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Larix Broadcasterを使ったTwitch外配信

出来るようになること

スマホからボタンひとつで配信開始でき、配信画面にはコメント、テロップ、画像、Webページのオーバーレイが可能です。さらに、外配信で重要な手ブレ防止機能もあります。
スタビライザーなしでもスマホからこんな配信が可能になります。

使うもの

Larix Broadcaster

RTMPストリーミングに対応したフリーアプリ。画像やWebページのオーバーレイにも対応している。Larixのページを見ると英語でたくさんのインストラクションがあるので、英語が読めるのであればそっちを見て全て設定できます。

Larix Broadcaster

スマートフォン1台(2台)

iPhoneでもAndroidでもどちらでも。1台はLarix Broadcasterでの配信用として、2台持っていると配信中に情報を調べたり、コメントをイヤホンで聞けたり便利です。配信用スマートフォンの機種は後記する映像のStabilizationが効くかどうかに影響するかもしれません。
筆者の環境は、Larix Broadcaster用にiPhone 14 Proとサポート用にiPhone SE第2世代です。

左 iPhone SE 右 iPhone 14 Pro

自撮り棒

自撮り棒を手で持つだけで画面の揺れが少なく安定します。間違ってもチェストマウントやヘッドマウントはやめましょう。持ち手が三脚になるタイプのものだと一旦地面に置いたりできて便利です。
自撮り棒以外にもGoProのクリップマウントもおすすめです。意外と持ちやすく、クリップの広い面を下にすると地面にも置けて、バックパックを背負っていれば両手をフリーにしたい時にショルダーベルトにクリップしておけます。

参考商品
スマホホルダー
GoPro 1/4インチネジアダプター
GoPro3脚
クリップマウント

自撮り棒の持ち手は開いたら3脚になるGoProのものを流用
GoProのクリップマウント

モバイルバッテリー

スマホでの配信およびカメラ撮影はかなりバッテリーを消費します。長時間の配信をするのであればモバイルバッテリーは必須です。最近のモバイルバッテリーは小型大容量なので持ち歩きも楽なので、必要に応じて事前に準備しましょう。
参考情報ですが、私は約17時間の配信で24Kと20Kのバッテリーを使って、24Kを使い切って20Kの方は約半分くらい残った状態で配信が完了しました。

ワイヤレスイヤホン

イヤホンがあると配信中のコメントチェックなどに便利です。有線イヤホンでもいいですが、取り回しが面倒になるのでワイヤレスイヤホンを2個準備して充電しながら使い回すことをお勧めします。
配信中は安全のために周りの音も聞こえた方が良いので骨伝導イヤホンがおすすめです。もし周りがうるさい場所で配信する場合は、骨伝導イヤホンだと音が聞こえないので別途適当なイヤホンを選んでください。

参考商品
骨伝導イヤホン

ウィンドスクリーン

外配信をして風があるとかなり風切り音がマイクに乗ります。ピンマイク用のカバーシールなどでスマホのマイクを覆って、ウィンドスクリーンがわりにするだけで大きく風切り音を減らせるので是非使ってみてください。
参考商品 https://www.amazon.co.jp/dp/B004Q5O6VO/

マイクの各所にウィンドスクリーンを貼り付ける

大容量の携帯回線

画質設定が720p 30FPSでも3Mbps程度のビットレートは欲しいので、配信1時間あたり1.2GB程度は最低必要だと思って契約してください。回線速度を安定させるために、自社で携帯回線ネットワークを作っている大手のプランを契約することをお勧めします。スマートフォンは2台使いますが、サポート用のスマートフォンはテザリング接続すれば回線は1つだけでも大丈夫です。

GarminデバイスまたはStrava App(現在地を表示したい場合)

配信上に現在地を表示したい場合には、Garminデバイスを購入してGarminアプリのLiveTrack、またはスマホアプリのStravaのBeacon機能で現在地がトラッキングできるURLを発行できます。ただし、StravaのBeaconはサイトのレイアウトの関係で地図の表示領域が非常に小さいです。
これらのアプリは事前にルートを作成していれば地図上にルートを表示させて現在地共有が出来るので、ルートも共有したい場合はこれらのアプリで発行したURLを概要欄に貼っておくだけでも良いと思います。
現在地を視聴者とURLで共有するだけであれば、Google Mapでも現在地共有のURLを発行できます。

Larix Broadcasterの設定

カメラ設定

起動後右上の歯車マークからSetting画面に移動してVideoからカメラの設定をします。
iPhone 14 Proだと背面の3つ及びフロントカメラのいずれか好きなものを選べます。基本的には背面のウルトラワイドを選んでおくと画面の揺れが気になりづらいので良いと思います。自分の環境ではStabilizationをCinematic extendedでUltra Wideカメラを使って歩いたところ、ほぼ揺れのない画面が出力できました。
下記が私のおすすめ設定です。

  • Initial camera : Back side

  • Back camera lens : Ultra wide

  • Resolution : 1280x720

  • Frame rate : 30fps

  • Orientation : Landscape

  • Multi-camera capture: Off

  • Stabilization mode : Cinematic extended

  • Live rotation : Off

  • Prefer GPU Processing : GPU処理を使うかどうかです。

  • Bitrate : 3,000

マイク設定

Setting画面の中のAudioからマイクの設定をします。
iPhone 14 Proだと全面、底、背面のどこのマイクから音を取り込むかを選べます。底面マイクを選んで、ケースのスピーカー穴部分にシールなどでウィンドマフを付けると風切音がマシになります。
音にこだわる場合は小型の外付けマイクを使いましょう。
下記が私のおすすめ設定です。

  • Input : Built in Microphone or Headset Microphone(外付けマイクを使う場合)

  • Default to speaker : Off

  • Mic position : Follow camera

  • Audio channel : Mono

  • Bitrate : 128Kbps

  • Sample rate : 44.1kHz

  • Audio-only capture : Off

  • Volume keys : Do nothing

  • Input gain : +0.0 dB(音割れする場合はマイナス方向、音が小さい場合はプラス方向に調整してください)

  • Use Audio Engine : Off

コメント取り込み

コメントを取り込みます。設定のOverlayからWeb widgetを選びStreamlabsのチャットwidgetのURLを貼り付けるだけです。Streamlabsのチャットwidgetはググればたくさん情報が出てくるのでチャットの見た目などは好きに調整してください。
下記はOverlayの項目です。

  • Name : Overlayの名前です。わかりやすい名前をつけてください。

  • URL : StreamlabsのチャットwidgetのURLを貼り付けてください。

  • Custom CSS : CSSで見た目を変えたい人は使いましょう。

  • View mode : Preview and streamを選ぶと配信前と配信中共にOverlayの内容が見えます。

  • Width : 表示させる幅です。

  • Height : 表示させる高さです。

  • Extended position range : 左端や右端に寄せたい場合などはONにして次の設定で100%以上の位置に配置しないとうまく配置できません。

  • H position : 配置する横位置です。

  • V position : 配置する縦位置です。

  • Zoom : 取り込んだ画像の大きさの設定です。

  • Z order : 数字が大きい方がOverlayが重なった時に手前に表示されます。

  • Update FPS : 1秒に何回映像を更新するかの設定です。あまり高くしても意味はないので1-4程度で設定すれば良いと思います。

  • Adjust size/position : 上記の位置の設定などを画面を見ながらできますが、操作性が悪いので使わない方が良いと思います。

その他画像やサイトの取り込み

Overlayから複数の画像やサイトの取り込みができます。Garmin Live Trackの画面を表示して現在地、走行距離や現在速度を出したり、事前に準備した画像を表示したり自分の好きにカスタマイズしてください。また、テキストはHTMLで表示スタイルを指定できます。
配信前に複数のOverlayを設定しておけば配信中に消したり表示させたりは配信画面上からできます。
画像の位置調整は左右端に寄せる場合は、Extended position rangeを有効にして調整が必要なので、事前にYoutubeで非公開の生配信などをしながら位置調整をしましょう。

配信の開始方法

RTMP接続設定

ちなみにRTMPS接続も出来ますが、私が試したところ接続が安定しなかったのでRTMPで接続するのが良いと思います。
接続設定するためにまず設定画面のConnectionsから右上の+マークを押します。

右上の+マークで配信先を追加

URLにStream URL/Stream Keyの形式でURLを入力します。Twitchであればrtmp://tyo05.contribute.live-video.net/app/"Stream Key”というふうになります。"tyo05"の部分は提供されているRTMPサーバーの場所によって違うので、配信場所の近くにあるRTMPサーバーを使ってください。
Nameは自分がわかりやすい名前をつけてください。

配信開始

Larix Broadcasterのメイン画面右側の開始ボタンを押すとRTMPサーバーへの配信が始まり、同時にTwitch上での配信もスタートします。

メイン画面

配信中

スマホの持ち方

スマホを持っている手はしっかり自撮り棒を持って、歩いた時に無駄に上下左右にスマホが揺れないように気をつけましょう。Stabilizationが効いていても限界があります。

配信中の各種設定変更

右側の…から配信中にある程度設定を変更できます。
配信中にOverlayする画像やWeb widgetのON/OFFを変更したり、マイクのゲイン調整が必要な場合に使ってください。
また、トレイ休憩などの時にはPause機能でマイクオフと同時に事前に設定した画像などを表示させることができます。

コメントチェック

コメントチェックは画面を見ても良いですが、歩きながら画面を見るのも大変なので、サポート用のスマホでStreamTTSやアプリのRealtimeChat for Twitchを使って音声出力させるのがおすすめです。

まとめ

Larix Broadcasterを見つけるまで色々回り道をしましたが、やっと満足のいくスマートフォンでの外配信環境を構築できました。これから外配信をしてみたい方の参考になれば幸いです。

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