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サタコレっ!(2)コレクター気質
第1章 セガサターンに出会うまで
①大切なことを学んだ話
まずはセガサターンに出会うまでの趣味やゲームの遍歴を。
最初に触れないと後の方で注釈が多くなってしまうと予想されるので、ご理解のほどお願いします。
私は田舎で育った。
小学生の頃は、一通りのホビーを楽しんだ。
「コロコロコミック」や小学館の学年誌(「小学◯年生」)を読み、ビックリマンシールを集め、ミニ四駆を改造し、バーコードバトラーでも遊んだ。
ゲーム関係は、人気があった任天堂ハードで遊んだ。
ファミコン・ゲームボーイ・スーパーファミコン。
買ってもらった時期は発売日からだいぶ経っていたものの、かなり楽しんだ。
PCエンジンを持っている人は上級生にわずかしかおらず、数回遊ばせてもらっただけだった。
セガ系ハードは見たことも聞いたこともなかった。
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ビックリマンシールについては、流行が落ち着いていた時期もシール集めをしていた。
コレクター気質は、ここで培われたのだった。
ヘッドシールを、ほぼ持っていた。
結構苦労した。
しかしある日、ヘッドシールのみ100枚以上、ごっそりと無くなった。
喪失感は大きかった。
無くなったというより、盗まれたと思っている。
以下、過去話。
同級生Mが遊びに来た後は、何か無くなることがあった。ゲームボーイソフトやミニ四駆も無くなった。
他の友人たち数名も、Mが家に来た後は物が無くなっていた。ゲームボーイ本体、ドラクエ3などのファミコンソフト、スポーツ用品等々。
田舎の純朴少年ばかりだったので、「どうして無くなるんだろうねぇ」くらいで、友人間の間ではあまり危機感が無い感覚だった。
盗まれた、という認識には至らなかった。
この頃、担任の先生がなんとなくソワソワしていた。休み時間、先生の机内や戸棚内を、焦って何かを探すような感じだった。
教室の隅々まで見ていたのを覚えている。
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それから数日後、別学年のA(Mの弟)の声が聞こえてきて、「瀬賀君、電子手帳すごいねぇ、お兄ちゃんに貸してくれたんでしょ。」
俺「何?え?」
♪キンコンカンコ〜ン(チャイム音)
A「あ、教室戻らないと。んじゃ。」
数秒の出来事で、私は特に気にも留めなかった。
さらに数日後、球転界急展開を迎える。
以前、私がMにファミコンのドラゴンクエスト3を貸した。
ブームは落ち着いた頃だったが、数ヶ月返ってこないので、さすがに何度か返却を迫った。
ある日、ようやくMがドラクエ3を返してくれた。
返し際、「冒険の書を消してからやって」と言われた。
この時、
(ん?そりゃ消すけど。消さなかったのか?)
と、心に何か引っかかった。
自宅に帰り早速ドラクエ3をやろうとファミコンの電源ON。あぁ、久しぶり.....
あれ?
冒険の書の名前が3つとも「ドラクエ3が無くなっちゃったS君」だ。
MとS君は、あまり仲良くない。
そのため、勇者名をS君にするはずがなかった。
Mから言われたとおりに冒険の書を消してはいけない。
少年の頃の私は、そう直感した。
一つ冒険の書を開いてプレーすることにした。
パーティー4人の名前が、
S君、S君の妹、S君の飼い猫、Y君(S君の近所の子)だった。
なんだこれ。
S君のドラクエ3に間違いない!
そしてまた閃く💡
・先生は焦って何かを探しているようだった
・「瀬賀君、電子手帳すごいね。」
→先生は電子手帳が無くなった。それは実はMが持っていき、「筆者から借りた」と嘘をつき弟Aにも見せたのではないか?
点と点が繋がった。
謎は全て解けた!
・・・いや、わかりやすい😅
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私は、母にドラクエ3や電子手帳のことを話した。
母がS君の親や先生に事の顛末を話し、Mの悪行が明らかになった。
どうやら私の貸したドラクエ3のデータが消え、どうにかできないかカセットをパッカリ割って開け、基板剥き出しとなり直すことができず壊したらしい。
他人のファミコンカセットを勝手に開いて壊すな。
壊して返せないのを正直に謝るべきところを、他人のドラクエ3を盗み、私に渡したというわけだ。
最悪だ。
先生の電子手帳も、予想通りMが持っていたことが判明。
私がMから渡されたドラクエ3の冒険の書をすぐ消してプレーしてたら、何も明らかにならなかった。
少年の俺、グッジョブ。
Mの父親・母親が家まで謝りにきた。
なんでこのしっかりした親のもとで、Mのような性格の子になるのか、不思議だった。
丁寧に話をしてくださる両親だった。
ただ、無くなった物が全て返ってきたわけではなく、警察沙汰にもならなかった。(通報しなかったものと思われる)
色々物が無くなった同級生たちも全部は戻らなかった。
私は母に訴えたものの、お手上げだったようだ。
母は同級生の親に協力を求めたが、田舎という閉塞された地域であるが故、
・これから何年も先、親同士、子供同士顔を合わせる。付き合っていかなければならない。
・M宅は建設業、バブル景気で金持ち、有力者
等が重なり、あまり子供のトラブルに深入りしたくなかったようだ。
大人になって知った。
全く離れた地域から嫁いできた母だけが頑張ったおかげで、私の無くなった物は一部(ゲームボーイソフト、ドラクエ3新品(弁償品))が返ってきて、物が無くなる事件もパタンと止んだ。
これで良しとしなければならない状況だった。
母に感謝しかない。
そんなわけで、ビックリマンのヘッドシールたちとミニ四駆(アバンテJr.ブラックスペシャル)は、戻ってこなかった。
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話は、学校ですぐに広まった。
Mを無視するようなことは誰もやらなかったが、うわべだけの関係となった。
そもそも事件発生前から、Mは金持ちを自慢したり、上級生にもマウントを取るような人だったため、私はこれを機に距離を置いた。
しかし、これで終わらない。
数ヶ月後、Mはビックリマンヘッドシールの束を私に見せ、
「これだけ集めたんだけど、いらなくなったから5000円で買わないか?」
と持ちかけてきた。
見てすぐわかった。
私が集めたヘッドシールたちだ。
輪ゴムでまとめ、第一弾のスーパーゼウスから順に並んでいた。シール劣化の特徴等から見覚えがあり、自分の物と確信した。
それをMは、持ち主本人に「買い取って」と言ってきたわけだ。
はらわたが煮えくり返るくらい怒りが湧いたが、その時は書道教室の場で、周囲の児童たちが静かに書いている。
この場で大騒ぎするわけにいかない。
冷静は装ったものの、シールについて冷静な答えはできず「要らない、お金がない」とあっさり断ってしまった。
帰宅後「一度断ったのを、やっぱり欲しいと言うのはダメだよな。Mとも話したくない。それから、母にこれ以上頼れない。」という考えに至り、黙っていることにしてヘッドシールは諦めた。
何か動けばよかった.....
しばらく後悔することになったが、後に、もう考えないようになった。
心に蓋をした。
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Mのその後。
中学生のとき、Mは隣町に移った。
親が住宅街に大きな家を経て、会社も移したためのようだ。
転校し、顔を合わせなくてよくなった。
しかし、そこはさすがM。
旧クラスメイトを新居に呼び、「すごい家でしょう?」「こんなに広いんだ」等と、ひとしきり自慢して帰すということをしていた。
私も1度呼ばれた。「ビックリマンを返してくれるかな?」などという楽観的な思いで、下心いっぱいだった自分に喝を入れたい。
庭には、ピカピカの高そうな車があった。
私がMに会ったのは、それが最後だった。
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間も無く、バブル経済が崩壊した。
中小の会社は大ダメージ。まして拠点を移したばかりの中小建設会社が迎えた先は、かなり悲惨だったらしい。
そして立派な家の税金。家はローンかどうかはわからないが、家をローンなしで買ったとは考えにくい。自分の会社で建てたとしても、かなりの費用だと想像する。
Mは、成人前に両親が逝去されてしまったらしい。
理由は、筆舌に尽くし難い。
ビックリマンシールのことは、どうでもよくなった。
Mの人生や生活環境は、激変したことだろう。
30歳頃、たまたまMとバッタリ会った人の話だと、Mの髪がもう無かったとのこと。
かなりの苦労をしたものと思われる。
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(画像は、Switch版ドラゴンクエスト3)
学んだこと
・自分の物は大切に管理すること
・悪いことをすれば、いつかはバレること
長くなってしまったので、今回はここまでです。
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