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ツバサンブル せいせき音フェス出演インタビュー | 活動開始から今までの「踏み出す一歩と翼奏記録」

ゲーム・アイドルマスターシャイニーカラーズ(以下、シャニマス)の楽曲のカバー演奏を中心に活動するバンド・ツバサンブルが京王線・聖蹟桜ヶ丘駅周辺で開催される「せいせき音フェス2024」の 2 日目(10 月 6 日(日))に出演することが決まっている。

また、同ゲームタイトルの 6.5 周年ライブ『Chapter 283』の DAY2 が同じく京王線沿線で開催され、ゲーム公式と京王のコラボも注目が集まっており、その告知でも取り上げられたツバサンブルの4人に普段の活動から今回の出演までの話をたっぷりと聞かせてもらった。

ツバサンブルとは?

──それでは最初に、それぞれ自己紹介をお願いします。

夜風悠衣音(以下、夜風)夜風悠衣音(よかぜ ゆいね)と申します。バンドでの担当はギターとボーカル、シャニマスの方の担当としては幽谷霧子になります。シャニマスを始めたきっかけは note で少女同士の関係が描かれて良いという評判をみたことでした。以前『LIVE FUN!!』に向けた voices の企画にも参加させていただきましたが、シャニマス楽曲全体では特に歌詞の面で『Daybreak Age』が好きです。

かきあげかきあげと申します。ツバサンブルではピアノ……バンドとしてはキーボード?を担当しています。シャニマスには友人に強く勧められた際に【You’re My Dream】園田 智代子に強く惹かれたところから入っていきました。その後しばらく智代子Pとして活動していましたが、だんだんと放クラ全体に興味を広げていったときにセンターの果穂に魅力を感じて今は果穂Pを名乗っております。曲としてはどちらかというとアルスト(アルストロメリア)のようなが方向性が好きな傾向がありますが、曲としての構成の好みや初現地である4thの思い出などもあり、曲単品では『虹の行方』が印象深いです。

おざき:ベース担当しています、おざきです。シャニマスの担当は(黛)冬優子ちゃんで、音楽で繋がっていた友達と一緒に吞んでいたときに進められてなんとなく付き合いで(シャニマスを)インストールしたのですが、気づいたらどっぷりとハマっていました。シャニマスの曲だと『Bloomy!』みたいなグルーヴ重視のポップスが好きです。

遠江遠江(とおとおみ)です。楽器はドラムで、アイマス(アイドルマスター)シリーズの中ではデレステ(シンデレラガールズ・スターライトステージ)の中居君の CM を見て(デレステに)触れ始めたのですが、友達と Discord で通話しているときになんとなく勧められたのがシャニマスに触れるきっかけでした。シャニマス楽曲で好きな曲だとノクチル全般、特に『いつだって僕らは』ですかね。曲そのものももちろん好きですけど、やっぱり 2020 年に初披露された『MUSIC DAWN』が色濃く残っています。当時は『天塵』を読んだ少し後というのもあって、コミュと音楽がバチっと噛み合っていたのも良かったなと。

──ツバサンブルの活動概要について改めてお伺いできればと思います。

夜風:ツバサンブルはシャニマス楽曲をバンドでカバーするのがコンセプトのユニットで、初めての動画は去年 11 月に公開したノクチルの『Catch the Breeze』のカバー動画になります。その後も Youtube でいくつか動画をアップしてきていましたが、この度せいせき音フェスでライブを生でやらせていただく形になります。

──夜風さんが出されていたメンバー募集っていつ頃出されていましたっけ?

夜風:あれは去年の 5 月とかだったんじゃないですかね。note を振り返ってみると……、やっぱり 5 月でしたね。

──となると、募集からもう 1 年半弱経っているんですね。

かきあげ:今の 4 人で結成となったのも去年の 7 月だったので、結成からも 1 年になりますね。メンバーが決まってから 8 月 4 日に初めてのミーティングをしました。

遠江:ほぉ~、そうなんだ。

かきあげ:そうなんです。

──思い出に対する温度差が……?(笑)

かきあげ:いや、常に正確に覚えていたわけではなくて、最近気になって調べていただけです(笑)

夜風:ミーティングで集まってもらったときのことはよく覚えていて、そもそもこのツバサンブルを始めるきっかけが 2022 年の終わりぐらいからシャニマスの二次創作をやり始めたものの、一人でバンドカバーという形式をやっていく中で自分の手札の狭さに直面したというものでした。

夜風:これは単純に自分の勉強不足というのもありますけれど、それだけじゃなくていろんな人のアイデアを持ち寄って音楽を作っていくことで何か新しいところに到達できるのではないか、というのが募集に到った際のモチベーションです。

──他のメンバーの皆さんは応募した際の心境はどうでしたか?

遠江:前からシャイニーカラーズの曲でバンド活動ができたら最高だけど、広義でアニソンの曲をネットでやってみたいというのはあって Discord とかで声掛けをしていました。が、なかなか反応がなかった時期が結構長く続いていまして、そんな中友達が夜風さんの募集のことを教えてくれてすぐに応募しました。当時はそこまでビジョンや大きな目標みたいなものはなかったのですが、活動していく中で他のメンバーの思いを聞いていくうちにだんだんとその手助けができたらな、という思いもドラムをやりたいという気持ちと同じぐらい強くなってきましたね。

おざき:私もシャニマスが好きすぎたのと、ちょうど応募のタイミングでサポートなどをあまりやっていなかったので何かシャニマスのバンドをやれたらなと思っていたところ夜風さんのメンバー募集 note に出くわしたので、それを見てすぐに参加表明をしました。あの頃の思い出というかエピソードとしては、当時インターネット上の知らない人とコミュニケーションをとるという機会があまりなかったのに加えて、野生のバンドマンってこの世で一番信用ならない存在なので──

一同:(笑)

おざき:もうなんとか信用を得なければと思って、今何歳でこのあたり住んでいて、これまでこういう活動をしています、という履歴書みたいなものを送りました。

夜風:そうでしたね。おざきさんの最初の DM がめちゃくちゃ丁寧で、猛烈なエアプじゃないアピールが来ましたね。

──それでは結構今は当時と比べてフランクな感じになったり……?

おざき:いやいや、もう根っこからそういう性格なのでそういうことはないです(笑)

かきあげ:おざきさんは知り合った最初から今までずっとこの感じですね。……で、私の参加表明のタイミングについてですけど、もちろん夜風さんの活動をもともと見ていてすごい人だなぁと思っていたところで募集 note を観ました。個人的には元々入っていたバンドでなかなかリーダーの価値観や言動の温度感が合わずに好きな音楽ができないな、というフラストレーションがたまっていた頃に見たお話だったので、読んだ瞬間に「もう逃す手はない」とおざきさんが絶対書かないような超簡単なメッセージを夜風さんに送りました。えっと……当時の DM をさかのぼると──。

こんにちは。突然ですがシャニマスバンドの応募ってまだ行っていますか?

かきあげ:とだけ送って、夜風さんからキーボード大歓迎ですよと返信いただいたという流れがありましたね。

これまでの動画製作活動について

──それでは次に、普段の動画製作の活動について、裏話や思い出話などありましたら教えてください。

かきあげ:まず動画を作る前のオンラインでの合わせの段階では、YAMAHA が提供している SYNCROOM というサービスをよく使っています。

かきあげ:最初の頃は部屋の配置上無線でやらざるを得なかった頃はラグがちょっとあって大変だったのいうのはあります。

夜風:SYNCROOM にはすごくお世話になっていて非常に便利だなと感じているのですが、なかなかオンライン上だとドラムがグルーヴを感じながら演奏するのが難しいので、曲に対するノリについて合意を形成するのはオンラインでやっていくうえで難しいところかなと思います。

おざき:あと、これはどちらかというと器材の関係ですけど、かきあげさんは喋るか演奏するかのどちらかしかできないってのがありますね。

かきあげ:あ~……。それは今もそうですね。

おざき:なので相槌を打つときは、メジャーコードなら肯定、マイナーコードなら否定という独特なコミュニケーション手段になっています。

かきあげ:それで全員に伝わるというのも面白いんですけどね(笑)。回線速度の問題は解決したんですけど、マイクとキーボードを両立する環境の部分はこの前ライブ用のキーボードを買ってしまったので、……はい、そっちもちゃんとしたやつ買います。

──お金がかかるところは本当に色々と難しいですよね……。最初に公開された『Catch the Breeze』のカバーに関して、曲を決めるところなどどのような形で進んでいったのでしょうか?

かきあげ:ノクチルの話なんで、ここはやっぱり遠江さんですかね?

遠江:あーー……、え、いや、ノリが好きってぐらいしかないですね。……なんで『Catch the Breeze』になったんでしたっけ?何個か候補があったのは覚えているんですけど。

かきあげ:最初はノクチルの曲だとバンドサウンドだからやりやすいんじゃないか、という話はあったと思います。

遠江:あ、それでだんだんと絞っていって、『Catch the Breeze』はドラム的に叩きやすいんでこれでいいですかって提案しましたね。今振り返ると自分が好きなユニットで叩きたい曲を利己的に選んでしまったな、というのは申し訳ないなと罪悪感が今でも少し残っていまして……。

おざき:いやいや、これはメンバーの総意なんで全然大丈夫ですよ。あの時候補を出したのが僕だった記憶がありまして、そもそも自分がやりたい曲だったので最初にこの曲を演れたのは楽しかったですね。

かきあげ:そうですよね、特になんというか揉めることもなくすーっと曲は決まった気がします。あと『Catch the Breeze』の思い出としてはなんといってもこのメンバーで初めて顔合わせをした曲だってところですよね。

夜風:シャニマスのライブ、……5.5th のときでしたよね。

かきあげ:そうですそうです。普段なかなか簡単に集まれるような距離でメンバー全員が住んでいないので、ライブでみんなが東京に来るタイミングで新宿のスタジオで合わせをしたんですよね。このときに初めて生音で合わせたという思い出も『Catch the Breeze』の動画には乗っかっています。

夜風:私の方で印象深いのは、以前別企画の際にインタビューでお話させていただいたのですが『リフレクトサイン』の動画になります。

夜風:あのインタビューでは原曲もロックっぽくて再現するのも簡単だと思ったら実際にやってみると大変だった、みたいな話をしたのですが、今思うとそんなに原曲に寄せてはいなかったなと思っています。ドラムのパターンとかも原曲と同じで叩いていないですよね?

遠江:結構違いますね。

夜風:そこの曲のノリを意図的に変えた部分に対する認識の違いが当初かなり出ていて、それぞれが出したデモ音源の方向性がガタガタでした。

一同:(苦笑)

かきあげ:オンラインで活動していく上で、音源を共有してテキストや言葉で感想や意見を共有するという形式は今でもまだ難しいです。

夜風:当時これ完成するのかな……って思いながらなんとかこぎつけました。実際かなり難航はしたんですけど、そこでみんな折れずについてきてくれて、クオリティを担保する方向をみんなで向いてやっていけると思えた時間でした。

おざき:あとは、最近の話になると『あの花のように』がやっぱり思い出深いです。

おざき:これは「シャニマス夏の動画コン」に合わせて作った動画で、このコンテストの発表から締め切りまでがすごく短かったんですけどなんとかやりきれた、という達成感があります。

──たしか実質 3 週間ぐらいしか製作時間がありませんでしたよね。

おざき:そうなんです。何か出せないかなと思っていたところ、夜風さんの方から何か出してみませんかと言われたので、そこから楽曲をみんなで決めて締め切りに間に合わせようと高いモチベーションで取り組めました。バンドをやっていると全員の熱量が揃わないことがよくあるんですけど、ツバサンブルはみんながモチベーション高くて、締め切り短くてもやっていこうという勢いがあったのは嬉しかったです。

ツバサンブルの「合宿回」!?せいせき音フェス出演に向けて

──お話いただいたような動画製作の活動がメインですが、今回せいせき音フェスに出演するにあたって、そもそもどういった経緯で応募に到ったのでしょうか?

おざき:実は私は聖蹟桜ヶ丘周辺に住んでおりまして、去年の開催の際にイベントを認知しました。イベント当日にスタジオ練があって出かけていてしっかり聴くことはできなかったのですが、街中で音楽が流れていていたのでネットで調べて、「せいせき音フェス」というイベントがあるらしいよとふわっとメンバーに共有しました。

おざき:そして今年の 5 月ぐらいですかね、参加応募が始まる頃に改めてメンバーに参加の意思を確認して応募しましょうとなりました。心持ちとしてもシャニマスのバンドなんで聖蹟桜ヶ丘で初ライブができることはすごく嬉しいです。

──先日発表された京王聖蹟桜ヶ丘ショッピングセンターとのコラボでも企画の内容として告知がされていましたね。

夜風:そうですね。参加が決まってから少しした頃に、実はせいせき音フェスの運営の方からシャニマス公式とのコラボ企画を進めていて、その中で取り上げることは問題ないでしょうか、といった確認のご連絡をいただいていました。

かきあげ:あの時からコラボの発表まで、公式コラボに……?と良い意味で心休まらないというか、そわそわした日々が続きましたね(笑)

──公式から発表があったときはどうでしたか?

かきあげ:もともと大きい話だとは思っていたんですけど、特設ページや X での告知で下の方に結構スペースをいただいて「参加バンドによるアイドルマスター シャイニーカラーズの楽曲演奏も予定。」と書かれていて……。これはヤバいぞ……って思いながら Discord でメンバーにスクショを共有しました。その後ツバサンブルのアカウントでツイートもしたんですけど、元気な文面の裏ではさすがにこの時は手が震えてましたね……。

──かなり「大きな話」になったせいせき音フェス出演ですが、これに向けての準備や練習での印象に残っているエピソードはありますでしょうか?

遠江:うーん、……僕は特に思い当たらないですね。

かきあげ:え!?それじゃあ……、人前で演奏することになったので、日ごろの練習により熱が入っています。

おざき:そうですね、私も練習時間は増えましたね……。

──……夜風さん、何かないですか?

夜風:実際スタジオでの練習の回数も増やしてまして、その中でもやっぱり記憶にしっかりと残っているのは『LIVE FUN!!』開催の時期に合わせた合宿ですね。

夜風以外の一同:あ~、合宿ね!!!

夜風:(笑)

──なんという茶番……。具体的にはどのような合宿だったのでしょうか?

夜風:合宿のきっかけとしては『LIVE FUN!!』で横浜に集まるので、スタジオ練習をする話は合宿の話の前から出ていたのですが、せっかくなら横浜で民泊を借りて合宿をしようという流れで宿とスタジオを押えました。

おざき:……でも細かいエピソードは正味あんまり覚えてないですね。めっちゃ呑んだから(笑)。でも、大人になってみんなで集まって合宿するなんてなかなかないですよね。そもそも学生時代すら私はそういうことしたことなかったんで「THE 青春」だったなと、青春を取り戻した感じがあります。

かきあげ:僕が放クラPっていうのもあるのですが、まず「合宿」って名前がいいですもんね。

おざき:遠江さんは合宿のしおりを作ろうとしていましたよね。何週間か前に画面共有してくれたけど結局持ってこなかったやつ。

夜風:そうそう、それありましたね。

遠江:そうでしたね(笑)。

かきあげ:しおりって一週間前とかに配って持参物の確認につかうものだから、当日に配っても意味ないですもんね……(笑)。『LIVE FUN!!』の方でもド直球の青春を浴びた後にそれぞれのメンバーの友人も加えた 7 人ぐらいでビールと東スポ冷凍餃子を囲って話したのが初日で、翌日は朝からスタジオ練習をしてアレンジの細かい部分を共有したのちにライブに行ってまた酒盛り。その翌日の月曜もみんな休みを取っていたので民泊のチェックアウト後にまたスタジオに入って練習というなかなかみっちりな合宿でしたね。

おざき:本当に密度がすごかったですよね。隙間のない充実そのもののスケジュールの合宿でした。

かきあげ:本当に楽しかったので、これからも毎年やりたいですね。

夜風:あと、お酒の話で本質情報なんですけど、ライブ当日は「せいせき秋のビールまつり」が開催されているので、6.5th 現地の方は当日の場合買ったあとどこかに預ける形にはなってしまうかと思うのですが、是非こちらの方も楽しんでいただけたらと思います。

「せいせき秋のビールまつり」公式HPより

──それでは最後に、せいせき音フェスでのライブに向けての意気込みをお聞かせください。

かきあげ:まず第一に我々がちゃんと楽しむことから始めて、それが会場に伝播していって聴いてくれた方全員が楽しい気持ちになってくれるように頑張ろうと思います。来てもらうからには「我々を推したことを、後悔させません いつだって必ず、あなたを笑顔にできるようにします」という意気込みでやり切ります!あと、当日の感想は #ツバサンブル #せいせき音フェス を付けて投稿してくれると嬉しいです!

おざき:Xでもたくさん拡散いただいていて、思ったよりも多くの方に注目していただいているのは非常に嬉しい一方で同時に心地よいプレッシャーにもなっています。来ていただいた方をがっかりさせないような良い演奏ができるよう、本番までしっかりと準備を進めていきます。あと当日はサポートのギターの方を呼んでいるので、その方の色も楽しんでいただけたらと思います。

遠江:もちろんシャニマスを知らない方にも聴いていただきたいですが、私たちの演奏の時は「シャイニーカラーズ」が好きな人が集まってくれると予想していまして、そういった場でみんなが「シャイニーカラーズが好きでよかったよね」と思えるような雰囲気をつくる演奏ができればと思っています。

夜風:私個人の話になって恐縮なんですけど、シャニマスのカバーを始める直前は音楽と向き合うのが億劫になっていた中、シャニマスの TikTok コラボキャンペーンで動画を投稿したことをきっかけにモチベーション高く活動を続けられています。この経緯もありまして、シャニマスとシャニマスの音楽に支えられて今があるので本当に感謝しかないなと思っています。今回こうしてカバーバンドでライブができるところまで自分を導いてもらえたことが大変嬉しく、受け取ったものを今度は聴いてくださる方へお返しできればいいなと。ライブに向けて動画の音源から演奏・アレンジともにアップデートをしたものをお届けできると思いますので、是非来ていただけたらと思います。

(取材・文:蜷川)


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