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【声に特徴がない僕が、声のお仕事をできるようになったわけ】

 有野優樹です!レッスン生の頃、オーディションでは「ありがちな声」『よくいる声』と言われてきて、個性がない僕の声で、果たしてやってけるのか‥と、不安に感じていました。ですが、今ではありがたいことに“今の僕の声”だからこそ、お仕事をいただけるようになってきたんですね。

 今回は、お仕事をする上での“個性”に焦点を当てて書いていきます!


【特徴がない僕の声】

 僕は「個性がない、個性がない」と言われてきました。しっかりは読めている。が、それは練習すれば誰でも到達できること。

 他にも真面目すぎる、堅い、しっかりしてそうなのに抜けている、かしこまった言葉を使うならちゃんと使いなさい、使えないのにそれっぽく言われても不愉快、などなど。ダメ出しばかりでした。(後半は100僕側の不手際ですが‥笑)

 学生時代、ナレーションのレッスンで先生に

『どんな人を理想としている?』

 と聞かれ某ベテランナレーターさんのお名前を言いました。

 『君のナレーションを聞いているとその人に憧れがあるんだろうなぁというのはわかる。でも、その人に頼むようなナレーションを君には頼まない。それは下手というわけではなく向いていないから。そのかわり若さ、フレッシュさ、勢いといった若手に求められるナレーションがあるからそれを研究してみて』

 といわれ、自分には何が向いている?何ができる?僕に頼むのはどんな内容?必死に考えました。

“個性”ってどうしたら出るんだ‥

 自分にはこんな個性があるのではないか?これは使える個性なんじゃないか?それが少し見えてきました。それは何かというと“そのままの自分”です。

 意識的に何かをするのではなく、そのままの自分の声。これ(そのままの自分の声)を仕事であったり、毎週金曜19時にYouTube投稿している朗読に素直に取り入れ始め、評価を得られることが増えてきました。

『自分なりの独特のイントネーションが、意外と通じるのではないか‥?』

 一見個性がなさそうという声と読みだからこそ、ハマりやすいものがたくさんある。無理に個性的な読みの土俵(不利な場所)へ進んで上がる必要はないのです。それは、一時的に作られたものなので、すぐにスタミナ切れを起こしてしまいますから。


【自分の声をひたすら分析する】


 1.ボイスサンプルを作り100人に聞いてもらう

 2.統計を取り評判の良かったもの、悪かったものを出してギャップを埋める

 3.すぐ上手くなる魔法みたいな方法はないことを理解する

 たまに「どうやって自分の声を分析してますか?」と聞かれることがあるのですが、その前にたくさん自分の声を聞いて、なにが合っているのか?どんな読み、系統なら商売になるのか?それは理想であってできる読みではないのではないか?を、あーでもない、こーでもないと考えているでしょうか。

 少し偉そうな言い方になってしまいますが、こういう質問をくださる方に聞いてみると考えていない方が多いです。とくにネットを中心に活動している方に多くみられる傾向で、配信活動などに一生懸命になっているぶん、自分の声について考えていないのです。(配信活動が悪いわけではありませんよ)

 ボイスサンプルを時間をかけてつくると、作り立ての瞬間は達成感もあり、良い出来になったのでは!?と、思いがちですが、しばらく経って(といっても1週間くらいたって)聞き直してみると、なんとまぁ下手なこと感じます。


 すぐに上手くなる方法なんてありません。プロの人のボイスサンプルをたくさん聞いたり、「お忙しい中大変申し訳ございません。お手隙の際にもしよろしければ〜」と自分のサンプルを聞いて頂いたりして、作っては消し、作ってはまた消しを繰り返しながら段々と精度を上げていきました。地道で果てしなく、つまらない行為です。しかし、これは誰でもできます。でもみんなやりません。誰でもできることを人一倍やっているからこそ差をつけられるのです


【基本的に自分の声は聞かれない】

 スタジオでのナレーション収録のお話をしたいと思います。

 落ち着いた雰囲気にはしたいけど落ち着きすぎていない少し明るい感じというイメージでご起用いただきました。

 「そこの語尾はもう少し上げ目で!」「あぁ!少し明るくなりすぎてしまったので、さっきよりは抑え目で1回目ほど落ち着きすぎない感じで!」という微調節があり、自分には難しい課題でしたが、なんとかやり切ることができました。

 そのぶんリテイクを重ねてしまいましたが、求められていることをすぐにキャッチして、アウトプットする。自分には難しい課題でしたが成長したような気がします。

 ゲームのようにそれぞれのパラメーターが数字でわかりやすく表示されていたらいいのですが、そんなことはないので、調節と実行の繰り返しをひたすらにしていきます。と、いうよりそのほかにない。

 声優になりたい!と思い専門学校に入りましたが、ナレーションの魅力に気づき、授業の時間割もアプローチもだんだんナレーション寄りになってきました。

 学生の時から「ナレーションがやりたいやりたい!」とずっといっていて、僕のナレーションボイスサンプルを聞いたことがない人からも「有野ってナレーションがうまいんでしょ?」なんて言われるようになりました。

 ただ「やりたい」だけしかいっていないのにいつのまにか「うまい人」に変わって広まっていたんです。ハードルを上げられても困ってしまいますが、しつこいくらいいっていないと自分の意見は伝わらない、そう感じましたね。

 少し若めの声、落ち着きの中にも明るさのある読み、優しい語り口、このようなイメージでよく採用いただきます。なので最低限、これらの読みがイメージの案件は確実に取りに行けるくらいの力をつけておきます。


【声が出なくなったとき、どうするか?】

 風邪で声が出なくなった場合や、なにかしらの障害で続けられなくなってしまった時、お仕事ができなくなってしまいますね。

 そんなとき、めちゃくちゃ助かったのがnoteでした。ダウンしている間も有料記事が売れたり、無料記事から僕を知っていただいてフォローしてくださったり。

 しかし、単発では終わりが早く来てしまいます。noteも一瞬見てもらえるかもしれませんが、内容がわかればすぐに飽きられてしまいます。なので、残りやすいもの、とくに文字ではずっと見続けてもらえる仕組みを作ることを意識しています。(かならず別のリンクをつけるなど)

 ここからは少し踏み込み、フリーランスでお仕事をしていくために、具体的になにをしてきたのか?を書いていきます。まずは、ネットプロモーションからお仕事に繋がったお話から。


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正直に言います。話を上手くするため、映画を見たり本を読んだりのお金に当てます。直近、島に暫く住む予定なのでそちらの生活費に。