃》を宣言!
GM:リラは牽制気味に剣で斬りかかるが、ごろつきはなんとかナイフで剣を受け止め、弾き返す!
リラ:「おっと、仕留め損ねちゃった。ごめんね!」
ヒルデ:「全然大丈夫!」
GM:それではごろつき達のターン!
GM:剣持ちがヒルデさんに全力攻撃だ!
GM:続いてナイフ持ち! リラさんに近接戦闘!
GM:そして最後のナイフ、ヒルデさんに攻撃!
GM:ここは……《必殺の一撃》を宣言!
GM:手負いだから早く戦いを終わらせたいのだ
ごろつき(ナイフ):「も、もらったァーッ!」*ナイフを繰り出す!
GM:ごろつきの突き出したナイフがヒルデの防具の隙間へと滑り込み、その身体に突き刺さる! 防具の下で生暖かい血が染み出すのを感じる……!
ヒルデ:「……っ! てめぇ!」*流石に痛い
GM:それでは第三ラウンド!
ヒルデ:そろそろ運が回ってきても良いと思うんです
リゼル:その前に回復しとくかい?
ヒルデ:いや……とりあえず先に殴ってみたい!
リゼル:わかった 長引きそうなら回復するよ
ヒルデ:ここは……剣持ち相手で!
ヒルデ:《斬り返し》宣言で攻撃します!
GM:手負いのヒルデは深く息を吸い込み、ダメージを感じさせない力強い踏み込みを繰り出す! 剣を振り下ろしたごろつきの隙を逃さず、鉄槌を叩き込む!
ごろつき(剣):「ぐお……ッ!」
ヒルデ:「ーーーーー!!」*ドラゴン語の罵声
パローロ:次、手番もらいます!
パローロ:通常移動して乱戦エリアに入り、弱ってるナイフ持ちに《必殺攻撃》を宣言して攻撃!
リゼル:よし、俺もいこう!
リゼル:……と思ったが、流石にヒルデさんを回復しといた方が良さそうだ
リゼル:神官だし、必要があったらそっち優先しないとね……
リゼル:制限移動で射程内に収めたヒルデさんに【キュア・ウーンズ】
リゼル:「ヒルデ、落ち着いて」*魔法かけながら
ヒルデ:「……ありがと」*むしゃくしゃしていた気分が少し鎮静
アレックス:それでは次いただこうかな!
アレックス:手負いのナイフを狙って……【ソリッド・バレット】【ターゲットサイト】使用、からの牽制攻撃! 確実に削っていくぜ!
アレックス:「急所狙って外すより、確実に当ててけ……」*言い聞かせる
アレックス:「今ので弾切れだ。今度こそ頼むぜ、英雄サマよ!」
リラ:「オッケー、任せて!」*剣を構え直し
リラ:手負いの方に通常攻撃!
GM:アレックスの射撃による隙を見逃さず、リラの構えた剣が瞬く!
ごろつきの持つナイフを弾き飛ばし、返す刀で肩口を深く斬りつけた!
リラ:「よっし、あと二人!」*向き直る!
GM:それでは第三ラウンドも終了!
GM:過半数が倒されたか……そうだな。こいつらも流石に自分たちが劣勢だと判断できる程度の頭はあるだろうし降参しよう。
5. 戦闘終了
ごろつき:「く、くそう! 降参だ!」*武器を捨て、後ろに下がる
ごろつき:「アンタ達と喧嘩を続けてたら、命が幾つあっても足りねぇ。頼む、見逃してくれ!」
リゼル:「自分から襲い掛かってきてその物言いは……と言いたいところだけど」*他のPC達を見る
ヒルデ:「もう一発くらい殴ってやりたかったけど、もういいよ」*溜息
アレックス:「ほ~ん。俺はもう少し、通行料払ってやっても良いんだけどなあ?」*リロードしつつ
パローロ:「矛を収めるなら、それでいい。ただし情報は喋ってもらう」
リラ:「そうだね。気になることも言ってたし、話してもらうよ」
リゼル:「私も同意見だ」
リゼル:「私たちが貴族を連れていると知っていたね。誰に聞いた?」
ごろつき:「別に、アンタ達が貴族のガキを連れてるって確信があったわけじゃねぇ。ただ通りがかったのを見てそれっぽかったからよ」
リゼル:「たまたま因縁をつけたってだけか。運がいいんだか悪いんだか」
ヒルデ:*路地に置いてある木箱に腰掛けて会話を聞いてる
ごろつき:「ただ、数日前から俺ら盗賊の間で「もうじき貴族のガキがキングスフォールに来る」って話と「貴族のガキを欲しがってる奴が居る」って話の2つが流れてたんだ。俺が知ってるのはそれだけだぜ……!」
リゼル:「ふむ……後者についての情報は?」
ごろつき:「具体的な情報は無ぇ。えらく金払いが良いって話だけは……」
リゼル:「(情報に乏しいな。しかし、隠している風でもない)」
リゼル:「(それだけ、こいつらが薄い確信でも他人を襲えるような人間ってことか)」*やや落胆
アレックス:「……面白くねぇな」
リゼル:「こいつらが何も知らないことがわかっただけ、良しとしよう」
パローロ:「賛成。黒幕が別にいるとして、こいつらは踊らされてるだけ」
リラ:「ルルセットを連れて、早く宿に向かった方が良さそうだね」
ヒルデ:「……あれ、そういえばルルセットは?」
GM:ルルセットは戦闘の喧騒にすっかり怯え、PC達から10mほど離れた路地の角でビクビクしながら様子を伺っています。
アレックス:「……ったく、仕方ねぇな」
リラ:「こういうことには慣れてないんだね。早く連れて行ってあげよう」
GM:では……セッションは一旦ここで中断。続きは後編に回しましょう。
6. 前編のまとめ
《アルショニア》女王国の貴族、クライル家の嫡男ことルルセット=クライルの護衛を依頼されたPC達《風の廻り道》一行。
護衛といってもルルセットの社会見学の側面が強い依頼と知って安心する一行だったが、《キングスフォール》到着直後にまさかの襲撃が発生。
襲ってきたごろつき共を返り討ちにしたPC達は、何者かが貴族の子供を欲しているという盗賊達の噂話を耳にする。
タイミング的に、明らかにルルセットの身柄を狙って流されたと思われるが……?
PC達は無事に依頼人を《マグノア草原国》に送り届けることができるのか?
物語は後編へ続く。