【乗車記録#3】東海道本線 20230109
2年前の正月、東京から兵庫の実家に帰省中に新型コロナに罹り1月8日まで自宅待機となりました。
体調が回復し、自宅待機解除となった翌日の1月9日、東京に帰ることにしましたが、普通に帰っても面白くないので東海道本線(在来線)を神戸駅から東京駅まで全て乗り通すことにしました。
※今回の乗車記録は、車内に人が多すぎたため写真をあまり撮れず、文字多めです。
東海道本線は日本初の鉄道が1872年(明治5年)に新橋〜横浜間に開業したことを皮切りに、大阪〜神戸間がその2年後に開業、さらに15年後の1889年(明治22年)に新橋から東京までが繋がりました。
現存する最古の鉄道路線であるとともに、日本の人流・物流の大動脈を担う、原点にして頂点に君臨する鉄道路線です。
東海道本線なくして日本はないと言えるくらいには大事な路線かと思います。
そんな東海道本線をせっかくの機会ですので乗り通したいと思います。
8:40頃
旅の始まりは東海道本線と山陽本線の起終点となる神戸駅です。この威厳ある赤いレンガの駅舎は3代目のもので、1930年(昭和5年)に建てられた歴史の深い駅舎です。
神戸駅の最も海側の線路には東海道本線の終点を示す589.34キロポストと、山陽本線の起点を示す0キロポストが置かれています。
現在においては、列車の運行上「JR神戸線」の途中駅的な立ち位置ですが、実は神戸駅は東海道本線・山陽本線という二大幹線の起点・終点であることが分かります。
1.東海道本線(JR神戸線・京都線・琵琶湖線)新快速 近江塩津行(神戸→米原)
9:02頃
まずは新快速近江塩津行きに乗車します。
新快速にとって神戸駅は途中駅に過ぎないので、既に多くの乗客が乗車しています。
9:05頃
三ノ宮駅に到着。
神戸市の中心たる駅は神戸駅ではなく三ノ宮駅です。
9:22頃
列車は早くも尼崎駅に到着。
丹波地方を経由し京都府福知山市へ至る福知山線と、上下分離方式で運行されるJR東西線の起終点駅になっています。
9:31頃
塚本駅通過後、淀川を渡り、西日本最大のターミナル駅・大阪駅に到着。
東京に慣れていても大阪駅の存在感には圧倒されます。
大阪駅を出発すると、新大阪駅に向けて再び淀川を渡ります。
9:34頃
新大阪駅に到着。
東京、九州へ向かう新幹線のほか、数多の特急列車も発着する大阪第二のターミナル駅です。
9:45頃
明治の巨大チョコレートが見えたら高槻駅に到着です。関西人なら誰しもが無意識のうちに目にしたことのある光景ではないかと思います。
9:53頃
山崎駅を通過。
列車は京都府乙訓郡大山崎町に入りました。
大阪府最後の駅かつ京都府最初の駅です。(当駅は大阪寄りのホームが少しだけ大阪府三島郡島本町にまたがっています。)
山崎は鉄道の有名撮影ポイントである「サントリーカーブ」で知られるかと思います。
10:00頃
京都駅に到着。
大阪駅と同じく関西のターミナル駅としての機能を持っています。観光の玄関口として、いつも多くの乗客で賑わっており、この駅を境に新快速の乗客も減りました。
10:09頃
大津駅に到着。
列車は滋賀県大津市に入りました。
神戸を出てから1時間で兵庫、大阪、京都、滋賀と4つの府県を跨いでいます。
10:14頃
石山駅を出ると少しだけ琵琶湖が見えます。
奥には冠雪した立派な山が見えますが名前はわかりません。
10:20頃
草津駅に到着。
滋賀県下で最も乗降客数が多く、特急ひだも停車する主要駅です。
旧東海道に沿って走る草津線も当駅から分岐しています。
なお、東海道本線はここからしばらく旧中山道に沿って走ります。
11:05頃
米原駅に到着。
長かった新快速の旅はここで終わりです。
新快速は引き続き北陸本線に入り、近江塩津駅へ向かいます。
2.東海道本線 普通 大垣行(米原→大垣)
11:00頃
東海道本線は、米原駅から東はJR東海の区間となります。わずかな乗り換え時間で大垣行き普通列車に乗り換えます。
11:12頃
車内放送では伊吹山の案内がなされています。
座っている席とは反対側なので写真は撮れませんでしたが、冠雪した伊吹山は圧巻でした。
11:14頃
柏原駅に到着。
滋賀県最後の駅です。神戸駅出発から2時間強、まもなく列車は東海地方、岐阜県へと入っていきます。
11:20頃
関ケ原駅に到着。
列車は岐阜県不破郡関ヶ原町に入りました。いよいよ東海地方です。
関ヶ原付近は勾配が急な区間になっています。下り線においては、貨物列車や特急列車はこの勾配を回避するため大垣〜関ヶ原間においては新垂井線を通ることになっています。
11:33頃
終着、大垣駅に到着。
大垣駅では次の列車に乗り換えるために階段を上り下りする必要があります。鉄道マニアは次の列車の座席を確保するために階段をダッシュ※します。(いわゆる大垣ダッシュ)
※危険な行為ですのでおやめください。
3.東海道本線 新快速 豊橋行(大垣→豊橋)
11:41頃
大垣駅からは新快速豊橋行きに乗車します。
11:48頃
かつて東海道本線を走っていた快速「ムーンライトながら」の由来にもなった長良川を渡ると列車は岐阜市へ入ります。
11:53頃
岐阜駅に到着。
岐阜県を南北に貫き、飛騨地方や富山へ向かう高山本線が分岐しています。
11:57頃
岐阜駅を過ぎると列車は快速運転を開始します。
木曽川を渡ると列車は愛知県一宮市です。
遠くには東海北陸自動車道の川島PA・川島ハイウェイオアシスが見えます。あいにくシンボルの大観覧車と思しき物体も目を凝らすと見えるかと思います。
12:01頃
尾張一宮駅に到着。
愛知県に入って最初の停車駅です。まだ名古屋には達していませんが、駅前は都会の様相です。
12:13頃
神戸駅出発から3時間少々で名古屋駅に到着。
特急を使わなくても3時間もあれば神戸から名古屋まで来れてしまいます。新幹線を使わないルートだと、大阪の鶴橋等から近鉄特急を使うという手もありますが、あまり時間は変わりません。(近鉄特急の方が若干早いし快適です。)
12:19頃
金山駅に到着
当駅は中央本線や名鉄、地下鉄の乗り換え駅となっており、名古屋駅にも引けを取らない拠点駅です。
中央本線(中央西線)は当駅から分岐し、中山道(木曽路)や甲州街道を経て東京に至ります。
笠寺駅〜南大高駅間は東海道新幹線との並走区間でしたが、残念ながら新幹線との並走バトルは実現しませんでした。実現したとしても間違いなくこちらがボロ負けですが。
12:31頃
大府駅に到着。
列車は名古屋市を出て大府市に入りました。
当駅からは愛知県南部に位置する武豊町へ向かう武豊線が分岐しています。
12:41頃
列車は新幹線停車駅の三河安城駅を高速通過し、安城駅に到着。安城市の中心駅は新幹線の止まる三河安城駅ではなく、こちら安城駅です。
12:46頃
岡崎駅に到着。
愛知県の区間も残り半分です。岡崎市は愛知県中部の主要都市で、県下5番目の人口規模を誇ります。
13:09頃
終着、豊橋駅に到着。
神戸駅出発から4時間が経過しました。
ここからは長くて辛い静岡県の区間です。(しばらくは愛知県です。)
なお、当駅は新幹線、在来線のホームが同じ高さにある面白い駅です。
4.東海道本線 普通 浜松行(豊橋→浜松)
13:23頃
豊橋駅からは浜松行き普通列車に乗車します。
ありがたいことに313系でしたのでクロスシートで快適に移動できます。
13:32頃
新所原駅に到着。
列車は静岡県湖西市に入りました。
長い長い静岡県の旅の始まりです。
13:37頃
写真では見づらいですが、浜名湖が見えてきました。
浜名湖を見ると静岡まで来た実感が湧きます。
13:45頃
弁天島駅付近では新幹線とのすれ違い・並走が見られました。
13:58頃
終着、浜松駅に到着。
浜松市は静岡県最大の都市です。
音楽、グルメなど様々なものがありますが私はまだ一度も訪れたことがありません。
5.東海道本線 普通 静岡行(浜松→静岡)
14:09頃
ここから先は元セントラルライナーの313系8000番台で引き続き快適な移動です。
ボックスシートしか取れなかったのでやや窮屈ではありますが211系のロングシートよりはマシです。
14:27頃
御厨駅に到着。
高輪ゲートウェイ駅とともに令和2年に開業した新しい駅です。地元住民からの新設要望は昭和末期には出ていたようで、実現までの間に平成が終わってしまいました。
14:36頃
掛川駅に到着。
列車はお茶で有名な掛川市に入りました。
静岡までの道のりは長いですが列車は着々と進んでいます。
新幹線だと掛川駅を通過したあたりで「もうすぐ静岡県だなぁ」と感じるところですけどね。
14:47頃
静岡県ならではの茶畑の広がる風景。
この辺りはたしか菊川市だったと思います。
菊川市もまたお茶の生産で有名な町です。
14:50頃
金谷駅に到着。
SLをはじめ、各地のお下がりの車両が活躍する「大井川鐵道」との乗り換え駅です。
駅の周りは思っていた以上に田舎風景だった印象です。
14:53頃
リニア中央新幹線の静岡工区問題で知られる大井川。
「箱根八里は馬でも越すが越すに越されぬ大井川」とも言われるほど、江戸時代には多量の水が流れており、東海道屈指の難所として知られていた大井川は、現在水が枯渇しています。
15:14頃
用宗駅に到着。
ようやく静岡市に入りました。山の中を走り続けてきましたが、用宗駅の手前で浜松以来の海が見えました。
15:21頃
静岡駅に到着。
浜松から終点の静岡まで終始満員でした。
少し疲れたので接続先の列車は見送り、後続の列車に乗ることにしています。
まだ昼食を食べていないので、とりあえず何か食べることにしました。
6.東海道本線 普通 熱海行(静岡→熱海)
16:03頃
静岡駅からはJR東海313系8000番台の熱海行き普通列車に乗車します。
一本列車を遅らせたもう一つの目的はこの車両に乗車するためでした。これで静岡県内を快適に抜けられます。
16:15頃
清水駅に到着。
咄嗟に海側に座ってしまったので富士山は見えないかと諦めていましたが、なんと、海側の席からも富士山が見えました。これは大変嬉しい誤算でした。
16:23頃
薩埵峠付近(興津〜由比間)の車窓は最高でした。
オーシャンビューと富士山の絶景を一度に楽しめます。富士山が見える区間は少ないですが、海側に座って正解だったかもしれません。
なお、薩埵峠は東海道本線、国道1号、東名高速という陸上交通における日本の大動脈が集結するいわば日本の心臓のような場所かもしれません。
16:34頃
富士川駅付近で夕陽に赤く染まる富士山がよく見えました。恐らく海側の座席から富士山が見えるのはここまででしょう。
16:37頃
富士駅手前で富士山は進行方向左側に移りました。
やはりこちらの方が遮るものがなく見やすそうです。
16:59頃
沼津駅に到着。
上野東京ラインの西の果てとなっており、関東に住んでいる人間にとっても耳馴染みのある地名です。
また、当駅からはかつて東海道本線だった御殿場線が分岐しています。
17:18頃
列車は長い丹那トンネルを走行中。
トンネルを抜けるとまもなく終着の熱海駅です。いよいよ関東も目の前です。
17:20頃
終着、熱海駅に到着。
長かった静岡県の旅はこれで終わりです。
また、米原駅から続いたJR東海の区間もここまでです。
7.東海道本線(上野東京ライン) 普通 高崎行(熱海→東京)
17:31頃
熱海駅からは上野東京ラインのグリーン車に乗車します。いよいよ最後の列車となりました。
ここからはグリーン車だから楽勝だと思っていたらグリーン車の乗車口に長蛇の列ができていました。やはり誰も考えることは同じですね。
(座席は無事確保できました。)
17:35頃
湯河原駅に到着。
列車は熱海と並ぶ有名な温泉血、神奈川県足柄下郡湯河原町に入りました。
神戸駅出発から8時間半、ようやく関東へ戻ってきました。
17:39頃
真鶴駅に到着。
ここから先、早川駅付近までは日が出ている時間帯は美しいオーシャンビューを楽しむことができます。
17:53頃
小田原駅に到着。
小田原市はあまり都市化が進んでいない神奈川県の西部では比較的大きな都市で、新幹線も止まります。
新幹線「のぞみ」で東京へ帰るとき、小田原駅を通過したあたりで「ただいま小田原駅を通過しました。あと15分ほどで新横浜です。」という車内放送で流れるのはおなじみですね。
17:58頃
国府津駅に到着。
沼津駅から分かれたJR東海の御殿場線は当駅を起点としています。また、新幹線を除いてJR東海の車両のやってくる東の果てとなっています。
(昔はJR東海373系の特急「東海」や快速「ムーンライトながら」が東京駅まで乗り入れていました。)
18:11頃
平塚駅に到着。
まだ東京まで距離がありますが、耳馴染みのある地名に少しずつ首都圏に帰ってきた実感が湧き始めます。
18:23頃
藤沢駅に到着。
江ノ島への玄関口です。
18:27頃
大船駅に到着。列車は鎌倉市に入りました。
大船駅は京浜東北・根岸線の西のターミナルです。ここまで来ればもう完全に帰ってきた感じがします。
駅の周りも次第に賑やかになってきました。
ここからは南回りで横浜へ向かう根岸線と、横須賀、久里浜方面の横須賀線が分岐します。
奥には横須賀線E235系のピカピカの車両が停まっていました。
18:32頃
戸塚駅に到着。神戸駅出発から9時間半、列車は横浜市戸塚区に入りました。
戸塚駅駅から先は東海道本線を走る上野東京ラインの列車は一部の駅を通過し始めます。戸塚〜横浜は横須賀線、横浜〜東京は京浜東北線が東海道本線の各駅に停車します。
18:42頃
横浜駅に到着。
ここは今回の旅の出発点の神戸と同じく非常に大きな港町。(横浜の方が比べ物にならないくらい大きいですが。)
一気に大都会の様相です。東京駅まで停車駅は残すところあと4駅です。
18:50頃
川崎駅に到着。
神奈川県の旅ももうすぐ終わりです。
混雑していたグリーン車も、横浜、川崎で一気に乗客が降りて行きました。
18:55頃
神戸出発から10時間弱、列車は多摩川を渡り、東京都大田区へ入りました。
いよいよ帰って来たんだなぁという達成感と翌日から仕事に行かなければならない憂鬱が入り乱れます。
19:03頃
列車は少し遅れて日本随一の巨大ターミナル、品川駅に到着。
列車は東京都港区に入りました。
奥には品川駅止まりの特急ひたちが停車しています。
19:07頃
高輪ゲートウェイ駅を通過。
東海道本線の駅の中では、静岡県の御厨駅と並んで最も新しい駅です。東海道本線の駅では唯一横文字が入る駅名かと思います。
19:08頃
写真だと見えづらいですが、汐留のビル群と高架橋の間から美しい月が見えました。
19:11頃
新橋駅に到着。
駅到着手前で新幹線に追い抜かれました。この度で何度新幹線に抜かれたか分かりません。
なお、現在の新橋駅は開業当初の1909年(明治42年)に烏森駅という名称で開業し東海道本線の起点となっていました。
5年後の1914年(大正3年)に東京駅が開業し、同時に烏森駅から新橋駅に改称されました。
(1872年開業の旧新橋駅は汐留駅に改称、後に廃駅。)
19:15頃
定刻より少し遅れて東京駅に到着。
神戸駅出発から約10時間、東海道本線(東京駅〜神戸駅)を全線走破しました。
東京駅のシンボルである丸の内駅舎。
1914年(大正3年)の開業に合わせて創建されました。
しかし、1945年(昭和20年)、東京大空襲により駅舎も被害を受け、ドーム屋根部分は破壊されました。
その後、ドーム屋根ではなく平屋根のような形で修復されましたが、2012年、創建当時と同じ形に復元されました。
今回使用した乗車券はこちらです。
経由が「東海道」のみという美しさ。
これをもって東海道本線全線走破の旅は完結です。