
日産に復活してほしいから書く
皆さん。こんばんは。
以前、記事にした日産について。
日産ユーザーでもあるし、本当に復活してほしいと願ってるんです。
もう少し、書きたいです。
自動車メーカーが復活した
この言葉を聞いて僕がまず思い出すのが、クライスラーについてです。
当時まだ若かった僕は、とても衝撃を受けました。
そもそも、自動車メーカーって潰れるんだ、、、そして、復活できるんだ、って思いました。
クライスラーは、1979年に経営危機に陥り、アメリカ政府から15億ドルの融資を受けて一時的に乗り切りました。
しかし、その後も断続的に業績悪化を繰り返しました。
(現在の日産みたい)
特に、1998年のダイムラーとの合併以降、文化的摩擦や経営戦略の不一致が深刻化し、期待されたシナジーを十分に発揮できませんでした。
(現在の日産みたい)
さらに、2008年のリーマンショックで自動車業界全体が打撃を受ける中、高価格帯の車種に依存していたクライスラーは消費者の購買力低下の影響を大きく受け、売上が急減。
2009年には連邦破産法第11章を申請するに至りました。
主な原因は、競争力の低下と経営の混乱、財務の脆弱性にあります。
1970年代以降、日本車が高品質・低燃費を武器にアメリカ市場で台頭する中、クライスラーの製品は技術革新が遅れ、消費者の嗜好に合わなくなりました。
(今の日産みたい)
また、トラックやSUVに偏重した製品ラインナップは、ガソリン価格の高騰時に販売不振を招きました。
さらに、巨額の負債により競争力回復のための投資が難しく、リーマンショック時には資金繰りが行き詰まりました。これらの要因が重なり、クライスラーは繰り返し危機に直面する結果となったのです。
これだけ聞くと、なかなか回復は難しく思えますよね。
ですが、ここから巻き返します。
クライスラー再建の鍵:生産効率、新モデル投入、そしてリーダーシップ
窮地に陥ったクライスラーは政府支援、コスト削減、新モデルの投入、戦略的提携を軸として、短期間で業績回復を成し遂げます。
1. 生産効率の向上
クライスラーは、再建の柱としてフィアットとの統合を活用し、生産効率の大幅な向上を実現しました。
特に、プラットフォームや部品の共通化を推進し、新車開発や製造プロセスを合理化。
また、採算の合わない工場を閉鎖し、人員削減を行うことで固定費を削減しました。
さらに、サプライチェーン全体を見直し、部品調達コストの低減にも成功しました。これにより、限られたリソースを最大限に活用し、財務基盤を立て直しました。
2. 新モデルの投入
再建のもう一つの大きな柱が、新モデルの積極的な投入でした。特に、フィアットの小型車技術を活用した新ラインナップの開発が大きな成果を上げました。
フィアット500のアメリカ市場投入はその代表例で、燃費志向の高い消費者から好評を得ました。
また、クライスラーの象徴である「ジープ」ブランドに注力し、SUVやクロスオーバー車種を刷新。
中でも「ジープ・グランドチェロキー」は好調な販売を記録し、利益の柱となりました。この新しい製品ラインは、クライスラーのブランドイメージを再構築し、市場での存在感を取り戻すことに貢献しました。
強烈なブランドイメージは重要ですよね。
3. セルジオ・マルキオンネのリーダーシップ
クライスラー再建の最大の成功要因として挙げられるのが、当時のフィアットCEOであり、クライスラー再建を指揮したセルジオ・マルキオンネのリーダーシップです。
彼は、フィアットとクライスラーの強みを組み合わせる大胆なビジョンを提示しました。
特に、フィアットの小型車技術とクライスラーのSUV・トラック分野のノウハウを融合させた戦略は高い評価を受けました。
ジープレネゲードやフィアット500xなど
※フィアットの小型車プラットフォーム「Small Wide 4×4」を基に設計されたコンパクトSUV。
※オシャレかっこいい。
さらに、彼の迅速な意思決定と現場重視の経営スタイルは、官僚的だったクライスラーの文化を刷新しました。
また、利益の柱であるジープブランドを活用した収益性改善に成功し、クライスラーを短期間で黒字化させました。
官僚的な大企業病は日産にも当てはまると思います。
それを刷新して、ブランドイメージを新たに定義づけするのはとても効果的ですね。
実際、ルノーが日産を支援した1999年当時、日産は巨額の負債を抱えていました。
この時、ルノーから派遣されたゴーン氏の「日産リバイバルプラン」によって、工場閉鎖や大規模なリストラが実施され、日産は急速に回復しました。
そのため、提携はかつて成功の象徴とされていました。
一方で、近年では提携関係が複雑化し、「ルノー主導」と見なされる経営に対して日産社内で反発も強まっています。この摩擦がアライアンス全体のパフォーマンスに影響を与えているとの見方があります。
セルジオ・マルキオンネは在任期間14年を勤めて(カルロス・ゴーン氏は約20年間)健康上の理由で退任し、その後亡くなっています。
しかし、その退任までにフィアットとクライスラーを正式に統合しFCA(フィアットクライスラーオートモービル)を設立しています。
FCA(フィアット・クライスラー・オートモービルズ)は、2014年にイタリアのフィアットとアメリカのクライスラーが経営統合して設立されました。一方、PSA(プジョー・シトロエン)はフランスの自動車メーカーで、プジョー、シトロエン、DSなどのブランドを展開。2021年、FCAとPSAは統合し「ステランティス」を設立。これにより世界第4位の自動車メーカーとなり、14のブランドを統合。電動化や自動運転技術開発を加速し、グローバル競争力を強化しています。
日産では、ルノーとそのような関係にはなれませんよね。
そもそも日産の方が規模大きい企業なので。
そのへんの半端さも悪いと思います。
中で働いてる方々が一番苦労していると思いますが。
そして、ルノーとの提携が無くなったとしても、官僚型企業になった日産が復活するには障害が多いです。
新車開発したものが市場に出るまで鬼時間かかるとか、上の意思決定が絶対だったりとか、投資に資本を回す事が難しかったり、、、
改革はやらないといけないことですけどね。
4.政府支援の詳細
2009年の破綻時:リーマンショック後、クライスラーは資金繰りが悪化し、連邦政府から救済措置を受けました。アメリカ政府は、金融安定化法(TARP:Troubled Asset Relief Program)
を通じてクライスラーに対し約120億ドルの融資を実施しました。
条件付き援助:融資の条件として、企業の再構築計画が求められました。
この中で、クライスラーは破綻申請を行った後、フィアットとの統合を進め、運営効率を改善しました。
新車開発でも、政府からの条件が課されました。
それがエコカーの開発です。
エコカー開発の取り組み
1. 燃費効率の向上
クライスラーは、燃費性能が重視される市場環境に対応するため、フィアットの小型車技術やエンジン技術を積極的に採用しました。
具体例として、フィアットの「MultiAirエンジン」技術を採用し、燃費効率と排出ガス削減を実現しました。この技術は、フィアット500やジープ・レネゲードなどに使用されました。
2. 電動化への対応
クライスラーは再建計画の一環として、電動車両の開発にも着手しました。
電動ミニバン「クライスラー・パシフィカ・ハイブリッド」を投入。(オシャレでカッコいいです。シティボーイです)
これはアメリカ市場で初のプラグインハイブリッドミニバンで、家庭向けや環境志向の強い消費者層に支持されました。
フィアットが持つ電動車のノウハウを活用することで、クライスラー自身の技術力を補強しました。
3. 軽量化技術の導入
車体の軽量化を進めることで、燃費性能を向上。アルミ素材や先進的な製造技術を採用することで、燃料消費の削減を図りました。
最終返済:2011年までにクライスラーは政府からの融資を完済し、再建に成功したとされています。
日産も、日本政府から支援を受ける事で再建につなげる(株式保有)事が可能ではないでしょうか?
綿密に改善計画を建て、政府がプッシュする事で負債もすぐに解消(政府の損失も少なく)するのでは、、、
新たな日産のブランディング、新車開発の迅速化、マーケティング戦略の再構築、サプライヤーの再構築、官僚型企業からの脱却、政府支援、、、
課題は山積みで、役員報酬はさらにカットして姿勢を見せなければいけないでしょうし(クライスラーが79年に危機を迎えた時はCEOリー・アイアコッカは役員報酬1ドルでした。)
それを考えると、日産の対策は甘いと言わざるをえないですね。2024年三月期で日産内田社長はトヨタの佐藤社長並に役員報酬を受け取っています。(業績悪化に伴い内田社長は半分返上すると発表済)
さらに、関係各所に頭を下げて回らないといけないでしょうね。
でも、それができると(次の決算までには対策を発表してほしいね)僕は期待しています。
頑張れ、日産。