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サタコレっ!(6)1995年のこと
第2章 ③1995年、セガサターン躍進
前回、アーケードから短期間のうちにプレイステーションへと移植された『鉄拳』のおかげで、私がゲームセンターで輝くことができた話をした。
「魅せるプレイ」の心地よさを満喫できた。
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この出来事から、私はゲームにどんどんのめりこむ・・・と思いきや、部活も勉強も忙しくなり、『鉄拳』以降はさほどプレイステーションのソフトは遊ぶことができなかった。(数本買ったことは買ったけど)
プレイステーション版『ときめきメモリアル』を買ったものの、2、3人を攻略しただけで終えてしまった。
1995年の年末商戦、『ビヨンドザビヨンド』『リッジレーサーレボリューション』を買う。
『ビヨンドザビヨンド』は1度クリアして終わり。
・連打が疲れたこと
・「私はお前の父ではない!」という予想通りの展開だったこと
が印象に残る。
『リッジレーサーレボリューション』も、一通りコース走って終わった。
1年前より、なんか燃え上がらなかった。
それほど、ゲームに時間を割ける時間を作れなかったということも、理由の1つである。
もうちょっと要領よく生活すれば、別だったのかも。
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しかし、あまりゲームできなかった原因は他にある。
個人的に致命的な理由。
私が「激しい3D酔いをする」と発覚したのである。
何でこのことが発覚したか。
これまで何本か3Dのゲームをプレイしていたが、大丈夫だったのに....🤔
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原因を探る。
『リッジレーサー』『リッジレーサーレボリューション』は、3D視点のレースゲームである。
車に乗ってる気分でプレーしていたので酔わなかったのだと思う。
また、舗装されたコースを走るので、激しい段差や揺れはそんなになかったように思える。坂を登ったり下ったりしたが。
私としては、酔わなかった。
爽快感、疾走感の方が上回り、揺れは気にせずプレーできた。
マリオカートで慣れていたせいもあるかもしれない。
『鉄拳』や『闘神伝』は、どうか。
3Dではあるものの、基本は2名のキャラを横から見るような視点である。
そのため酔わずにプレーできたのだと思う。
『ビヨンドザビヨンド』も、見下ろし型のオーソドックスなRPGだった。
他に買った『ときメモ』『ぱずるだま』等も2D主体で、酔う要素は無かった。
友人から
『ジャンピングフラッシュ!アロハ男爵ファンキー大作戦の巻』を借りた。
これが私に大きな事実を突きつけた。
(※ここからは、あくまで個人の体験です)
うさぎ型のロボットに乗り、乗った視点で進む3Dアクションゲームなのだが.....
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まず歩いて移動。
兎型ロボットというリアリティを出しているためか、ピョンピョン小さく跳びながら移動。視線が上下にユラユラして進む。
ここでまず、クラッときた。
「何だ?この感覚?」
全くわからない、味わったことのない感覚。
徐々に気分が悪くなる。
そしてジャンプして、足場を次々と渡る。
ピョンピョンピョンピョン、激しい上下の視線変化が伴う。それの繰り返し。
私は激しい吐き気に見舞われ、今まで経験したことの無い嘔吐をした。
何でこんなに気持ち悪いんだぁぁぁぁ😭
当時はインターネット環境など無い。
何の症状なのか調べることもできず、「3D酔い」などという言葉は知らなかった。
とりあえず回復するまで横になり、寝込んだ。
体調が良くなった翌日、また『ジャンピングフラッシュ!』をプレー。
すぐにクラクラし、気持ち悪くなって嘔吐。
またか......
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なんとなく、「車酔いとか、船酔いとか、そういう種類の不快」だと悟った。
中学生のとき柔道をしていたのだが、回転受け身に慣れるまでかなりの日数を要したのを思い出した。
三半規管が弱いのだ。
(先の話になるが、遊園地ではジェットコースターよりも、“回転するコーヒーカップ”の方が恐怖の絶叫マシンと化した。プレステの『ドラクエⅦ』やリメイク『ドラクエⅣ』では、画面を回転させる時に目を閉じる。2004年に『ドラクエⅧ』を買ってプレーしたが、最初の街で探索中に目を回し、嘔吐した。その他、テレビ番組等やゲーム等、自分目線でゆらゆら揺れる映像は、全く見ることができなくなった。自撮り映像、アクションカメラで視線から撮ったYoutube動画も見れない😰)
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プラス思考で
「このゲームに、自分の体の弱さを教えてもらった」
と思えるようになったのは、大人になってやっとだ。
当時は「3D恐怖症になっちゃったよ...こんなゲーム、借りるんじゃなかった」
高校生の素直な感想である。
この類のゲームはもうできない、という苦手意識ができてしまった。
そんな出来事もあり、1995年の年末商戦で1番楽しく遊んだゲームは『ドラゴンクエストⅥ 幻の大地』である。
一部では「スーパーファミコン最後の打ち上げ花火」とも言われた。
ハード末期にも関わらず320万本も売り上げた。花火どころの話ではないと思う。
流石スーパーファミコン、流石ドラゴンクエスト。
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私には弟がおり、『ドラクエⅥ』は、弟が親に買ってもらったソフトだった。
弟は親へのおねだりや立ち回り、勉強法など、全てにおいて兄の私より要領がよく、「定期テストで良い点を取ったらゲームを買って」と、よく親にねだっていた。
私には高校受験の時しか、そのシステムは無かった。
弟が定期テストの度に買ってもらったゲームソフト、その中の1本が『ドラクエⅥ』というわけだ。
私は、中ボス「ムドー」で詰まった。レベルが低いのと、戦い方が悪いのが原因であった。
そんな折、H君ら悪友と我が家で徹夜麻雀をすることになった。
私はPCエンジンの『マージャンクリニックスペシャル』で麻雀をしっかりと学んでいたので、「“雀牌”を使って麻雀をしたい」と日頃からH君に話していた。それが冬休みの機会に実現した。
ダメな高校生である。
私を含め5人集まった。
金をかけては犯罪なので、点数を記録するのみ。
みんなセコイ役でアガることなく、攻めることができる。
なお、4人打ちで2位の人が抜ける。
勝ち逃げを許さず、そのうえ敗者にチャンスを与える素晴らしいシステムだ。
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なお、抜けた人は単にぼーっと休んでいるわけではない。
家主である私のために、詰まったまま進めないでいる「ドラクエ6のレベル上げ」をしてもらうことになった。
ムドーの城で延々と。良い友達を持ったものである。
おかげ様で麻雀終了時には平均レベル30程度まで上がっており、苦労することなくムドーを撃破できた。
…しかし、これが悪手だった。
『ドラクエⅥ』で導入された新転職システムを、そこにいた皆が理解していなかったのだ。
転職してストーリーを進めるも、皆まったく技や呪文を覚えない。打撃と、少ない呪文でやりくりして進む。
調べて初めて「弱いモンスターと戦っても、職業のレベルは上がらない」という基本的な情報を知る。
レベル18程度で倒すべき「ムドー」を、レベル30という圧倒的に高いレベルで倒してしまったのだ。
もう後戻りはできない。
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しかし、私の縛りプレイ魂が燃え上がる。
持てる技で進めようじゃないか。
終盤で少し技を覚えたものの、回復はベホイミやアイテム、攻撃は通常打撃メインで進んで何とかクリアした。
(後日、平均レベルでープレーして必要な技を揃えてラスボスを倒したとき、めちゃくちゃ楽だったのを思い出す。)
麻雀をしながら、プレイステーションやセガサターンの話も出た。
私はプレステ所持、H君はサターン所持。
他の3人は両機所持のお金持ちだ。
皆、「セガサターン、強いよなぁ」「圧倒的じゃないかな?」等と言っていた。
次世代ゲーム機で1番売れているのはセガサターン、今後も売れるのはセガサターンという、そこにいた5人の認識だった。
事実、セガサターンは『バーチャファイター2』に続き『バーチャコップ』『セガラリーチャンピオンシップ』『真・女神転生デビルサマナー 』等が発売され、勢いに乗っていた。
売上本数100万本を超えたのは『バーチャファイター2』だけだったものの、1年前に『バーチャファイター』でスタートダッシュしたゲーム機である。
予告どおり『バーチャファイター2』を発売、さらに勢いよく売れた。
ゲーム業界新規参入メーカーと格の違い・経験の差を見せつけた。
ついにSEGAの家庭用ゲーム機が、家庭用ゲーム機シェアのトップになるだろう.....少なくとも徹夜麻雀をしていた仲間たちは、そう思っていた。
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阪神淡路大震災、地下鉄サリン事件、金融機関が次々破綻等、大きな出来事が目まぐるしく駆け巡った1995年も終わろうとしていた。
1996年。
「FFⅦ 始動」
と、いうテロップと共に開発中の『ファイナルファンタジーⅦ』の画面映るCMが流れた。
人気シリーズの新作。3Dの画面で、3Dのキャラを動かすようだ。
「えっ⁉︎FFがプレイステーションで?」
困惑する私。
「何でFFがプレイステーションなんだよ‼︎ちくしょう‼︎セガサターンじゃできねぇ‼︎」
ブチ切れるH君。
続く。
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