HiHi Jetsの「サヨナラの方程式」がとってもいいんですよ
私は普段は洋楽を好んで聴くので邦楽には疎い。ただ、好きなアニメの主題歌とかエンディングなどはチェックするし、良い曲だなと思えば購入もする。
今日ご紹介するのは、アニメ「爆丸」のエンディングに起用されている、ジャニーズ所属のグループ、HiHi Jetsの「サヨナラの方程式」という曲である。
爆丸は男児向けのホビーで、それの販促のためのアニメが月曜夕方に放送されている。まあいわゆる「ホビーアニメ(ホビアニ)」というものだ。ホビーがあってこそのアニメである。
爆丸アニメは2019年4月から放送開始、そしてそのオープニング、エンディングにはHiHi Jetsの曲が起用されていた。正直私は彼らのことは詳しくなかったが、爽やかで明るくてホビアニにぴったりの曲だと思っていた。
しかし9月、メンバーのうちの2人がプライベートで不祥事をおこし、活動自粛となった、というニュースが流れた。ええ!爆丸歌ってる子たちじゃないの!と思って驚いたが、主題歌もエンディングも変更はなかった。ただ、どうもそのメンバーの声だけ編集して、3人だけのバージョンになっていたらしい。その辺りは、何が背景にあったのかは分からない。
彼らに関してのことはそれからは私は知らなかった。しかし2020年1月20日放送の爆丸にて、エンディングがHiHi Jetsの新曲になる、というアナウンスが爆丸公式ツイッターで流れてきた。
彼らについて追いかけていたわけではなかったので、このツイートにより、彼らがまた活動を再開したのだ、ということが分かったし、また、若いグループなのだからまだまだこれから頑張ってほしいと素直に思っていたのでこれは嬉しいニュースだった。
そして驚くことにこの爆丸の公式ツイッターのツイートのRT、いいねの数がとんでもないことになっていた。それまで、アニメの宣伝のツイートでも3桁にいったところを見たことがなかったのだが、その新エンディングのアナウンスのツイートは1万近くRTされていたと思う。そう、HiHi Jetsのファンの方々の力だ。
おそらくHiHi Jetsの側の方でも宣伝はされていたのだろうと思う。そうだよね、ファンはきっとみんな待ってたよね、この日を。そしてその復活となる新曲が、爆丸のエンディングで初披露されることになったわけだ。なんてドラマチックなんだろう。
前置きが長くなったが、これらを踏まえて、彼らの新曲、爆丸の新エンディングの「サヨナラの方程式」を聴くと、かなりグっとくるものがあるのだ。歌詞を全て載せるわけにはいかないので、毎週火曜にアップされるアニメ動画をチェックしてほしい。
その歌詞の中に、「誰だって最後は独りだろうけど」という一節がある。私はエンディングのときはどちらかといえば映像の方に集中する方なのだけど、この部分だけはやたらと印象的で耳に残る。
最後は独りだろうけど、なんてなかなかそれを歌詞にしようなんて思えないのではないか。特にホビアニ、子供向けアニメに流す曲で、だ。
爆丸も他の多くのホビアニのように、主人公には仲間がいて、その仲間たちの絆で立ち向かうようなシーンも多い。「君は一人じゃないんだ」というテーマの方がふさわしいしホビアニにはそういう曲が多い。
しかしこの「最後は独りだろうけど」って。いや、ぶっちゃけ、これには同意する。人間、最後は独りになるだろう。でも普通そんな寂しいこと歌詞にするだろうかしかも子供向けアニメの曲で(爆丸のための書き下ろしじゃないにしても)。
そこを敢えて、ずばっと言ってきているのが深いなと思ったのだ。チームで戦うことをテーマにしているのに、「最後は独りだろうけど」というところ。
そして歌詞はこう続く。「どうしても離れがたくて」と。ここでさらに、ああなんて深いんだと思うのだ。
HiHi Jetsの昨年からの色々を踏まえると、この曲ってメンバーの今の心境を歌っているのかしれないとも思える。
アニメエンディングの映像では、主人公のダンが歩いていると次々と仲間が集まってきて一緒に歩いていく様子が描かれる。しかし最後には他のキャラはみんな先へ進んでいってしまい、またダンが一人になる。
そのシーンともマッチしてるんだよなあ。うまいなあ。
余談だけれど、爆丸アニメはおそらく日本では1期で終わりになる。というのもホビーがもう完全に打ち切られてしまってるからだ。海外ではどうやらホビーはまだ売られていてそこそこ人気もあるようなだけに、残念である。
しかしこのHiHi Jets効果で、ファンのみなさんが爆丸をめっちゃ買ってくれたらしく(どうやら爆丸の色とメンバーカラーが一致した部分もあったらしい)、一時はAmazonのホビー部門で爆丸がトップ10をほぼ独占する、なんていう現象も起きた。
爆丸を立て直すには少し遅いブームではある。これが昨年中期くらいに来ていて、しばらく続いたならもしかしたら…と思わなくもない。しかし我々ホビーファンがいくら買ったところで力及ばなかったものを、一時的なものであれ、HiHi Jetsは爆丸のホビーを押し上げてくれたのだ。
ファンの力は偉大である。