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喋りを上手くして、話を聞いてもらう方法

ぼくは「喋りを構築する」と言っているが、これは建物などの建造物を作るときと似ているからだ。

喋りも建造物と同様、組み立て方が大事。土台がしっかりしていないとすぐに崩れてしまう。建築家といえば一番最初に思いつくのが(敬称略)隈研吾。隈研吾の著書に「なんだ。喋りと同じじゃないか」と思わされる言葉があった。

建築家に必要なのは、その建築に人々が何を求めているか、社会がその建築に何を必要としているかを理解する能力である。

隈研吾 ひとの住処より(新潮新書)

聞いている人は自分の喋りに何を求めているのか?
その場にどんな喋りを求められて自分は呼ばれたのか?

それをいち早く理解し、そこに合わせた喋りをする人がいわゆる「喋りの上手い人」だ。喋るネタがない、出せるような話がない、話が上手くないから。話をうまくする訳は出てこないのに、うまくない(うまくいかなくする)訳は出てくる。それはさておき

まずそもそも“自分に喋りのうまさが求められているのか?”を知る必要がある。

必要がないなら悩まなくてよい。ぼくが喋らせていただくときは進行や補助(たまにホスト)が多いので、お便りや決まったトークテーマに触れること、喋っている人が気持ちよく話を展開できるようにすることが求められる。

そう。ぼく自身の喋りは必要ない。

言葉が出てこなかったり、話のテンポ変える必要がありそうなら「〇〇ってことですかね?」「〇〇みたいな?」と言葉をパスしたりツッコミを入れたりする。その場にあった言葉選び(センス)力が問われる。だからツッコミ言葉リストを作ったり、知識を入れていつでも言葉が出るようにしているここで注意しなければいけないこと。

「知識自慢にならないこと」

進行の役割は、場を円滑に回すことだ。自分の喋りを聞いてもらうことではない。

ここからはイベントMC、ラジオ、フリートーク、階段語りを経験して得た「喋りの構築の仕方」について書いていく。


上手い喋りとはなんなのか?

上手い喋りを、“その場で求められる喋りを提供できる人”と定義する。アーティストやアイドル、その人自身のパフォーマンスが売れている人には良い意味で上手い喋りは求められない。(面白い話とは別。面白い話については後ほど)

喋りには、ずっと聞いていたくなる喋りとそうでない喋りがある。その違いはなんなのか?2つある。

「うまく進めているでしょ?」という喋りと「相手が喋った情報にかぶせて倍以上の知識を出すホスト」の喋り。それを「喋りが上手いですね」なんて言われてニヤニヤしている人がいる。そんな喋りは二度と聞きに行かない。

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正直に言います。話を上手くするため、映画を見たり本を読んだりのお金に当てます。直近、島に暫く住む予定なのでそちらの生活費に。