番外編:Station F
先日パリに行く機会がありました。パリと言えば、エッフェル塔やフランス料理、チョコレート等の高級スイーツを楽しみに行かれると思います。
しかし、今の自分の中でパリと言えばHECかStation Fです。
Station Fとは世界最大のスタートアップ・キャンパスです。世界的な富豪で投資家の Xavier Niel 氏が資産を投じ、フランス政府と協働で立ち上げました。建物内には無数のスタートアップ、VC、大企業、政府関連部署等が入居しております。
建物自体は100年以上前の駅(貨物列車専用?)を改装して出来ており、エッフェル塔を倒した程の広さがある様です。(縦310m / 横58m)
もともと中には紹介が無いと入れないと聞いていたので、外観だけでも見たいと思っていたのですが、ホームページでツアーの申し込み可能でしたので早速申し込みました。フランス語と英語でのツアーが選択可能で、11:30より約1時間のツアーです。
では、何が果たして魅力は何なのか。
Station Fはインキュベーションでもアクセラレーターでもコワーキングスペースでもなく、スタートアップ・キャンパスです。
同じ建物内にスタートアップが成長に必要な資金、アドバイス、手続き等をここで全て完結する事が出来、「時間」というもっとも大切な資源を有効的に使える様にと設立されました。
既に1000社以上のスタートアップが入居しており、Kima Ventures等の数多くのVC、そしてAppleやGoogle、Microsoft等の大企業がオフィスを構え、各スタートアップが気軽に相談出来る環境が整っております。例えば、GoogleはAI関連の中心のスタートアップに自社のAI技術等を提供している様です。ここでは、各ファウンダーが大企業の協力を簡単に得られます。
また入居しているスタートアップ限定のアクセラレータープログラムも数多く実施されており、起業家に特化したFounders Programに限らず、LVMHが主催しているコスメ・ビューティー・ファッション関連スタートアップ用のプログラム等幅広く中で行われております。
他にもスタートアップが必要とする事務手続きが出来る関連部署や自由に使えるオシャレなミーティングルーム、プロトタイプが作成可能な制作室(図工室?3Dプリンター等の機械が自由に使えるエリア:DMM.AKIBAの様な充実度)がキャンパス内にあります。
これ以外にも400人近く収容可能なイベントスペースがあり、ツアー当日もスタートアップのデモイベントがキャンパスの中心で行われておりました。
また、私のリスニングが間違っていなければ籍を置いているVCやCVCが週2,3社に投資している様で、キャンパス内かなり好循環しているのが伺えます。
極めつけが、寮に似た居住施設が近々出来るそうです。しかも、€300!!パリに限らず、世界中どこにいても破格の金額だと思います。
起業家にとってこれ以上の環境は無いのではないでしょうか。
しかしながら、Station Fに入りたい起業家は後を絶たない状況で、キャンパス内もほぼいっぱいとのこと。元々の駅自体が重要文化財にもなっている為、キャンパス自体の拡張も不可能だと。
果たして日本にもStation Jは出来るのか。。。