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エラーカード編

はじめに

カードの印刷工程において、何らかのトラブルで通常とは違った印刷や裁断がなされることで発生する『エラーカード』にフォーカスして記事を書いていきます。

日版より海外版の方が圧倒的にエラーカードが多い印象があります。今回は自身が持ち合わせているカード及びコレクターさんから画像提供していただいたカードを紹介します。


エラーカードとは

『本来ならば発行されるはずのなかったカード』と大枠で定義されます。

通常であれば印刷後の検閲により商品に不備があるものは除外されるはずです。しかし、極希にそれを潜り抜けて商品として流通してしまうことでエラーカードが存在することになります。

個人的には日版の方がエラーが少なく、海外版の方が多く存在する印象です。海外の方が検閲の精度が緩いような気がします。

エラーの内容は様々で、正直なところ『言ったもん勝ち』のようなところがあります。今回はカード鑑定機関により明らかにエラー認定されるレベルのカードを取り上げていきます。

●枠ズレ

カードが中央から左右上下にズレて印刷されたカードのことを『枠ズレ』といいます。多少のズレであればよく見かけるかもしれません。

エラーカードと認定されるレベルの枠ズレは以下のようなカードとなります。

枠ズレエラー

『多少』の許容範囲を超えてますよね。
中央から右に大きくズレていることが分かります。

枠ズレが極大の個体には、印刷工程において隣に印刷されていたカードが写り込んでいるといったエラーカードも存在するようです。

●ネームズレ

ネーム(カード名)に関するエラーは複数種類存在が確認されています。ここで取り上げるズレ以外にも以下のようなものがあります。

・ネーム加工違い
本来のレアリティに相当する加工が施されていない
例)ウルトラレア仕様→シークレット仕様

・ネーム違い
本来のカード名とは違う名称表記がされている
例)暗黒騎士ガイア→ LAST TURN

・ダブルネーム
カード名が二重で印刷されている

等など…他にも種類はあると思います。

『ネームズレ』については枠ズレと同様に、ネームが上下左右にズレているエラーカードとなります。

しかしながら個人的な見解として、
枠ズレと違い、ネームズレは『上下』の特に『下にズレている』ものが多い印象です。

ネームズレ
PHOTO BY GRIM SHOP

ここまで大きくズレている個体は本当に珍しいのではないでしょうか。多少のネームズレに関しては比較的最近の海外版収録カードでも見つかりますが、ここまでズレると圧巻です!

画像提供して下さいましたGRIMさんありがとうございます。海外版カードの購入を検討されている方は GRIM SHOP さんオススメです!!


●レリーフズレ

アルティメットレアにおけるレリーフ加工が、上下左右にズレているエラーカードとなります。

このエラーで紹介するカードは海外版ではなく、日版で私が唯一持ち合わせている微レリーフズレ『降雷皇ハモン』です。

レリーフズレ

属性やレベルに施されたレリーフ加工を見ると分かりやすいです。本来の印刷予定場所より微妙に左下へズレています。

個人的には秋葉原の某カードショップで、韓国版特大レリーフズレを拝見したことがあります。イラスト枠からレリーフ加工が信じられない程ハミ出ていて絶句しました。

そのカードは販売価格も信じられない絶句レベルで私には手も足も出なかったです。。。

類似エラーに『ホイルズレ』というエラーも存在するのですが、参考になる画像が用意できず紹介できません。

X(旧Twitter)などSNSで『ホイルズレ』と検索すると非常に興味深い画像が出てきますよ!
「幽体離脱」や「魂抜け」と表現される特大ホイルズレは芸術レベルのカードです。

●ホイル違い

ホイル加工が本来のカードでなく、全く別のカードに施されているエラーカードとなります。個人的にこのタイプのエラーは上記で紹介したものと比較して存在自体が大変希少な印象です。

ホイル違い①

上記は RISE OF DESTINY に収録されている『天罰』というカードの韓国語版となります。

イラスト背面に人型の影が写っているのがお分かりいただけますでしょうか。これは同パックに封入されている『創世神』というカードの影です。

つまり、『天罰』のカードに誤って『創世神』のホイル加工が施されてしまったエラーとなります。

《天罰》のカードに《神》が雷を落としている……
イラストに『ストーリー性』という付加価値を与えるエラーカードはオシャレで素敵ですよね。

このエラーはもう一組紹介できるカードがあります。

ホイル違い②
ホイル違い③

上記2枚のカードは同一ストラクチャーデッキに収録されている『サイバー・エンド・ドラゴン』『サイバーダーク・エンド・ドラゴン』となります。

パッと見では分かりづらいのですが、これらはお互いのホイル加工が逆転して印刷されています。

《サイバー・エンド・ドラゴン》
→サイバーダーク・エンド・ドラゴンのホイル

《サイバーダーク・エンド・ドラゴン》
→サイバー・エンド・ドラゴンのホイル

分かりやすいポイントは…

・レベルのホイル
・翼のホイル
・イラスト下部の黒点

この辺りに注目するとお互いのホイル逆転印刷が見やすいです。

●色褪せ(FADED)

これはとても奥が深いエラーカードです。
FADEDについては別記事でテーマを組んで改めて紹介する予定なので、ここでは深堀りしませんのでご了承下さい。

FADEDと呼ばれる個体は、カード鑑定機関においてエラーカード認定されている『紫外線による日焼けではない印刷工程のミスによる色褪せ』カードとなります。

主に北米版の初期カードで見られる希少カードであり、コレクター人気が非常に高いです。

真偽は不明ですが、日版でFADED?のような個体を1枚所持しているので紹介します。

FADED?

元々この『ブラック・デーモンズ・ドラゴン』は融合カードのため、カード全体が《紫》で印刷されています。

しかし、このカードは《青》となります。
紫からマゼンタの色素が薄くなると青になります。レベルにおいても色褪せが分かると思います。

色褪せにより融合や罠のように、色が濃いカードは印象がガラリと変わります。また通常や効果カードはビンテージ感が引き立ちます。

おわりに

今回は自身が所有するカードをメインとして、エラーカードを紹介しました。個人的にエラーカードには『ロマン』があると感じています。

特に『天罰』のエラーはお気に入り!エラーによって通常より魅力的なカードになるのであれば、それは大きな付加価値ですよね。

今一度、自身で所有しているコレクションをよく見直してみると思わぬエラーカードが発見できるかも?!

カードショップでのストレージから発掘するのも楽しいかもしれません。

所有カードが少ないため、あまり幅広い種類のエラーは紹介出来ませんでしたが、今回の記事で少しでもエラーカードに興味を持ってもらえたら幸いです。

また次回、別のテーマをお楽しみに!

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