#11.原罪と未来のジレンマ【曲紹介・感想】
─────すべての若者たちと、かつて若者だったすべての大人たちへ。(主コメ引用)
ぐりーんです!!いきなり私事ですが、僕は19日をもって20歳になります!!(自己主張強め)
お酒やタバコが許される反面、年金などの支払いが開始される(学生はこれを猶予できますが)年齢。先日僕の所にも年金絡みの書類が送られてきました…とはいえ未だ大学生である僕は、「子どもでも大人でもない」所謂モラトリアムの状態です。同年代にはこの複雑な社会的地位に立っている今だからこその「ジレンマ」に悩んでいる人も少なくないと思います。僕も自分の将来に不安はあります。それは一言で表すなら「理想と現実のジレンマ」。
…と前置きはこの辺にして!今回紹介したいのはこの曲です!
原罪と未来のジレンマ/疾風P
※画像か曲名をクリック/タップしていただくと動画に飛べます!
この曲がテーマとしているのは「ジレンマとの向き合い方」。タイトルの「原罪」というのはキリスト教の思想における、人間が最初に犯した罪のことです。アダムとイヴが禁断の果実を食べ…っていうやつです。人は皆アダムとイヴの子孫であるから、人は皆生まれながらにしてこの二人が最初に犯した罪を負うのである、という理屈ですね。
僕はこの曲のタイトルである「原罪」という言葉が「現在」に掛けられていると考えています。そしてこのことと主コメから、この曲が若者にフォーカスしつつ、今を生きるすべての人に宛てた激励の歌であると推察しています。そこにヴォーカリオンというにこの上ないカッコいい曲調と、少し古風で格好良い語彙表現、ミクSolidの熱を帯びた歌声も相まって非常に高い完成度の楽曲になってます。
曲を印象付ける言葉選び
今回注目したいのはこれです。「原罪と未来のジレンマ」というタイトルは、一見すれば誤字を疑いうるものなんだけれど、それが正しいということを歌詞(と曲調)がしっかり示してくれています。
「原罪」の説明に際してアダムとイヴの話をしたと思いますが、歌詞の中には同じように現代日本とはかけ離れた情景の描写が多々登場します。多くは比喩表現だけれど、これが「原罪」という単語を楽曲に馴染ませているんですね。たとえば。
● 出口のない砂漠を
● 蜃気楼の彼方に
● 気高く咲き誇れよ 名もなき蒼き薔薇よ
● 楽園を追われた罪と罰を
と、このあたりです。蜃気楼も薔薇も楽園も日本で見られないわけではないかもしれませんが、なんとなく神話感や中世感がありますよね。これがたまらなく粋だなと。
「下がる」タイプの「転調」が好き
この曲もそうですが落ちサビで稀によくある、キーが下がる「転調」が好きっていう話です。ボカロじゃないけどfripsideの人気曲などには割と使われてるイメージです。ボカロであれば「からくりピエロ」とかは似た展開をしてますね。
同じサビとサビでも、間に異なる調のメロディが挟まると前後の印象がかなり変わる気がしませんか?? ラスサビで上げる転調は盛り上がりを表現する手法としては最も手堅いものだと思います。
一方で「下げる」転調は最終的に同じキーに戻るため、それまでの調性の良さが活かされつつ盛り上がりも体現されるという点が魅力的な手法だと思います。もう一つ。上げる転調がラスサビを強調するのに比較して、下げる転調は落ちサビを強調する役割も果たしているように思います。
どちらがいいというものではないし、そもそもラスサビで転調をしない曲も多いのでここはクリエイターの意図とリスナーの好みによるところが大きいですね。皆さんはどのような曲展開がお好みですか??オススメの落ちサビや、面白い展開の曲があったら是非是非布教してくださいね!聴きます!
感想絡みのことで最後に一つだけ、これだけ言わせてください。
2番Bメロに出てくる「36.5℃の情熱」っていう歌詞表現素敵すぎません??
終わりです!!!!(雑)