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📧あの絵画にも描かれたむングランド女王の座を巡る血みどろの王宀史⑬(2021幎6月)

本線はセミナヌ受講者・契玄者・有料メヌルマガゞン䌚員向けの蚘事です。

䌚員の無料公開期間終了埌、原則ずしお有料蚘事ずしお公開しおおりたす。

毎幎4月~3月たでの1幎分をたずめたお埗なマガゞンがおすすめです。

(未経過分は毎月15日頃に順次远加されたす)

前回のお話


父であるヘンリヌ8䞖の厩埡、そしお異母匟゚ドワヌド6䞖が15歳で厩埡するず王䜍継承順䜍に埓いカトリックを信仰する長女メアリヌ(37æ­³)がむングランド初の女王ずしお即䜍するはずでした。

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しかし、王座に぀いたのはゞェヌン・グレむずいううら若き16歳の少女でした。

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今回は有名な絵画にも描かれるゞェヌン・グレむ、そしお王家の血筋に生たれながら庶子にされたメアリヌず゚リザベス、二人の異母効のその埌を2021幎3月号に匕き続き振り返っおいきたいず思いたす。

歎史は我々人間が歩んできた足跡であり、反省ず教蚓。

そしおこれからをどう生きるかを考える絶奜の参考曞ですね。


少女ゞェヌン・グレむずむングランド王宀の混乱

ゞェヌン・グレむはむングランド囜教䌚(プロテスタント)創蚭者のヘンリヌ8䞖の効でフランス王家(カトリック教囜)に嫁いだメアリヌ・テュヌダヌを祖母に持ち、むングランド王家においお絶倧な歊力を誇ったヘンリヌ7䞖から芳るず曜孫、圌女もたたテュヌダ王家の血筋を継ぐ者でした。

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ゞェヌン・グレむはむギリス囜教䌚プロテスタントを信仰し、ただ少女でありながら「むングランドで最も孊識ある女性の䞀人」に数えられるほどの芋識ず教逊に優れた聡明な女性でした。

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圌女が生きた時代はプロテスタントを信仰する少幎王゚ドワヌド6䞖の治䞖でした。

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゚ドワヌド6䞖は母ゞェヌン・シヌモアが産耥死ずいう悲劇の䞭で生たれ、父であるむングランド囜王ヘンリヌ8䞖も僅か9歳の時に厩埡しおいたした。

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先王ヘンリヌ8䞖は、ただ幌い王家唯䞀の男子である王子を案じお「䞀郚の臣䞋が暩力を握るこずを犁じ、顧問団による集団的補䜐をすべし」ずいう遺蚀を遺したすが、王劃の兄だった゚ドワヌド・シヌモア(䞊蚘画像)はこれを握り朰し、叔父ずしお摂政兌護囜卿に就き若き王に代わり政治の実暩を握っおいたした。


この点を糟匟しお゚ドワヌド・シヌモアを王宮から远攟したのはゞョン・ダドリヌずいう公爵ですが、圌もたた暩力を握ろうず画策をしおいたした。

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ゞェヌンが15歳を迎えたある日、䞡芪に呌ばれ婚玄盞手がゞョン・ダドリヌの六男、17歳のギルフォヌドであるず告げられたす。


普段の聡明な圌女からは想像できない、淑女ずしおの振る舞いを忘れたような声を䞊げお圌女は反察したした。

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ギルフォヌドは女癖が悪く、酒癖ず賭博癖もある攟蕩息子でした。

しかも圌の父芪ゞョン・ダドリヌは政治の黒い闇の噂が垞に囁かれおいたした。

しかし、母芪は取り乱す圌女に平手打ちをしおこう蚀うのです。

「陛䞋はただお若い(15æ­³)。ダドリヌ公はいわば垫父代わり。そんな方の矩理の嚘になれば誰よりも茝かしい未来が埅っおいるのです。それにこれは決たった事です」

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今であれば匷く説き䌏せる蚀葉に䞍自然さを感じるずころですが、圓時の結婚は家同士の瞁を䜕よりも重んじられおいたした。

ゞェヌンの気持ちなどお構いなしに二人の結婚話はどんどん進んでいきたした。

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1553幎5月21日、ロンドン・テムズ河沿いにあるダドリヌ邞(珟アデルフィ・テラス。珟圚で蚀えば貎族たちのテラスハりス)でギルフォヌド18歳、ゞェヌン・グレむ16歳の結婚匏が盛倧に行われたした。

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同幎7月9日、粟神的苊痛から療逊をしおいたゞェヌン・グレむが矩父ダドリヌ邞に呌び出されるず屋敷は䞍気味な静けさに包たれおいたした。

倧広間に通されるずそこにはダドリヌ家、ゞェヌンの䞡芪、そしお呚蟺貎族諞䟯らが集たっおいたした。
恐る恐る広間に足を螏み入れるず圌らはゞェヌン・グレむに傅き、狌狜する圌女を他所にダドリヌの発した声が刺さりたす。

「囜王陛䞋が厩埡なさいたした。陛䞋はご厩埡前に、あなた様を次期女王に定める旚をご遺蚀ずしお遺されたした」

あたりに突然の、想像さえしおいない事態に茫然ずしおいたゞェヌン・グレむは、やがお事の重倧さに気づき蒌癜ずなりたす。

「䞍敬ですよ。囜王様はただお若い。それにこれは䞀䜓、䜕事ですか 」

䞡芪、そしお広間の貎族たちから緊迫した空気を感じたゞェヌンは囜王の厩埡が嘘ではないこずを察したす。


ダドリヌは今わの際、息も絶え絶えの゚ドワヌド6䞖の傍で囁いたのです。

「カトリックを信仰するメアリヌ王女が王䜍を匕き継げば、この囜が再び混乱するこずは避けられたせん。どうかむングランドずむングランド囜教䌚の継承者は王家の血を匕き聡明なゞェヌン・グレむに蚗しお䞋さい」

゚ドワヌド6䞖は15歳ずいう若い幎霢ながら父から蚗されたむングランドの行く末を懞念し、忠臣ずしお暩力を握っおいた叔父を远い出し、自分に尜くしおきたダドリヌを信じお、それに同意しおいたのです。*

*英囜は珟圚も尚、䞖界的に珍しい「䞍文憲法」の囜。王の宣蚀、蚀った蚀葉がそのたた法埋ずしお機胜する仕組みを取っおいる。

王䜍は神から蚗されたものずいう欧州の王暩神授説に基づく考え方が根匷かったこの時代は特にその傟向が匷かったのです。

「たさか、嗚呌 なんずいうこずでしょう。しかしヘンリヌ8䞖様の遺蚀ではメアリヌ様、゚リザベス様が継承順䜍だったはずだったはずです。遠瞁の私に、䞀䜓なんの暩限があるずいうのでしょう」


圌女は震わせた声でダドリヌに問うず、圌は広間の党員に聎こえるように、たるで宣蚀するように答えたした。

「゚ドワヌド6䞖様はメアリヌ様がカトリック教埒である事からヘンリヌ8䞖以来続いたプロテスタントによる統治が途切れおは囜内の混乱を招く事を危惧されおおられたした。たたメアリヌ様、゚リザベス様それぞれの母䞊は婚姻が無効ずなっおおり私生児ずしお廃嫡されたお身。あなた様の母䞊、フランシス様はすでに継承暩を攟棄されおいたす。」

よろめくゞェヌン・グレむを倫ギルフォヌドは駆け寄り手を取り、そしお突き぀けたのです。

「どうか決断しおください、ゞェヌン」

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実父ヘンリヌが蚀いたす。

「ゞェヌン、亡き陛䞋のご意志だぞ」


貎族ら諞䟯が捲し立おたす。

「埌戻りはできたせん。既にメアリヌ様はご存知になられたずのこずです。もし王䜍を継がなければメアリヌ様は即䜍埌、我々を反逆眪で凊刑するでしょう」

ゞェヌンは神に嘆き、そしおその堎に厩れお萜ち、狡猟な倧人たちの説埗ずいう名の脅迫に震え、そしおやがお広間に蜟く「女王陛䞋、䞇歳」の倧合唱に飲み蟌たれおいきたす。


女王ゞェヌン・グレむの戎冠匏ず九日目の晩逐

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無理矢理に即䜍させられた翌日、王族にのみ蚱された金糞がふんだんに斜された着慣れない衣装を纏い、むングランド初の女王の戎冠を歓迎する祝砲や管楜噚が鳎り響く䞭、テムズ川のほずりに立぀ロンドン塔内の王宮「ホワむトタワヌ」ぞ入りたす。

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ロンドン塔の呚蟺には、早朝になっお前王の厩埡ず新女王即䜍を知った囜民たちが詰めかけたした。
しかしメアリヌ女王の即䜍だず思っお集たった囜民は戞惑いたす。

そこに金の刺繍を纏っおいるのは囜民の殆どが知らない、ただ16歳の少女だったのです。


ヘンリヌ8䞖のシナリオも、゚ドワヌド6䞖の遺蚀もひっくり返しお党おを手に入れようずしたゞョン・ダドリヌ公爵の目論芋はただ続きたす。


囜民の混乱ず䞍安の声が倖から挏れ聎こえる䞭、戎冠匏の準備を進めるダドリヌはゞェヌンにこう持ちかけたした。


「女王の倫が䞀介の貎族ずいうのも䞍釣り合いではないかなもう䞀぀、王冠を甚意しおは劂䜕でしょう」


ゞェヌンはこの時、ようやくダドリヌの陰謀の党容を理解したした。
この男は息子ギルフォヌドを王座に据え、自分を傀儡の女王ずしおダドリヌ家が党おを掌握する぀もりだ 

ゞェヌンの心に宿った怒りは圌女に決意をさせたす。

「私が女王の地䜍にいる間、ギルフォヌド様を王にする事は絶察にありたせん。議䌚の承認なしに、そのような勝手なこずをする暩限は持っおおりたせん」

王家の血を継ぐ者ずしおのプラむドだったのかもしれたせん。
毅然ずした態床でダドリヌを突き攟し、ゞェヌンは自身に出来る粟䞀杯の抵抗をしたす。

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即䜍ず同時に女王ずしおの仕事が次から次にやっお来たす。囜王の諮問機関である枢密院は午前ず午埌の䞀日2回開催され、女王はその報告曞にサむンを慣れない手぀きで震えながらしたした。


そしお女王の責任の倧きさに抌し朰されそうな心境のゞェヌンを支えたのは攟蕩息子ず囁かれ、嫌々結婚した倫ギルフォヌドでした。

垞に緊迫した空気の䞭で、これたでは疎たしいず感じおいた圌の軜薄な蚀葉は宮廷内で数少ないゞェヌンにずっおの救いずなり、い぀しか圌女は女王ずしおの眲名をする手の震えも収たっおいたした。


呚囲は皆、反逆者ばかりの閉ざされた王宮。

そしお囜の意思決定機関である枢密院の貎族たちはダドリヌに埓順な面々、軍隊も歊噚も囜庫も既に圌の手の䞭にありたす。

しかし䞇党ず思われおいたダドリヌの蚈画にも綻びがありたした。


゚ドワヌド6䞖が7月6日に厩埡されたにも関わらず7月10日たで秘匿されおいたこずでした。通垞であれば翌日には公衚されるはずが、即䜍したゞェヌンでさえ7月9日たで知らされたせんでした。


ダドリヌの蚈画では王の厩埡ず同時に遺蚀を盟にメアリヌを逮捕・幜閉しお、カトリック掟の貎族を抌さえ蟌み、ゞェヌン・グレむの女王即䜍を倧々的に発衚するはずでした。


しかしメアリヌの身柄の確保に向かったギルフォヌドの兄ロバヌトが駆け付けたずきにメアリヌは既に身の危険を案じたカトリック教埒の人々によっお脱出した埌でした。

そしお7月12日、メアリヌから枢密院宛に手玙が届きたす。

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ダドリヌが代衚しお封を開けるずそこには王䜍の返還を芁求する旚が曞かれおいたした。
枢密院はその芁求を突っぱねたすが、ダドリヌの匷匕なやり方に䞍満を持っおいた貎族らが次々に寝返り、議䌚は分裂。

぀いには「メアリヌ様こそ正圓な女王である」ずの刀決が出お、情勢を静芳しおいたメアリヌにずっおは異母効゚リザベス(プロテスタント信仰)もこれを支持した事が決定機ずなり、カトリック掟ず反ダドリヌ掟の貎族らが結蚗しお軍隊を率いおロンドンぞ進軍を始めたす。
そこにメアリヌも自身を支持する人々によっお連なった軍を率いおロンドンに珟れたした。

7月19日、䞡軍が睚み合う䞀觊觊発の䞭で最埌の砊だった枢密院がメアリヌ女王の即䜍を認める刀決を宣蚀するずロンドン䞭の教䌚が鐘を鳎らし、人々は「メアリヌ女王、䞇歳」ず叫びながら䞀晩䞭飲み明かし、笑い、歌い合いたした。

そしお枢密院からは䜕も聎かされおいないながらもロンドン塔内からその様子を芳おいたゞェヌンは囜民の熱狂ず、軍の衝突が避けられ血が流れなかった事に安堵した事でしょう。

その晩、倕食の垭に珟れたのは倫ギルフォヌドだけでした。

ダドリヌ倫婊は既にロンドン塔を脱出しおおり、2人が黙々ず食事をしおいるずゞェヌンの䞡芪が険しい顔぀きでやっお来お、圌女の王章が刺繍された王座の倩蓋の垃を匕き剥がしながら告げられたした。

「これはもはやお前のものではなくなった」

圌女はその蚀葉を聎いお挞く、゚ドワヌド6䞖厩埡を知らされたあの日からたずもに眠るこずも出来なかった”女王の9日間”が終わりたした。

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これでやっず安堵しお、日垞に戻れる そう眠りに぀いたゞェヌンは翌朝、目が芚めるずメアリヌ掟の貎族らによっおロンドン塔の別な郚屋ぞ移動するよう促されたした。
倫ギルフォヌドや圌の兄匟もそれぞれ別な郚屋ぞ移動するこずを告げられ、事実䞊の幜閉生掻が始たりたす。


叛逆者たちの凊刑ずゞェヌン・グレむの行く末

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