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「職務型等級制度」導入のポイント

この記事の中で「職務型」等級制度へ移行したことが取り上げられている。

これはもちろん、この前に「「職能型」等級制度からの」がつくわけだが、この場合、問題として一般に言われるのが以下の3つである。

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(1) 「同じ仕事をしてるのに給与が違う」

→「同等級・異給与」問題

(2) 「自分はその職務をしたいのに上司がさせてくれない」

→「機会提供の不公平」問題

(3)「私の仕事は実際よりも低い等級に位置付けられている(間違った職務格付をされている)

→「職務格付の不公正」問題

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まず(1) 「同じ仕事をしてるのに給与が違う」という「同等級・異給与」問題については、この職務型等級制度の理想として最も排除しないといけない問題と言える。

分かりやすい類型でいうと「大した仕事もしてないおじさんなのに給与だけは年功で高い」という人間をいかに排除できるか、ということだと思う。

職務型にすることで、職能よりは「大した仕事をしてない=等級を下げるor上げない」はしやすいとはいえ、そこはデジタルにしきれない部分は必ず残る。

職能に比べて「自動的な昇格」がなかったり、「強制的な降格」の発生頻度が高くなる以上、下手すると「不利益変更」「強制解雇」という騒ぎになってしまうので、職能型の時以上に会社や上司から当人への十分な合意形成にためのコミュニケーションが求められる。

続いて(2) 「自分はその職務をしたいのに上司がさせてくれない」という「機会提供の不公平」問題。

これも「なぜ、今、その職務を与えられないか」をしっかりと当人に説明しないと、下手すると「なんらかの意図があってワザと適切な仕事を与えていない」と人種や性別の問題にまで発展しかねないので十分な注意が必要となる。

そして、(3)「私の仕事は実際よりも低い等級に位置付けられている(間違った職務格付をされている)という「職務格付の不公正」問題。

これは職能型を導入する以上、常に

・現場にはどのような仕事があり

・その仕事の「難易度」「重要度」「業績貢献度」などの「格付け」を適切に行う

ということを現場が納得する形と頻度で実行していかないと、この「職務格付け」自体への信用性が失われて、現場から「あんな仕事が高い格付けで、この仕事がこんなに低い格付けなのはおかしい」という声がすぐに上がってしまうだろう。

特に営業部門・製造部門・管理部門」はお互いを「自分の仕事こそ重要度が高い」と思うことは避けられないので、皆がある程度の納得度になるためには格付けは非常に大変な労力を必要にとするであろう。

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ただ、こういった「実際に今、担当している職務内容」に応じて等級を決める、というのはグローバルに人材が行き交う会社では職能型に比べて給与の違いなどを説明するための「透明性」「納得性」を担保するためには必須になるので、今後も海外展開をする企業での導入が進むであろう。




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