リリーのすべて

amazon prime でおすすめされたから観てみた。
結論、泣いた。
主人公が自分自身の本当の姿に戸惑い、逡巡する中で次第に妻との意見が食い違っていく様に。
愛する夫が変わってしまうことへの葛藤に。

主演の俳優さんの演技が良すぎた。
自分自身を取り戻していく姿が本当に繊細に表情や仕草に表れてた。

リリーがだんだん妻を顧みなくなり、自己中心的になっていくのがよくないみたいなレビューがあったけど、違うそうじゃない。

妻側からしたら、努力して今まで通り過ごして欲しい。
こっちもできる限り寄り添うから。
だって今までそうしてこれたのだから。
となるかもしれないけど、当事者は違う。

今までずっと我慢してきたんだ。
自分じゃない自分を演じて、自分自身を押し殺して。
ずっとずっと自分を痛めつけて、周りに配慮して生きてきたのに、自分の体が生きるか死ぬかを通り越して、本当の自分自身が生きるか死ぬかの決断をしてる時にすら他人に配慮しなくちゃいけないなんてことある?

制作側の意図も多分夫婦愛だと思うけど、自分にとっては一人の人間の自分自身を取り戻すための挑戦、ドキュメンタリーみたいに思えた。

自分もこのわけわからんセクシュアリティを抱えながら生きていることに葛藤してるんだと改めて気付かされた。
最近特にそういう話題が目に入るし。

昔よりは当然進歩してるわけだけど、いちいち性別とかセクシュアリティだとかを気にしなくてもいい世界になったらいいな。
別に理解しろなんて思わない。
でも認めたところで別にあなたに何ら不利益はないと思うんだよね。
嫌いなのはお互い様じゃん?
普通に生きる権利が欲しいだけなんだけどな。

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