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第957回「豊田英司の"今日のベトナムニュース解説"」オーストラリアの複数の州でベトナム人留学生の受け入れを停止

本日の記事:
「オーストラリアの州で新たにベトナム人留学生の受け入れを停止」
原題:
" Another Australian state stops admitting central Vietnam students "

記事リンク:https://e.vnexpress.net/news/news/education/another-australian-state-stops-admitting-central-vietnam-students-4721497.html


(写真:2023年8月、ハノイで開催された教育フェアでオーストラリアの大学の代表者と交流するベトナムの学生)

【本日のポイント】

(1)オーストラリアのニューサウスウェールズ州が、ベトナム中部の特定の地域からの留学生の受け入れを、

「学生の規則違反に関する懸念」

を理由に停止した。

これは、同様の理由で受け入れを停止した南オーストラリア州に続く措置である。

(2)ニューサウスウェールズ州教育省は、対象地域からの学生申請を一時的に停止し、既に提出された申請の手数料を返金する措置を取り、この決定が1年生から12年生までの就学希望者に適用されると明らかにした。
高等教育においても、対象地域からの学生に対して慎重な審査を助言している。

(3)ニューサウスウェールズ州の決定は、過去にベトナム中部地方からの留学生が学業を放棄し、行方不明になるケースがあったこと、およびオーストラリア全体でベトナム人留学生が多数存在する中での教育とビザ制度の整合性維持を目的としている。
オーストラリア当局は、これらの地方が学業以外の目的で学生を送り込んでいる可能性を懸念している。

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【解説】

アジアゲートベトナム代表の豊田です。

さて、今日の記事について。

まぁ、オーストラリアの州も非常に遠回しに言ってますが、要するに、留学と見せかけて、最初からオーストラリアでの就労が目的で、失踪してしまうベトナム人学生が連続して発生している、ということですね。

現在、ベトナムでは、「オーストラリアの給与が高い」ということが話題になっています。

(参考記事)
Australian job hunt increasingly difficult for international graduates
(オーストラリアの就職活動は、外国人新卒者にとってますます難しくなっている)


こちらの記事の趣旨は、

「せっかく、オーストラリアに留学しても外国人学生が正規の仕事を得ることは難しく、パートタイム的な低スキルの仕事にしかつけない」

ということなんですが、しかし、


”そのほとんどが低スキルの仕事に就き、半数は年収53,300豪ドル(34,964米ドル)以下である "と指摘されている。”

え、、、、3万5千ドルって、日本円で520万円くらいするんですけど、、、

低スキルの仕事で520万円稼げるなら、日本人でも行きたい人多いでしょうし、ましてや、年収80万円くらいが新卒相場のベトナム人からしたら、6倍以上の金額なので、そりゃ、失踪してでも働きたいよなぁ、、、と、つい思ってしまいます。

一人当たりGDPでオーストラリアは10位前後、日本は30位前後、ベトナムは120位前後、という感じなので、まぁ、この年収感覚は妥当と言えるでしょう。

現在、ベトナムには、多くの外資系企業が殺到していますが、一方で、続々とベトナムの若者は海外に仕事を求めて脱出していて、労働力は減る一方ですが、大丈夫なんでしょうか?

まぁ、そうしてベトナム国内が労働力不足になれば賃金が上がって、そうして、ベトナムに残る人が増えるのか?

しかし、そうなると、人件費の安さ、という魅力でベトナムに来ていた外資系企業は進出しづらくなるでしょうし、撤退という話も出てくるでしょう。

この辺りのバランス感覚は難しいですが、長い目で見ると人件費は上がらざるを得ないんでしょうね。


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【記事の日本語訳】
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オーストラリアの別の州がベトナム人留学生の受け入れを停止した。

ニューサウスウェールズ州は、ベトナム中部からの学生の受け入れを停止した2番目の州となった。

Tuoi Tre新聞によると、ニューサウスウェールズ(NSW)州教育省の国際部門であるDEインターナショナルは、「学生の規則違反に関する懸念」を理由に、クアンビン省、ゲアン省、ハティン省、北部クアンニン省などの中部地方からの学生の申請を受け付けないことをベトナムのパートナーに通知した。

ベトナムのいくつかの留学相談センターに送られた内容によると、オーストラリアの組織は、4つの地方からの学生がすでに提出した申請書の手続き費用を返金するという。

DEインターナショナルの入学課は、ベトナムの教育コンサルティング会社と連絡を取り、手続きを完了させる予定だという。

DEインターナショナルはパートナーに謝罪し、この決定への理解を望むと表明した。

ベトナムの教育コンサルティング会社によると、この決定はNSWで1年生から12年生までの就学を希望する学生に適用される。

高等教育レベルについては、ニューサウスウェールズ州の大学準備カレッジのマイ・ベト・トゥイ校長がTuoi Tre紙に語ったところによると、政府は教育機関に対し、これらの地域からの学生の出願を審査する際には慎重になるよう助言しているという。

ニューサウスウェールズ州教育省からの通知を受け取った海外留学コンサルティング会社Duc Anh EduConnectのディレクター、Lu Thi Hong Nham氏はThanh Nien新聞に、停学は「難しい決断」であり、それは同省が潜在的な学生の数を削減しなければならないことを意味すると語った。

ニューサウスウェールズ州はオーストラリアで最も多くのベトナム人留学生を受け入れている州であるため、今回の決定は一時的なものであり、教育省が速やかに調整を行うことを望んでいるとNham氏は語った。

ニューサウスウェールズ州の決定は、先月南オーストラリア州教育省が行った、ゲアン省、ハティン省、クアンビン省の学生からの申請受付を停止する決定に続くものであった。これらの省からの少なくとも4人の学生が2023年12月から「行方不明」となり、危険な状態ではなく、学業を放棄したことが証拠から示唆されたためである。

南オーストラリア州教育省の担当者は、今回の決定は留学生に対する教育サービスに関する法律に沿ったものであり、オーストラリアのビザ制度の整合性を保つことを目的としていると述べた。

ここ数年、ベトナム中部からの留学生は、ベトナム滞在中に学生ビザのガイドラインに沿った報告を怠り、失踪する者さえいることで知られるようになり、オーストラリア当局はその地方が就学以外の理由で学生を送り込んでいるのではないかと疑っている。

オーストラリア教育省によると、2023年10月までにオーストラリアには31,600人以上のベトナム人留学生がおり、中国、インド、ネパール、コロンビア、フィリピンに次いで6位にランクされている。


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以上 豊田英司
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