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泌尿器の構造と機能 /動物形態機能学【愛玩動物看護師国家試験対策・例題演習】

今回の問題

泌尿器に関する記述として最も適切なものを選びなさい。
① 腎臓からはアンジオテンシンⅠが分泌される
② 腎臓からはアルドステロンが分泌される
③ 腎臓の髄質には腎小体、曲尿細管、集合管があり、皮質には直尿細管、集合管が存在する。
④ 膀胱の上皮は主に重層扁平上皮からなる
⑤ ネフロンは1個の糸球体とそれに続く尿細管で構成される

ポイント

ホルモン分泌について

  • 腎臓から分泌される主なホルモンとしては、エリスロポエチン (EPO) やレニン(レニンは酵素だがホルモン様作用を考慮)が挙げられる。

  • アンジオテンシンⅠは肝臓由来のアンジオテンシノーゲンがレニン作用で変換されて生じるもので、腎臓自体が直接分泌するわけではない。

  • アルドステロンは副腎皮質から分泌される。

レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系の作用機序はこんな感じです

腎臓の構造

  • 皮質(腎臓の辺縁部)には、糸球体(ボーマン嚢を含む腎小体)や曲尿細管 (近位・遠位) が存在する。

  • 髄質(腎臓の中心部)には、ヘンレ係蹄(直尿細管)および集合管が存在する。

  • ネフロンは「1個の糸球体+ボーマン嚢+それに続く尿細管系(近位曲尿細管、ヘンレ係蹄、遠位曲尿細管)」からなる機能的単位である。

ネフロンのイメージ

膀胱上皮

  • 膀胱上皮は主として移行上皮からなる。

問題解説

選択肢を検証すると以下のようになります。

①「腎臓からアンジオテンシンⅠが分泌」:
アンジオテンシンⅠは腎臓そのものではなく、レニンが肝臓産生のアンジオテンシノーゲンを変換して生成される。直接「分泌」されるわけではないため不適切。

②「腎臓からアルドステロンが分泌」:
アルドステロンは副腎皮質由来であり、腎臓ではないため不適切

③「腎臓の髄質には腎小体、曲尿細管、集合管があり、皮質には直尿細管、集合管が存在する」:
腎小体は皮質に存在し、髄質には直尿細管(ヘンレ係蹄)、集合管が分布する。記述が逆不適切

④「膀胱の上皮は主に重層扁平上皮」:
膀胱は移行上皮(移行上皮は伸縮に対応できる特殊な上皮)であり、重層扁平上皮ではないため不適切

⑤「ネフロンは1個の糸球体とそれに続く尿細管で構成される」:
一般的なネフロンの定義に合致し、正しい。

よって正解は⑤となります。

これだけ暗記!

泌尿器系の構造

練習問題ファイル

以下↓は↑の解答解説

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