同じ遺伝子を持った人たち
私はデュシャンヌ型進行性筋ジストロフィーに縁深い人間です。
37年前に他界した実兄と、19年前に誕生した息子がこの病気です。
遺伝性も高い病気で、母親の劣勢遺伝子を受け継いだ男子に発症する病気です。
つまり私は同じ遺伝子を持って生を受けながら女子だったので発症しなかった訳です。
どの世代で遺伝子が劣勢へと変化したのかは分かりませんが、私の産んだ男子が同じ病気だったことで、私は明らかにキャリアであろうことは決定されました。
息子の病気とともにあった20年弱で得た体験や想いを徒然に記してみようと思います。
息子が私を人間にしてくれ、息子の成長はそのまま私の人としての成長の記録でもあります。
ささやかな成長ですが、誰の経験もそうであるように、この経験を表現することは何がしかの意味があると思いますし、私にしかできないことです。
ようやく迎えたそんな気持ちのままに、さて、スタートです。