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「ベトナム人への教育で最も力を入れるべきは工程表」と思う理由

昨日、今日、たまたま同じような趣旨のご質問をいただきました。

「ベトナム人への教育で最も力を入れるべきは何か?」

これについては私は常に逝っているのが


を作る技術と習慣を定着させるべき」

と言っています。

リーダーシップやマーケティング、論理思考なども、それはやればやるだけいいと思うんですが、これははっきり言って日本ですら、「何が良きリーダーシップなのか?」といった定義も固まっていないですし、じゃあ、マーケティングのMBAホルダーをたくさん要するコンサル会社が建てたプランでヒット商品が連発されているか、というと、正直、そうとも言い切れないかなぁ、、、、と。

要するに、こういう研修は「そもそも、研修したところで、それが企業の成長力につながるのか」がちょっとグレーな部分があるな、と。

それに、はっきり言ってリーダーシップや論理思考については日本人がベトナム人より優れているかどうか、という根本的な疑問もあります。

それに比べると、「工程表を書き、それを実際の仕事で運用、定着させる技術」は

(1)ものづくりの強い日本は世界に誇る「工程運用スキル」があるのは明白

(2)ベトナム人に明らかに欠けている「計画的に物事を進める」ことの改善に明らかにリンクしている

(3)リーダーシップなどのように「身についたかどうかがわかりにくい」要素に比べて、身につけたかどうかが「工程表」という作品を見れば可視化されているので明確である



私は「ど文系」出身なので社会人になったばかりの頃は、工程表、というのが全然、できなかったのですが、社命でインドやインドネシア、ベトナムと会社設立の仕事ばかりする中で自分で工程表作成を身に付けざるを得ず、これは自分の仕事能力を格段に上げたなと思います。

工程表を軸とした仕事の進め方というのは以下のような段階を一般的に踏むと思っています。

(1)大きな目標(達成したい内容といつまでに行うか)を描く
(2)それに必要な複数のマイルストーンを考える
(3)そのマイルストーン達成に必要な行動のToDoを考える
(4)そのToDoに締め切り日時を設定する
(5)この締切日を厳守しながら仕事を進める
(6)状況を関係者へ報連相、および必要なら協議を行う
(7)必要に応じて工程表のスケジュールやToDoを変更する



で、ベトナムの場合、(1)の話でワァワァ盛り上がって、「任せてください!」ってなった後、誰も(2)以降を考えずに、いきなり(7)に飛んで、締め切り直前に、「突貫工事だー!!」と全員総力戦で一応、「できた!」ってことになるという姿を何度も見て来ました。

なので、「工程表をきちんと作って、それを軸に仕事を着々と進めていく」というスキルを身につけたベトナムの人が増えることが、この国が大きなプロジェクトをしっかりと進めて、中進国の罠を脱するのに必要不可欠であろう、と思います。

(アジアゲートベトナム代表 豊田英司)
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