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#15.ブーケと訣別【曲紹介・感想】

─────眠るあなたにさよならを

#vocanote ではお久しぶりにお目にかかります、ぐりーんです。昨年はnoteを通して色々なことをやってきたつもりですが、今年もペースこそ落ちどその活動は継続していこうと思ってます。なにせ外にいても書けるというのは大変魅力的なこと。

さて、2017年の振り返りとか、小室進行がどうのとか、やるっていってやってないことがたくさんあるんです。ですが、今回は普通に曲紹介をします。(2017年の振り返りの続編が幻のnoteになる日も遠くない気がする…)

フタリさんのIA曲、「ブーケと訣別」。ポストロックです。フタリさんは変拍子転調を巧みに取り入れたポストロックを得意とするボカロP。切ない情緒的な歌詞も魅力的です。

この曲は「」をテーマに扱っています。いわゆるレクイエム。この系統の楽曲は、そのテーマのデリケートさゆえか表現の仕方も楽曲によって多様性に富んでいます。この曲も独特の雰囲気を持っています。

特に好きなのはサビで繰り返し投げかける言葉。「さよなら」じゃなくて「おやすみ」なんですね。「さよなら」も落ちサビを除く各サビの終わりで言われていますが、一番回数を言うのは「おやすみ」なんです。それはきっと「さよなら」が寂しい言葉だから、「おやすみ」の方が暖かい言葉だからなんだと思います。

そしてサビ毎に「ありがとう」の言葉も投げかけます。なのだけど、最後の最後のサビだけはそれは「ごめんね」に変わります。曲を聴いて詞を読んでるだけなのに、言葉に出来ない切なさが込み上げてくる感覚に襲われます。もう取り返しがつかないんだという後悔の念は最後のフレーズ、「もうあなたには何もしてあげれないから」という言葉にも重くのしかかってきます。

さらにサウンドも最大限に楽曲を表現していきます。始まりの鐘の音、リバーブとコーラスの掛けられたギターのクリーンサウンド、三拍子のリズムは切ない楽曲に暖かな落ち着きを与えているように思います。

さて、フタリさんを紹介させていただいたときに変拍子や転調が得意であるとお話ししましたが、この曲は三拍子なので変拍子ではないですし、何より転調が起こりません。長調の楽曲なので、無理に転調をして明るい展開になれば切なさを損なう恐れもあることを思えば、そして曲のテーマとして平坦な日常の延長線上の物語であることを鑑みればこれは絶妙な選択だと思いました。

それから構成。
Aメロ(イントロ) → Aメロ→ サビ → Aメロ → サビ → Cメロ → サビ → サビ → Dメロ
となっているのですが、Aメロ間とかサビ間のメロディやギター、ビートのそれぞれに着目して聴くと少しずつ変化してます。それによって受ける印象も漠然と異なってきます。この聴き比べも趣深いのでよければ意識して聴いてみてほしいです。

さて、見出しもないですがかなりコンパクトにまとめられた気がします。ここまで読んでいただけたなら幸いです。「ブーケと訣別」、知っている人も知らなかった人も是非聴いてみてくださいね。

#VOCALOID #音楽 #曲紹介 #感想

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