ラピュタを語る
唐突だが、私は天空の城ラピュタのヲタクだ。
私は、色々な事情があり、幼稚園・小学校を休みがちな子供だった。
休んでいる間、何をしていたかというと、
ラピュタを見ていた。何度も見ていた。それしか見ていなかった。
もちろん、幼少期の私がラピュタを完全に理解していたとは思えない。
正直、なぜ見ていたのか、何が面白かったのか、全く覚えていない。
でも、見ていた。
親がテレビ録画したビデオ(CM付き)で。
見終わっては巻き戻し、また2時間画面に齧り付くように見ていた。
私にとって、ラピュタが好きなことは当たり前だった。
みんなそうだと思っていたから、自分がラピュタが大好きなことにすら気付いていなかった。
そうして幼少期を過ごし、ヲタクの自覚をしたのは、つい最近のことだ。
仕事をしていたら「ラピュタを見たことがない」大人に出会う。
信じられない。どうやって生きてきた?みんな大好きなラピュタを見たことがないなんて。
(そんな私はアナ雪もハリポタもコナンもまともに見たことがないけれど。)
(ハリポタとコナンが混ざってコンポタを思い出した。お腹空いた…)
帰宅し、家族に「ラピュタを見たことない人がいるんだって!」と話したら「そりゃそういう人がいてもおかしくないだろ」と父に言われ、自分の感覚が間違っていることに気付く。
(私の価値観はほとんどを父親からの引用なので父親の意見はだいたい正しいと思っている)
そこから私はラピュタについて調べた。
どれほどの認知度か?公開はいつ?興行収入ランキングは?
ジブリ作品のグッズも見た。
(グッズとしては)見事に人気がない。ラインナップもかなり少ない。
なんてことだ。遅れていた。私は世間からズレまくっていた。
そして私はおよそ15年ぶりくらいだろうか。見てしまった。
改めてテレビでラピュタが放送されたのだ。
20歳を超えた涙腺ガバガバ女の視界にシータを乗せた飛行船が写る。
あれ?室内なのに雨が降っているのか?
というくらい、涙が溢れた。
結局私は、約2時間で4回大泣きした。
子供のように泣いた。親が隣で引いていた。
感動とかとは違う、「懐かしさ」でコーティングされた尊さ。
そして改めて見てみるとなんて素晴らしい物語なんだろう。
おそらく、いや確実に、私はラピュタの話を理解できていなかった。
幼少期の私はこれを何度も見たのに泣かなかったのだから。
これほどまでに素晴らしい映像作品に出会えた現代に感謝。
私は文才がない(書くのがめんどくさい)ので、感想などはあえて書かない。
もっと頭のいい人がラピュタの良さを語ってくれているだろう。
ネットを漁ればいくらでも見つかる。
ただ、ただひとつだけ言うなれば、
あの物語がラブストーリーだなんて絶対に認めない。ということだ。
たとえ宮崎駿監督に熱弁されようと。