【勝利至上主義のススメ:はじめに】

「子供たちにスポーツの楽しさを伝えて好きにさせるのが指導者の仕事だろ」と言う指導者や保護者がいる

この言葉には「勝利にこだわるな」とか「選手が指導者の顔色をうかがっていて楽しそうじゃない」などの副音声が入っている

巷では中身が空っぽな耳障りの良い言葉が幅を利かせており、あたかも『(お前と違って)自分は子供の事を深く考えている』様な態度である。

僕のスタンスを決める為にもあえて断言してみようと思う

『楽しさ』と『勝利』はイコールの関係で結びついており、それ以外にない。

彼らが言うような『楽しさ』を追求するためには『勝利』が絶対条件で、これが真実だ。

もしも、あなたの周りで「勝利よりも~」という枕詞で話し始めたやつがいるのであれば、彼らの言う事を無視してかまわない

そして、あなたが他の指導者に対して、そのような言葉を過去に一度でも吐いたことがあるのであれば、猛省し、その指導者に正面から謝罪したほうが良い

もう一度言う

『楽しさ=勝利』

これ以外にそのスポーツを好きにさせる方法はないと心の一番深い所に旗を突き立てなさい。

まずは、そこから始めてみよう。

僕はゆとり世代のど真ん中を生きてきたこともあり、幼稚園のお遊戯会ではアラジンが8人いたし、徒競走は何着でゴールしても全員がピカピカの金メダルを貰っていた。

日本は次第に『勝利』や『競争』を『悪』だと捉え、『共感』や『平等』に重きを置いている様に時代転換してきているが、学生の頃から受験はあるし、社会に出れば競合会社とは毎日が戦争で、ノルマに追われる日々を過ごす。

日本は資本主義である。
国から『勝つこと』を常に求められている。

勝つという行為をもう少し解像度を上げてみると、『努力が実る』結果によって得られる『多幸感』が『楽しい』に繋がる

心理学用語ではこれを自己効力感とか呼ばれたりするが、大事なのは用語ではなく順番である。

努力→勝つ→多幸感→楽しい→努力→・・・

楽しさを感じるのは必ず勝った後にあるため、彼らの言う『楽しさ』を追求するためには勝つ以外に道はない

彼らの言葉は、スポーツを嫌いにさせる手助けだ
彼らの言葉は、努力への挑戦権を奪っている
彼らの言葉は、子供の成長を押さえつけている

自分の指導力不足にあぐらをかいて『勝利』よりも簡単で素敵な『楽しさ』に逃げるな。

そして、子供の事を本気で考えて勝たせようとしてる指導者の足を引っ張らないでくれ

この本では耳障りの良い話はしない。
指導力に関する本当の話しをする。

忙しい中、ここまで読み進めてくれたあなたの時間をもう少しだけ僕にくれないだろうか。

#書籍化希望

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