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第1092回「豊田英司の"今日のベトナムニュース解説"」ベトナム、原子力エネルギーを含めるために国家電力計画を修正へ

本日の記事:
「ベトナム、原子力エネルギーを含めるために国家電力計画を修正へ」
原題:
" Vietnam to amend national power plan to include nuclear energy "

記事リンク:https://tuoitrenews.vn/news/society/20241021/vietnam-to-amend-national-power-plan-to-include-nuclear-energy/82537.html


(写真:ハノイの国会で演説するグエン・ホン・ディエン産業貿易大臣:2024年10月21日)

(写真:ハノイの国会で演説するグエン・ホン・ディエン商工大臣:2024年10月21日)

【本日のポイント】

(1)ベトナムは、エネルギー安全保障強化のため、原子力発電と水素エネルギーを国家電力開発計画(PDP8)に盛り込むことを決定。

(2)再生可能エネルギーの導入目標は維持しつつ、原子力発電の導入で電力供給の安定化を図る。

(3)2030年までに年間12~15%の電力供給能力増加を目指し、経済成長を支える計画。

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【解説】

アジアゲートベトナム代表の豊田です。

さて、今日の記事について。

私がベトナムに来た2011年前後は日本とベトナム、双方の政府はベトナムに原子力設備を設立するための協定を結んだり、日本の首相がベトナムへ来て「原子力輸出」をPRしたり、もうベトナムでも原子力発電所ができるのは「既定路線」のようでした。

で、福島の件があって頓挫したように思われてますが、事故後も日本政府とベトナム政府は

「事故はあったけども、日本の原子力発電設備への信頼は揺るがない」

みたいな声明を出したりしたこともありました。

まぁ、結局、ベトナムが原子力発電所計画を中止した本当の理由については陰謀論的なもの(核兵器製造につながる原発技術をベトナムが持つことを警戒する近隣国の謀略、とか)を含めて「藪の中」という感じです。

で、今回、再び、原子力発電所をベトナムで作る話が再浮上してきました。

まぁ、正直、これだけ経済が伸びているベトナムが今後も「製造立国」していくには安定的して安価な電力を供給することは「必須条件」と言ってよく、原子力発電計画の再浮上は不可避というのは、まぁ、ある程度、ベトナム経済を研究している人は予想できたことだろうとは思います。

記事には

「当局者によると、ベトナムは韓国、カナダ、ロシアを含む数カ国と小型の最新原子炉について協議している。」

とあって、日本の名前がないですが、「を含む数カ国」の中に日本が入ってるんでしょうか?

小型原発といえば日本勢も頑張ってるはずなんですが。。。

日立、小型原発で世界展開 立ちはだかる経済性の壁


直径1mで25年間燃料交換なし、三菱重工の超小型原子炉はどう動く

さらに中国もこの分野では当然、競争相手として出てくるでしょうし、ベトナム原発受注をめぐる各国の争いが再び始まりそうですね。


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【記事の日本語訳】
ベトナム、原子力エネルギーを含めるために国家電力計画を修正へ

ハノイ発--
ベトナムは、原子力エネルギーと水素発電の選択肢を含めるために、PDP8として知られる国家電力開発計画を修正する予定であると、商工大臣が月曜日に述べた。

PDP8は、太陽光や風力を含む再生可能エネルギーをさらに追加する形で修正される予定であると、グエン・ホン・ディエン氏はハノイでの会議で国民議会に伝えた。

昨年5月に承認されたPDP8は、昨年末時点の80ギガワット超から、2030年までに150ギガワット超に同国の総発電容量を引き上げることを目指している。

しかし、規制や価格設定の障害により、洋上風力発電やLNG開発の目標達成は危ぶまれている。

電力開発計画の修正は、

「同国のエネルギー潜在能力を最大限に引き出し、エネルギー供給において積極的な姿勢を維持する」

ことを目的としているとディエン氏は述べた。

ロイターが9月に入手した政府文書によると、ベトナムはエネルギー安全保障を確保し、経済成長を支えるために、原子力発電開発計画の再開を検討している。

同文書によると、ベトナムは

「国家のエネルギー安全保障を確保し、年間7パーセントの経済成長を支える」

ために、発電能力を毎年12パーセントから15パーセント引き上げる目標を掲げている。

当局者によると、ベトナムは韓国、カナダ、ロシアを含む数カ国と小型の最新原子炉について協議している。

IAEAによると、小型モジュール炉は製造後に輸送して現地で設置できるため、大型発電用原子炉よりも建設コストを抑えることができる。

2009年にはベトナムは初の原子力発電所2基の開発計画を承認したが、2016年に日本の福島原発事故と予算上の制約により、計画は棚上げとなった。

総発電容量4ギガワット(GW)の原子力発電所は、ロシアのロスアトムと日本原子力発電が中部のニントゥアン省に建設する予定であった。
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以上 豊田英司
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