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冴島の年間ベストアルバム2024

ご無沙汰しております冴島です。

さて、2024年もたくさんのアルバムがリリースされました。個人的には去年よりもお気に入り作品が圧倒的にあり、旧譜を聴き返す時間よりも、新譜のチェックに勤しむ時間の方が圧倒的に多くございました。

新譜は約300枚ほどチェックして、その中のお気に入りの10枚でも絞ってご紹介しようかと思いましたが、絞りきれずベスト30ということで紹介させていただきます。

改めて自身で作ったランキングを振り返ると、例年よりも全体的にポップでキャッチーな作品が多いなと感じますね。丸くなったんでしょうね。きっと。

では行ってみよ〜🐱









30.
Yard Act / Where's My Utopia?

最もフィジカルで、最もクリエイティブで、そして最もシアトリカルな方法でタブやブレイクビーツをロックに取り入れ、スポークンワードとヒップホップをぶち込んだ2nd。様々なジャンルがごった煮となりカオス状態と思いきや、耳障りは非常に良く、楽曲によってはKasabianを彷彿とさせるアンセミックなメロディも登場し、高揚せずにはいられない。


29.
THE YELLOW MONKEY / Sparkle X

吉井和哉が咽頭がんから完全復活し、制作された5年ぶりの新作。バンドが再び始動出来た喜びからか、彼らのディスコグラフィの中でもシンプルで装飾の少ないロケンローの原点のような作品に仕上がった。収録曲の「ホテルニュートリノ」の「人生の7割は予告編で 残りの命 数えた時に本編が始まる」という歌詞がバリ渋すぎる。


28.
Origami Angel / Feeling Not Found

基本軸はエモなのでメロのポップ具合と哀愁と高揚感はオーケイオーライである。時折挟む緻密な小技に現代ミュージシャン特有の音楽的素養の高さを感じて悔しい。また「コロナ禍以降のインターネット社会への依存」を全体のテーマとして取り扱っており、何だかアタマも良さそうで悔しい。


27.
Fat Dog / Woof.

「最近のお前らは考え過ぎだ。まずは踊れ、そして狂え。」とばかりに、The Prodigyを現代的にアップデートしたような、怒りと混沌が渦巻く凶暴なレイヴとパンク的衝動の塊が聴く者を陶酔させるギラついたデビュー・アルバム。ボーカル曰く「もっと滅茶苦茶になるはずだった」らしい。ジャケットのブサ犬ちゃんがかわちぃね(˘︶˘).。.:*♡


26.
ももいろクローバーZ / イドラ

有安杏果卒業以降の2作と再録盤のZZ'sシリーズが個人的に何か物足りない感があり「アタシ赤じゃなくて実は緑推しだったのかしら」と考えさせられる程だったが、卒業から約7年が経ち、4人体制もようやく受け入れられたのか本作に物足りなさは一切感じなかったので、失ったモノを受け入れて、自分がまた前に進めた気がした人生の記念碑的な作品だと思ってます。ハァ?( ゚д゚)


25.
Blossoms / Gary

相変わらずオシャレで甘酸っぱいサウンドで胸をときめかせてくれますね。人文字で「GARY」を作ってるジャケットがかわちぃ(˘︶˘).。.:*♡是非ともオシャレ音楽を探してる女の子にオススメして仲良くなりたいですし、グラストンベリーのフェスとか一緒に行ってみたいですね。ハァ?( ゚д゚)


24.
Judas Priest / Invincible Shield

ライブでロブ・ハルフォードがステージ上で蹲りながら声を絞り出してるのを見ると無性に悲しくなってくるが、本作は個人的超名盤「Painkiller」を更に洗練したかのようなゴリゴリ漢メタルで、ロブもスタジオ環境においては、メタルゴッドが降臨するため、結果最高のメタルアルバムとなった。


23.
MJ Lenderman / Manning Fireworks

本作について色々と調べてたら、去年ボクがドハマりしたWednesdayのギタリストの既に4枚目にもなるソロ作品でした。なるほど、このカントリーベースの素朴なアレンジに乗るオルタナなギターサウンド、確かにWednesdayだ。特に10分に及ぶラストナンバーの後半の狂気具合は名盤「Rat Saw God」感が凄い。


22.
Penthouse / Laundry

YouTubeのアルゴリズムで出逢った男女ツインボーカルを擁するの6人組シティソウルバンドの2nd。全編気持ち良いが過ぎるほどポップで最高だ。Suchmosが台頭して以降、国内にソウルやヒップホップの要素をスタイリッシュにロックに落とし込むバンドが増え、本作もその系譜だが、やけに男性ボーカルがロケンローなスタイルでドハマりした。んで、調べてみたら昔地味に聴いてたQUORUMのボーカルの人だった。クール過ぎる。


21.
Slash / Orgy Of The Damned

カバーアルバムだけど、原曲のブルースやソウルナンバーを全く知らんため、まぁいいかと選出。ビリー・ギボンズ 、イギー・ポップ、ポール・ロジャース等のダンディメン達をゲストに迎え入れ、漢スラッシュのエロ渋ギターで昇天さ。唯一知ってた「Killing Floor」でハーモニカ要員として生けるレジェンド、スティーヴン・タイラーを召喚してるの贅沢にも程があるだろ。


20.
Wunderhorse / Midas

グランジ特有の退廃感と無骨さに、至高のメロディ。儚さと気怠さと怒りを携えたボーカル、豪快で荒々しいエネルギーに満ちた演奏かと思いきや、次の瞬間には、素朴で美しいアコースティックナンバーも堪能出来る。20年代にデビューしたNirvanaと喩えるのは言い過ぎかもしれないが、それに匹敵するクオリティだ。


19.
The Snuts / Millennials

自分が10代の頃の世代のバンドってArctic Monkeysだったんですが、どうやら彼らのルーツもそのへんのようで。ついに00年代のバンドに影響されたバンドが台頭してくるような時代になったんだなと、嬉しくなったり切なくなったりした。本作はインディーな手触り感もありつつ、スタジアムで合唱してえようなアンセミックな楽曲が多く収録されアガる。


18.
High On Fire / Cometh The Storm

マット・パイクは一生副業しながら大好きなスラッジ音楽とマリファナやってる人生かと思ってたけど、もうメジャーフィールドで十分通用するアーティストなんだなと感動しました。重厚にうねるベースとテクいドラムにヘヴィサイケなギターが炸裂、加えてオリエンタルさが入り混じった60分弱の轟音の嵐!アウイェー!


17.
Drahla / Angeltape

個人的に硬質的で冷たく不気味なポストパンク系って、お恥ずかしながらアヴァンギャルドな展開に何度も奇妙な絶頂が出来る悦びを感じるんですが、本作はポップさと普遍的なロックのドライブ感も兼ね備えているのが更にエクスタシーを生むんですよね。芸術性と大衆性のバランスが丁度良い。MVで観たフロントウーマンのルシエルちゃんの斬新なルックスも含め、これからカリスマ的な存在になるかもしれない。


16.
離婚伝説 / 離婚伝説

マーヴィン・ゲイのイカれた迷邦題からユニット名を拝借しているところからタダモンじゃない感を感じ、配信シングルの「あらわれないで」を聴いてドハマり。ついに待望のフルアルバムが2024年に発売された。シティポップ、ソウル、AOR等を独自に昇華し、一歩間違えたらダサくなりかねん音楽性だが見事センスと技術でカバー、クールな仕上がりに。


15.
The Smashing Pumpkins / Aghori Mhori Mei

3枚組の超大作から僅か1年、今度は彼らが隆盛を極めていた90年代の制作方法に立ち返り、スマパン特有のシンプルかつ捻くれたロックサウンドが帰ってきたと言っても過言でない本作。マジで90年代のソリッドさとヘヴィさは全く失われておらず、それでいて温かみのあるアンサンブル作れるのは流石ベテランって感じですわね。


14.
稲葉浩志 / 只者

まず謙虚なタイトルが良いですね。歌詞はB'zよりも個人的かつ内省的になり、メロディやアレンジも翳りを帯びるのが彼のソロ作品の特徴で、本作もその要素は踏襲されている。初タッグとなる蔦谷好位置氏をPに迎えた一部楽曲は新境地に辿り着いており、直近のインタビューでも「やりたい事が多過ぎる」と語り、まだまだ音楽的好奇心が止まらないらしい。ホントに只者?


13.
Palaye Royale / Death Or Glory

前作のような壮大さは緩和され、本作はシンプルなキラーロケンローチューンをひたすら繰り出し、レミントンのちょいワルでセクシーなボーカルが光る作品となった。Maneskinのダミアーノもそうだけど、若い世代でこういうデンジャーな香りのする如何にも「ロックスター」的なフロントマンがいるバンドが令和に活躍してることが嬉しいですよね。


12.
Bring Me The Horizon / Post Human: NeX GEn

ここ10年のメタル史の中で最も音楽的深化と大衆性を獲得し、ヘッドライナークラスまで辿り着いたBMTH。15年前のボクはBFMVがメタルの未来だと思ってたんですが、完全に読み違えましたね。とは言え、所謂ゴリゴリの漢メタルとはかけ離れており、フューチャーエモ、ハイパーポップ、エレクトロニクス等を行き来し、スタイリッシュでありながらもエクストリームさも全く失われていない傑作。


11.
Pearl Jam / Dark Matter

エディ・ヴェダーが本作の試聴会にて「最高傑作」と評した4年ぶりの新作。30年以上ものキャリアがある中で、今を1番誇ってくれていることに万歳である。昨年ストーンズの新作を手掛け好評を得ていた若き天才P、アンドリュー・ワットの手腕もあってか、若々しいエネルギーとベテランの成熟度の塩梅が丁度いいメロディアスでタイトなロケンロー作品に仕上がった。


10.
Wishy / Triple Seven

最近シューゲイザーとパワーポップの旧譜を漁っているボクには朗報過ぎるバンドで飛びつくように聴いた本作。ただでさえ絶大なカタルシスを与えてくれるシューゲイザーをベースに、パワーポップ由来の甘く切ないメロが交錯することにより、この上ない多幸感に包まれる。楽曲によって男女ボーカルを使い分けているのもクールだ。


09.
Sebastian Bach / Child Within The Man

Oasis再結成、Linkin Park再始動、Mike PortnoyがDream Theaterへ復帰する中「あとはオマエだけだよバズ」と言わんばかりにSkid Rowへ頑なに戻らない男の10年ぶりの新作。制作に10年以上かかっていたことから、時代への調和性は大丈夫なのかと一瞬心配になるが、この男はいつの時代も「メタリックなロケンロー」をカマしてたことを一聴して思い出した。メタルおじさんの胸と股間を熱くさせる傑作だ。


08.
Jack White / No Name

ジャックが経営するレコードショップで商品を購入した顧客の買い物袋に、そっと本作を忍ばせることから流通が始まった恐怖の「名無しの青レコード」。内容は原点回帰と言わんばかりのジャック流ギンギンの爆音ガレージロケンローを展開しており最高にクールだ。そろそろガレージ・ロック・リバイバルのリバイバルの幕開けなんちゃいますのん?


07.
The Jesus Lizard / Rack

約26年ぶりの新作のため、メンバーもオッサンと化してしまったが、全く音楽性はブレておらず、変わらず唯一無二の猟奇的なロックをカマしている。本作は彼らの従来の作品とは異なりファットで聴きやすいミックスとなっているため、アルビニ先生がPだった頃のインディー感漂うあの硬質的で尖りまくった音は身を潜めてしまったが、入門編としては本作は最適だろう。


06.
Linkin Park / From Zero

待ちに待ったぜ7年ぶりの復活作。やはり特筆すべきは新ボーカルのエミリーだろう。彼女に起用を決めたバンドにキッスを贈りたい。偉大なるチェスターの後任なんて相当悩んだだろうが、ちゃんと彼のスタイルを踏襲しているし、マイク・シノダとの掛け合いもグッド。また女性ボーカルともあり、チェスターと比較し難いうえ、個人的にDead Saraを知らなかったおかげで、抵抗なくすぐ受け入れられた。


05.
The Reytons / Ballad Of A Bystander

「もしArctic Monkeysが令和時代にデビューしたら?」と思い起こしてしまうロケンローバンドの3rd。本国イギリスでは既にアリーナクラスの国民的バンドであり、2024年はついに来日も果たし、日本でも人気に火がつきはじめている。Arctic Monkeysはアルバム毎に全く毛色の異なる作品を発表しているが、このThe Reytonsは今のところ純粋な疾走ロケンロー一本勝負で愛おしい。


04.
King Gizzard & The Lizard Wizard / Flight b741

約12年の活動で驚異的な創作スピードで既に25枚ものアルバムを世に放っている変態集団の新作。昨年リリースした2作品はストーナーとエレクトロという両極端な内容で、改めて振り幅がイカれているなと思い知らされたが、The Band等に影響を受けた本作は60sのルーツロックの要素と、彼ら独特の奇妙なテンションの高さを織り交ぜた愉快でポップな作品に仕上がっている。


03.
Liam Gallagher & John Squire / Liam Gallagher & John Squire

マンチェスターが誇るスーパースター2人による夢のコラボアルバム。リアムはボーカルに徹し、ソングライティングは全編ジョン。これがまた地味に良い楽曲群でリアムとの相性もバッチリ。互いにリスペクトを持ちながらも、リラックスしてる雰囲気も伝わり、何よりもジョンのギターがブルージーで熱い。Oasis再結成により忘れられそうな作品だが、しっかりオレは覚えておくぜ、マンチェスターのニキ達よ。


02.
Myles Kennedy / The Art Of Letting Go

Alter BridgeやSlashとの活動で多忙を極めているはずのケネディさんのソロ3作目。両バンド活動中にもソロ用のアイデアが沸々と出てくるらしい。マジでクリエイティブが過ぎるぜ。しかしこのケネディさん、シンガーとして高く評価されているが、実はギターの腕前もかなり達者であり、本作のリフやソロのセンスから、ギタリストとしての人生も保証されている。


01.
The Cure / Songs Of A Lost World

と、言う事で第1位はThe Cureの16年ぶりの新作でした!実はこのバンドって2、3曲くらいしか知らなくて、本作に至っても「まだ活動してたんだ。聴いてみっか」くらいの軽いノリで聴いたら、まあとんでもない衝撃を受けた。まさか30を過ぎて音楽に衝撃を受けるなんてと思ってもいなかったヨ。その衝撃度は言葉で表すのが非常に難しいんですが、なんですかね?この全編にわたって重厚さと優美さと寂しさがまとめて胸に迫りくる感じ。一度ハマったら抜け出せない音像が本作にはある。

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