第1015回「豊田英司の"今日のベトナムニュース解説"」「シルバーエコノミー」と呼ばれるベトナムの10億ドル市場
本日の記事：
「「シルバーエコノミー」と呼ばれるベトナムの10億ドル市場」
原題：
" The silver economy, a billion dollar market in Việt Nam "
記事リンク：https://vietnamnews.vn/economy/1657573/the-silver-economy-a-billion-dollar-market-in-viet-nam.html
【本日のポイント】
（１）急速な高齢化の進行；
ベトナムの6高齢者人口は現在、816万人で総人口の8％ほどですが、2030年には17％、2050年には25％と急激に増加する見込みです。
（２）シルバーエコノミーの潜在力；
ベトナムの高齢者は年金、貯蓄、投資収入を持ち、消費習慣が変化しています。健康、旅行、教育、娯楽への支出が増加し、経済的にも社会的にもシルバーエコノミーの発展が期待されています。
（３）具体的な戦略と法整備の必要性；
ベトナムはシルバーエコノミーを活性化するため、ビジョン、政策、具体的な戦略と行動計画の策定を急ぐべきです。シルバーエコノミーの役割を強調し、優先開発分野を定め、高齢者の社会的役割の促進と法的枠組みの整備が求められています。
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【解説】
アジアゲートベトナム代表の豊田です。
さて、今日の記事について。
この記事、「高齢者」が何歳からかがはっきり記載されていないのですが、文章全体から察するに「65歳」を指していると思われます。
ちなみに、この記事にもある通り、老人のことを「シルバー」と表現したのは日本発なんですよね。
「シルバー人材センター」「シルバーシート」とか、当たり前になってますが、ドイツ人の友達に
「日本では、なぜ、老人を”銀”と呼ぶのか？」
って聞かれたことありました。
これ、国鉄（現JR)がお年寄りのための優先席を導入する際に、たまたま新幹線の銀色のシートの生地が余っていて、その優先席は銀色となり、名称を「シルバーシート」としたことによるそうです。
で、ベトナムは急速に高齢化社会に突き進んでいますので6年後の2030年には高齢者割合が人口の17％、2050年には25％になると予測されています。
ちなみに現在、日本の65歳以上の人口は約3623万人で、これは日本全人口の約29.1%を占めています。
さらに2030年には約3790万人、2050年には約3810万人に増加する見込みとのことです。
参考： World Economic Forum
まぁ、日本はすごい高齢化率ですが、こうしてみると、結構、高齢者人口は今くらいがピークで、そんなに急増するわけではないんですね。
まぁ、ただ、我々、団塊ジュニアが、今度は高齢者になり、若者が減っているので比率的には人口の半分以上が65歳以上、という国になるのも時間の問題のようですが。
もう、そうなったら、65歳、というのが高齢者なのか？という根本的な疑問が湧いてきますが。。。
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【記事の日本語訳】
「シルバーエコノミー」と呼ばれるベトナムの10億ドル市場
ベトナムでは、2030年までに高齢者の人口が総人口の17％に達し、2050年には25％に増加すると予測されている。
高齢化とベトナムの高齢者の特徴は、ベトナムがシルバーエコノミーを発展させる絶好の機会である。
現在、ベトナムの高齢者人口は総人口の8.3%、816万人を占めている。
2039年には1680万人、2069年には2520万人に達すると予測されている。
ベトナムの高齢者はしばしば病気の負担に直面し、冠動脈疾患、高血圧、糖尿病、変形性関節症、がんなどの慢性疾患に苦しむことがある。
支出能力に関しては、ベトナムの高齢者は年金、貯蓄、投資による収入があることが多く、支出能力は経済的な安定度や個人の財務計画によって左右される。
消費習慣に関しては、近年、高齢者の消費行動に変化が見られ、健康、旅行、教育、娯楽への支出が増加する傾向がある。
ベトナム不動産協会副代表のĐoàn Văn Bình氏は、人口の高齢化とベトナムの高齢者層の独特な特徴により、経済的にも社会的にも多くの課題が生じているが、シルバーエコノミーを発展させる絶好の機会でもあると述べた。
VTC Newsのオンライン版で彼は、ベトナムの実情と一部の国の経験に基づいて、ベトナムはシルバーエコノミーを活性化し発展させるためのビジョン、政策や法律、具体的な戦略、行動計画の研究、策定を直ちに開始すべきだと述べた。
ベトナムでシルバーエコノミーを総合的に発展させるには、まず、シルバーエコノミーのニーズ、動機、方向性について、正確かつ完全なビジョンと認識を持つことが必要だと彼は述べた。
シルバーエコノミーの台頭は、高齢者を経済的な負担ではなく、社会への貢献と消費者としての潜在能力を持つ存在として再評価する社会の動きを反映したものである、と彼は述べた。
国はシルバーエコノミーに関する政策を完璧なものとし、高齢者は党、国家、コミュニティの重点的な対象とすべきである。
シルバーエコノミーに関する政策は、シルバーエコノミーの役割を強調し、優先開発分野を定め、ベトナムのシルバーエコノミー支援政策を策定することを重点に策定されるべきである。
ビン氏はまた、ベトナムには現在、高齢者に関する多くの法的規制があり、高齢者の社会的生活における役割への関心、配慮、促進を示していることから、高齢者に関する現行法の整備も提案した。
しかし、シルバーエコノミーの発展の基盤と法的枠組みとして、この方向性で法律を今後も改善していく必要がある。
また、ベトナムの経済全体におけるシルバーエコノミーの役割を明確にし、2030年から2050年までのベトナム高齢者に関する国家戦略を含む戦略を策定し、シルバーエコノミーを活性化し成長させるための具体的な行動計画を作成することも提案した。
また、ビン氏は、50歳以上の年齢層を対象としたシルバーエコノミーの規模と普及率について、国際的な計算基準に基づいて調査を行うことを提案した。
さらに、ビン氏は、計画と建設、技術とイノベーションへの投資、高齢者向けの教育と訓練への投資、高齢者に適した雇用機会、そしてシルバーエコノミーの発展を支援する解決策（金融および非金融の両方）についても強調した。
「シルバーエコノミー」という概念は、1970年代に65歳以上の人口割合が最も高かった日本で生まれた「シルバーマーケット」という言葉に由来する。シルバーマーケットとは、高齢者向け市場を指し、医療、銀行、エネルギー、住宅、通信、娯楽、観光などの分野をカバーする。
現在、世界には 65 歳以上の高齢者が 7 億 6100 万人以上いると推定されており、2050 年には 16 億人に達すると予想されている。
高齢者向け製品およびサービスの世界市場は、2020年には約15兆ドルに達すると推定されている。
アジア太平洋地域は、日本、中国、韓国などの急速な高齢化により、シルバーエコノミーの最も速い成長が見込まれる地域である。
ヨーロッパでは、シルバーエコノミーが GDP の約 25% を占めており、イタリアやドイツなどの高齢住民の割合が特に高い国々がある。
シルバーエコノミーの範囲は、ヘルスケアだけでなく、さまざまな分野に及んでいる。
この分野は、エンターテインメント、交通、食品、セキュリティ、ヘルスケア、住宅、保険、デジタルサービスなど、経済活動の多くの分野に影響を及ぼしている。
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以上 豊田英司
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